
子どもが自分から勉強するようになる!
小学生に勉強習慣をつける3つの方法
【家庭でできる工夫】
「勉強しなさい!」と毎日言っても子どもが机に向かわない…。
多くの保護者が抱える共通の悩みです。
一時的にやらせても、強制された勉強は長続きせず、逆に「親がいないと勉強できない子」になってしまうこともあります。
この記事では、教育心理学の知見をもとに「子どもが自分から勉強する習慣」をつける3つの方法を紹介します。
今日から家庭で実践できるヒントをぜひ取り入れてみてください。
なぜ「自分から学ぶ習慣」が大切なのか
教育心理学では 自己調整学習(Self-Regulated Learning) という概念があります。
これは子どもが自分で目標を立て、学び方を工夫し、振り返る力のこと。
この力が育つと、子どもは「やらされる学び」から「自分で学ぶ学び」へと変わります。
つまり、将来にわたって主体的に学ぶ土台ができるのです。
子どものやる気を引き出す3つの心理学のヒント
1. 作業興奮 ― 行動がやる気を生む
「やる気が出たら勉強する」のではなく、「行動を始めるからやる気が出る」。
これを心理学では 作業興奮 と呼びます。
例えば「ドリルを30分やろう」では重くても、「まず1問だけ」と区切れば意外と始められるのです。
2. 自己効力感 ― 小さな成功体験が自信になる
心理学者バンデューラが提唱した 自己効力感。
「できた!」という小さな体験が「自分にもできる」という自信になります。
例えば漢字練習を「1ページ」ではなく「1行だけ」にすると達成感を味わいやすく、次の行動につながります。
3. フロー体験 ― ちょうどいい課題が集中を生む
心理学者チクセントミハイの フロー理論 によれば、課題が難しすぎても簡単すぎても集中は続きません。
「少し頑張ればできる」レベルの課題に取り組むと夢中になれる=フロー状態になります。
簡単な課題から始め、少しずつレベルを上げる流れが最適です。
家庭でできる!勉強習慣をつける4つの工夫
① 「まず5分だけ」から始める
タイマーを使って「5分だけやろう」と提案。
短時間なら始めやすく、気づけば10分、15分と続くこともあります。
② ハードルを下げる声かけ
「全部やりなさい」ではなく、「今日は1問だけやってみよう」。
小さなゴール設定が「自分でもできる」という気持ちを生みます。
③ 学びを見える化する
シールやカレンダーで「今日できたこと」を記録。
成果が目に見えると達成感が強まり、「続けたい」という気持ちが育ちます。
④ プロセスを褒めて応援する
「100点とれてすごいね」よりも、「今日は自分で机に向かえたね」「時間を守れたね」と行動を褒めましょう。
結果ではなくプロセスを認められると、子どもは自信を持ちやすくなります。
親の役割は「管理者」ではなく「応援者」
勉強の時間や量を管理するより、学びを応援する姿勢が大切です。
- 「何分やった?」よりも「今日はどんなことを学んだの?」
- 「まだ終わってないでしょ!」よりも「ここまでできたんだね!」
声かけの違いが、子どものやる気を大きく左右します。
まとめ
子どもが自分から勉強するようになるには、
- 小さな一歩から始める
- 成功体験を積み重ねる
- 親が結果よりプロセスを認める
この3つが欠かせません。
MOANAVIでも、子どもが「やらされる学び」ではなく「自分から学び出す習慣」を身につけられるよう日々の活動に取り入れています。
(例:STUDY POINTシステムやSTEAM型学習など)
👉 「うちの子も、自分から学ぶ習慣をつけてほしい」と思う方は、体験授業やイベントでぜひご相談ください。
記事を書いた人

西田 俊章(Nishida Toshiaki)
STEAM教育デザイナー / MOANAVIスクールディレクター
理科・STEAM教育の専門家として、20年以上にわたり子どもたちの学びに携わる。文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』の著者であり、TVやラジオで教育解説の経験ももつ。「体験×対話」の学びを大切にし、子どもたちが楽しく学べる環境を提供している。
📚 経歴・資格
✅ 文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』著者
✅ 元公立小学校教員(教員歴20年)
✅ 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士(教育学)
✅ TVK『テレビでLet’s study』理科講師として出演
✅ Fm yokohama『Lovely Day』でSTEAM教育を解説