STEAM教育研修会@西前小学校

先生対象のSTEAM教育研修会

西前小学校でSTEAM教育に力を入れていきたいということで、STEAM教育についての理解を深める研修会を開催しました。

夏休み期間中にもかかわらず、多くの先生が自主的に参加してくださいました。

STEAM教育ってなに?

まず、STEAM教育という言葉は聞いたことがあっても、詳しくは知らなかったり、実践したことはなかったりする先生が多いとのことで、Society5.0という新しい社会と、そこで求められる人材、必要とされる力についてお話いたしました。

新たな社会Society5.0は、「超スマート社会」と呼ばれています。AIやIoTといった技術によって、社会は私たちの想像を超える速さで変化し続けています。超スマート社会では、予測が難しい答えのない問題に答えを作っていく力が求められます。

答えのない問題に対して、新しい価値を創造することができるようにするための教育がSTEAM教育です。MOANAVIでは、子どもにもわかりやすいように、「STEAM教育はものづくり教育」と定義しています。

STEAM教育は、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、アート(Arts)、数学(Mathematics)の5つの頭文字をとった造語です。

これまでの教育では、効率的に学習や研究を行うために、様々な教科・領域・分野に細分化されてきました。これにより、各教科・領域・分野の研究を深めることができました。一方で、特定の教科・領域・分野だけでは解決が難しい問題も多く見られるようになりました。

理数も芸術も人文も、元はといえば全て人間が行う営みです。そこで、人間性を核としたものづくりによって、新しい価値を創造しようとしているのがSTEAM教育であるといえます。ここでいうものづくりとは、いわゆる「モノ」だけではなく、言葉を使った作品、プログラミング言語を使ったアプリケーション、人間の役にたつシステムを構築したサービスなども含まれます。

4Cスキルの育成

4Cスキルとは、Communicationコミュニケーション力、Collaboration協働力、Critical thinking批判的思考力、Creativity創造性の4つの資質・能力のことです。

4Cスキルを育成するための学習プログラムを体験してもらうために、今回の西前小学校では「スパゲッティ・タワー」という活動に取り組んでいただきました。これは、スパゲッティと糸だけを用いて、ピンポン玉を高さ20cm以上に安定させて置くということをめざすものづくりです。

人数分の材料やピンポン玉が渡されたので、最初は個人での問題解決が始まりましたが、しばらくするとお互いにコミュニケーションをとりながら、協働的に問題解決に取り組む姿が見られました。批判的思考でアイデアの検討を行ったり、どんどん手を動かして試してみる姿も見られました。

日常行っている授業においても、4Cスキルを育成しようという意識をもって取り組めば、そのチャンスはあちこちに眠っているはずです。STEAM教育は教科等を横断的に学習するものです。これはこれまでも「総合的な学習の時間」や「教科横断的なカリキュラム・マネジメント」といった形で学校教育現場で取り組まれてきたことです。

パワフル・ラーニング(L.ダーリング-ハモンド著)で紹介されているプロブレムベース学習やプロジェクトベース学習は、各教科における問題解決学習や、国語や総合的な学習の時間における言語活動・プロジェクトとしてすでに取り組まれています。日本の学校教育においてはすでに「あたりまえ」というレベルで普及し、研究され、数多くの実践が蓄積されています。

デザイン思考のアプローチを行うデザインベース学習は、デザイナーやアーティストがものづくりを行う際に取り組んできた手法をベースとした学習法です。グループ学習やペア学習、ジグソー学習などの協働的な学びが広がってきてはいるものの、まだまだ一斉学習が優位な日本の学校教育において、デザインベース学習は一般的ではありません。

デザインベース学習は、特に創造性の育成に有効であると考えられます。人間を核としたものづくりによって新しい価値を創造しようとするとき、創造性は非常に重要です。

OCT学習|デザイン思考のアプローチ

デザインベース学習を教科等の学習に取り入れやすいようにしたものが、OCT学習です。見方・考え方を働かせながら問題解決に取り組む新指導要領にも対応した学び方です。

このような学び方には、子ども一人ひとりにフォーカスを当て、その学びを支援する学習環境をどのように構築していくかということが求められます。

西前小学校の先生方は、「スパゲティ・タワー」の活動の中で主体的・対話的にものづくりを始めました。

このような学びが子どもたちの学びとして広く普及すれば、人間性を大切にした、みんなに優しい未来が訪れるのではないかと期待しています。

本日のSTEAM教育研修会「STEAM教育はものづくり教育」に参加してくださった先生方、本当にありがとうございました。