
「最近、学校の勉強についていけていない気がする」
「このまま勉強の遅れが広がってしまうのでは…」
子どもの学習の様子を見て、不安を感じる保護者は少なくありません。
しかし、勉強の遅れは必ずしも能力の問題とは限らず、学習の進み方や学び方が合っていないことが原因になっている場合もあります。
この記事では、小学生・中学生で勉強の遅れが起きる主な原因を整理しながら、家庭でできる対応や学びを立て直すための考え方を解説します。
横浜で学びの選択肢を探している保護者の方にも参考になるよう、学校以外の学び方についても紹介します。
子どもの勉強の遅れが心配なとき|まず整理しておきたいこと
「最近、学校の勉強についていけていないのではないか…」
「このまま遅れたら取り返せなくなるのではないか…」
子どもの学習の様子を見て、このような不安を感じたことのある保護者は少なくありません。
特に小学生や中学生の時期は、学習内容が急に難しくなったり、授業のスピードが速くなったりするため、「勉強の遅れ」が気になり始めるタイミングでもあります。
テストの点数が下がった
宿題に時間がかかる
「わからない」と言うことが増えた
こうした小さな変化を見ると、保護者としてはどうしても焦りや不安を感じてしまうものです。
しかし、ここでまず大切なのは、
「勉強の遅れ=能力の問題」と決めつけないことです。
実際には、多くの場合、子どもが抱えている問題は「能力」ではなく、学びの状況や負荷の合い方に関係しています。
まずは落ち着いて、いくつかの視点から状況を整理してみましょう。
「このまま取り返せなくなるのでは」と不安になる理由
保護者が「勉強の遅れ」に強い不安を感じるのは、とても自然なことです。
学校の授業は基本的に学年ごとに一斉に進む仕組みになっています。
一度理解が追いつかなくなると、
- 次の単元も分からない
- 宿題も難しく感じる
- テストの点数が下がる
という流れになりやすく、「どんどん遅れていくのではないか」という不安が生まれます。
さらに最近は、
- 学習塾
- 受験情報
- 学力ランキング
など、さまざまな情報が身の回りにあふれています。
そのため、子どもの学習状況を見ていると、
「もっと早く対策した方がいいのでは」
「今からでも塾に入れるべきなのでは」
と焦ってしまう保護者も多いでしょう。
ただし、ここで重要なのは、表面に見えている「遅れ」だけで判断しないことです。
子どもによって、学習が止まる理由は大きく違います。
まずは原因を丁寧に見ていくことが大切です。
勉強の遅れは多くの場合「能力」ではなく「学び方」の問題
教育心理学では、子どもの学習が最も進みやすい領域を
**「最近接発達領域(ZPD)」**と呼びます。
これは心理学者ヴィゴツキーが提唱した概念で、
「一人では難しいが、支援があればできる課題」
の領域を指します。
子どもは、この領域で学習するときに最も大きく成長します。
逆に言えば、
- 簡単すぎる課題
- 難しすぎる課題
では、学びはあまり進みません。
学校の授業が難しく感じ始めるとき、多くの場合は
この「負荷の合い方」が崩れている状態になっています。
例えば、
- 基礎が抜けたまま次の単元に進んでいる
- 授業の説明が理解しきれていない
- 勉強のやり方が分からない
といったことが重なると、子どもは「理解できない授業」を聞き続けることになります。
教育学では、このような状態が続くと学習効率が大きく下がることが知られています。
ジョン・スウェラーの認知負荷理論(Sweller, 1988)では、人間のワーキングメモリには限界があり、理解できない情報が多すぎると処理が追いつかなくなると説明されています。
つまり、
「わからない授業」を受け続ける状況は、子どもにとって非常に負担が大きいのです。
その結果、学習が止まってしまうことがあります。
まずは「どこから理解が止まっているのか」を見つける
勉強の遅れが気になったとき、多くの家庭でまず考えるのが「塾」です。
もちろん、塾が合う場合もあります。
しかし、塾に通う前に一度整理しておきたいのが、
**「どこから理解が止まっているのか」**という視点です。
例えば算数の場合、
- 分数が理解できていない
- 小数の計算があいまい
- 文章題の読み取りが苦手
など、つまずきのポイントは子どもによって異なります。
表面的には「今の単元がわからない」ように見えても、実際には数年前の基礎が影響していることも少なくありません。
そのため、学びを立て直すときには、
「今の学年」からではなく、
「理解できるところ」から学びを組み立て直すことがとても重要になります。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)でも、子どもの学びを見るときには、まず現在の理解の状態を丁寧に見取りながら、どこから学び直すとよいかを考えます。
一見すると遠回りに見えるかもしれませんが、実際にはこの方法がもっとも効率よく学びを立て直すことにつながることも多いのです。
勉強の遅れが心配になったときは、焦って「先に進める」ことよりも、
「どこで止まっているのか」を見つけることを大切にしてみてください。
そこから、子どもに合った学び方が少しずつ見えてきます。
小学生・中学生で勉強の遅れが起きる主な原因
子どもの勉強の遅れが気になったとき、保護者の多くは「勉強が苦手なのではないか」と考えがちです。
しかし実際には、学習がうまく進まなくなる理由は一つではありません。
同じ「勉強についていけない」という状態でも、
- 授業のスピードが合っていない
- 基礎の理解が抜けている
- 勉強のやり方が分からない
- 学習への自信を失っている
- 学習環境が合っていない
など、さまざまな背景があります。
まずはよく見られる原因を整理してみましょう。
学校の授業スピードが合っていない
学校の授業は、基本的に学年全体に合わせたペースで進みます。
そのため、理解のスピードが少し違うだけでも、
- 説明を聞き終わる前に次に進んでしまう
- 練習問題を考える時間が足りない
- 分からないまま授業が終わる
といった状況が起こることがあります。
特に算数や数学のように、前の単元の理解が次の学習に影響する教科では、この影響が大きくなりやすいものです。
例えば、
- 分数の理解が不十分
- 小数の計算があいまい
といった状態のまま新しい単元に進むと、授業の内容がどんどん分かりにくく感じられるようになります。
その結果、「授業が難しい」「勉強が苦手」と感じてしまうこともあります。
しかし、このようなケースでは能力の問題というより、学習のペースが合っていないだけということも少なくありません。
基礎理解の抜けが積み重なっている
勉強の遅れが気になる子どもを見ていくと、実はかなり前の内容が影響していることがよくあります。
例えば算数では、
- 九九があいまい
- 繰り上がり計算が苦手
- 文章題の意味がつかみにくい
といった小さなつまずきが、その後の学習に影響することがあります。
学習は積み重ねで進むため、基礎が十分に理解できていない状態で次の内容に進むと、少しずつ理解の差が広がっていくことがあります。
このような場合、現在の単元を繰り返すだけでは、なかなか状況が改善しないこともあります。
むしろ、理解が止まっている地点まで戻って学び直すことが、結果的に近道になることも少なくありません。
勉強のやり方が分からない
意外と多いのが、勉強の方法そのものが分からないというケースです。
例えば、
- ノートの取り方が分からない
- 問題の解き方を整理できない
- 分からないときの対処が分からない
といった状況です。
学校では授業内容を教えることが中心になるため、「どう学ぶか」という部分は家庭や個別のサポートに委ねられることも多くあります。
教育心理学では、学習者が自分の学習を調整しながら進める力を
**自己調整学習(Self-Regulated Learning)**と呼びます。
この概念はバリー・ジマーマン(Zimmerman, 2002)によって研究されており、
- 目標を立てる
- 学習方法を選ぶ
- 振り返りを行う
といったプロセスが、学習の成果に大きく関係することが知られています。
もし子どもが勉強の進め方そのものに迷っている場合、学習内容よりも学び方のサポートが必要なこともあります。
勉強への自信を失っている
勉強の遅れは、子どもの気持ちにも影響します。
テストの点数が下がったり、授業が分かりにくく感じたりすると、
「どうせできない」
「自分は勉強が苦手」
と感じるようになることがあります。
心理学では、このような状態を
**学習性無力感(Learned Helplessness)**と呼びます。
マーティン・セリグマン(Seligman, 1975)の研究では、失敗体験が続くと、人は努力しても状況を変えられないと感じてしまうことがあるとされています。
子どもが
- 勉強を避けるようになった
- 宿題に取り組まなくなった
- 「分からない」とすぐに言う
といった様子を見せるとき、背景にはこうした心理的な影響があることもあります。
学習環境が合っていない
もう一つ見落とされやすいのが、学習環境との相性です。
例えば、
- 集団授業では集中しにくい
- 周囲の音が気になる
- 質問するのが苦手
といった特性を持つ子どももいます。
この場合、同じ授業でも
- 少人数の環境
- 個別のサポート
- 落ち着いた学習空間
の方が学びやすくなることがあります。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)でも、子どもの学習を見るときには、理解の状態だけでなく、**どのような環境で学ぶと力を発揮しやすいか**も大切にしています。
勉強の遅れを考えるときには、学習内容だけでなく、こうした環境の要素も含めて整理していくことが重要です。
勉強の遅れが広がる理由|教育研究から見える学習の仕組み
子どもの勉強の遅れが気になり始めると、多くの保護者は「どうすれば追いつけるのか」を考えます。
しかし、その前に一度立ち止まって考えておきたいことがあります。
それは、なぜ学習の遅れが広がってしまうのかということです。
実は教育研究の中では、学習がうまく進まなくなる理由について、さまざまな視点から研究が行われています。
ここでは、その中でも保護者が知っておくと役立つ考え方をいくつか紹介します。
最近接発達領域(ZPD)|子どもが最も成長する学習の負荷
子どもの学習を考えるうえでよく知られている概念の一つが、
**最近接発達領域(ZPD:Zone of Proximal Development)**です。
これは心理学者レフ・ヴィゴツキーが提唱した考え方で、
「一人では難しいが、支援があればできる課題」
の領域を指します。
子どもは、この領域の課題に取り組むときに最も成長します。
一方で、
- 簡単すぎる課題
- 難しすぎる課題
では、学習の効果があまり高くなりません。
学校の授業が分からなくなり始めるとき、多くの場合はこの学習の負荷が合っていない状態になっています。
例えば、
- 基礎理解が十分でない
- 授業の進度が速すぎる
- 説明を消化する時間が足りない
といった状況が続くと、子どもは「理解できない課題」に取り組み続けることになります。
すると、学習が少しずつ難しく感じられるようになり、結果として「勉強の遅れ」が広がってしまうことがあります。
参考
Vygotsky, L. S. (1978). Mind in Society
認知負荷理論|理解できない授業が続くと学習は止まる
もう一つ重要なのが、**認知負荷理論(Cognitive Load Theory)**です。
これは教育心理学者ジョン・スウェラーによって提唱された理論で、人間のワーキングメモリには限界があることを前提にしています。
簡単に言えば、人は一度に処理できる情報量が限られているため、難しい情報が多すぎると理解が追いつかなくなるという考え方です。
例えば、授業の説明が十分に理解できないまま次の内容に進むと、
- 新しい情報を処理する
- 前の内容を思い出す
- 問題を解く
という複数の作業が同時に必要になります。
その結果、脳の処理が追いつかなくなり、学習がうまく進まなくなることがあります。
こうした状況が続くと、子どもは「授業が分からない」と感じるようになり、勉強そのものがつらくなることもあります。
参考
Sweller, J. (1988). Cognitive Load During Problem Solving
学習性無力感|「どうせできない」と感じてしまう状態
学習がうまくいかない状況が続くと、子どもの気持ちにも変化が起こります。
何度も失敗を経験すると、
「どうせやってもできない」
「自分には無理」
と感じるようになることがあります。
心理学では、このような状態を
**学習性無力感(Learned Helplessness)**と呼びます。
この概念はマーティン・セリグマンの研究によって知られるようになりました。
学習性無力感の状態になると、
- 勉強に取り組む意欲が下がる
- 問題を見ただけで諦めてしまう
- 努力しても意味がないと感じる
といった反応が見られることがあります。
そのため、勉強の遅れを考えるときには、学習内容だけでなく、子どもの気持ちの状態も大切な視点になります。
参考
Seligman, M. (1975). Helplessness: On Depression, Development and Death
形成的アセスメント|理解の状態を見ながら学びを整える
学習を立て直すときに重要とされている考え方の一つが、
**形成的アセスメント(Formative Assessment)**です。
これは教育研究者ポール・ブラックとディラン・ウィリアムによって広く知られるようになった概念で、
学習の途中で理解の状態を確かめながら、次の学びを整えていく
というアプローチです。
単元テストのように結果だけを見るのではなく、
- 今どこまで理解できているのか
- どこでつまずいているのか
- 次にどの課題に取り組むとよいか
を見ながら学びを進めていきます。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)でも、子どもの学びを見るときには、このように**理解の状態を丁寧に見取りながら次の学びを整えること**を大切にしています。
勉強の遅れを考えるときには、「遅れているかどうか」だけを見るのではなく、
今どこにいるのかを丁寧に見ることが大切です。
そうすることで、子どもに合った学び方が見えてくることがあります。
勉強の遅れが心配なときに家庭でできる整理
子どもの勉強の遅れが気になったとき、保護者としては「何とかしてあげたい」と思うものです。
しかし、焦って対策を考える前に、一度落ち着いて状況を整理してみることが大切です。
多くの場合、学習がうまく進んでいないときには、どこかに小さなつまずきのポイントがあります。
その場所を見つけることができれば、学びを立て直す道筋が見えてくることも少なくありません。
ここでは、家庭でできる基本的な整理の視点を紹介します。
「どの教科」「どの単元」で止まっているのかを確認する
まず確認しておきたいのは、どこで理解が止まっているのかという点です。
例えば、
- 算数の計算はできるが文章題が苦手
- 漢字は書けるが読解問題が難しい
- 英語の単語は覚えているが文の意味が分からない
といったように、同じ教科でもつまずきの場所はさまざまです。
また、「今の単元が分からない」と思っていても、実際には前の学年の内容が影響していることもあります。
例えば算数では、
- 分数
- 小数
- 割り算
といった基礎が曖昧なまま進むと、その後の内容が理解しにくくなることがあります。
そのため、勉強の遅れが気になったときは、
「どの教科が苦手か」ではなく
「どの単元から理解が止まっているのか」
を見ていくことが大切です。
学年ではなく理解段階から学び直す
学校の学習は基本的に「学年」で進みます。
しかし、学びを立て直すときには、必ずしも学年に合わせる必要はありません。
むしろ重要なのは、子どもの理解段階に合わせて学びを組み立てることです。
例えば、
- 小学5年生でも4年生の内容を復習する
- 中学生でも小学校の算数を整理する
といったことは決して珍しいことではありません。
むしろ、理解の抜けている部分を丁寧に整理することで、その後の学習がスムーズに進むことも多くあります。
学び直しというと遠回りに感じるかもしれませんが、実際には**もっとも効率的な方法になることも少なくありません。
小さな成功体験を積み重ねる
勉強の遅れが続くと、子どもは次第に自信を失ってしまうことがあります。
テストの点数が下がったり、授業が分からなかったりすると、
「自分は勉強が苦手だ」
「どうせできない」
と感じるようになることもあります。
そのため、学びを立て直すときには、成功体験を積み重ねることがとても大切です。
例えば、
- 解ける問題から始める
- 少しだけ難しい問題に挑戦する
- 解けたことを一緒に確認する
といった小さな積み重ねが、子どもの自信を少しずつ回復させていきます。
学習は単に知識を増やすだけでなく、「自分はできる」という感覚を育てることも大切な要素です。
学習時間より「学習の負荷」を見直す
勉強の遅れが気になると、どうしても「勉強時間を増やす」ことを考えがちです。
しかし、学習がうまく進まない原因は、必ずしも時間の問題ではありません。
むしろ、
- 課題が難しすぎる
- 説明が理解できていない
- 学習方法が合っていない
といった理由で、学習の負荷が合っていないことも多くあります。
そのため、
「どれだけ長く勉強したか」ではなく
「どのような内容に取り組んでいるか」
を見ることが大切です。
子どもが少し頑張ればできる課題に取り組めるようになると、学習の流れが少しずつ変わることもあります。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)でも、子どもの学びを考えるときには、学習量だけではなく**課題の負荷が子どもに合っているかどうか**を大切にしています。
こうした視点を持つことで、勉強の遅れに対する見方が少し変わってくるかもしれません。
勉強の遅れを立て直すときの選択肢
子どもの勉強の遅れが気になり始めると、「どうすれば立て直せるのか」と考える保護者は多いでしょう。
実際には、学習の状況や子どもの特性によって、合う方法は一人ひとり違います。
家庭での学習で改善することもあれば、外部のサポートを取り入れた方が良い場合もあります。
ここでは、勉強の遅れを立て直すときに考えられる主な選択肢を整理してみます。
家庭学習で立て直せるケース
比較的軽い遅れであれば、家庭での学習を少し見直すことで改善することもあります。
例えば、
- 基礎の復習をする
- 学習時間を整える
- 問題集のレベルを調整する
といった方法です。
特に、理解が止まっている単元がはっきりしている場合は、その部分を丁寧に復習することで状況が改善することもあります。
ただし、子どもによっては家庭学習だけでは続きにくい場合もあるため、状況を見ながら他の方法も検討していくことが大切です。
学習塾が合うケース
学校の授業の補習として、多くの家庭が選ぶのが学習塾です。
学習塾には、
- 集団指導
- 個別指導
などさまざまな形式があります。
授業の内容をもう一度説明してもらうことで、理解が深まることもあります。
一方で、集団授業の場合は学校と同じように同じペースで進むことが多いため、基礎の理解が大きく抜けている場合には合わないこともあります。
個別指導が合うケース
理解の差が大きい場合には、個別指導が合うこともあります。
個別指導では、
- 子どもの理解に合わせて進める
- 質問しやすい
- 学習ペースを調整できる
といった特徴があります。
ただし、個別指導でも教材や進め方が子どもに合っていないと、思うように改善しないこともあります。
そのため、体験授業などを通して学習環境との相性を見ることも大切です。
学習習慣を整える放課後の学び
勉強の遅れの背景に、学習習慣の乱れがあることもあります。
例えば、
- 家で勉強する習慣がない
- 勉強のやり方が分からない
- 学習のリズムが作れない
といった場合です。
このようなときには、放課後の時間に落ち着いて学習に取り組める環境が役立つこともあります。
例えば、放課後に学習習慣を整える場として、ACADEMIA(https://moanavi.com/afterschool)のような学びの場もあります。
こうした場所では、学校の授業とは別に、自分の理解の段階に合わせて学習を進めることができます。
学校のペースとは少し距離を置きながら、落ち着いて学習に取り組める環境が合う子どももいます。
学校のスピードが合わない子どもに考えられる学び方
ここまで見てきたように、勉強の遅れが生まれる背景にはさまざまな要因があります。
その中でも比較的多いのが、学校の学習スピードとのミスマッチです。
学校では、一つのクラスの中で多くの子どもが一緒に授業を受けるため、基本的には同じペースで学習が進みます。
しかし、子どもの理解のスピードや学び方は一人ひとり違います。
そのため、
- 授業の説明を整理する時間がもう少し欲しい
- 基礎をもう一度確認してから進みたい
- 自分のペースで問題に取り組みたい
と感じる子どももいます。
こうした場合、学校の授業とは別に、子どもの理解段階に合わせた学び方を考えることも一つの選択肢になります。
学校のペースとは別に学び直すという考え方
日本の学校教育は、学年ごとにカリキュラムが決められており、基本的にはその流れに沿って授業が進みます。
そのため、途中で理解が追いつかなくなると、授業の内容が少しずつ難しく感じられることがあります。
こうしたときに大切なのは、「今の学年の内容を無理に追いかける」ことではなく、理解できるところから学びを整理し直すことです。
例えば、
- 算数の基礎計算をもう一度整理する
- 国語の読解の練習を増やす
- 英語の単語や文の構造を丁寧に確認する
といった形で、理解の土台を整えていくことが、結果として学習を安定させることにつながる場合もあります。
こうした考え方は、先ほど紹介した**最近接発達領域(ZPD)**の考え方とも関係しています。
子どもが「少し頑張ればできる」課題に取り組める環境を整えることが、学びを前に進めるうえで大切です。
一人ひとりの理解段階から学びを組み立てる学び
子どもの理解の段階に合わせて学びを進める方法は、塾や家庭学習だけでなく、さまざまな教育の場で取り入れられています。
例えば、
- 個別指導型の学習
- 自己調整学習を重視した学び
- 少人数での学習環境
などです。
こうした学び方では、単に問題を解くだけでなく、
- どこまで理解できているのか
- どこでつまずいているのか
- 次にどの課題に取り組むとよいか
といった点を丁寧に見ながら学習を進めていきます。
理解の状態を確認しながら次の学びを整える方法は、教育研究では形成的アセスメントと呼ばれています(Black & Wiliam, 1998)。
このような考え方を取り入れることで、子どもが無理なく学習を進められる場合もあります。
オルタナティブスクールという選択肢
子どもの学習の状況によっては、学校の授業だけではなく、学び方そのものを見直すという選択肢もあります。
近年は、学校以外の学びの場として、
- フリースクール
- オルタナティブスクール
- 学び直しの教育機関
など、さまざまな教育の形が広がっています。
こうした場所では、子どもの理解の段階や興味関心に合わせて学びを進めることができる場合もあります。
横浜でも、子ども一人ひとりの理解の現在地から学びを組み立てる場として、モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)のような教育の形があります。
ここでは、学年や一斉授業のペースにとらわれるのではなく、子どもの理解の状態を丁寧に見取りながら学びを進めることを大切にしています。
すべての子どもに同じ学び方が合うわけではありません。
そのため、もし学校の学習ペースが合わないと感じる場合には、さまざまな学びの形を知っておくことも、保護者にとって一つの安心材料になるかもしれません。
モアナビ協創学園が大切にしている学び方
ここまで見てきたように、子どもの勉強の遅れは必ずしも能力の問題とは限りません。
むしろ多くの場合、
- 学習の負荷が合っていない
- 基礎理解が整理されていない
- 学び方が分からない
といった要因が重なっていることがあります。
そのため、学びを立て直すときには、単に問題を増やすのではなく、子どもの現在地から学びを組み立て直すことが大切になります。
横浜にあるモアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)では、そのような考え方を土台に学びを進めています。
一人ひとりの理解の現在地から学びを組み立てる
モアナビ協創学園では、学習を始めるときにまず大切にしているのが、子どもの理解の現在地を丁寧に見ることです。
例えば算数の場合でも、
- 計算はできるが文章題が苦手
- 分数の概念があいまい
- 図形問題でつまずいている
など、子どもによって理解の状況は大きく異なります。
そのため、学年の内容を一律に進めるのではなく、
- どこまで理解できているのか
- どこで止まっているのか
を見ながら、学びを少しずつ組み立てていきます。
このように現在の理解を確認しながら次の学びを整えていく方法は、教育研究では形成的アセスメントと呼ばれる考え方とも関係しています(Black & Wiliam, 1998)。
理解の状態を見ながら学びを進めることで、子どもにとって無理のない学習の流れを作ることができます。
最近接発達領域(ZPD)を意識した学習デザイン
子どもが最も成長しやすい課題の領域として知られているのが、**最近接発達領域(ZPD)**です。
これは心理学者ヴィゴツキーによって提唱された概念で、
一人では難しいが、支援があればできる課題
の領域を指します。
モアナビ協創学園では、子どもが取り組む課題を考えるときに、この考え方を大切にしています。
課題が簡単すぎると成長は生まれにくく、逆に難しすぎると学習が止まってしまうことがあります。
そのため、
- 少し頑張ればできる
- 挑戦する価値がある
- 解けたときに達成感がある
という負荷のバランスを意識しながら、学習内容を調整しています。
こうした学び方は、勉強の遅れが気になっている子どもにとっても、無理なく学習を進める助けになることがあります。
挑戦の過程を見取りながら学びを整える
学習を考えるとき、多くの場合はテストの点数などの結果に注目しがちです。
しかし、学びのプロセスを見ると、子どもがどのように考え、どこで迷い、どのように理解していくのかが見えてきます。
モアナビ協創学園では、こうした挑戦の過程を大切にしています。
例えば、
- どの課題を選んだのか
- どこでつまずいたのか
- どのように解決しようとしたのか
といった点を丁寧に見ながら、次の学びを整えていきます。
こうした視点は、子どもが自分の学びを理解することにもつながります。
スタディポイントによる自己調整学習
モアナビ協創学園では、子どもが自分の学びを調整しながら進めていくことも大切にしています。
その一つの仕組みが、スタディポイント制度です。
スタディポイントでは、
- 難易度を選ぶ
- 挑戦を続ける
- 学びを振り返る
といった学習のプロセスがポイントとして可視化されます。
ここで大切にしているのは、点数や順位ではなく、挑戦の過程です。
教育心理学でも、学習者が自分の学びを調整しながら進める力は、**自己調整学習(Zimmerman, 2002)**として重要な能力とされています。
こうした仕組みを通して、子どもが自分の学びを主体的に進めていく力を少しずつ育てていきます。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)では、このような学び方を通して、子ども一人ひとりが自分のペースで学びを進められる環境を大切にしています。
まとめ|勉強の遅れは「学びを組み立て直すサイン」
子どもの勉強の遅れが気になったとき、多くの保護者は「このまま取り返せなくなるのではないか」と不安になります。
しかし実際には、勉強の遅れは必ずしも能力の問題とは限りません。
ここまで見てきたように、
- 学校の授業スピードが合っていない
- 基礎理解の抜けがある
- 勉強のやり方が分からない
- 学習への自信を失っている
- 学習環境が合っていない
など、さまざまな要因が重なっていることがあります。
そのため、まず大切なのは「遅れているかどうか」を判断することではなく、子どもが今どこでつまずいているのかを丁寧に見ることです。
理解が止まっているポイントが見えてくると、そこから学びを整理し直すことができます。
そして多くの場合、学びを立て直すために必要なのは、勉強時間を増やすことよりも、子どもに合った負荷で学習を進めることです。
少し頑張ればできる課題に取り組み、小さな成功体験を積み重ねることで、学びの流れが変わることもあります。
もし家庭だけで整理するのが難しい場合には、
- 学習塾
- 個別指導
- 放課後の学習環境
- 学び直しの教育機関
など、さまざまな選択肢を検討することもできます。
横浜でも、子どもの理解の現在地から学びを組み立てる場として、モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)のような学びの形があります。
学びは一人ひとり違います。
だからこそ、「今の状況」を丁寧に見ながら、その子に合った方法を見つけていくことが大切です。
もし勉強の遅れについて不安を感じている場合は、一人で抱え込まず、信頼できる大人や学びの場に相談してみることも一つの方法です。
子どもの学びは、必ずしも一直線に進むものではありません。
ときには立ち止まりながらも、少しずつ自分のペースで前に進んでいくことができれば、それもまた大切な学びのプロセスなのです。
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この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。


