
「100cmと1000mmでは、どちらが正確だと思う?」
サマースクール初日。子どもたちがノコギリを手にする前に、最初に考えたのは木の切り方ではありませんでした。
ものづくりでは、なぜcmではなくmmを使うことが多いのか。学校で学ぶ算数が、実際のものづくりとどのようにつながっているのか。
今年のサマースクールは、そんな問いからスタートしました。
ものづくりは、算数から始まる
木材を切る前に、全員で「なぜmm単位で測るのか」を考えました。
例えば、小数第1位を四捨五入して「100cm」と表す場合、実際には99.5cmから100.4cmまでが含まれます。その幅は9mmあります。
一方で、「1000mm」と表す場合は999.5mmから1000.4mmまでとなり、その幅は0.9mmです。
同じ長さを表しているように見えても、使う単位によって表せる精度は大きく変わります。
スツールづくりでは、脚や座面の木材を組み合わせていきます。もし木材の長さが数mmずつ違ってしまえば、ぐらつきや傾きの原因になることもあります。
学校で学ぶ単位や小数、四捨五入は、テストのためだけに学ぶものではありません。
「正確に測る力」が、実際のものづくりを支える大切な知識であることを確認してから、子どもたちはノコギリを手にしました。
自分の力で木材を切る
今回はスツール作りの1日目。
今日は組み立てではなく、必要な木材をすべて指定された長さに切ることが目標です。
最初はノコギリの使い方に戸惑う様子も見られましたが、墨線をよく見ながら、少しずつ刃を進めていきます。
先生が代わりに切るのではなく、安全に配慮しながら一人ひとりが自分の力で挑戦しました。
まっすぐ切ることは想像以上に難しく、力の入れ方や姿勢によって切り口も変わります。
それでも最後まで諦めることなく取り組み、全員が予定していた木材を切り終えることができました。
完成はまだ先ですが、一つひとつの材料を自分で作り上げた経験は、完成したスツールへの愛着にもつながっていくはずです。
流しそうめんで見えた「役割を見つける力」

お昼は、みんなで流しそうめんを楽しみました。
流しそうめんというと、「流れてくるそうめんを取って食べる」ことが主役のように思われるかもしれません。
しかし、この日印象的だったのは、その前後の子どもたちの姿でした。
「そうめんを茹でよう。」
「次は僕が流すね。」
「水が少なくなってきたから調整しよう。」
「片付けはこっちをやるよ。」
誰かに役割を割り振られたわけではありません。
周りの様子を見ながら、「今、自分にできることは何だろう」と考え、それぞれが自然と動き始めていました。
流しそうめんは、ただ食べるだけのイベントではありません。
準備をする人、そうめんを流す人、水量を調整する人、片付けをする人。それぞれが役割を担うことで、みんなが気持ちよく楽しめる時間になります。
遊びの中にも、自分から考えて行動する力を育てる場面がたくさんありました。
学ぶことと、つくることはつながっている
サマースクール初日の午前中は学習に取り組み、その後はものづくり、そして流しそうめんを楽しみました。
一見すると、それぞれ別々の活動に見えるかもしれません。
しかし、今回のスツール作りでは、算数で学ぶ単位や小数の知識が、正確なものづくりにつながっていました。
また、流しそうめんでは、自分から役割を見つけ、周りを見ながら行動する姿が自然と生まれていました。
勉強したことが実際の生活やものづくりに結びつき、人との関わりの中で新しい学びが生まれる。
それが、MOANAVIが大切にしている学びの形です。
明日はいよいよ完成へ
今日は木材を切るところまで。
明日は下穴を開け、ねじ止めを行い、いよいよ世界に一つだけのスツールが完成する予定です。
自分の手で切った木材が、一つの作品として形になる瞬間を、子どもたちと一緒に楽しみにしています。

