
弁護士、裁判官、検事。
ニュースやドラマで聞いたことはあっても、
「それぞれ何がちがうの?」「裁判では何をしているの?」
と聞かれると、はっきり答えるのは意外とむずかしいものです。
裁判は、だれかを一方的に裁く場ではありません。
法律という共通のルールを使って、
ちがう立場の意見を整理し、社会としての答えを出す場所です。
この記事では、
弁護士・裁判官・検事の役割やちがい、
裁判のしくみ、
そして正しく判断するとはどういうことかを、
小中学生にもわかる言葉で整理していきます。
- 法律の仕事とは何か|社会にルールが必要な理由
- 裁判とは何か|トラブルを解決するしくみ
- 民事裁判とは何か|お金や約束をめぐる裁判
- 刑事裁判とは何か|罪を裁く裁判
- 裁判の流れをやさしく解説|事件から判決まで
- 弁護士とは何をする人か|依頼者を守る仕事
- 検事(検察官)とは何をする人か|犯罪を調べ訴える仕事
- 裁判官とは何をする人か|公平に判断する仕事
- 弁護士・検事・裁判官のちがい|三つの仕事を比べてみよう
- 法律の仕事の一日|弁護士・検事・裁判官の働き方
- 弁護士・検事・裁判官になるには|学びと進路
- ニュースで見る裁判を読み解く力|社会科としての裁判
- 法律とわたしたちのくらし|身近な問題を法律で考える
- 裁判員裁判とは何か|市民が参加する裁判のしくみ
- テミスとは何か|裁判所に立つ女神が表す意味
- 自由研究に使えるテーマ例|弁護士・裁判官・検事と裁判のしくみ
- おさらいクイズ|弁護士・裁判官・検事と裁判のしくみ
- まとめ
法律の仕事とは何か|社会にルールが必要な理由
わたしたちの社会には、たくさんの「ルール」があります。
信号を守る、約束を守る、人を傷つけてはいけない――こうした決まりごとがあるから、知らない人どうしでも安心して暮らすことができます。
法律の仕事とは、この社会のルールをもとに、人と人の間で起きるトラブルを整理し、公平に解決へ導く仕事です。
法律は何のためにあるのか
法律は、「だれかを罰するため」だけにあるものではありません。
本当の目的は、みんなが安心して生活できる社会を守ることです。
人はそれぞれ考え方や立場がちがいます。
同じ出来事でも、「自分は悪くない」と感じることはよくあります。
感情だけで決めてしまうと、力の強い人や声の大きい人が有利になってしまいます。
そこで必要になるのが、みんなに共通する基準です。
法律は、個人の気持ちから少し距離を置き、「社会としてどう考えるか」を示すルールなのです。
ルールがない社会で起こること
もし法律やルールがなかったら、社会はどうなるでしょうか。
けんかが起きても、だれが正しいのか決める基準がありません。
約束を破られても、守らせる方法がありません。
その結果、弱い立場の人が泣き寝入りする社会になってしまいます。
つまり、ルールがない社会では
「強い人が勝つ」
「声の大きい人が得をする」
状態になりやすいのです。
法律は、こうした不公平を防ぎ、すべての人を守るためにあります。
正義と公平をどう考えるか
法律の仕事では、「正義」や「公平」という言葉が大切にされます。
正義とは、「こうするのが正しい」と考えることですが、正しさは人によってちがうことがあります。
そこで法律では、だれか一人の考えではなく、社会全体で決めたルールを使って判断します。
また、公平とは、えこひいきせず、同じ条件なら同じように扱うことです。
相手がだれであっても、同じ法律を使って考える――これが法律の仕事の基本的な考え方です。
法律の仕事が社会を支えている
法律の仕事があることで、トラブルが起きても「話を聞いてもらえる場」が用意されます。
感情だけでぶつかるのではなく、事実とルールをもとに考えることができます。
弁護士・検事・裁判官といった法律の仕事をする人たちは、それぞれの立場から、この仕組みを支えています。
法律の仕事は、社会を静かに、しかし確実に支えている存在なのです。
クイズ①
法律が社会に必要とされる一番の理由として、正しいものはどれでしょうか?
- こまかい決まりを増やして人をしばるため
- 力の強い人が有利になる社会をつくるため
- みんなが公平に安心して暮らせるようにするため
正解は 3 です。
👉 法律は、人による判断の差や力関係をできるだけ減らし、公平で安心できる社会を守るために作られています。
裁判とは何か|トラブルを解決するしくみ
人と人との間では、どれだけ気をつけていても意見の食い違いやトラブルが起こります。
「約束を守ってもらえなかった」「お金を返してもらえない」「悪いことをしたのに反省していない」――
こうした問題を、感情だけで決めずに解決するための仕組みが裁判です。
裁判は、だれかを一方的に責める場ではなく、事実とルールを整理して、社会としての答えを出すための場です。
裁判の目的とは何か
裁判の目的は、「勝ち負けを決めること」そのものではありません。
本当の目的は、何が起きたのかを事実にもとづいて整理し、法律という共通のルールを使って、公平な結論を出すことです。
当事者どうしの話し合いでは、自分の立場を強く主張しがちになります。
裁判では、第三者である裁判所が入り、感情から少し距離を置いて判断します。
この「第三者が判断する」という点が、裁判の大きな特徴です。
話し合いと裁判のちがい
話し合いは、当事者どうしが納得すれば解決します。
しかし、意見が平行線のまま進まないことも少なくありません。
裁判では、証拠や証言をもとに、最終的な判断が下されます。
どちらかが完全に納得できない場合もありますが、
「社会としての結論」がはっきり示される点が大きなちがいです。
話し合いは「合意」がゴール、
裁判は「法律にもとづく判断」がゴールだと言えます。
裁判所はどんな役割をもつ場所か
裁判所は、けんかをさばく場所ではありません。
事実を確かめ、法律を当てはめ、公平に判断するための場所です。
感情やうわさではなく、証拠や記録が重視されます。
また、裁判所は「どちらの味方でもない」立場に立ちます。
この中立な立場が守られているからこそ、
人びとは裁判の結果を社会の判断として受け止めることができます。
裁判があることで社会はどうなるか
裁判という仕組みがあることで、人は
「もし問題が起きても、話を聞いてもらえる場がある」
と感じることができます。
自分で仕返しをするのではなく、ルールにまかせて解決する道があること。
これが、社会の安心につながっています。
クイズ②
裁判の一番大きな特徴として、正しいものはどれでしょうか?
- 当事者の感情を一番大切にして決める
- 声の大きい人の意見が通りやすい
- 第三者が法律にもとづいて公平に判断する
正解は 3 です。
👉 裁判では、当事者ではない第三者が、事実と法律をもとに公平な判断を行います。
民事裁判とは何か|お金や約束をめぐる裁判
民事裁判は、人と人との間で起きたトラブルを解決するための裁判です。
けがをさせてしまった、約束を守らなかった、お金を返してもらえないなど、私たちの身近な生活に関わる問題が多くあつかわれます。
民事裁判の目的は、だれかを罰することではなく、
トラブルを法律のルールで整理し、公平な解決を図ることです。
民事裁判であつかわれる問題
民事裁判で中心になるのは、
「どちらの言い分が法律に合っているか」
「どうすれば問題が解決するか」
という点です。
たとえば、次のような問題が民事裁判であつかわれます。
・貸したお金を返してもらえない
・買った物がこわれていたのに、取りかえてもらえない
・約束した仕事をしてもらえなかった
これらは、日常生活の中でだれにでも起こりうるトラブルです。
身近な民事トラブルの例
たとえば、AさんがBさんにお金を貸し、
「来月までに返す」という約束をしたとします。
しかし、Bさんが約束を守らず、何度言っても返してくれなかった場合、Aさんは困ってしまいます。
話し合いで解決できればよいですが、それができないとき、
民事裁判という仕組みを使って、第三者に判断してもらうことができます。
ここでは、
・本当にお金を貸したのか
・返す約束があったのか
といった事実が、証拠をもとに確かめられます。
民事裁判では何が決まるのか
民事裁判では、「どちらが悪いか」だけが問題になるわけではありません。
それよりも、「どうすれば公平な解決になるか」が重視されます。
お金を返すよう命じる、
損をした分を支払うよう求めるなど、
問題を元の状態に近づける判断が出されることが多いのが特徴です。
民事裁判は、こわれた約束や関係を、法律を使って整え直すための裁判だと言えます。
民事裁判がある意味
民事裁判があることで、人は
「約束には意味がある」
「守られなかったときは助けてもらえる」
と感じることができます。
この安心感が、人と人との信頼を支え、社会を成り立たせています。
クイズ③
民事裁判について、正しい説明はどれでしょうか?
- 犯罪をした人を罰するための裁判
- 国が人を処罰するための裁判
- 人と人とのトラブルを解決するための裁判
正解は 3 です。
👉 民事裁判は、お金や約束など、人と人との間の問題を法律にもとづいて解決するための裁判です。
刑事裁判とは何か|罪を裁く裁判
刑事裁判は、社会のルールを大きく破る行為があったときに行われる裁判です。
人を傷つけた、物を盗んだ、だましてお金を取ったなど、法律で「犯罪」とされる行為があつかわれます。
民事裁判が人と人とのトラブルを整理する裁判だったのに対し、
刑事裁判は「その行為が社会として許されない罪に当たるのか」を判断する裁判です。
刑事裁判の目的
刑事裁判の目的は、だれかを感情的に罰することではありません。
何が起きたのかを事実にもとづいて明らかにし、
その行為が法律で定められた罪に当たるのかを判断することです。
もし犯罪が正しく裁かれなければ、
「悪いことをしても大丈夫」という考えが広がってしまいます。
刑事裁判は、社会のルールを守るための重要な役割を担っています。
事件と犯罪のちがい
すべての出来事が、すぐに犯罪になるわけではありません。
事件とは、「何か問題が起きた出来事」を広く指す言葉です。
その中で、
・法律に書かれている犯罪に当たるか
・わざとなのか、事故なのか
といった点が調べられ、罪に当たると判断されたものが刑事裁判の対象になります。
刑事裁判では、「本当に罪と言えるのか」を慎重に考えます。
刑事裁判では何が問われるのか
刑事裁判で一番大切にされるのは、
「その人が本当に罪を犯したのかどうか」です。
うわさや思いこみではなく、
証拠や証言にもとづいて判断されます。
また、罪に当たると判断された場合には、
どれくらいの責任を負うべきかも考えられます。
ここでは、被害を受けた人の気持ちだけでなく、
社会全体への影響もふまえて判断が行われます。
刑事裁判が社会にとって必要な理由
刑事裁判があることで、人は
「ルールを破れば、きちんと調べられ、判断される」
と感じることができます。
この仕組みがあるからこそ、
人びとは安心して暮らし、社会のルールを守ろうとします。
刑事裁判は、社会の安全を支えるための裁判なのです。
クイズ④
刑事裁判について、正しい説明はどれでしょうか?
- 人と人との約束を守らせるための裁判
- 社会のルールを大きく破った行為が罪かどうかを判断する裁判
- だれが一番困っているかを話し合う裁判
正解は 2 です。
👉 刑事裁判では、行為が犯罪に当たるかどうかを法律にもとづいて判断し、社会のルールを守ります。
裁判の流れをやさしく解説|事件から判決まで
裁判は、いきなり法廷で話し合いが始まるわけではありません。
問題が起きてから判決が出るまでには、決まった順番と手続きがあります。
この流れを知ることで、裁判が感情ではなく、理由とルールで進んでいることが分かります。
裁判はどのように始まるのか
裁判は、「法律で解決してほしい」という正式な申し出から始まります。
民事裁判では、困っている人が裁判所に訴えを起こします。
刑事裁判では、検事が「この行為は罪に当たる」として裁判を起こします。
つまり、裁判は自然に始まるものではなく、
だれかが責任をもって求めたときに動き出す仕組みです。
証拠と証言の役割
裁判で最も大切なのが、証拠と証言です。
証拠とは、事実を確かめるための材料で、書類、写真、記録、物などがあります。
証言は、出来事を見たり聞いたりした人が、その内容を言葉で伝えるものです。
裁判では、「言った・言わない」だけで判断しません。
証拠と証言を組み合わせて、何が本当に起きたのかを考えます。
感情よりも、事実が重視される理由がここにあります。
法廷で行われていること
法廷では、弁護士や検事が、それぞれの立場から意見を述べます。
その際、「なぜそう言えるのか」を、証拠とともに説明します。
裁判官は、それらの話を聞きながら、
・事実は何か
・どこが争点なのか
を整理していきます。
声の大きさや印象ではなく、理由が通っているかどうかが大切にされます。
判決はどのように決められるのか
判決は、その場の雰囲気で決まるものではありません。
これまでに出された証拠や説明をもとに、法律に照らして慎重に考えられます。
「何が事実だったのか」
「どの法律が当てはまるのか」
この二つを一つずつ確認しながら、結論が出されます。
時間をかけて判断するのは、公平さを守るためです。
裁判の流れが決まっている意味
裁判の流れが細かく決められているのは、
だれかが一方的に不利にならないようにするためです。
順番や手続きを守ることで、
「きちんと話を聞いてもらえた」
「理由をもとに判断された」
と感じられる裁判になります。
この流れそのものが、裁判への信頼を支えています。
クイズ⑤
裁判の流れについて、正しいものはどれでしょうか?
- 感情を優先して、その場で早く決める
- 声の大きい意見を中心に話し合う
- 証拠と法律にもとづいて、決まった順番で判断する
正解は 3 です。
👉 裁判は、証拠と法律をもとに、決められた流れで公平に判断する仕組みです。
弁護士とは何をする人か|依頼者を守る仕事
弁護士は、法律の知識を使って、困っている人の立場や権利を守る仕事です。
トラブルにあった人、訴えられた人、不安を抱えている人の話を聞き、その人の代わりに法律の言葉で考え、行動します。
弁護士は「正しい人だけの味方」ではなく、「依頼した人の立場を法律の中で守る役割」を担っています。
弁護士はだれの味方なのか
弁護士は、依頼した人の味方になります。
これは、どんな行動でも正当化するという意味ではありません。
法律の中で、その人の主張がどこまで認められるのかを整理し、公平な判断がされるように支える仕事です。
たとえ悪いことをしたと疑われている人であっても、
きちんと話を聞いてもらい、事実にもとづいて判断される必要があります。
弁護士は、そのための支えになります。
法廷の中での弁護士の仕事
裁判が行われるとき、弁護士は法廷で依頼者の考えを説明します。
「何が起きたのか」
「なぜそう言えるのか」
を、証拠とともに整理して伝えます。
感情的に訴えるのではなく、法律のルールに合っているかどうかが重視されます。
弁護士は、事実と法律を結びつけて話す役割を持っています。
法廷の外で活躍する弁護士
弁護士の仕事は、裁判だけではありません。
裁判になる前に話し合いをまとめたり、契約書を確認したり、トラブルを防ぐための助言をしたりもします。
問題が大きくなる前に解決することも、弁護士の大切な役割です。
弁護士は「争いを起こす人」ではなく、「争いを整理する人」だと言えます。
弁護士が社会で果たしている役割
弁護士がいることで、人は
「一人で立ち向かわなくていい」
と感じることができます。
法律はむずかしく感じがちですが、弁護士が間に入ることで、
社会のルールを使った解決が可能になります。
弁護士は、法律と人をつなぐ存在として、社会を支えています。
クイズ⑥
弁護士の仕事について、正しいものはどれでしょうか?
- 最終的な判決を下す仕事
- 依頼した人の立場を法律にもとづいて守る仕事
- 社会の代表として犯罪をうったえる仕事
正解は 2 です。
👉 弁護士は、依頼者の立場を法律のルールに当てはめて整理し、公平な判断がされるよう支える役割を担っています。
検事(検察官)とは何をする人か|犯罪を調べ訴える仕事
検事(検察官)は、犯罪のうたがいがある出来事について調べ、
その行為が法律で「罪」に当たるのかを判断し、裁判で主張する仕事です。
特定の人の味方になるのではなく、社会の代表として事実を明らかにする立場にあります。
検事の役割と立場
検事の役割は、「罪を決めつけること」ではありません。
集められた証拠をもとに、
・本当に犯罪があったのか
・裁判で判断する必要があるのか
を法律にもとづいて考えます。
そのため、証拠が足りない場合や、罪に当たらないと判断した場合には、
裁判を起こさないこともあります。
検事は、事実と法律の両方に責任を持つ立場なのです。
警察と検事のちがい
警察は、事件が起きた現場で調査を行い、証拠を集める役割を担っています。
一方、検事は、その資料を読み、
「法律の視点でどう判断するか」を考える役割を担います。
警察が「調べる役割」、
検事が「法律で判断する役割」と考えると、ちがいが分かりやすくなります。
役割が分かれていることで、判断の公平さが保たれています。
裁判で検事がすること
裁判では、検事は
「なぜこの行為が犯罪だと考えられるのか」
を、証拠とともに説明します。
感情的に非難するのではなく、
どの法律のどの部分に当てはまるのかを、理由をつけて示します。
検事の仕事は、社会として納得できる説明を行うことです。
検事が社会に必要な理由
もし検事がいなければ、
犯罪かどうかの判断が人によってばらばらになってしまいます。
検事が法律にもとづいて判断を行うことで、
同じような行為は同じように扱われます。
これは、社会の公平さと信頼を守ることにつながっています。
検事は、目立たなくても社会の土台を支える重要な仕事をしています。
クイズ⑦
検事(検察官)の仕事について、正しいものはどれでしょうか?
- すべての事件を必ず裁判にかける仕事
- 社会の代表として、犯罪かどうかを法律で判断し主張する仕事
- 被害者の気持ちだけで罪を決める仕事
正解は 2 です。
👉 検事は、証拠と法律にもとづいて、社会としてどう判断するかを裁判で示す役割を担っています。
裁判官とは何をする人か|公平に判断する仕事
裁判官は、裁判の中で最終的な判断を下す役割を担っています。
弁護士や検事が出した意見や証拠を整理し、法律にもとづいて「どう判断するのが公平か」を考えます。
裁判官は、だれかの味方になるのではなく、法律と事実だけを基準に結論を出す立場にあります。
裁判官の役割
裁判官の仕事は、話を聞くだけではありません。
裁判で示された証拠や主張を一つずつ確認し、
・何が事実として認められるのか
・どこが争われている点なのか
を整理します。
そのうえで、どの法律を当てはめるべきかを考え、結論を出します。
この判断が、判決として示されます。
裁判官は何を基準に判断するのか
裁判官は、自分の考えや気持ちで判断することはできません。
判断の基準になるのは、法律と、裁判で明らかになった事実です。
たとえ個人的に「かわいそうだ」と感じても、
法律に合わなければ、その気持ちだけで結論を変えることはできません。
感情と判断を切り分けることが、裁判官には強く求められます。
公平さを保つための工夫
裁判官が公平に判断するためには、いくつもの工夫があります。
すべての意見を同じように聞き、
同じ基準で証拠を確認し、
だれが相手であっても同じ法律を使います。
有名な人でも、力のある人でも、特別あつかいはされません。
この姿勢があるからこそ、裁判は社会から信頼されています。
裁判官が社会で果たしている役割
裁判官がいることで、人びとは
「最終的には公平に決めてもらえる」
と感じることができます。
自分で仕返しをするのではなく、
法律にまかせて解決する選択ができる社会。
裁判官は、その中心で社会の公平さを支えています。
クイズ⑧
裁判官の仕事について、正しいものはどれでしょうか?
- 弁護士や検事の意見のうち強い方を選ぶ仕事
- 法律と事実にもとづいて公平に判断する仕事
- 自分の考えや感情で結論を決める仕事
正解は 2 です。
👉 裁判官は、だれの味方にもならず、法律と事実を基準にして判断する役割を担っています。
弁護士・検事・裁判官のちがい|三つの仕事を比べてみよう
裁判には、弁護士・検事・裁判官という三つの法律の仕事が関わっています。
同じ法廷に立っていても、それぞれの立場や役割は大きく異なります。
ここでは、この三つの仕事のちがいと、なぜ分かれているのかを整理して考えます。
それぞれの立場と役割
弁護士は、依頼した人の立場を守る役割を担います。
困っている人や訴えられた人の考えを整理し、法律の言葉で伝えます。
検事は、社会の代表として事実を明らかにする役割を担います。
犯罪のうたがいがある行為について、証拠をもとに法律で判断し、裁判で主張します。
裁判官は、どちらの味方にもならず判断する役割を担います。
弁護士と検事の主張を聞き、法律と事実にもとづいて結論を出します。
だれが一番えらい仕事なのか
弁護士・検事・裁判官の中に、
「だれが一番えらい」という上下関係はありません。
役割が違うだけで、立場の強さを競っているわけではないのです。
もし一つの立場だけが強すぎると、裁判は公平に成り立ちません。
三つの仕事は、それぞれが必要な役割を分担しています。
なぜ役割が分かれているのか
裁判で公平な判断を行うためには、
・主張する立場
・判断する立場
を分ける必要があります。
弁護士と検事がそれぞれの立場から意見を出し、
裁判官がそれを整理して判断する。
この仕組みがあるからこそ、一方的な結論を防ぐことができます。
三つの仕事がそろう意味
弁護士・検事・裁判官は、
それぞれ別の方向から同じ目的に向かっています。
それは、「法律を使って社会の問題を公平に解決すること」です。
役割が分かれていること自体が、
裁判の信頼性を支える大切な仕組みになっています。
クイズ⑨
弁護士・検事・裁判官の関係について、正しいものはどれでしょうか?
- 裁判官が一番えらく、他の二つはその指示に従う
- 三つの仕事は上下関係ではなく、役割が分かれている
- 弁護士と検事は同じ立場で働いている
正解は 2 です。
👉 弁護士・検事・裁判官は上下関係ではなく、それぞれ異なる役割を担い、裁判の公平さを支えています。
法律の仕事の一日|弁護士・検事・裁判官の働き方
法律の仕事というと、法廷で話している場面を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、弁護士・検事・裁判官の仕事は、法廷の外で行われる時間のほうがずっと長いのが特徴です。
ここでは、それぞれの一日の働き方から、仕事の実際を見ていきます。
弁護士の一日
弁護士の仕事は、人の話を聞くことから始まります。
相談に来た人の話を整理し、
「何が問題なのか」
「法律ではどう考えられるのか」
を一緒に考えます。
その後、必要な資料を集めたり、書類を作ったり、証拠を確認したりします。
裁判がある日は法廷に行きますが、裁判がない日も準備や打ち合わせで一日が終わります。
弁護士の一日は、人の話を法律の言葉に置きかえる時間でできています。
検事の一日
検事の一日は、事件の記録を読むことから始まることが多くあります。
警察が集めた資料を確認し、
「事実は何か」
「法律に当てはまるのか」
を一つずつ考えます。
必要があれば、自分で追加の調べを行うこともあります。
裁判がある日は法廷で主張を行い、それ以外の日は判断の準備に時間を使います。
検事の仕事は、事実を積み重ねて、社会としての判断を考える仕事です。
裁判官の一日
裁判官の一日は、多くの事件の資料を読むことから始まります。
証拠や主張を整理し、
「どこが争われている点なのか」
「何を判断すべきか」
を考えます。
法廷では話を聞く側に回り、必要な点を確認します。
そして、法廷が終わった後も、判決文を書くために考え続けます。
裁判官の一日は、考える時間がとても長い仕事です。
三つの仕事に共通する大切なこと
弁護士・検事・裁判官は立場はちがいますが、共通している点があります。
それは、感情だけで動かず、理由を大切にすることです。
証拠を確認し、言葉を選び、筋が通っているかを考える。
この積み重ねが、法律の仕事を支えています。
クイズ⑩
法律の仕事の一日について、正しいものはどれでしょうか?
- ほとんどの時間を法廷で過ごしている
- 感情を中心に、その場で判断している
- 法廷の外で準備や考える時間が多い
正解は 3 です。
👉 法律の仕事では、法廷に立つ前後の準備や考える時間がとても重要です。
弁護士・検事・裁判官になるには|学びと進路
弁護士・検事・裁判官は、どれも法律の専門家です。
役割はちがっても、「法律を正しく理解し、使って考える力」が共通して求められます。
ここでは、この三つの仕事に就くまでの学びと進路を整理します。
三つの仕事に共通する学び
弁護士・検事・裁判官になるためには、まず法律を専門的に学ぶ必要があります。
法律は文章で細かく決められているため、
読み取る力、考える力、理由を説明する力が大切になります。
最初から進路が完全に分かれているわけではなく、
共通の法律の学びを土台にして、それぞれの道へ進んでいきます。
司法試験とは何か
三つの仕事に進むための大きな関門が、司法試験です。
司法試験では、法律の知識を覚えているかだけでなく、
事実を整理し、法律を使って考え、理由を言葉で説明できるかが問われます。
決められた答えを暗記する試験ではなく、
考える力そのものが試される点が特徴です。
なぜ同じ試験を受けるのか
弁護士・検事・裁判官が同じ試験を受けるのは、
裁判の中で共通の考え方を持つためです。
同じ法律を学び、同じ基準で考える力を身につけているからこそ、
裁判では対等に意見を出し合い、公平な判断が成り立ちます。
学びの土台をそろえることが、裁判の信頼を支えています。
法律を学ぶということ
法律を学ぶことは、ルールを覚えることだけではありません。
「なぜこの決まりがあるのか」
「どんな社会を目指しているのか」
を考えることが大切です。
法律の仕事に就く人は、正解を探すだけでなく、
考え続ける姿勢が求められます。
この姿勢が、弁護士・検事・裁判官という仕事の土台になります。
クイズ⑪
弁護士・検事・裁判官になる道について、正しいものはどれでしょうか?
- それぞれ最初から別々の勉強をする
- 法律は覚えるだけで考える必要はない
- 共通の法律の学びを土台にして進路が分かれる
正解は 3 です。
👉 弁護士・検事・裁判官は、同じ法律の学びを基礎にして、それぞれの役割へ進みます。
ニュースで見る裁判を読み解く力|社会科としての裁判
ニュースでは、裁判に関する話題がよく取り上げられます。
有名な事件や大きな判決が報道されると、
「むずかしそう」「大人の話」と感じてしまうかもしれません。
けれども、裁判のニュースは、社会のルールや考え方を学ぶための大切な教材でもあります。
ニュースに出る裁判は何を伝えているのか
ニュースで伝えられる裁判は、
「有罪か無罪か」
「どんな判決が出たか」
といった結果が目立ちがちです。
しかし、本当に注目したいのは、
・どんな事実があったのか
・どんな法律が使われたのか
・なぜその判断になったのか
という考え方の部分です。
裁判のニュースは、社会がその出来事をどう考えたのかを伝えています。
事実と意見を分けて考える
裁判のニュースを読むときに大切なのは、
事実と意見を分けて考えることです。
事実とは、証拠などで確かめられた出来事のことです。
意見とは、それについてどう思うか、どう感じるかという考えです。
ニュースには、記者の説明や世の中の声も含まれます。
それらをそのまま受け取るのではなく、
「これは事実か、それとも意見か」
と考えることが、裁判を正しく理解する第一歩になります。
感情だけで判断しないという視点
裁判のニュースを見ると、
「かわいそう」
「ひどい」
「許せない」
と強く感じることがあります。
その気持ちは自然なものですが、裁判では感情だけで結論を出すことはできません。
裁判は、事実と法律にもとづいて判断します。
この考え方を知ることで、
感情と判断を分けて考える力が身につきます。
裁判を学ぶことが社会理解につながる理由
裁判を学ぶことは、特別な人のためだけのものではありません。
ちがう意見が出たときにどう整理するか、
ルールをどう使うかを知ることは、日常生活にも役立ちます。
ニュースの裁判を読み解く力は、
社会の出来事を落ち着いて考える力につながっています。
クイズ⑫
裁判のニュースを見るときの考え方として、正しいものはどれでしょうか?
- 結果だけを見て、理由は考えなくてよい
- 感情を一番大切にして判断する
- 事実と意見を分けて、理由に注目する
正解は 3 です。
👉 裁判のニュースでは、事実と意見を分け、なぜその判断になったのかを考えることが大切です。
法律とわたしたちのくらし|身近な問題を法律で考える
法律は、裁判所やニュースの中だけにある特別なものではありません。
わたしたちの毎日の生活の中にも、法律は深く関わっています。
ふだんは意識しなくても、法律は人と人が安心して暮らすための土台になっています。
身の回りにある法律とルール
学校の決まり、交通ルール、買い物の約束ごとなど、社会には多くのルールがあります。
その中には、法律として国が定めているものもあれば、
みんなで守る約束として成り立っているものもあります。
法律の特徴は、
「守られなかったときに、どう対応するか」
まで決められている点です。
この仕組みがあることで、トラブルが起きても整理して解決することができます。
身近なトラブルを法律で考えてみる
たとえば、
・物をこわしてしまった
・約束が守られなかった
・意見が食いちがった
といった場面では、感情だけで判断すると問題が大きくなりがちです。
法律で考えるとは、
「何が起きたのか」
「どんなルールや約束があったのか」
を一つずつ整理することです。
この考え方は、裁判だけでなく、話し合いの場面でも役立ちます。
正義は一つだけではない
法律を学ぶと、「正義は一つだけとは限らない」ことが見えてきます。
同じ出来事でも、立場がちがえば見え方は変わります。
だからこそ法律では、
個人の気持ちだけでなく、
社会全体としてどう考えるかを大切にします。
この視点を持つことで、
相手の考えを理解しようとする姿勢が生まれます。
法律がくらしを支えている理由
法律があることで、人は
「もし問題が起きても、きちんと話を聞いてもらえる」
と感じることができます。
自分で仕返しをするのではなく、
ルールにまかせて解決できる社会。
法律は、トラブルが起きたときの最後のよりどころとして、
わたしたちのくらしを静かに支えています。
クイズ⑬
法律とわたしたちのくらしについて、正しい考え方はどれでしょうか?
- 法律は裁判のときだけ関係するもの
- 感情で決めたほうが早いので、法律は必要ない
- 身近なトラブルを整理し、安心して暮らすために役立っている
正解は 3 です。
👉 法律は、日常生活の中で起こる問題を整理し、安心して暮らすための大切な仕組みです。
裁判員裁判とは何か|市民が参加する裁判のしくみ
日本では、裁判官だけでなく、ふつうの市民が裁判に参加する裁判があります。
それが「裁判員裁判」です。
裁判員裁判は、法律の専門家だけでなく、社会で生活する人の感覚も大切にしながら判断するためにつくられました。
裁判員裁判はどんな裁判か
裁判員裁判は、重大な刑事事件で行われます。
裁判官に加えて、選ばれた市民が「裁判員」として裁判に参加し、
・事実をどう見るか
・どんな判断が妥当か
を一緒に考えます。
裁判員は、特別な法律の知識を持っている必要はありません。
市民としての感覚や考えを持ち寄ることが期待されています。
裁判員は何をするのか
裁判員は、法廷で行われる裁判に出席し、
証拠や証言を見聞きします。
そのうえで、裁判官と話し合いながら、
「本当に罪があったのか」
「どんな責任を負うべきか」
を考えます。
一人で決めるのではなく、
裁判官と意見を出し合いながら判断する点が特徴です。
なぜ市民が裁判に参加するのか
裁判員裁判がつくられた理由の一つは、
裁判を社会に近いものにするためです。
法律の専門家だけで判断すると、
どうしても専門的な考え方にかたよりがちになります。
そこに、市民の視点が加わることで、
社会の常識や生活感覚が反映されやすくなります。
これは、裁判への信頼を高めることにもつながっています。
裁判員裁判と裁判官の役割のちがい
裁判員裁判でも、裁判官の役割がなくなるわけではありません。
裁判官は、法律の考え方や手続きについて説明し、
話し合いが正しく進むよう支えます。
裁判員は、
「事実をどう受け止めるか」
「社会としてどう考えるか」
という視点を持ち込みます。
それぞれの役割が合わさることで、
より多角的な判断が行われます。
裁判員裁判が持つ意味
裁判員裁判は、
裁判を「遠い世界の出来事」ではなく、
社会全体の問題として考えるきっかけを与えてくれます。
裁判に市民が関わることで、
法律や裁判が、私たちの暮らしとつながっていることがはっきり見えてきます。
クイズ⑭
裁判員裁判について、正しい説明はどれでしょうか?
- 裁判官だけで行われ、市民は参加しない
- 市民が一人で裁判の結論を決める
- 裁判官と市民が一緒に事実や判断を考える
正解は 3 です。
👉 裁判員裁判では、裁判官と市民が協力して、事実や判断について話し合います。
テミスとは何か|裁判所に立つ女神が表す意味
裁判所や法廷の前で、目隠しをして天びんと剣を持つ女性の像を見たことはありませんか。
この像は、裁判や法律の考え方を象徴する存在として知られています。
その名は テミス。
テミスは法律そのものではなく、「正しく判断するとはどういうことか」を表した象徴です。
テミスとはどんな存在か
テミスは、古代ギリシャで「秩序」や「正義」を表す女神として考えられてきました。
人の感情や都合ではなく、社会全体のルールやバランスを大切にする存在です。
裁判所にテミスの像が置かれているのは、
「人が人を裁くとき、どんな姿勢で向き合うべきか」
を常に思い出すためです。
目隠しが表している意味
テミスの目隠しは、「何も見ていない」という意味ではありません。
これは、相手の身分や立場、見た目に左右されずに判断することを表しています。
有名な人でも、力のある人でも、
同じルールで考える。
この「えこひいきをしない姿勢」が、目隠しによって表されています。
天びんが表している意味
テミスが持つ天びんは、「比べて考えること」を意味します。
一方の話だけを聞くのではなく、
それぞれの主張や証拠を並べて、重さを確かめるという考え方です。
これは、
弁護士と検事の主張を聞き、
裁判官が判断する裁判の姿そのものだと言えます。
剣が表している意味
テミスの持つ剣は、「決断」を表しています。
どれだけ話し合い、考えたとしても、
最後には結論を出さなければなりません。
法律の判断では、
「ここまでが許される」
「ここからは許されない」
という線を引く必要があります。
その覚悟と責任が、剣によって表されています。
なぜ裁判所にテミスが置かれているのか
テミスの像は、裁判官だけに向けられたものではありません。
法律に関わるすべての人に対して、
「感情ではなく理由で考える」
「公平さを忘れない」
というメッセージを伝えています。
テミスは、裁判の正しさそのものではなく、
正しく判断しようとする姿勢を象徴しているのです。
クイズ⑮
テミスが目隠し・天びん・剣を持っている理由として、正しいものはどれでしょうか?
- 見た目をかっこよくするため
- 強い人が勝つ社会を表すため
- 立場に左右されず、比べて考え、責任をもって判断するため
正解は 3 です。
👉 テミスの持ち物は、公平に考え、理由を比べ、最後まで責任をもって決断する姿勢を表しています。
自由研究に使えるテーマ例|弁護士・裁判官・検事と裁判のしくみ
ここからは、自由研究に使える内容です。
小学校中学年〜中学生向けに、調べやすく、まとめやすいテーマを紹介します。
社会科だけでなく、国語・思考力ともつながる研究にすることができます。
テーマ① 弁護士・検事・裁判官の仕事のちがいを調べてみよう
調べるポイント
・弁護士はだれの立場で仕事をしているのか
・検事は何を調べ、何を判断しているのか
・裁判官はどんな基準で結論を出しているのか
・三つの仕事は裁判の中でどう関わっているのか
まとめ方の例
・三つの仕事を表にして役割を整理する
・裁判の流れの中で、それぞれの仕事の位置を図にする
・一つでも欠けたら裁判はどうなるかを考えて書く
👉 社会科(公民)+情報整理力を使う自由研究になります。
テーマ② 裁判はどんな流れで進むのかを調べてみよう
調べるポイント
・裁判はどこから始まるのか
・証拠や証言はどんな役割を持つのか
・だれが、どの場面で判断しているのか
まとめ方の例
・裁判の流れを順番に図や矢印でまとめる
・民事裁判と刑事裁判の流れを比べる
・ニュースで見た裁判を流れに当てはめてみる
👉 理解力と説明する力が伸びる研究です。
テーマ③ 裁判員裁判で市民はどんな役割をしているのか調べてみよう
調べるポイント
・裁判員裁判はどんな裁判で行われるのか
・裁判官と裁判員の役割のちがい
・市民が参加する意味は何か
まとめ方の例
・裁判官と裁判員の役割を分けて整理する
・なぜ市民の視点が必要なのか自分の考えを書く
・裁判員裁判があることで変わる点をまとめる
👉 社会のしくみと民主的な考え方につながります。
テーマ④ テミスの像が表している「正しい判断」とは何か考えてみよう
調べるポイント
・テミスの目隠し・天びん・剣の意味
・裁判官の仕事とどうつながっているか
・「公平に判断する」とはどういうことか
まとめ方の例
・持ち物ごとに意味を整理して説明する
・裁判の場面と結びつけて考える
・自分が判断するときに大切にしたいことを書く
👉 歴史・社会・思考力を組み合わせた探究になります。
テーマ⑤ もし法律や裁判がなかったら社会はどうなるか考えてみよう
調べるポイント
・ルールがないと起こりそうな問題
・強い人と弱い人の立場はどうなるか
・裁判があることで防がれていること
まとめ方の例
・「法律がない場合/ある場合」を比べて書く
・身近なトラブルを例にして考える
・法律の役割を自分の言葉でまとめる
👉 想像力と社会を見る目が育つ研究です。
おさらいクイズ|弁護士・裁判官・検事と裁判のしくみ
クイズ①
弁護士の役割として、正しいものはどれでしょうか?
- 社会の代表として犯罪をうったえる
- 最終的な判決を下す
- 依頼した人の立場を法律にもとづいて守る
正解は 3 です。
👉 弁護士は、依頼者の立場を法律のルールに当てはめて整理し、公平な判断がされるよう支えます。
クイズ②
検事(検察官)の仕事について、正しいものはどれでしょうか?
- 社会の代表として、犯罪かどうかを法律で判断し主張する
- 被害者の気持ちだけで罪を決める
- すべての事件を必ず裁判にかける
正解は 1 です。
👉 検事は、証拠と法律にもとづいて、社会としてどう判断するかを裁判で示します。
クイズ③
裁判官の判断の基準として、正しいものはどれでしょうか?
- 世の中の人気や感情
- 法律と、裁判で明らかになった事実
- 弁護士の意見だけ
正解は 2 です。
👉 裁判官は、だれの味方にもならず、法律と事実を基準に判断します。
クイズ④
民事裁判と刑事裁判のちがいとして、正しいものはどれでしょうか?
- 民事裁判は犯罪をあつかい、刑事裁判は約束を守らせる
- 民事裁判は人と人のトラブル、刑事裁判は犯罪をあつかう
- どちらも同じ内容をあつかっている
正解は 2 です。
👉 民事裁判は身近なトラブル、刑事裁判は社会のルールを大きく破った行為をあつかいます。
クイズ⑤
裁判員裁判について、正しい説明はどれでしょうか?
- 裁判官だけで行われ、市民は参加しない
- 市民が一人で裁判の結論を決める
- 裁判官と市民が一緒に事実や判断を考える
正解は 3 です。
👉 裁判員裁判では、裁判官と市民が協力して、事実や判断について話し合います。
クイズ⑥
テミスの像が表している考え方として、正しいものはどれでしょうか?
- 強い人が勝つ社会
- 立場に左右されず、理由を比べて責任をもって判断する姿勢
- 早く決めることを最優先する考え方
正解は 2 です。
👉 テミスは、公平に考え、理由を比べ、最後まで責任をもって決断する姿勢を象徴しています。
まとめ
弁護士・検事・裁判官は、それぞれ立場や役割はちがいますが、
共通しているのは 法律というルールを使って、社会の問題を整理し、公平な解決を目指している という点です。
弁護士は人の立場を守り、検事は社会の代表として事実を示し、裁判官はその両方を聞いて判断します。
この役割分担があるからこそ、裁判は一方的にならず、信頼できる仕組みとして成り立っています。
また、民事裁判・刑事裁判・裁判員裁判といった制度は、
起きた出来事の性質に応じて、社会としてどのように向き合うかを考えるために用意されています。
そこでは感情だけでなく、事実・理由・ルールをもとに判断する姿勢が大切にされています。
テミスの像が表しているように、
正しく判断するとは「早く決めること」や「強い意見に従うこと」ではありません。
立場に左右されず、理由を比べ、責任をもって結論を出すことです。
法律や裁判を学ぶことは、特別な仕事を知ることではなく、
ちがう意見が出たときにどう考えるか、社会の中でどう判断するかを学ぶことにつながります。
この考え方は、ニュースを読むときや、身近な話し合いの場面でも、きっと役に立つはずです。
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この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。


