【実践記録|2026.03.16】つまずきから再挑戦へ|割り算・正負の数の学習に見えた試行錯誤のプロセス

今回の学びの概要

2026年3月16日のMOANAVIでは、算数・数学・国語・社会の学習に取り組む中で、問題につまずきながらも再挑戦を重ねて理解を進めていく学習行動が多く見られた。

MOANAVIでは、学年や成績ではなく「学びの現在地」を起点として学習を進める。子どもたちは到着後、自分の挑戦履歴や学習状況を確認しながら課題を選び、それぞれの教材に取り組む。今回の実践でも、割り算の筆算や正負の数、方程式など、計算や概念理解を必要とする学習において、途中で止まりながらも考え直し、やり直しながら理解をつくる姿が観察された。

学習の中では、すぐに解ける問題ばかりではない。途中で手が止まる場面や、計算の進め方がわからなくなる場面もある。しかし、その場面でどのような行動をとるかが、理解の変化を生み出していく。今回の教室では、同じ問題をやり直したり、解き方を確認したりしながら再挑戦する行動が多く見られた。

教師は答えを示すのではなく、子どもの理解の状態を観察しながら必要最小限のサポートを行う。そうした支援の中で、子ども自身が理解を整理し、次の問題に進む場面が教室の中で生まれていた。


実践

この日の教室では、小学生から中学生までがそれぞれの課題に取り組んでいた。

算数では、割り算の学習に取り組む児童の姿が見られた。ある児童は「3桁÷2桁」の割り算の筆算に挑戦していた。途中で商の立て方がわからなくなり、計算の途中で手が止まる場面があった。最初は計算の手順を見失っていたが、もう一度式を書き直しながら考え直し、再び計算を進めようとしていた。教師はどこで計算が止まっているのかを一緒に確認し、筆算の進め方を整理するサポートを行った。その後、同じ形式の問題をもう一度解き直す中で、計算の流れを理解し、最後まで解くことができるようになった。

別の児童は九九の確認に取り組んでいた。計算の途中で迷う場面もあったが、何度も繰り返しながら取り組むことで計算の安定が見られた。問題を解き直す中で、自信を持って答えを書けるようになる様子が見られた。

中学生の数学では、「正負の数」の計算や「方程式」の学習に取り組む生徒がいた。正負の数の計算では、符号の扱いに迷う場面があり、途中で計算が止まることがあった。教師は答えを示すのではなく、数直線や計算の意味を確認するよう問いかけを行い、生徒自身が計算の考え方を整理できるようサポートした。すると、生徒は計算の規則を確認しながらもう一度問題を解き直し、正しく解けるようになった。

また、方程式の学習では、式の整理の途中で計算ミスが起きる場面もあった。途中の計算を見直しながら、どこで間違えたのかを確認し、再び式を解き直していた。教師は途中の式の意味を確認するサポートを行い、生徒は式の変形を整理しながら解答を完成させることができた。

国語では、文章問題や漢字の学習に取り組む児童がいた。文章を読みながら設問に答える学習では、内容をうまく整理できずに考え込む場面があった。文章を読み直しながら設問の意味を確認し、もう一度答えを考え直す姿が見られた。教師は問いの意図を確認するサポートを行い、児童は文章の内容を整理しながら答えを導くことができた。

社会では、公民や都道府県の漢字に取り組む児童の姿も見られた。最初は漢字の書き方に迷う場面もあったが、繰り返し書きながら確認することで、少しずつ覚えていく様子が見られた。

このように、学習の中では「つまずき」が何度も生まれる。しかし、そのつまずきの場面で問題をやり直したり、もう一度考え直したりする行動が、理解の変化を生み出している。今回の教室でも、試行錯誤を重ねながら理解に近づいていく学習行動が多く観察された。


学習理論から見るMOANAVIのサポート

今回の実践は、いくつかの学習理論の視点から整理することができる。

まず、ヴィゴツキーの「最近接発達領域(ZPD)」である。子どもが一人では難しい問題でも、適切なサポートがあれば理解できる領域が存在する。今回の割り算や正負の数の学習では、教師が答えを示すのではなく、理解の手がかりを示すことで、子どもが自分の力で問題を解ける状態へと進んでいた。この過程は、ZPDの中で学習が進んでいる例といえる。

次に、Zimmermanの「自己調整学習」である。子どもたちは問題に取り組む中で、途中で止まったときにやり直したり、解き方を確認したりしながら学習を進めていた。こうした行動は、学習者自身が学習を調整していく自己調整学習の特徴である。

また、Bransfordの「学習環境デザイン」の視点から見ると、MOANAVIの教室では学習者中心の環境が形成されている。子どもたちは自分で課題を選び、自分のペースで学習を進める。その環境の中で、試行錯誤をしながら理解をつくる学習が生まれている。

さらに、Gippsの「形成的アセスメント」の視点も重要である。教師は点数や結果ではなく、学習の途中での理解の状態を観察しながらサポートを行っている。つまずきの場面で理解の状態を確認し、必要な支援を行うことで、学習のプロセスそのものを評価している。


今回見えた学び

今回の実践から見えてきたのは、学習の中で生まれる「つまずき」が理解を進めるきっかけになっているということである。

割り算の筆算や正負の数の計算のように、途中で手が止まる場面では、子どもは計算の進め方を見直したり、もう一度問題を解き直したりする。その試行錯誤の過程の中で、理解は少しずつ形づくられていく。

今回の教室では、問題につまずいたときにすぐ答えを求めるのではなく、自分で考え直しながら再挑戦する行動が多く見られた。そして教師は、その学習行動を観察しながら、理解の手がかりを示す形でサポートを行っていた。

MOANAVIの学習では、結果よりも学習行動を重視する。どの課題を選び、どこで止まり、どのようにやり直したのか。そのプロセスを観察することで、子どもの理解の現在地が見えてくる。

今回の実践は、つまずきから再挑戦へと進む学習行動の中で、理解が少しずつ形づくられていく様子が見られた一日だった。


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