
勉強嫌いの子どもにどう向き合えばいいのか。
小学生・中学生の保護者からは、
「勉強をやりたがらない」
「宿題を避けるようになった」
「このままで大丈夫なのか不安」
といった相談がよく聞かれます。
しかし、子どもが勉強嫌いになる背景には、単なるやる気の問題だけでなく、学習のつまずきや失敗体験、学び方のミスマッチなど、さまざまな理由が隠れていることがあります。
この記事では、教育心理学の研究も参考にしながら、子どもが勉強嫌いになる原因を整理し、家庭でできる対応や学びの立て直し方を解説します。
もしお子さんが「勉強が嫌い」と感じている場合でも、学び方や環境を少し見直すことで、再び学びに向かうきっかけが生まれることもあります。
焦らずに状況を整理するための視点を、一緒に考えていきましょう。
勉強嫌いになった子どもは珍しくない|まず知っておきたいこと
子どもが「勉強したくない」「宿題をやりたくない」と言い始めると、多くの保護者は不安になります。
「このままで大丈夫だろうか」
「将来困るのではないか」
「もっと頑張らせた方がいいのではないか」
そう感じるのは、とても自然なことです。
しかし実際には、勉強嫌いになった子どもは決して珍しい存在ではありません。
むしろ小学生・中学生の時期には、多くの子どもが一度は
「勉強に前向きになれない時期」
を経験すると言われています。
まず大切なのは、
「うちの子だけがおかしいのではないか」と思いすぎないことです。
そしてもう一つ大切なのは、
勉強嫌いを単純に「やる気の問題」と捉えないことです。
子どもが勉強に向かえなくなる背景には、さまざまな理由があります。
小学生の勉強嫌いは多くの家庭で起きている
小学生の学習は、学年が上がるにつれて急に難しくなります。
たとえば算数では
- 低学年:計算中心
- 中学年:文章題・概念理解
- 高学年:抽象的思考
というように、求められる力が大きく変わります。
また、学習量も増えていきます。
- 宿題
- テスト
- 塾
- 習い事
こうした負荷が重なると、子どもが勉強に前向きになれなくなることは珍しくありません。
特に小学生の段階では、
「つまずきに気づきにくい」
という特徴があります。
子どもは
「わからない」
「難しい」
という気持ちをうまく言葉にできないことが多いからです。
その結果、
- 宿題を後回しにする
- 勉強の話題を避ける
- すぐに「わからない」と言う
といった形で現れることがあります。
こうした状態を見ると、保護者は
「やる気がないのではないか」
と思ってしまうかもしれません。
しかし実際には、
学びの途中で困っているサインであることも多いのです。
「やる気がない子」ではなく状態の問題であることが多い
教育心理学では、子どもが勉強に向かえなくなる背景として
学習性無力感(Learned Helplessness)
という概念が知られています。
これは心理学者
Martin Seligman(マーティン・セリグマン)
によって提唱された理論です。
参考文献
Seligman, M. (1975)
Helplessness: On Depression, Development, and Death
学習性無力感とは、簡単に言えば
「どうせやってもできない」
と感じてしまう状態です。
何度も失敗を経験したり、うまくいかない経験が続くと、人は挑戦する気持ちを失ってしまうことがあります。
子どもが
- 勉強に取り組まない
- すぐ諦める
- 「自分はできない」と言う
といった様子を見せるとき、そこには
自信を失っている状態
が隠れていることがあります。
このときに
「もっと頑張りなさい」
「やればできるでしょ」
と声をかけても、状況はなかなか変わりません。
なぜなら子ども自身は
「できると思えない」
状態にあるからです。
勉強嫌いは、子どもの性格の問題というより
学びの経験の積み重ねによって生まれる状態
と考えることができます。
勉強嫌いを放置するとどうなるのか
もちろん、勉強嫌いの状態が長く続くと、学習面で困る場面が出てくる可能性はあります。
特に小学生の段階では
- 基礎的な計算
- 読み書き
- 基本概念
といった土台をつくる時期でもあります。
そのため、つまずきが積み重なると
- 授業についていけない
- 宿題が苦痛になる
- 勉強に対する苦手意識が強くなる
といった状況が生まれることがあります。
ただし、ここで焦りすぎる必要はありません。
勉強嫌いは
早い段階で原因に気づき、学び方を見直すことで立て直すことができる
ケースも多いからです。
実際、学習科学の研究では
子どもの成長は「最適な難易度の課題」に取り組むときに起こる
とされています。
これは心理学者
Lev Vygotsky(レフ・ヴィゴツキー)
が提唱した
最近接発達領域(ZPD)
という考え方です。
参考文献
Vygotsky, L. S. (1978)
Mind in Society
最近接発達領域とは、
- 一人では難しい
- しかし支援があればできる
という領域のことです。
子どもはこの領域で学ぶときに、最も成長すると考えられています。
逆に言えば
- 簡単すぎる課題
- 難しすぎる課題
では、学びに向かう意欲が生まれにくくなります。
もし子どもが勉強嫌いになっている場合、
学びの難易度が今の状態に合っていない
可能性も考えられます。
こうしたときは、
- 今どこでつまずいているのか
- どこまで理解できているのか
- どのくらいの負荷なら取り組めるのか
を丁寧に見取りながら、学びを組み立て直すことが重要になります。
モアナビ協創学園でも、子どもの理解の状態や挑戦の様子を見ながら、学びの現在地を確認し、その子に合った学習を組み立てていきます。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)
勉強嫌いの背景には、必ず理由があります。
その理由を丁寧に見ていくことで、子どもが再び学びに向かうきっかけが生まれることも少なくありません。
なぜ子どもは勉強嫌いになるのか|よくある5つの原因
子どもが勉強嫌いになったとき、保護者としては
「やる気がないのでは?」
「怠けているだけでは?」
と感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし多くの場合、勉強嫌いの背景にははっきりとした理由があります。
子どもが勉強から離れてしまうときには、
- 学習の難易度
- 学習経験
- 周囲の関わり方
- 学ぶ意味の感じ方
など、いくつかの要因が重なっていることが少なくありません。
ここでは、実際によく見られる原因を整理してみます。
原因① 学校のスピードについていけない
小学校の授業は、基本的に学年全体の平均的な理解速度に合わせて進んでいきます。
しかし実際には、子どもの理解のスピードは一人ひとり違います。
ある子にとっては
「ちょうどよい難易度」
でも、別の子にとっては
「少し難しい」
こともあります。
そして一度つまずくと、次の単元でも理解が難しくなり、少しずつ
- 授業がわからない
- 宿題がつらい
- テストが不安
という状況が生まれることがあります。
この状態が続くと、子どもは
「勉強は難しいもの」
「自分にはできない」
と感じるようになり、勉強に向かう意欲が下がっていくことがあります。
原因② つまずきが放置されている
勉強嫌いの子どもには、小さなつまずきがそのまま残っていることもよくあります。
たとえば算数では、
- 繰り上がりの計算
- 割り算の概念
- 分数
- 文章題
など、どこか一つの理解が曖昧なままだと、その後の学習にも影響が出ます。
しかし学校では授業が次々に進むため、つまずきがあっても
「なんとなくわかったことにして進んでしまう」
ことが起こりやすいのです。
そして理解が追いつかなくなると、子どもは
- 宿題を避ける
- 勉強の話題を避ける
- 勉強を始めるまでに時間がかかる
といった行動を見せることがあります。
これは怠けているというより、
困っている状態
と考えることもできます。
原因③ 勉強=失敗体験になっている
人は成功体験がある活動には取り組みやすくなります。
反対に、
- うまくできない
- 間違いが多い
- 叱られる
といった経験が続くと、その活動を避けるようになります。
心理学では、こうした状態を
学習性無力感
と呼びます。
失敗体験が積み重なると、人は
「どうせできない」
と感じやすくなります。
すると
- 最初からやろうとしない
- 途中ですぐ諦める
- 勉強の話題を避ける
といった行動が見られることがあります。
このとき大切なのは、
子どもが努力していないのではなく、挑戦する気持ちが弱くなっている
可能性があることです。
原因④ 比較や叱責で自信を失っている
子どもは、大人が思っている以上に周囲との比較を感じています。
例えば
- テストの点数
- クラスの順位
- 友達の理解の速さ
- 兄弟姉妹との比較
などです。
こうした状況の中で
「どうしてできないの?」
「もっと頑張りなさい」
といった言葉が続くと、子どもは
自分は勉強が苦手な子だ
という認識を持つようになることがあります。
心理学者キャロル・ドゥエックは、
人は能力を
- 固定されたもの
- 成長するもの
どちらと捉えるかによって行動が変わると指摘しています。
参考文献
Dweck, C. (2006)
Mindset: The New Psychology of Success
もし子どもが
「自分は勉強ができない」
と感じるようになると、挑戦そのものを避けるようになることがあります。
原因⑤ 勉強の意味が見えなくなっている
もう一つ見落とされやすい原因が、
勉強の意味がわからなくなっている
というケースです。
子どもは
「なぜ勉強するのか」
が見えなくなると、取り組む理由を見失いやすくなります。
心理学では、人が意欲的に取り組むには
- 自分で選んでいる感覚
- できそうという感覚
- 安心できる人との関係
が重要だとされています。
これは
自己決定理論(Self-Determination Theory)
と呼ばれる考え方です。
参考文献
Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000)
Self-Determination Theory and the Facilitation of Intrinsic Motivation
もし子どもが
- 勉強はやらされるもの
- 勉強しても意味がない
と感じていると、学びに向かう意欲は生まれにくくなります。
この場合、単に「やりなさい」と言うよりも、
学びとの関係をもう一度作り直すこと
が重要になることがあります。
例えば
- 今どこまで理解できているのか
- どんな課題なら取り組めそうか
- どんな方法なら学びやすいか
を丁寧に見ながら、学び方を整えていくことが必要になることもあります。
モアナビ協創学園では、子どもの理解の状態や挑戦の様子を見ながら、その子に合った学びの進め方を考えていきます。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)
勉強嫌いの背景には、さまざまな理由があります。
そして多くの場合、原因を整理していくことで、子どもが再び学びに向かうきっかけを見つけることができます。
勉強嫌いの背景にある心理|教育研究から見えること
子どもが勉強を避けるようになると、つい
「やる気がない」
「もっと努力すればいい」
と考えてしまうことがあります。
しかし教育学や心理学の研究では、学びに向かう姿勢は単純な努力だけで説明できるものではないとされています。
むしろ
- 課題の難易度
- 成功体験の積み重ね
- 自分で選んでいる感覚
- 周囲との関係
といった要素が、学習意欲に大きく関わることが分かっています。
ここでは、勉強嫌いを理解するうえで参考になる代表的な研究をいくつか紹介します。
学習性無力感|「どうせできない」と感じる状態
子どもが勉強を避けるようになる背景としてよく知られているのが、
学習性無力感(Learned Helplessness)
という心理状態です。
これは心理学者
Martin Seligman(マーティン・セリグマン)
によって提唱された概念です。
参考文献
Seligman, M. (1975)
Helplessness: On Depression, Development, and Death
学習性無力感とは、何度も失敗を経験することで
「どうせやってもできない」
と感じるようになる状態を指します。
例えば
- テストで点数が取れない
- 宿題が難しくて終わらない
- 叱られる経験が続く
といった経験が重なると、子どもは次第に
「やっても意味がない」
と感じるようになることがあります。
すると
- 勉強を始めない
- 途中でやめてしまう
- 「自分はできない」と言う
といった行動が見られることがあります。
この状態では、単に「頑張りなさい」と声をかけても、状況はあまり変わりません。
むしろ
成功体験を積み重ねること
が重要だとされています。
最近接発達領域(ZPD)|難しすぎても簡単すぎても意欲は生まれない
子どもの学びを考えるうえで重要な考え方の一つが
最近接発達領域(ZPD)
です。
これは心理学者
Lev Vygotsky(レフ・ヴィゴツキー)
が提唱しました。
参考文献
Vygotsky, L. S. (1978)
Mind in Society
最近接発達領域とは
- 一人では難しい
- しかし支援があればできる
という領域のことです。
研究では、子どもはこの領域で学ぶときに、最も成長すると考えられています。
逆に言えば
- 簡単すぎる課題
- 難しすぎる課題
では、学びへの意欲は生まれにくくなります。
もし子どもが勉強嫌いになっている場合、
学びの難易度が今の状態と合っていない
可能性も考えられます。
そのため、
- どこまで理解できているのか
- どこでつまずいているのか
を丁寧に見ながら、学びを組み立て直すことが大切になります。
自己決定理論|やらされる勉強では続かない
人が意欲的に取り組むためには何が必要なのか。
この問いに対して、多くの研究で支持されているのが
自己決定理論(Self-Determination Theory)
です。
提唱者は
Edward Deci と Richard Ryan
です。
参考文献
Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000)
The “What” and “Why” of Goal Pursuits: Human Needs and the Self-Determination of Behavior
この理論では、人が意欲的に取り組むためには次の3つが重要だとされています。
自律性
自分で選んでいる感覚
有能感
できそうだと感じる感覚
関係性
安心できる人とのつながり
もし子どもが
- やらされている
- どうせできない
- 否定されている
と感じていると、学びに向かう意欲は生まれにくくなります。
反対に
- 自分で選べる
- 少し頑張ればできる
- 安心して取り組める
という環境では、子どもは自然と学びに向かいやすくなると言われています。
自己調整学習|自分で学び方を選べる子は伸びやすい
もう一つ重要な考え方が
自己調整学習(Self-Regulated Learning)
です。
教育心理学者
Barry Zimmerman
によって提唱された理論です。
参考文献
Zimmerman, B. (2002)
Becoming a Self-Regulated Learner
自己調整学習とは
- 目標を決める
- 方法を選ぶ
- 結果を振り返る
というサイクルを自分で回していく学び方です。
この力が育っている子どもは
- 自分に合った課題を選ぶ
- つまずきを調整する
- 学び方を変える
ことができるため、学習が継続しやすいとされています。
勉強嫌いを「性格の問題」と考えるのではなく、こうした研究の視点から整理すると、子どもの状態をより丁寧に理解することができます。
そして多くの場合、
学び方を少し調整することで、子どもが再び学びに向かうきっかけが生まれる
こともあります。
勉強嫌いになった子どもへの家庭での対応
子どもが勉強を嫌がるようになると、多くの保護者は戸惑います。
「どう声をかければいいのだろう」
「もっと勉強させた方がいいのだろうか」
しかし、勉強嫌いの状態にある子どもに対して、無理に勉強量を増やすだけでは状況が良くならないことも少なくありません。
むしろ大切なのは、子どもが勉強を避けている背景を見ながら、学びに向かいやすい状態を整えていくことです。
ここでは、家庭でできる対応の考え方を整理してみます。
まずは原因を急がず見取りする
勉強嫌いの子どもに対して、最初に大切なのは
すぐに対策を決めようとしすぎないこと
です。
例えば
- 授業が難しいのか
- 宿題の量が多いのか
- 勉強のやり方が分からないのか
- 自信を失っているのか
原因は子どもによって違います。
そのため
- どこで困っているのか
- どの教科がつらいのか
- どんなときに避けようとするのか
といった様子を、まず丁寧に見ていくことが大切です。
教育の現場では、こうした子どもの状態を見取りながら次の学びにつなげていく考え方を
形成的アセスメント
と呼びます。
参考
Black, P., & Wiliam, D. (1998)
Assessment and Classroom Learning
子どもの様子を見ながら学びを調整していくことで、無理なく学習に向かいやすくなる場合があります。
勉強量より成功体験を増やす
勉強嫌いになっている子どもにとって、最も大切なのは
「できた」という経験を取り戻すこと
です。
もし子どもが
- 問題が難しすぎる
- 宿題が終わらない
- テストで点数が取れない
といった経験を重ねている場合、勉強そのものがつらいものになっている可能性があります。
この状態では、量を増やすよりも
- 解ける問題から始める
- 少ない量で終わる
- 成功体験を積む
ことの方が大切になることがあります。
成功体験が増えると、
「やればできるかもしれない」
という感覚が少しずつ戻ってくることがあります。
小さな「できた」を積み重ねる
成功体験は、大きな成果である必要はありません。
むしろ
- 計算問題を5問解けた
- 宿題を10分取り組めた
- 一つの漢字を覚えた
といった小さな達成の方が、積み重ねやすいこともあります。
子どもが勉強に向かえないときは、
「全部やりなさい」
ではなく
「ここまでやってみよう」
という形で、ハードルを下げることも有効です。
こうした小さな挑戦を積み重ねることで、子どもが再び学びに向かうきっかけが生まれることがあります。
勉強のハードルを下げる工夫
子どもが勉強を避けているときには、学びのハードルを少し下げる工夫も役立つことがあります。
例えば
- 学習時間を短くする
- 問題数を減らす
- 一緒に取り組む
- 学習の順番を変える
などです。
重要なのは
子どもが取り組める難易度に調整すること
です。
心理学者ヴィゴツキーが提唱した
最近接発達領域(ZPD)
の考え方でも、子どもは
「少し頑張ればできる課題」
に取り組むときに成長するとされています。
そのため、
- 難しすぎる課題
- 量が多すぎる課題
が続いている場合は、学び方を見直すことで状況が変わることもあります。
勉強の目的を一緒に考える
子どもが勉強を避けるようになったとき、
「どうして勉強するの?」
と聞かれることもあります。
この問いに、すぐに答えを出すのは簡単ではありません。
ただし、勉強の意味について
- 将来のため
- 進学のため
と説明するだけでは、子どもが実感を持てないこともあります。
そのため、
- どんなことに興味があるのか
- 何ができるようになりたいのか
- 学ぶことでどんな世界が広がるのか
といった話を、少しずつ共有していくことも大切です。
勉強を「やらされるもの」から
自分の成長につながるもの
として感じられるようになると、学びに向かう姿勢が変わることもあります。
学び方を整えることで状況が変わることもある
勉強嫌いになった子どもでも、
- 学びの難易度
- 学習方法
- 学習環境
が合ってくると、少しずつ学びに向かえるようになるケースもあります。
そのため、
- どこでつまずいているのか
- どんな課題なら取り組めるのか
- どんな環境なら集中できるのか
を丁寧に見ていくことが重要になります。
モアナビ協創学園では、子どもの理解の状態や挑戦の様子を見ながら、今の状態に合った学びを組み立てていきます。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)
勉強嫌いは、一度なってしまうと変えられないものではありません。
学び方や環境を見直すことで、子どもが再び学びに向かうきっかけが生まれることもあります。
勉強嫌いを立て直すために大切なこと
子どもが勉強を避けるようになると、保護者としてはどうしても焦りが生まれます。
「このままで大丈夫なのだろうか」
「もっと頑張らせた方がいいのではないか」
そう感じるのは自然なことです。
しかし、勉強嫌いを立て直すときには、単に勉強量を増やすよりも、学びとの関係を整え直すことが重要になります。
ここでは、そのために大切な視点を整理してみます。
「努力不足」と決めつけない
勉強嫌いになった子どもに対して、
「もっと努力すればできるはず」
と考えてしまうこともあるかもしれません。
もちろん努力は大切ですが、勉強に向かえない状態の子どもにとっては、
努力するための土台が整っていない
こともあります。
例えば
- 内容が理解できていない
- 課題が難しすぎる
- 失敗体験が続いている
といった状態では、努力そのものが苦しいものになってしまいます。
そのため、まずは
なぜ勉強に向かいにくくなっているのか
を整理することが大切です。
学びの現在地を見直す
勉強嫌いを立て直すときに重要なのは、
子どもの学びの現在地を確認すること
です。
例えば算数であれば、
- どこまでは理解できているのか
- どこでつまずいているのか
を見ていく必要があります。
学校では授業が進んでいくため、つまずきがあってもそのまま次の単元へ進むことがあります。
その結果、
- 授業がわからない
- 宿題が難しい
- 勉強そのものがつらい
という状態が生まれることがあります。
こうしたときには、学年にこだわるよりも
理解できるところまで戻る
ことで、学びに向かいやすくなることもあります。
最適な負荷で学び直す
教育心理学では、子どもの成長は
最適な難易度の課題
に取り組むときに起こるとされています。
心理学者ヴィゴツキーが提唱した
最近接発達領域(ZPD)
という考え方では、
- 一人では難しい
- しかし支援があればできる
という領域が、最も学びが進みやすいとされています。
参考文献
Vygotsky, L. S. (1978)
Mind in Society
もし子どもが勉強嫌いになっている場合、
- 課題が難しすぎる
- 学習量が多すぎる
可能性も考えられます。
この場合は、学習内容を少し調整することで
「やればできる」
という感覚が戻ることがあります。
そして、この感覚が少しずつ積み重なることで、学びに向かう姿勢も変わっていくことがあります。
子どもが選べる学びを用意する
勉強嫌いを立て直すためには、
子どもが自分で学びに関われる状態
をつくることも大切です。
心理学の研究では、人が意欲的に取り組むためには
- 自分で選んでいる感覚
- できそうだという感覚
- 安心できる人との関係
が重要だとされています。
これは
自己決定理論
と呼ばれる考え方です。
参考文献
Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000)
そのため
- 学習内容を少し選べるようにする
- 学習の順番を決められるようにする
- 学び方を一緒に考える
といった工夫をすることで、子どもが学びに向かいやすくなることがあります。
勉強嫌いは、子どもの能力が低いことを意味するわけではありません。
多くの場合、
学び方や環境が今の状態と合っていない
だけのこともあります。
そのため、学び方を少し見直すことで、子どもが再び学びに向かうきっかけが生まれることもあります。
それでも勉強嫌いが続くときの判断ポイント
家庭で声をかけたり、学習の進め方を工夫したりしても、子どもがなかなか勉強に向かえないこともあります。
そのとき保護者として迷うのが、
「このまま様子を見ていいのだろうか」
「何か別の方法を考えた方がいいのだろうか」
という判断です。
子どもの状態は一人ひとり違うため、すぐに結論を出す必要はありません。
ただし、いくつかのポイントを見ながら整理していくと、次にどんな対応を考えるべきかが見えてくることがあります。
学習のつまずきが大きいケース
まず考えられるのが、学習内容のつまずきが大きいケースです。
例えば
- 授業がほとんど理解できていない
- 宿題が一人では進められない
- テストの内容がわからない
といった状況が続いている場合、子どもは
「頑張ってもできない」
と感じている可能性があります。
こうした状態では、単に勉強時間を増やしても状況が変わりにくいことがあります。
大切なのは、
- どこでつまずいているのか
- どこまで理解できているのか
を整理し、学びの現在地から学び直すことです。
場合によっては、学年より前の内容から見直すことで、理解がつながることもあります。
学校環境が合っていないケース
もう一つ考えられるのは、学校の環境が子どもに合っていないケースです。
例えば
- 授業の進むスピードが合わない
- 教室の雰囲気が落ち着かない
- 周囲との比較が強く感じられる
といった状況では、学習そのものよりも環境がストレスになっていることがあります。
この場合、子どもは
- 勉強そのものが嫌いなのではなく
- 学校の中での学習がつらい
という状態になっている可能性もあります。
そのため、
- 学習の方法
- 学習の環境
を見直すことで、状況が変わることもあります。
学び方が合っていないケース
もう一つ見落とされやすいのが、
学び方が子どもに合っていないケースです。
学校では基本的に
- 同じ教材
- 同じペース
- 同じ方法
で授業が進みます。
しかし実際には、子どもによって
- 理解しやすい説明
- 学びやすい順番
- 集中しやすい環境
は違います。
例えば
- 少人数の方が落ち着く
- 自分のペースで進めたい
- 丁寧に学び直したい
といった子どももいます。
このような場合、学び方を変えることで、子どもが再び学びに向かいやすくなることがあります。
モアナビ協創学園では、一人ひとりの理解の状態や挑戦の様子を見ながら、その子に合った学びの進め方を考えていきます。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)
勉強嫌いの状態が続くときは、
- 子どもの努力不足
- 性格の問題
と決めつけるのではなく、
学び方や環境が合っているか
という視点で整理してみることが大切です。
そうすることで、子どもにとってよりよい学びの形が見えてくることもあります。
学校以外の学びの選択肢
子どもが勉強嫌いになっているとき、保護者としては
「学校の勉強についていけなくなったらどうしよう」
「このまま勉強が嫌いなままで大丈夫だろうか」
と不安になることもあるかもしれません。
ただ最近では、子どもの学び方は以前よりも多様になっています。
学校だけが唯一の学びの場ではなく、子どもの状態や性格に合わせて、さまざまな学び方を選ぶ家庭も増えてきています。
ここでは、学校以外にも考えられるいくつかの選択肢を整理してみます。
学校の支援制度を活用する
まず考えられるのは、学校の中にある支援制度です。
学校によって名称は異なりますが、
- 学習支援教室
- 別室での学習
- 教育相談
といった形で、子どもの状況に合わせたサポートが行われている場合もあります。
こうした制度では
- 学習のペースを調整する
- 落ち着いた環境で取り組む
- 学習面の相談をする
といった支援を受けられることがあります。
担任の先生や学校の相談窓口に相談することで、利用できる支援が見えてくる場合もあります。
フリースクールなどの学びの場
学校以外の学びの場として知られているのが、フリースクールです。
フリースクールは、学校とは異なる形で学びを行う教育機関で、
- 少人数
- 個別の学習
- 自分のペースで学ぶ
といった特徴を持つところもあります。
最近では、子どもの状態に合わせて
- 学習中心のフリースクール
- 体験活動中心のフリースクール
など、さまざまなタイプの学びの場が生まれています。
ただし、フリースクールといっても内容は大きく異なるため、
- 学習内容
- 学び方
- 子どもとの相性
などをよく確認することが大切です。
学習環境を見直す選択
勉強嫌いの背景には、
- 学習の難易度
- 学習方法
- 学習環境
が影響していることもあります。
そのため、
- 学び直しができる環境
- 少人数で学べる環境
- 自分のペースで進められる環境
などに変えることで、子どもが再び学びに向かえるようになるケースもあります。
モアナビ協創学園では、一人ひとりの理解の状態を丁寧に見ながら、その子に合った学びを組み立てていきます。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)
勉強嫌いになっている子どもにとっては、
- 学びのスピード
- 学習の方法
- 学びの環境
が合っているかどうかが大きく影響します。
そのため、もし現在の学び方がつらくなっている場合は、少し視点を広げてみることで、子どもに合った学びの形が見えてくることもあります。
横浜で学びの環境を探している場合
子どもが勉強嫌いになっているとき、保護者の中には
「横浜で相談できる場所はあるだろうか」
「学校以外の学びの場はあるのだろうか」
と探し始める方もいます。
近年、横浜でも子どもの学び方は少しずつ多様になってきています。
以前は
- 学校
- 塾
という選択肢が中心でしたが、現在では
- 学習支援の場
- フリースクール
- オルタナティブスクール
など、さまざまな形の学びが広がりつつあります。
横浜で増えている多様な学び
横浜は人口が多い都市でもあるため、子どもの学びの場も比較的多く存在します。
例えば
- 学び直しを中心とした学習支援
- 少人数のフリースクール
- 探究型の学びを重視するスクール
など、それぞれに特徴があります。
ただし、同じ「フリースクール」や「学習支援」といっても、
- 学習の進め方
- 子どもへの関わり方
- 学びの目的
は大きく違います。
そのため、見学や相談を通して
- 子どもの状態に合っているか
- 学びの考え方が家庭と合っているか
を丁寧に確認することが大切です。
学びの環境を選ぶときのポイント
子どもの学びの環境を考えるときには、いくつかのポイントがあります。
まず大切なのは、
子どもの現在の状態に合っているか
という視点です。
例えば
- 学び直しが必要なのか
- 学習ペースを調整したいのか
- 学び方を変えたいのか
によって、合う環境は変わります。
もう一つ大切なのは、
子どもが安心して学べる環境か
という点です。
勉強嫌いになっている子どもは、
- 失敗を恐れている
- 自信を失っている
ことも少なくありません。
そのため、
- 少人数で落ち着いて学べる
- 一人ひとりの理解を見ながら進められる
- 自分のペースで取り組める
といった環境の方が合う場合もあります。
横浜・戸部にあるモアナビ協創学園では、子どもの理解の状態や挑戦の様子を見ながら、今の状態に合った学びを組み立てています。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)
勉強嫌いは、子どもが学ぶ力を失っていることを意味するわけではありません。
多くの場合、
- 学びの難易度
- 学び方
- 学習環境
のどこかが、今の子どもの状態と合っていないだけということもあります。
環境を少し見直すことで、子どもが再び学びに向かうきっかけが生まれることもあります。
まとめ|勉強嫌いは立て直すことができる
子どもが勉強を嫌がるようになると、保護者としては不安や焦りを感じることもあると思います。
「このままで大丈夫だろうか」
「将来困るのではないか」
そう感じるのは、ごく自然なことです。
しかし、勉強嫌いの状態は決して珍しいものではありません。
そして多くの場合、子どもが勉強を避けるようになる背景には、はっきりとした理由があります。
例えば
- 学習内容のつまずき
- 課題の難易度が合っていない
- 失敗体験が続いている
- 勉強の意味が見えなくなっている
といった要因が重なることで、子どもが学びから距離を置くようになることがあります。
そのため、勉強嫌いを立て直すときに大切なのは、単に勉強量を増やすことではなく、
子どもの学びの現在地を丁寧に見ていくこと
です。
どこまで理解できているのか。
どこでつまずいているのか。
どのくらいの負荷なら取り組めるのか。
こうした視点で学びを見直していくことで、子どもが再び学びに向かうきっかけが生まれることもあります。
教育心理学でも、子どもの成長は
少し頑張ればできる課題
に取り組むときに起こるとされています。
そのため、学びの難易度や学習環境を調整することで、子どもが自信を取り戻していくケースも少なくありません。
もし家庭での対応だけでは難しいと感じる場合は、
- 学び直しができる環境
- 少人数で学べる環境
- 子どもの理解に合わせて進められる環境
などを探してみることも一つの選択肢です。
横浜・戸部にあるモアナビ協創学園では、一人ひとりの理解の状態や挑戦の様子を見ながら、その子に合った学びを組み立てていきます。
モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)
勉強嫌いは、子どもが学ぶ力を失ったということではありません。
学び方や環境を少し見直すことで、子どもが再び学びに向かうきっかけが生まれることもあります。
保護者だけで抱え込まず、必要なときには周囲の力も借りながら、子どもにとって無理のない学び方を見つけていくことが大切です。
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この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。


