
「難しかったけど、覚えれば行けた。ベストタイム出て嬉しかったです。」
64マス計算を終えたあと、子どもがそう振り返りました。
この日は、同じ64マス計算に4回続けて取り組みました。
最初の1枚は11分2秒。
次の1枚は12分30秒。
決して、最初から順調だったわけではありません。
それでも途中でやめることなく、もう一度プリントに向かい続けました。
3枚目は9分26秒。
そして4枚目は6分56秒。
少しずつ、計算の進み方が変わっていきました。
MOANAVIで続けている「64マス計算」
MOANAVIでは、64マス計算を長く続けています。
2×2から9×9まで。
ただし、×1は除きます。
縦と横に数字が並んだ64個のマスを、できるだけ速く、正確に埋めていくタイムアタック形式の学習です。
単純に見えるかもしれませんが、実際にやってみると、かなり頭を使います。
最初は、九九を思い出すだけで時間がかかります。
「7×8ってなんだっけ」
「6×7と7×6って同じ?」
「さっきも同じ答えがあった気がする」
そんなふうに止まりながら進む子も少なくありません。
だからこそ、64マス計算では「できた・できない」だけを見ません。
どこで止まったか。
どこは覚えていたか。
どこでスピードが変わったか。
そうした変化を見ながら、少しずつ掛け算を定着させていきます。
同じ答えが何度も出てくることに気づいた
今回の学習でも、子どもはただ繰り返していたわけではありませんでした。
教師の記録には、
「64マス計算の九九表を見ると、同じ計算結果が出てくることに気づいたので、少し計算が速くなった」
と残っています。
たとえば、
2×6と6×2。
3×4と4×3。
答えが同じになることに気づくと、覚える量が少し減ります。
さらに、2の段や5の段のように、すでに覚えている段があると、それを手がかりに他の計算にもつながっていきます。
実際、この日の記録でも、2の段と5の段はかなり定着している様子が見られました。
最初は全部を1問ずつ考えていた計算が、
「これはもう覚えてる」
「これも同じ答えだ」
に変わっていく。
その積み重ねが、タイムの変化として表れていきます。
タイムを縮めることが、自信につながっていく
64マス計算には、MOANAVIの中で一つの目標があります。
それが「1分」です。
もちろん、最初から1分でできる子はいません。
10分以上かかる子もいます。
途中で止まる子もいます。
「算数苦手だからやりたくない」と言っていた子もいました。
それでも、毎回少しずつ続けていくと、タイムは変わっていきます。
9分だった子が7分になる。
7分だった子が5分になる。
気づけば3分台、2分台へ進んでいく。
そして、早い子は30秒台後半のタイムを出せるところまで成長します。
タイムが縮まると、子どもたちははっきり反応します。
「前より速かった」
「今日更新できた」
「次はもっといけそう」
その変化は、単なる計算練習以上の意味を持っています。
算数が苦手だった子が、数学に自信を持ち始める
MOANAVIでは、64マス計算を通して変化していく子どもたちをたくさん見てきました。
最初は算数に苦手意識を持っていた子。
計算になると手が止まっていた子。
「自分は算数ができない」と感じていた子。
そうした子どもたちが、毎回少しずつタイムを縮めながら、「できるかもしれない」という感覚を育てていきます。
実際、64マス計算を続けてきた子どもたちの中には、小学生のうちに中学生レベルの数学検定に合格するところまで伸びていった子もいます。
もちろん、最初から特別な才能があったわけではありません。
毎回の小さな積み重ね。
覚えた計算が少し増えること。
前より速くなること。
その繰り返しが、計算への自信につながっていきました。
「覚えれば行けた」という言葉
この日の記録の中で印象的だったのは、
「難しかったけど、覚えれば行けた。」
という言葉でした。
できなかった。
難しかった。
そこで終わるのではなく、
「覚えればできる」
という感覚に変わっていた。
それは、ただ正解したこと以上に大きな変化だったように感じます。
64マス計算は、毎回派手な学習ではありません。
でも、タイムを更新した瞬間や、「前よりできた」と感じた瞬間に、子どもたちの表情が少し変わります。
この日も、そんな小さな変化が見えた一日でした。


