今回の学びの概要
MOANAVIの教室では、子どもが「どの問題を正解したか」よりも、「どのように学んでいるか」という学習行動を観察します。
問題に出会ったときにどこで止まり、どのように理解を作り直し、どのようなサポートで前に進めるのか。そこには子どもの学びのプロセスが表れます。
2026年3月12日の教室では、算数を中心としたさまざまな単元の学習が行われていました。
その中で、子どもたちが「わからない問題」に出会ったときの学習行動に、いくつかの特徴的な段階が見られました。
実践
この日の教室では、算数の複数の単元に取り組む子どもたちの姿が見られました。
ある子どもは、算数の「三角形の角度」の問題に取り組んでいました。
三角形の内角の関係を使う問題でしたが、途中で計算の進め方がわからなくなり、手が止まりました。
しばらく考えたあと、その子どもは解答を確認しながら解き方を追っていきました。
答えを見ながら問題を進めているため、まだ理解が完全に整理されている状態ではありませんでしたが、「なぜこの計算になるのか」を確かめながら問題を見直していました。
教師が近くで声をかけ、三角形の角度の関係を一緒に確認すると、子どもはもう一度問題に取り組み直しました。
すると、それまで答えを見ながら進めていた問題も、自分の力で計算を進めることができるようになりました。
別の子どもは、算数の「等しい分数」の問題に取り組んでいました。
最初は一人では問題を進めることが難しく、分数の関係を理解するところで止まってしまいました。
教師が分母と分子の関係を確認しながらサポートすると、分数の意味を理解することができ、その後は自分の力で問題を解き進めることができました。
最後まで問題をやり切る姿が見られました。
また、算数の「くり上がり・くり下がりの筆算」に取り組んでいる子どもは、途中で計算が止まる場面がありましたが、計算の手順を確認すると再び問題を進めることができました。
一方で、九九の問題に取り組んでいる子どもは、まだ一人では解くことが難しい場面もありました。
途中で止まりながらも、問題を読み直し、理解の手がかりを探していました。
この日の教室では他にも、
- 算数「平均」
- 算数「小数点の掛け算」
- 計算問題
- 国語「敬語」
といった単元に取り組む子どもたちの姿が見られました。
同じ教室の中でも、
- 答えを見ながら理解を作ろうとする段階
- 教師のサポートで理解が進む段階
- 自分の力で問題を解ける段階
- まだ難しい課題に挑戦している段階
といった、さまざまな理解の状態が見られました。
学習理論から見るMOANAVIのサポート
このような学習の様子は、学習科学の研究とも深く関係しています。
学習科学者ジョン・D・ブランスフォードは、効果的な学習環境には「学習者中心」「知識中心」「評価中心」といった視点が重要であると整理しています。
MOANAVIの教室では、子どもがどのように学んでいるのかという学習行動を観察しながら、理解を支える環境を整えています。
子どもが解き方を確認したり、問題を読み直したりする行動は、理解を自分で作っていく学習につながります。
また今回の実践では、一人では難しい問題でも教師のサポートによって理解が進む場面が多く見られました。
これは心理学者ヴィゴツキーが提唱した「最近接発達領域(ZPD)」の考え方と重なります。
さらに、子どもが自分の理解を確かめながら学習方法を調整していく姿は、教育心理学者ジマーマンが研究した「自己調整学習」のプロセスとも関係しています。
教師が理解の状態を確認しながらヒントを出し、子どもの理解を支えていく関わりは、学習の途中で理解を確かめながら支援を行う「形成的アセスメント」として捉えることができます。
今回見えた学び
今回の実践では、子どもたちの学習の中にいくつかの理解段階が見られました。
まず、答えを見ながら解き方を確認する段階です。
まだ理解が十分ではない状態ですが、解き方を追いながら理解を作ろうとしています。
次に、教師のサポートによって理解が進む段階です。
ヒントや問いかけをきっかけに、問題の意味がつながり、解き方が見えてきます。
そして、自分の力で問題を解ける段階があります。
理解が整理されると、子どもは自分の力で問題を解き進めることができるようになります。
さらに、まだ難しい課題に挑戦している段階も見られました。
途中で止まりながらも、問題を読み直し、理解の手がかりを探していました。
MOANAVIでは、このような理解の段階を観察しながら、子ども一人ひとりの「学びの現在地」を見つけていきます。
学びは、最初から正解できることだけで成長するわけではありません。
わからない問題に出会い、試行錯誤しながら理解を作っていくそのプロセスこそが、子どもたちの学びを支えているのです。




