
「すごく楽しかったです。」
最初のプリントを終えたあと、子どもはそう話してくれました。
取り組んでいたのは、算数の「ぼうグラフ」。
そして次に始まったのが、はじめて出会う「わり算」の学習でした。
はじめての問題に向き合う
ぼうグラフのときのように、見た瞬間に答えが浮かぶ問題ではありません。
どこから考えればいいのか。
次は何を見ればいいのか。
新しい学習には、新しい考え方が必要になります。
それでも、プリントの前で止まることはありませんでした。
一問ずつ。
一つずつ。
自分の力で考えながら、答えを探していきます。
十のくらいから、ゆっくりと
アセスメントには、こんな記録が残されていました。
初見でしたが、十のくらいからゆっくり考えて、一のくらいも解いてと、じっくり取り組んで一人でできるようになりました。
十のくらいを考える。
次に、一のくらいを考える。
大人にとっては当たり前に見える順番も、子どもにとっては新しい挑戦です。
急いで終わらせるのではなく、順番に考える。
わからないから止まるのではなく、わかるところから進めていく。
そんな姿が、この日の学習にはありました。
「少しむずしかったです。」
学習後の振り返りは、とても短い一言でした。
「少しむずしかったです。」
簡単だったわけではありません。
でも、できなかったわけでもありません。
難しい問題に出会って、自分で考えて、最後まで取り組んだ。
そのあとに出てきたのが、この言葉でした。
最後には、一人でできるようになった
この日の記録には、
「一人でできるようになった」
という変化が残っていました。
初めて出会うわり算。
最初から答え方を知っていたわけではありません。
それでも、十のくらいから順番に考え、一のくらいへ進んでいく。
そうやって、一つずつ積み重ねながら、自分の力で解けるところまでたどり着きました。
学習の中で価値があるのは、最初からできることだけではありません。
初めての問題に出会ったときに、自分で考えてみること。
難しいと感じても、もう少し続けてみること。
そして、「できるようになった」という経験を手に入れること。
「少しむずしかったです。」
この日のわり算は、その一言から始まる、小さくて大きな一歩でした。


