
お正月にする遊び、いくつ思い出せますか?
たこあげ、こま回し、羽根つき、かるた、福笑い…。
どれも聞いたことはあるけれど、
「どうしてお正月に遊ぶの?」
「ただ楽しいだけじゃないの?」
と思ったことはありませんか?
実は、お正月遊びには、昔の人たちの
「元気に育ってほしい」
「よい一年になりますように」
という願いが、たくさんこめられています。
高くあがるたこ、くるくる回るこま、笑顔が生まれる福笑い。
それぞれの遊びには、意味や理由があり、
遊びながら体を動かしたり、考えたり、人とつながったりする工夫がつまっているのです。
この文章では、
- お正月遊びとは何か
- どんな種類があるのか
- 遊びにこめられた意味や縁起
- 今の学びにつながるひみつ
を、小中学生にもわかりやすく紹介します。
読み終わるころには、
「やってみたい!」
「意味を知ると、もっとおもしろい!」
と感じられるはずです。
さあ、日本のお正月遊びの世界を、いっしょにのぞいてみましょう。
お正月遊びとは?日本の伝統的な遊びと意味をわかりやすく解説
お正月遊びとは、日本で新しい年をむかえたときに楽しんできた、特別な遊びのことです。たこあげ、こま回し、羽根つき、かるた、福笑いなど、今でも名前を聞いたことがある遊びがたくさんあります。
でも、お正月遊びは、ただの「ひまつぶし」ではありません。
昔の人たちは、お正月を
一年でいちばん大切なスタートの日
と考えていて、その日に行う遊びにも、しっかりと意味をこめていました。
たとえば、
- 高く空にあがるたこあげ
- くるくる回りつづけるこま
- 羽を打ち返して続ける羽根つき
これらの遊びには、
「元気に育ちますように」
「一年がうまく回りますように」
「悪いものを追いはらえますように」
といった、子どもの成長や幸せを願う気持ちがこめられていたのです。
また、お正月は、家族や親せきが集まる特別な時間でもありました。外で体を動かす遊びも、家の中でみんなで楽しむ遊びも、人と人をつなぐ大切な役目をもっていました。遊びを通して笑ったり、競争したりすることが、新しい年のよいスタートになると考えられていたのです。
今では、ゲームやスマートフォンなど、楽しい遊びがたくさんあります。それでも、お正月遊びが今も伝えられているのは、そこに
日本らしい考え方や文化、そして学び
がつまっているからです。
このあとでは、
- なぜお正月に遊ぶようになったのか
- 昔のお正月遊びにはどんな種類があるのか
- 遊びにはどんな意味や縁起があるのか
を、一つずつ見ていきます。
読み終わるころには、
「遊びなのに、こんな意味があったんだ!」
と、きっと感じられるはずです。
クイズ①
お正月遊びが大切にされてきた理由として、もっとも合っているものはどれでしょう?
- お正月は時間があまるから
- 新しい年の幸せや成長を願う意味があるから
- 昔は遊ぶ道具が少なかったから
正解は 2 です。
👉 お正月遊びには、子どもの成長や一年の幸せを願う意味がこめられてきました。
昔のお正月遊びの由来|なぜ正月に遊ぶようになったの?
昔の日本では、お正月はただの「お休み」ではなく、新しい年をむかえるための大切な行事の期間でした。人びとは、お正月に年神様(としがみさま)という神様が家にやってきて、一年の幸せや豊かな実りをもたらしてくれると考えていました。
そのため、お正月の間は、
- 家の中をきれいにする
- 特別な料理を食べる
- 神様にお供えをする
といったことと同じくらい、特別な過ごし方が大切にされていました。その一つが「お正月遊び」だったのです。
お正月は「遊んでもよい時間」だった
ふだんのくらしでは、子どもも大人も、仕事や手伝いでいそがしく過ごしていました。しかしお正月の間だけは、
「新しい年を気持ちよく始めるための時間」
として、遊びを楽しむことがゆるされていました。
お正月遊びは、ただ楽しいだけではなく、
- 体をしっかり動かす
- ルールを守る
- 勝ち負けを経験する
といったことを通して、一年を元気に生きるための練習のような役目ももっていました。
遊びにこめられた「願い」
昔のお正月遊びには、縁起(えんぎ)を大切にする考え方が強くありました。
たとえば、
- 高くあがる遊び → 元気に大きく成長する
- 長く続く遊び → 健康で長生きする
- 勝つ遊び → 一年をよい形で進める
というように、遊びの動きそのものが願いを表していたのです。
なぜ勝ち負けのある遊びが多いの?
お正月遊びには、勝ち負けのあるものがたくさんあります。これは、
「最初に勝つと、その年はうまくいく」
と考えられていたからです。
勝ち負けを楽しみながら、
- 力を出す
- 考える
- あきらめない
といった力を身につけることが、お正月遊びの大切な意味でした。
遊びは学びでもあった
今では、勉強と遊びは別のものと考えられがちですが、昔はちがいました。
遊びを通して、
- 体の使い方
- 言葉
- ルールや人との関わり方
を自然に学んでいたのです。
だからこそ、お正月遊びは、楽しいだけでなく、子どもの成長を支える大切な文化として、長いあいだ受けつがれてきました。
体を動かすお正月遊び一覧|外で楽しむ伝統遊び
お正月遊びには、外に出て体を思いきり動かす遊びがたくさんあります。寒い冬でも外で遊ぶことには、
「体をきたえる」
「一年を元気に始める」
という大切な意味がありました。
ここでは、昔から親しまれてきた代表的なお正月の外遊びを見ていきましょう。
たこあげ|なぜお正月に空へあげるの?
たこあげは、お正月遊びの中でもとくに有名な遊びです。広い場所で、たこを空高くあげて遊びます。
たこあげには、
- 高くあがる → 元気に大きく育つ
- 空に近づく → 神様に願いが届く
という考え方がありました。
また、冬は風が強い日が多く、たこあげに向いている季節でもあります。自然の力を使って遊ぶことも、昔のお正月遊びの大切なポイントでした。
こま回し|くるくる回るこまにこめられた意味
こま回しは、こまをひもや手で回して、どれだけ長く回りつづけるかを競う遊びです。
回りつづけるこまの様子から、
- 一年がうまく回りますように
- 物ごとが止まらずに進みますように
という願いがこめられていました。
こま回しは、
- 手首の使い方
- 力の入れ方
- 集中力
が自然と身につく遊びでもあります。
こまの世界大会の認定こまです。ツバメカップインターナショナルオープンでの使用が可能な他、決勝ステージでの使用が必須となっているモデル。初めてのこままわしから、手のせ、綱渡りなど幅広い技に。
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羽根つき|羽子板で厄をはらう遊び
羽根つきは、羽子板(はごいた)で羽根を打ち合う遊びです。女の子の遊びとして知られることもありますが、お正月の大切な厄よけの遊びでした。
羽根の先には黒い玉がついていて、これは悪いものを追いはらう意味をもっています。羽根を打ち返すことで、
「病気や悪いことが来ませんように」
と願っていたのです。
けん玉|正月にも楽しまれてきた技の遊び
けん玉は、玉を皿や剣にのせたり、さしたりする遊びです。今では一年中楽しまれていますが、昔はお正月の集まりで披露する遊びとしても人気がありました。
けん玉は、
- バランス感覚
- 集中力
- あきらめずに挑戦する気持ち
を育てる遊びです。
日本けん玉協会の認定基準を満たした競技用けん玉です。初心者の練習用にも、検定試験に向けた練習に最適です。自然木を使用して加工された商品のため、作りはしっかりしています。また適度な重量感があり、技の成功を演出しやすいフィット感があります。
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外遊びが大切にされた理由
昔のお正月遊びでは、
- 体をしっかり動かす
- 外の空気をすう
- 自然とふれあう
ことがとても大切にされていました。
これは、
「元気な体で一年をスタートすることが、よい年につながる」
と考えられていたからです。
クイズ②
次のうち、「一年がうまく回りますように」という願いがこめられているお正月遊びはどれでしょう?
- たこあげ
- こま回し
- 羽根つき
正解は 2 です。
👉 こま回しは、回りつづける動きから「物ごとがうまく回る」ことを願った遊びです。
家の中でできるお正月遊び一覧|室内で楽しむ伝統遊び
お正月遊びには、外で体を動かす遊びだけでなく、家の中で家族みんなが集まって楽しめる遊びもたくさんあります。寒い冬でも楽しめて、笑顔が生まれるのが室内遊びのよいところです。
福笑い|どうして笑う遊びなの?
福笑いは、目かくしをして、顔のパーツを並べる遊びです。できあがった顔を見ると、思わず笑ってしまうことが多いですね。
この遊びには、
- 笑う → 福(しあわせ)が来る
- みんなで笑う → 家族が仲よくなる
という意味がこめられています。
お正月にたくさん笑うことで、一年を明るい気持ちで始めようと考えられていました。
すごろく|運と考える力を楽しむ遊び
すごろくは、さいころをふって進む遊びです。今のすごろくはカラフルで楽しいものが多いですが、昔のすごろくには、
- 勉強
- 生活の知恵
- 道徳
が書かれているものもありました。
進んだり戻ったりしながら、運と考える力の両方を使うのが、すごろくの面白さです。
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だるま落とし|だるまにこめられた願い
だるま落としは、だるまの下の木を一本ずつたたいて落とす遊びです。
だるまは、
- 倒れても起き上がる
- 何度でも立ち上がる
ということから、あきらめない心やねばり強さを表しています。
遊びながら、集中力や手の力の使い方も身につきます。
かるた|言葉を覚えるお正月遊び
かるたは、読み札を聞いて、すばやく札を取る遊びです。
お正月にかるたが楽しまれてきたのは、
- ことばにふれる
- 集中して聞く
- すばやく動く
といった力を、遊びながら身につけられるからです。
ことわざかるたや、ひらがなかるたなど、年れいに合わせて楽しめるのも特徴です。
室内遊びが大切にされた理由
家の中でのお正月遊びは、
- 家族みんなが参加できる
- 年れいに関係なく楽しめる
- 会話や笑顔が増える
という良さがあります。
昔の人は、お正月は家族のつながりを深める時間だと考えていました。そのため、みんなで楽しめる室内遊びが大切にされてきたのです。
クイズ③
次のうち、「笑うことで福をよびこむ」という意味があるお正月遊びはどれでしょう?
- すごろく
- 福笑い
- だるま落とし
正解は 2 です。
👉 福笑いは、笑うことそのものが「しあわせにつながる」と考えられてきました。
言葉や頭を使うお正月遊び|知育につながる遊び
お正月遊びの中には、体を動かすだけでなく、言葉を聞いたり、考えたり、覚えたりする力を育てる遊びもたくさんあります。これらの遊びは、昔から「遊びながら学べるもの」として大切にされてきました。
かるた|聞く力とことばの力をきたえる遊び
かるたは、読み札を聞いて、同じ文字や絵の札をすばやく取る遊びです。
かるた遊びでは、
- 最後まで話を聞く力
- 文字を見分ける力
- すばやく動く集中力
が同時に使われます。そのため、かるたは国語の力につながる遊びとして、お正月に楽しまれてきました。
ことわざかるたや、ひらがなかるたなど、年れいに合わせて遊び方を変えられるのも特徴です。
百人一首|正月に楽しまれてきた理由
百人一首は、和歌を聞いて札を取る遊びです。少しむずかしく感じるかもしれませんが、昔はお正月の集まりで、大人も子どももいっしょに楽しむ遊びでした。
百人一首では、
- 音を聞き分ける力
- 記憶する力
- 集中して待つ力
が大切になります。遊びながら、日本のことばや文化にふれることができるのも、百人一首のよさです。
かるたクイーン監修の百人一首の入門かるたです。取り札を難易度順、きまり字ごとに20枚ずつ5色に色分けしてあります。一人で練習もできるおすすめの百人一首です。
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なぞなぞ・ことば遊び|考える力を楽しむ
お正月には、なぞなぞやしりとりなどの、ことば遊びもよく楽しまれてきました。
これらの遊びは、
- すぐに答えが出ない
- 考える時間が楽しい
という特徴があります。正解することよりも、考える過程を楽しむことが大切にされていました。
なぜ正月に「頭を使う遊び」をするの?
昔の人は、お正月を
「一年のはじめに、よい力を使う時間」
と考えていました。
体を動かすだけでなく、
- 言葉を使う
- 考える
- 集中する
ことで、一年をよい形でスタートできると考えられていたのです。
クイズ④
次のうち、「聞く力」と「ことばの力」を同時に使うお正月遊びはどれでしょう?
- かるた
- たこあげ
- こま回し
正解は 1 です。
👉 かるたは、読み札を聞いて文字を見分ける遊びで、国語の力につながります。
お正月遊びにこめられた意味と縁起|勝ち負けがある理由
お正月遊びには、楽しいだけでなく、縁起(えんぎ)を大切にする考え方がたくさんこめられています。昔の人は、「一年のはじまりに何をするか」が、その年の運や過ごし方につながると考えていました。
そのため、お正月に行う遊びにも、
- 成長
- 健康
- 幸せ
を願う意味がこめられていたのです。
なぜ勝ち負けのある遊びが多いの?
こま回し、羽根つき、かるた、百人一首など、お正月遊びには勝ち負けがはっきりする遊びが多くあります。
これは、
「年のはじめに勝つと、その一年はうまくいく」
と考えられていたからです。
勝つことだけが大切なのではなく、
- 最後まであきらめない
- くやしくても立て直す
- 次はどうするか考える
といった経験そのものが、一年を生きる練習になると考えられていました。
「笑う」「動く」「続ける」が大切にされた
お正月遊びに共通するポイントは、次の三つです。
- 笑う
- 体を動かす
- くり返す・続ける
福笑いのように笑う遊びは、福をよびこむとされました。
たこあげや羽根つきのように体を動かす遊びは、健康を願う意味があります。
こま回しのように続く動きは、物ごとが長く続くことを表しています。
遊びは「お願い」の形だった
昔の人は、今のように言葉で「今年も元気で」と願うだけでなく、
遊びの動きそのものを使って願いを表しました。
- 高くあがる → 大きく成長する
- 回りつづける → 物ごとが順調に進む
- 打ち返す → 悪いものをはね返す
つまり、お正月遊びは、体を使ったお願いでもあったのです。
今も残っている理由
今では、科学や医療が発達し、「遊びで運が決まる」と考える人は少ないかもしれません。それでもお正月遊びが今も伝えられているのは、
- 家族で楽しめる
- 体も頭も使える
- 気持ちよく一年を始められる
という良さがあるからです。
クイズ⑤
次のうち、お正月遊びに「勝ち負け」が多い理由として、もっとも合っているものはどれでしょう?
- 道具がたくさん必要だから
- 昔は遊びの種類が少なかったから
- 年のはじめに勝つと、その一年がうまくいくと考えられていたから
正解は 3 です。
👉 お正月遊びの勝ち負けには、新しい年をよい形で始めたいという願いがこめられていました。
昔のお正月遊びと今の遊びを比べてみよう
お正月遊びは、長い時間をかけて日本に伝えられてきました。でも、昔と今では、遊び方や遊ぶ場所、使う道具にちがいがあります。ここでは、昔のお正月遊びと今の遊びを比べながら、変わったことと変わらないことを見ていきましょう。
昔のお正月遊びのようす
昔のお正月は、今よりもテレビやゲームが少なく、人と人が集まって遊ぶ時間がとても大切にされていました。
- 外では
- たこあげ
- こま回し
- 羽根つき
- 家の中では
- かるた
- 福笑い
- すごろく
といった遊びを、年れいのちがう人たちがいっしょに楽しんでいました。
遊び道具も、
- 木
- 紙
- 布
など、身近な材料で作られているものが多く、工夫しながら遊ぶ力が自然と身についていました。
今のお正月の遊びのようす
今では、お正月の過ごし方が大きく変わっています。
- テレビや動画を見る
- ゲームをする
- スマートフォンで遊ぶ
といった楽しみ方も、すっかり身近になりました。また、家族が別々のことをして過ごす時間も増えています。
それでも、
- 家族で集まる
- お正月らしいことをする
という気持ちは、今も変わっていません。
変わったこと・変わらないこと
ここで、昔と今を整理してみましょう。
変わったこと
- 遊びの道具や場所
- 一人で遊べる遊びが増えた
- 外で遊ぶ時間が少なくなった
変わらないこと
- 楽しいことをしたい気持ち
- 家族や友だちと過ごす時間
- 新しい年を気持ちよく始めたいという思い
昔の遊びを今やる意味
昔のお正月遊びを今やってみると、
- 思ったよりむずかしい
- 体をたくさん使う
- 友だちや家族と話す時間が増える
といった発見があります。
これは、遊び方が変わっても、遊びの大切さは変わらないことを教えてくれます。
考えてみよう
もし、
- 昔のお正月遊びを
- 今の道具や場所で
- もう一度やるとしたら
どんな工夫ができるでしょうか?
この問いは、このあと出てくる
家庭や学校でできるお正月遊び
にもつながっていきます。
家庭・学校でできるお正月遊び|簡単・手作りアイデア
お正月遊びは、特別な道具がなくても、少しの工夫で家庭や学校ですぐに楽しめます。ここでは、家の中・学校・学童などでも取り入れやすい、お正月遊びのアイデアを紹介します。
家庭で楽しむお正月遊び
家庭では、親子やきょうだいで楽しめる遊びがおすすめです。
- かるた大会(時間を決めて交代制)
- 福笑い(自分で顔を作ってみる)
- ミニすごろく(紙にマスを書くだけ)
遊びながら、
「この遊びにはどんな意味があるんだろう?」
と話してみると、会話も自然に広がります。
学校・学童でできるお正月遊び
学校や学童では、安全で、みんなが参加できる遊びが向いています。
- チーム対抗かるた
- 机の上でできるこま回し(紙こま)
- だるま落とし(スポンジ素材など)
勝ち負けだけでなく、
- 協力する
- 応援する
といった姿も大切にすると、学級づくりにもつながります。
手作りでできるお正月遊び
昔のお正月遊びは、道具を手作りするところから始まることも多くありました。
- 紙こま(紙とつまようじ)
- 紙の羽子板と羽根
- オリジナルかるた
「どうやったらよく回るかな?」
「読み札を工夫してみよう」
と考えることで、図工や理科的な学びにもなります。
少人数・室内でもできる工夫
- 時間を短く区切る
- ルールをやさしくする
- 見て応援する役も作る
こうした工夫で、だれでも参加しやすいお正月遊びになります。
クイズ⑥
次のうち、家庭や学校でお正月遊びを行うときに、いちばん大切なことはどれでしょう?
- みんなが安全に、楽しく参加できること
- むずかしいルールにすること
- 勝った人だけが楽しめること
正解は 1 です。
👉 お正月遊びは、みんなで楽しく、新しい年を気持ちよく始めるためのものです。
お正月遊びと学びのつながり|遊びが育てる力
お正月遊びは、楽しいだけでなく、子どもたちの力を自然に育てる学びの場でもあります。昔の人は「遊びながら学ぶ」という言葉を使っていなかったかもしれませんが、実際には、遊びの中にたくさんの学びがありました。
体を使う遊びが育てる力
たこあげや羽根つき、こま回しなどの外遊びでは、体をたくさん動かします。
これらの遊びを通して育つ力は、
- 体力
- バランス感覚
- 反射神経
です。寒い冬でも体を動かすことで、元気に一年を始める準備になります。
言葉や頭を使う遊びが育てる力
かるたや百人一首、なぞなぞなどの遊びでは、
- 聞く
- 覚える
- 考える
といった力が使われます。これは、国語や学習の土台になる力です。
遊びの中では、
「間違えてももう一度やってみる」
「相手の動きをよく見る」
といった姿勢も自然と身についていきます。
ルールや人との関わりから学ぶこと
お正月遊びには、必ずルールがあります。
- 順番を守る
- 勝ってもいばらない
- 負けてもふてくされない
こうした経験を通して、人といっしょに過ごすための力が育ちます。これは、学校生活や社会に出たときにも大切な力です。
「できた!」が自信につながる
遊びの中で、
- こまが回った
- 札が取れた
- 羽根を打ち返せた
といった小さな成功体験は、
「やってみたらできた」
という自信につながります。
お正月遊びは、新しい年のはじめに、前向きな気持ちを育てる遊びでもあるのです。
今の学びにもつながる理由
今の学校教育でも、
- 体験する
- 考える
- 話し合う
といった学びが大切にされています。お正月遊びは、これらを自然な形で体験できる、日本の知恵と言えるでしょう。
自由研究に使える!お正月遊びの調べ学習テーマ
お正月遊びは、調べて・試して・考えるという流れが作りやすく、自由研究にとても向いています。ここでは、小学生〜中学生が取り組みやすいテーマをいくつか紹介します。
家族に聞いてみよう|昔のお正月遊び調査
まずは、身近な大人に聞いてみるのがおすすめです。
調べることの例
- 子どものころ、どんなお正月遊びをしていたか
- どこで、だれと遊んでいたか
- いちばん楽しかった遊びは何か
聞いたことを
- メモ
- 表
- 文章
にまとめるだけでも、立派な自由研究になります。
地域ごとのお正月遊びを調べてみよう
お正月遊びは、地域によって少しずつちがいます。
調べ方の例
- 本やインターネットで調べる
- 親せきに聞く
- 昔の写真や資料を見る
「全国共通の遊び」と「地域ならではの遊び」を分けてまとめると、社会科につながる研究になります。
遊びと意味をセットでまとめよう
お正月遊びには、それぞれ意味や縁起があります。
例
- たこあげ → 高く成長する願い
- こま回し → 一年がうまく回る
- 羽根つき → 悪いものを追いはらう
遊びの絵や写真といっしょにまとめると、見やすく、伝わりやすい自由研究になります。
昔のお正月遊びを実際にやってみよう
調べるだけでなく、実際にやってみるのもおすすめです。
やってみることの例
- 紙こまを作って回してみる
- かるたを家族でやってみる
- 福笑いをオリジナルで作る
「思ったよりむずかしかった」「意外と楽しかった」など、自分の感想を書くことが大切です。
昔の遊びと今の遊びを比べてみよう
- 昔のお正月遊び
- 今よく遊ぶ遊び
を比べて、
- ちがうところ
- 同じところ
を書き出してみましょう。
「どうして今は遊ばなくなったのか」
「今の生活に合う形に変えられるか」
まで考えると、考察のある自由研究になります。
まとめ方のコツ
自由研究の最後には、
- いちばんおどろいたこと
- 新しく知ったこと
- 家族と話して気づいたこと
を書きましょう。
それがあると、「調べただけ」で終わらない、よい自由研究になります。
おさらいクイズ|お正月遊びをふり返ろう
クイズ①
お正月遊びが昔から大切にされてきた理由として、いちばん合っているものはどれでしょう?
- ひまな時間が多かったから
- 新しい年を楽しくむかえるためだけだから
- 子どもの成長や一年の幸せを願う意味があったから
正解は 3 です。
👉 お正月遊びには、成長・健康・幸せを願う気持ちがこめられていました。
クイズ②
次のうち、外で体を動かすお正月遊びはどれでしょう?
- たこあげ
- 福笑い
- かるた
正解は 1 です。
👉 たこあげは、空に高くあげて遊ぶ外遊びです。
クイズ③
家の中で家族みんなが笑って楽しめるお正月遊びはどれでしょう?
- こま回し
- 福笑い
- けん玉
正解は 2 です。
👉 福笑いは、笑うことで福をよびこむと考えられてきました。
クイズ④
言葉を聞いて考える力が育つお正月遊びとして正しいものはどれでしょう?
- 羽根つき
- たこあげ
- かるた
正解は 3 です。
👉 かるたは、聞く力やことばの力につながる遊びです。
クイズ⑤
お正月遊びに「勝ち負け」が多い理由として、正しいものはどれでしょう?
- 道具が少なかったから
- 年のはじめに勝つと、その一年がうまくいくと考えられていたから
- 大人が勝負好きだったから
正解は 2 です。
👉 勝ち負けには、新しい年をよい形で始めたいという願いがありました。
クイズ⑥
お正月遊びが今の学びにもつながる理由として、いちばん合っているものはどれでしょう?
- 昔の遊びだから
- むずかしいルールがあるから
- 体・頭・人との関わりを使うから
正解は 3 です。
👉 お正月遊びは、体力・考える力・コミュニケーション力を育てます。
まとめ|お正月遊びは日本の文化と学びがつまった時間
お正月遊びは、ただ楽しく遊ぶためのものではありません。
たこあげ、こま回し、羽根つき、かるた、福笑いなどの遊びには、新しい年を元気に、しあわせに過ごしたいという人びとの願いがこめられてきました。
昔の人は、お正月を「一年の大切なはじまり」と考え、
- 体を動かす遊びで健康を願い
- 言葉や知恵を使う遊びで成長を願い
- 家族や仲間と遊ぶことでつながりを大切に
してきました。
そのため、お正月遊びは
体・頭・心をバランスよく使う遊びとして、長いあいだ伝えられてきたのです。
今では、遊びの形や道具は変わりましたが、
「楽しく過ごしたい」
「人とつながりたい」
「よい一年を始めたい」
という気持ちは、今も昔も変わりません。
お正月遊びをやってみると、
- 思ったより体を使う
- 意外とむずかしい
- みんなでやると楽しい
といった発見があります。
ぜひ今年のお正月は、遊びの意味にも目を向けながら、日本の伝統的なお正月遊びを楽しんでみてください。
そこには、日本の文化と、これからの学びにつながるヒントがたくさんつまっています。
この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。



