
チョコレートを食べたとき、
「どうして手で持つと溶けるんだろう?」
と思ったことはありませんか?
あたたかいココアを作るとき、
「なんでダマになるの?」
と不思議に感じた人もいるかもしれません。
実は、チョコレートもココアも、
どちらも カカオ豆 という同じ原料からできています。
それなのに、形も使い方も、ぜんぜん違いますよね。
この読み物では、
チョコレートとココアのちがいを
理科・社会・生活の視点から、やさしく解き明かしていきます。
さらに、バレンタインデーにチョコレートを贈る理由や、
世界のカカオ農園の話まで、学びを広げていきます。
身近なお菓子のひみつを知ると、
いつものチョコレートが、
少しちがって見えてくるはずです。
チョコレートとは?簡単にわかりやすく解説
チョコレートは、世界中で食べられているとても身近なお菓子です。
スーパーやコンビニに行くと、たくさんの種類のチョコレートが並んでいて、「甘いおやつ」というイメージをもっている人も多いでしょう。
でも、チョコレートはただのお菓子ではありません。
その正体をたどっていくと、植物や科学、さらには世界の人びとの暮らしまでつながる、とても奥の深い食べ物なのです。
ここではまず、「チョコレートとは何か」を、できるだけわかりやすく整理していきます。
チョコレートは何からできている食べ物?
チョコレートのいちばん大切な原料は、カカオ豆です。
カカオ豆は、「カカオの木」という植物の実の中に入っている種(たね)です。
このカカオ豆を発酵させたり、焼いたり、すりつぶしたりして作られたものが、チョコレートのもとになります。
つまりチョコレートは、植物から生まれた食べ物なのです。
砂糖やミルクが入っていることもありますが、
「カカオ豆が使われている」という点が、チョコレートのいちばん大きな特徴です。
チョコレートはお菓子?それとも食品?
チョコレートは、見た目や食べ方から「お菓子」と思われがちです。
たしかに、甘くてデザートとして食べられることが多いですね。
しかし、チョコレートはもともと栄養をふくんだ食品として扱われてきました。
カカオ豆には、体を動かすエネルギーになる成分や、体にうれしい成分がふくまれています。
昔は、今のような甘い板チョコではなく、
苦い飲み物として飲まれていた時代もありました。
このように、チョコレートは
・お菓子としての一面
・食品としての一面
の両方をもつ、少し特別な食べ物なのです。
なぜ子どもから大人まで人気なの?
チョコレートが多くの人に愛されている理由は、一つではありません。
まず一つ目は、味です。
甘さの中に少し苦みがあり、口の中でとろける感じは、ほかのお菓子にはあまり見られません。
次に、気持ちとの関係です。
チョコレートを食べると、ほっとしたり、元気が出たりすると感じる人も多いでしょう。
さらに、行事や文化とも強く結びついています。
バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣は、その代表例です。
「チョコレート」という言葉の意味
「チョコレート」という言葉は、日本語ではなく、外国から伝わってきたものです。
もともとは、カカオを使った飲み物の名前が、形を変えながら世界に広がっていきました。
つまり、チョコレートという言葉そのものにも、長い歴史と文化のつながりがあります。
ココアとは?チョコレートとの違い
チョコレートとよく似た名前の「ココア」。
色も味も似ているため、同じものだと思っている人も多いかもしれません。
でも実は、チョコレートとココアは
原料は同じでも、作り方と役割がはっきり分かれた別の食品です。
ここでは、その違いを順番に見ていきましょう。
ココアの正体は何?
ココアのもとになっているのも、チョコレートと同じ カカオ豆 です。
カカオ豆を発酵・乾燥・焙煎(ばいせん)し、すりつぶすと「カカオマス」になります。
ここからさらに加工して、
脂肪分(カカオバター)をしぼり取ったあとに残る固形部分を粉にしたものが、ココアパウダーです。
つまりココアは、
「チョコレートから油分を減らしたもの」
と考えると、イメージしやすいでしょう。
チョコレートとココアの作り方の違い
チョコレートは、
カカオマスに カカオバター・砂糖・ミルクなどを加えて固めた食品です。
一方、ココアは、
カカオマスから カカオバターを取りのぞき、粉にしたものです。
この違いによって、
- チョコレート → 固まる・溶ける
- ココア → 粉状・飲み物やお菓子に使う
という性質のちがいが生まれます。
なぜココアは飲み物になるの?
ココアは粉なので、
お湯や牛乳に入れて飲み物として使われます。
ただし、前の章で学んだように、
ココアは水に完全に溶けるわけではなく、
細かい粒が液体の中に散らばっている状態です。
ここには、
油と水が混ざりにくいという理科の性質が関係しています。
ココアはチョコレートより体にいい?
「ココアの方が体にいい」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
これは一部では正しく、一部では注意が必要です。
ココアには、
- カカオポリフェノール
- 脂肪分が少ない
といった特徴があります。
一方で、
市販の調整ココアには砂糖が多く入っていることもあります。
つまり、
どんなココアを、どのくらいとるかが大切なのです。
チョコレートとココアは役割がちがう
ここまでを整理すると、
- チョコレート
→ そのまま食べる/固まるお菓子 - ココア
→ 飲む・混ぜる・お菓子作りに使う
というように、
使われ方そのものがちがう食品だと分かります。
同じカカオ豆から生まれていても、
加工のしかたで役割が変わる。
これは、理科や家庭科の学びにもつながる、とても大切なポイントです。
チョコレートとココアはどうやってできる?(カカオ豆からの流れ)
チョコレートやココアは、工場でいきなり作られているわけではありません。
すべては、カカオの木になる実から始まります。
ここでは、カカオ豆がどのような道のりをたどって
チョコレートやココアになるのかを、順番に見ていきましょう。
カカオの実の中にあるカカオ豆
カカオの木には、ラグビーボールのような形の実がなります。
この実の中には、白い果肉に包まれ hookup た カカオ豆 が入っています。
1つの実の中に、
20〜40粒ほどのカカオ豆が入っていることもあります。
このカカオ豆が、
チョコレートとココア、両方のスタート地点です。
発酵(はっこう)で味のもとを作る
収穫したばかりのカカオ豆は、
実はまだチョコレートの味がしません。
そこで行うのが 発酵 です。
カカオ豆を果肉ごと箱やバナナの葉に入れ、数日間置きます。
この発酵によって、
- 苦みや酸味がととのう
- チョコレートらしい香りのもとが生まれる
という、大きな変化が起こります。
乾燥と焙煎(ばいせん)
発酵が終わったカカオ豆は、
天日などでしっかり 乾燥 させます。
その後、工場で 焙煎(ばいせん) されます。
焙煎とは、豆を焼くことです。
これによって、
- 香りが強くなる
- 中までしっかり火が通る
など、食べ物として大切な性質が整います。
すりつぶしてカカオマスになる
焙煎したカカオ豆の皮を取りのぞき、
中身を細かくすりつぶすと、
どろっとした カカオマス になります。
ここがとても重要なポイントです。
- チョコレートも
- ココアも
どちらも、このカカオマスから作られます。
カカオマスからチョコレートとココアに分かれる
ここから先で、道が分かれます。
チョコレートは、
カカオマスに カカオバター・砂糖・ミルク などを加えて、
なめらかに練り、型に流して固めます。
一方、ココアは、
カカオマスから カカオバターをしぼり取り、
残った固形分を細かく粉にします。
このちがいによって、
- 固まるチョコレート
- 粉になるココア
が生まれるのです。
同じ原料でも、工程で別の食品になる
ここまで見てきたように、
チョコレートとココアは、原料は同じでも、
- どこで油分を残すか
- どこで油分を減らすか
によって、まったくちがう食品になります。
これは、
加工のしかたが食品の性質を決める
という、とても大切な学びにつながります。
なぜチョコレートは手で溶けるの?
チョコレートを手に持っていると、
少しずつやわらかくなり、ベタっとしてきます。
これは、チョコレートが弱いからでも、古いからでもありません。
人の体温に近い温度で溶けるように作られている
という、チョコレートならではの性質が関係しています。
チョコレートが溶け始める温度
チョコレートが溶け始めるのは、
だいたい 30℃前後 です。
人の体温は、約 36〜37℃。
そのため、手で持ったり、口の中に入れたりすると、
自然に溶け始めます。
これは偶然ではなく、
「食べたときに一番おいしく感じる温度」 に合わせて作られているからです。
カギはカカオバターの性質
チョコレートが溶ける理由の中心にあるのが、
カカオバター という脂肪分です。
カカオバターには、
- 冷たいと固まる
- あたたかくなると急に溶ける
という特徴があります。
この性質のおかげで、
- 手では溶ける
- 口の中ではなめらかに広がる
という、チョコレート独特の食感が生まれます。
なぜ他のお菓子は手で溶けにくいの?
あめやクッキー、グミなどは、
手で持ってもほとんど溶けません。
それは、これらのお菓子が
- 砂糖
- でんぷん
を主な材料としていて、
カカオバターのような脂肪分を多く含んでいないからです。
脂肪分の種類と量のちがいが、
溶け方のちがいを生んでいます。
理科で学ぶ「融点」という考え方
物質が
固体 → 液体
に変わる温度を、融点(ゆうてん) といいます。
チョコレートは、
この融点が人の体温にとても近い食品です。
ここには、
- 温度
- 物質の性質
という、理科の大切な考え方がしっかり関係しています。
溶けやすさは欠点ではない
チョコレートが溶けやすいと、
「夏は困る」「扱いにくい」と感じることもあります。
しかし、もしチョコレートが溶けなかったら、
- 口の中で広がらない
- なめらかさがなくなる
など、今のおいしさは生まれません。
溶けやすさは、チョコレートのおいしさのひみつ
なのです。
なぜココアは水に溶けにくいの?
ココアをお湯や水に入れると、
粉が浮いたり、ダマになったりすることがあります。
スプーンでかき混ぜても、なかなかきれいに混ざらないこともありますね。
これは、混ぜ方が悪いからではありません。
ココアそのものの性質が関係しています。
ココアは本当に「溶けて」いるの?
砂糖や塩は、水に入れると見えなくなります。
これは、水の中に成分が広がり、完全に溶けている状態です。
一方、ココアはちがいます。
ココアは、
- 細かい粉が
- 液体の中に散らばっている
だけで、成分そのものが水に溶けているわけではありません。
このため、時間がたつと沈んだり、浮いたりします。
油と水は仲が悪い
ココアには、少量ですが
カカオバター(油の成分) が含まれています。
油には、
- 水をはじく
- 水と混ざりにくい
という性質があります。
このため、ココアの粉は水になじまず、
表面に浮いたり、かたまりになったりしてしまうのです。
ダマができる理由
ココアを一気に水へ入れると、
粉の外側だけがぬれて、中まで水が入りません。
すると、
- 外はぬれている
- 中はかわいたまま
という状態のかたまりができ、これが ダマ になります。
これは、ココアだけでなく、
小麦粉や片栗粉などでも起こる現象です。
上手に混ぜるための工夫
ココアをきれいに混ぜるには、
少しずつ、順番に 混ぜることが大切です。
たとえば、
- 少量のお湯で先に練る
- 牛乳など油分を含む液体を使う
- よくかき混ぜてから量を増やす
と、ダマになりにくくなります。
これは、油どうしが先に混ざり、
水ともなじみやすくなるためです。
理科につながるポイント
ココアが溶けにくい理由には、
- 油と水の性質
- 粒の大きさ
- 混ざり方の工夫
といった、理科の学びがそのまま関係しています。
身近な飲み物の中に、
理科の法則がかくれている と考えると、
学ぶことが少し楽しくなりますね。
チョコレートの種類と特徴
お店に並ぶチョコレートを見ると、
色や味、名前のちがうものがたくさんあります。
このちがいは、
カカオの量や材料の組み合わせによって生まれています。
ここでは、代表的なチョコレートの種類と、その特徴を整理します。
ミルクチョコレートの特徴
ミルクチョコレートは、
日本でいちばんよく食べられているタイプです。
主な材料は、
- カカオマス
- カカオバター
- 砂糖
- ミルクの成分
ミルクが加わることで、
- 甘くて食べやすい
- 口あたりがやさしい
という特徴があります。
カカオの苦みが少ないため、
チョコレートが苦手な人や、子どもにも人気があります。
ビターチョコレートの特徴
ビターチョコレートは、
カカオの割合が高い チョコレートです。
ミルクの量が少ない、または入っていないことが多く、
- 苦みがはっきりしている
- カカオの香りが強い
という特徴があります。
カカオが多い分、
ポリフェノールなどの成分も多く含まれており、
大人に好まれることが多いチョコレートです。
ホワイトチョコレートはなぜ白い?
ホワイトチョコレートは、
「本当にチョコレートなの?」
と疑問に思う人もいるかもしれません。
ホワイトチョコレートの特徴は、
- カカオマスを使っていない
- カカオバター・砂糖・ミルクで作られている
という点です。
茶色い色や苦みは、
カカオマスに含まれる成分によるものです。
それを使っていないため、白い色になります。
カカオ◯%表示の意味
最近は、
「カカオ70%」「カカオ85%」
と書かれたチョコレートも多く見かけます。
この数字は、
チョコレート全体の中で、カカオ由来の成分がどれくらい入っているか
を表しています。
数字が高いほど、
- 甘さはひかえめ
- 苦みや香りが強い
という傾向があります。
種類のちがいは好みと目的で選ぶ
チョコレートには、
「どれが正しい」という決まりはありません。
- 甘さを楽しみたい
- カカオの風味を味わいたい
- お菓子作りに使いたい
など、
目的や好みによって選ぶ のが大切です。
同じチョコレートでも、
材料のちがいでこんなに性質が変わることは、
理科や家庭科の学びにもつながります。
ココアの種類と表示の見方
スーパーでココアを見てみると、
「純ココア」「ピュアココア」「ミルクココア」など、
いくつかの名前が並んでいます。
どれも同じココアに見えますが、
中身や使い道にははっきりしたちがいがあります。
この章では、表示の見方とあわせて整理します。
純ココア(ピュアココア)とは
純ココアとは、
カカオ豆から作られたココアパウダーだけでできているものです。
特徴は、
- 砂糖が入っていない
- ミルク成分も入っていない
- にがみが強く、香りがはっきりしている
という点です。
そのまま飲むと苦く感じますが、
砂糖やミルクの量を自分で調整できるため、
- 本格的なココアを楽しみたいとき
- お菓子作りに使うとき
によく使われます。
調整ココア(ミルクココア)とは
調整ココアとは、
ココアパウダーに、砂糖やミルク成分をあらかじめ加えたものです。
特徴は、
- 甘くて飲みやすい
- お湯や牛乳を入れるだけで作れる
- 子どもでも飲みやすい
という点です。
寒い日にすぐ飲める便利さから、
家庭ではこちらを使っていることも多いでしょう。
なぜ「純」と「調整」に分けているの?
この2つが分けられている理由は、
使い道がちがうからです。
- 純ココア
→ 味を自分で決めたい
→ お菓子や料理に使いたい - 調整ココア
→ すぐ飲みたい
→ 甘さを楽しみたい
目的に合わせて選べるよう、
表示で区別されています。
原材料表示を見てみよう
ココアを選ぶときは、
パッケージの 原材料表示 を見るのがおすすめです。
- 「ココアパウダー」だけ → 純ココア
- 「砂糖」「乳成分」などが書かれている → 調整ココア
というように、
表示を読むだけで中身が分かる ようになっています。
これは、家庭科や食育の学びにもつながります。
「ココアは甘い」は思いこみ?
「ココア=甘い飲み物」と思っている人も多いでしょう。
しかし、それは調整ココアを飲むことが多いからです。
本来のココアは、
チョコレートと同じように、
にがみと香りをもつ食品です。
このちがいを知っていると、
自分に合ったココアを選べるようになります。
チョコレートとココアは体にいい?悪い?
チョコレートやココアについて調べていると、
「体にいい」「食べすぎはよくない」
という、正反対の意見を見かけることがあります。
いったい、どちらが本当なのでしょうか。
ここでは、中にふくまれる成分と食べ方に注目して考えていきます。
チョコレートとココアにふくまれる主な成分
チョコレートやココアには、
カカオ豆由来の成分が多くふくまれています。
代表的なものは、
- カカオポリフェノール
- 脂肪分(カカオバター)
- 少量のカフェイン
です。
これらの成分には、
体にとってよいはたらきもあれば、
とりすぎに注意が必要な面もあります。
カカオポリフェノールのはたらき
カカオポリフェノールは、
体の中で サビつきをおさえるはたらき をもつ成分です。
このはたらきによって、
- 体の調子をととのえる
- 集中しやすくなる
といった効果があると考えられています。
特に、
- ビターチョコレート
- 純ココア
には、カカオポリフェノールが多くふくまれています。
カフェインはどれくらい入っている?
チョコレートやココアには、
少量のカフェイン がふくまれています。
量は、
- コーヒー
- エナジードリンク
よりもずっと少ないですが、
たくさん食べたり、夜にとったりすると、
眠れなくなることがあります。
特に子どもは体が小さいため、
量と時間に気をつけることが大切です。
「体にいい」は食べ方しだい
チョコレートやココアは、
食べ方によって体への影響が変わります。
- 少量 → 気分転換やエネルギー補給
- 食べすぎ → カロリーや脂肪のとりすぎ
というように、
量とバランスがとても重要です。
毎日少しずつ楽しむ、
だらだら食べない、
といった工夫がポイントになります。
子どもにとっての上手なつき合い方
大切なのは、
「チョコレート=悪いもの」
と決めつけないことです。
- なぜ体にいいと言われるのか
- なぜ食べすぎるとよくないのか
を知ることで、
自分で考えて選ぶ力が育ちます。
これは、食育や家庭科の学びにもつながります。
チョコレートの産地はどこ?世界のカカオ事情
チョコレートは日本で作られているお菓子ですが、
その原料である カカオ豆 は、日本ではほとんど作られていません。
では、私たちが食べているチョコレートは、
いったい どこから来ている のでしょうか。
ここでは、世界のカカオ産地と、その背景を見ていきます。
カカオが育つ地域の条件
カカオの木は、
どこでも育つわけではありません。
カカオが元気に育つためには、
- 一年中あたたかい
- 雨が多い
- 気温の変化が少ない
といった条件が必要です。
このため、カカオは
赤道の近くの地域で多く作られています。
世界の主なカカオ生産国
世界でカカオ豆を多く生産している国には、
次のような国々があります。
- 西アフリカ(コートジボワール、ガーナなど)
- 南アメリカ(エクアドルなど)
- 東南アジア(インドネシアなど)
特に西アフリカの国々は、
世界のカカオ生産量の多くを支えている地域です。
日本で売られているチョコレートの多くも、
こうした国々のカカオ豆から作られています。
なぜ日本ではカカオが作れないの?
日本は、
四季があり、冬は寒くなります。
この気候は、
一年中あたたかさを必要とするカカオの木にとっては、
とてもきびしい環境です。
そのため日本では、
- カカオ豆を大量に育てることができない
- 原料を海外から輸入する必要がある
という状況になっています。
カカオ豆はどうやって日本に届く?
収穫されたカカオ豆は、
発酵・乾燥されたあと、袋に入れられ、
船などで世界中へ運ばれます。
長い時間をかけて日本に届いたカカオ豆は、
工場で加工され、
チョコレートやココアになります。
一つのチョコレートができるまでには、
多くの国と人が関わっている のです。
社会科につながるポイント
カカオの産地を調べることは、
社会科の学びにもつながります。
- なぜ特定の国でしか作れないのか
- なぜ輸入にたよっているのか
- 世界の国どうしは、どのようにつながっているのか
身近なお菓子から、
世界のしくみが見えてくるのは、とてもおもしろいですね。
クイズ①
世界でカカオ豆が多く生産されている地域として、正しいものはどれでしょう?
- 寒冷な地域が多い北ヨーロッパ
- 赤道に近く、雨が多いあたたかい地域
- 砂漠が広がる乾燥した地域
正解は 2 です。
👉 カカオの木は、一年中あたたかく雨の多い、赤道の近くの地域でよく育ちます。
チョコレートとフェアトレードとは
チョコレートは、甘くて楽しいお菓子です。
でも、その原料であるカカオ豆が、
どのような環境で、だれによって作られているか
まで考えたことはあるでしょうか。
この章では、チョコレートと深く関わる
フェアトレード という考え方について学びます。
フェアトレードってどんな仕組み?
フェアトレードとは、
作る人が不公平な立場にならないように行う取引のことです。
カカオ豆を作っている農家の中には、
- とても安い値段でしか売れない
- 一生けんめい働いても生活が苦しい
という状況に置かれている人たちがいます。
フェアトレードでは、
- きちんとした代金を支払う
- 安定した収入を得られるようにする
ことを大切にしています。
カカオ農園で起きている問題
カカオ農園の中には、
生活が苦しいあまり、
子どもが働かされてしまう 場所もあります。
これは、
- 学校に通えない
- 危険な作業をさせられる
といった、深刻な問題につながります。
チョコレートが安く売られている背景には、
こうした問題がかくれていることもあるのです。
フェアトレードはなぜ大切なの?
もし、カカオ農家の人たちが
作り続けられなくなってしまったら、
- カカオが作れなくなる
- チョコレートが食べられなくなる
という未来も考えられます。
フェアトレードは、
- 作る人の生活を守る
- 食べる人の未来を守る
ための取り組みでもあります。
私たちにできること
子どもでも、できることがあります。
たとえば、
- フェアトレードマークのある商品を選ぶ
- チョコレートの背景を知ろうとする
- 家族や友だちと話題にする
こうした小さな行動が、
世界を少しずつ変える力になります。
クイズ②
フェアトレードの考え方として、もっとも正しいものはどれでしょう?
- できるだけ安く商品を売ること
- 作る人と売る人が対等な立場で取引すること
- 世界中で同じ味のチョコレートを作ること
正解は 2 です。
👉 フェアトレードは、作る人が不公平にならないように、対等な立場で取引することを大切にしています。
バレンタインデーにチョコレートを贈るのはなぜ?
2月になると、チョコレート売り場が一気ににぎやかになります。
「バレンタインといえばチョコレート」と思っている人も多いでしょう。
でも実は、
最初からチョコレートを贈る日だったわけではありません。
この章では、バレンタインデーの始まりと、
チョコレートと結びついた理由を見ていきます。
バレンタインデーのはじまり
バレンタインデーは、
もともと外国で生まれた行事です。
人に気持ちを伝えることを大切にした人物にちなんで、
「想いを伝える日」 として広まったといわれています。
このころは、
- カード
- 手紙
- 花
などを贈るのが中心で、
チョコレートが決まっていたわけではありませんでした。
なぜ日本ではチョコレートになったの?
日本でバレンタインとチョコレートが結びついた理由には、
いくつかの背景があります。
- 甘くて特別感がある
- 形や種類が多く、選びやすい
- 「気持ちを伝えるお菓子」として分かりやすい
こうした理由から、
チョコレートがバレンタインの定番として広まりました。
お店や広告の工夫もあり、
「バレンタイン=チョコレート」というイメージが定着していったのです。
海外のバレンタインとのちがい
海外では、
- 男の人から女の人へ
- 家族や友だち同士で
など、さまざまな形で気持ちを伝えます。
贈るものも、
- チョコレート
- カード
- 花やプレゼント
と決まっていません。
このことから、
バレンタインの形は国や文化によって変わる
ということが分かります。
バレンタインは何の日なのか
大切なのは、
「チョコレートをあげること」そのものではありません。
- 感謝
- 友情
- 好きという気持ち
を、どうやって伝えるかが本当の意味です。
チョコレートは、
そのための 一つの手段 なのです。
クイズ③
日本でバレンタインデーにチョコレートを贈る文化が広まった理由として、もっとも近いものはどれでしょう?
- 世界中で昔から決まっていた習慣だから
- 日本ではカカオ豆がたくさん取れるから
- 日本で売り方や広告が工夫されたから
正解は 3 です。
👉 日本では、チョコレートが気持ちを伝えるお菓子として広まり、売り方や文化の影響で定着しました。
日本のバレンタインはなぜ特別?
日本のバレンタインデーには、
ほかの国ではあまり見られない、独特の文化があります。
それが、
義理チョコ・友チョコ・自分チョコ
といった考え方です。
なぜ日本では、ここまで形が広がったのでしょうか。
義理チョコはどのように生まれた?
義理チョコとは、
「好き」という気持ちとは別に、
感謝の気持ちを伝えるために贈るチョコレートのことです。
この文化は、
- 職場
- 学校
- 友人関係
など、人とのつながりを大切にする日本の社会の中で広まりました。
「お世話になっています」という気持ちを、
チョコレートという形で表したのです。
友チョコ・自分チョコの広がり
時代が進むにつれて、
バレンタインの形も少しずつ変わってきました。
- 友チョコ
→ 友だちどうしで気持ちを交換する - 自分チョコ
→ 自分へのごほうびとして楽しむ
このように、
だれかに渡す日から、
自分の気持ちも大切にする日へと広がっていきました。
なぜここまで多様になったの?
日本のバレンタイン文化が広がった理由には、
- チョコレートの種類がとても多い
- 手作りしやすい
- 「こうしなければならない」という決まりが少ない
といった背景があります。
そのため、
自分なりのバレンタインの形を選びやすくなったのです。
バレンタイン文化は変わり続けている
最近では、
- 義理チョコを控える
- フェアトレードチョコを選ぶ
- 物をあげず、気持ちだけ伝える
など、新しい考え方も生まれています。
文化は、
時代や社会に合わせて変わっていくものだということが分かります。
クイズ④
日本のバレンタイン文化の特徴として、正しいものはどれでしょう?
- 好きな人にしかチョコをあげてはいけない
- 世界中で同じやり方が決まっている
- 感謝や友情など、さまざまな気持ちを伝える形がある
正解は 3 です。
👉 日本では、義理チョコや友チョコなど、さまざまな気持ちを伝える文化が生まれました。
バレンタインとチョコレートのこれから
これまで、バレンタインデーは
「チョコレートを贈る日」として広く親しまれてきました。
しかし最近では、
どんなチョコレートを、どんな気持ちで選ぶか
が、より大切にされるようになってきています。
この章では、これからのバレンタインと
チョコレートの関係について考えてみましょう。
サステナブルなチョコレートとは
「サステナブル」とは、
無理をせず、長く続けていけるという意味の言葉です。
チョコレートの場合、
- カカオ農家の人が安心して働ける
- 子どもが学校に通える
- 環境をこわしすぎない
といったことが大切になります。
フェアトレードチョコレートは、
こうした考え方をもとに作られた商品の一つです。
「安さ」より「背景」を考える時代へ
これまでのバレンタインでは、
- たくさん配る
- できるだけ安く用意する
という考え方が中心だった時期もありました。
しかし今は、
- だれが作っているのか
- どんな環境で作られているのか
といった 背景 に目を向ける人が増えています。
チョコレートは、
値段だけで選ぶものではなくなりつつあるのです。
チョコレート以外の選択も広がっている
最近では、
- チョコレート以外のお菓子
- メッセージカード
- 手紙や言葉
などを選ぶ人も増えています。
大切なのは、
何をあげるかより、何を伝えたいか
です。
チョコレートは、そのための一つの方法にすぎません。
子どもたちに伝えたいバレンタインの考え方
これからのバレンタインでは、
- 流行に合わせる
- なんとなく選ぶ
のではなく、
「なぜこれを選んだのか」
を考えることが大切になります。
それは、
自分の考えをもって行動する力を育てることにもつながります。
クイズ⑤
これからのバレンタインで大切だと考えられることはどれでしょう?
- 気持ちや背景を考えてチョコレートを選ぶこと
- とにかく安いチョコをたくさん配ること
- 毎年同じやり方を必ず守ること
正解は 1 です。
👉 これからのバレンタインでは、だれのために、どんな気持ちで選ぶのかを考えることが大切だと考えられています。
自由研究に使える!チョコレートとココアの実験・お菓子づくり
チョコレートやココアは、
読むだけでなく 実際に作って確かめる ことで、
学びがぐっと深まります。
ここでは、
自由研究としてそのまま使える
実験+お菓子づくりのテーマ を紹介します。
ガトーショコラを作ってチョコレートの性質を調べよう
ガトーショコラは、
チョコレートの「溶ける」「固まる」「しっとりする」
という性質を観察するのに、とても向いているお菓子です。
材料(15cm丸型1台分)
- チョコレート(板チョコ可)…100g
- 無塩バター…50g
- 卵…2個
- 砂糖…60g
- 小麦粉…30g
作り方
- オーブンを170℃に予熱し、型にクッキングシートを敷く
- チョコレートとバターを細かく割り、湯せんでゆっくり溶かす
- 別のボウルで卵と砂糖を混ぜる
- 溶かしたチョコレートを少しずつ加える
- 小麦粉をふるい入れ、さっくり混ぜる
- 型に流し、170℃で25〜30分焼く
- 冷ましてから切り分ける
観察ポイント(自由研究向け)
- チョコレートは何度くらいで溶け始めたか
- 冷えると、なぜまた固まるのか
- 焼く前と焼いた後で、食感はどう変わったか
チョコマフィンを作って「ふくらむ理由」を調べよう
チョコマフィンは、
材料を混ぜて焼くことで
体積が変わる様子を観察できます。
材料(マフィン型6個分)
- 小麦粉…120g
- 砂糖…60g
- 卵…1個
- 牛乳…80ml
- サラダ油(または溶かしバター)…50ml
- ココアパウダー…20g(またはチョコレート80g)
- ベーキングパウダー…小さじ1
作り方
- オーブンを180℃に予熱する
- 卵・砂糖・牛乳・油をボウルでよく混ぜる
- 小麦粉・ココア・ベーキングパウダーをふるい入れる
- ゴムベラでさっくり混ぜる
- 型の7分目まで流し入れる
- 180℃で20〜25分焼く
観察ポイント(自由研究向け)
- 焼く前と後で大きさはどう変わったか
- なぜ生地はふくらんだのか
- ココアを使った場合と、チョコレートを使った場合のちがい
ガトーショコラとチョコマフィンを比べてみよう
同じチョコレートのお菓子でも、
仕上がりは大きく変わります。
比べるポイントの例:
- チョコレートの量
- ふくらみ方
- 食感(しっとり・ふんわり)
- 甘さや重さ
ここから、
材料の割合や工程が結果を左右する
という大切なことが見えてきます。
自由研究としてまとめるコツ
自由研究では、
- 予想
- 実験・作業
- 結果
- 考察
の流れを意識すると、
とても分かりやすくなります。
写真や表を使うと、
見た人にも伝わりやすくなります。
おさらいクイズ
クイズ①
チョコレートが手で溶けやすい主な理由はどれでしょう?
- 水分が多く入っているから
- 砂糖が多く入っているから
- 体温に近い温度で溶ける脂肪分を含んでいるから
正解は 3 です。
👉 チョコレートに含まれるカカオバターは、体温に近い温度で溶ける性質があります。
クイズ②
ココアが水に溶けにくく、ダマになりやすい理由として正しいものはどれでしょう?
- 粉の中に油分があり、水となじみにくいから
- 粒が大きくて重たいから
- 甘さが足りないから
正解は 1 です。
👉 ココアには油分があり、水をはじくため、ダマになりやすくなります。
クイズ③
ホワイトチョコレートが白い理由として正しいものはどれでしょう?
- ミルクをたくさん入れているから
- カカオマスを使っていないから
- 焼いていないから
正解は 2 です。
👉 茶色のもとになるカカオマスを使っていないため、白くなります。
クイズ④
フェアトレードの目的としてもっとも近いものはどれでしょう?
- 商品をできるだけ安く売ること
- 作る人と売る人が公平な立場で取引すること
- 世界中で同じ値段にすること
正解は 2 です。
👉 フェアトレードは、作る人が不利にならないようにする取引の考え方です。
まとめ
チョコレートとココアは、同じカカオ豆から作られていますが、
加工のしかたや成分のちがいによって、性質や使い道が大きく変わります。
- チョコレートが溶ける理由
- ココアがダマになる理由
- 種類や表示のちがい
- 世界のカカオ産地とフェアトレード
- バレンタイン文化の広がり
- ガトーショコラやチョコマフィン作り
身近なお菓子の中には、
理科・社会・家庭科につながる学びがたくさん詰まっています。
「食べる」だけでなく、
知る・作る・考える ことで、
チョコレートは立派な教材になります。
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この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。

