
「うどんは何からできているの?」
そんな疑問から始まった、STEAMサマースクール第1期最終日。子どもたちは、うどん・そうめん・ひやむぎの違いや、小麦粉の種類、加水率、グルテンの働きなどを学びながら、自分たちの手でうどんを作りました。午後はクエン酸と重曹を使って炭酸飲料や炭酸ロケットにも挑戦。身近な食べ物や遊びの中にある理科や算数を、体験を通して学んだ一日をご紹介します。
身近な「うどん」に隠れていた理科と算数
STEAMサマースクール第1期も、いよいよ最終日を迎えました。
この日のメイン活動は、うどん作りです。
子どもたちにとってうどんは身近な食べ物ですが、作り始める前に「うどんって何が違うんだろう?」というところから学習をスタートしました。
うどん、そうめん、ひやむぎ、きしめん、ほうとう。
実は、これらは基本的な原料がほとんど同じで、主な違いは太さや形です。
さらに、パスタも形や太さによってスパゲッティやフェットチーネ、マカロニなど名前が変わることを紹介すると、「そうなんだ!」という驚きの声が上がりました。
普段何気なく食べているものにも、知ってみると面白い発見がたくさんあります。
まずは身近な食べ物への興味を広げることから、この日の学びが始まりました。
レシピは算数でできている
今回は中力粉が手元になかったため、子どもたちと一緒に「どうしたら中力粉に近いものが作れるかな?」と考えました。
用意したのは、
- 強力粉50g
- 薄力粉50g
この2種類を混ぜ合わせることで、100gの生地を作ります。
さらに、水は50g。
今回は加水率50%になるよう計量しました。
料理は「なんとなく」で作るものではありません。
重さを量り、割合を考え、必要な分量を計算する。
算数で学ぶ割合や数量の考え方が、そのままおいしいうどん作りにつながっていきます。
数字を学ぶために計算するのではなく、「おいしいうどんを作りたい」という目的があるからこそ、算数が自然と必要になる時間でした。
コシの秘密は、理科にありました
うどん作りでは、生地をこねるだけでは終わりません。
「どうしてうどんにはコシがあるんだろう?」
そんな疑問から、小麦粉の違いについても学びました。
強力粉はグルテンが多く、薄力粉は少ないこと。
その中間が中力粉であること。
そして、塩を加えることで生地のコシが強くなること。
子どもたちは実際に生地を触りながら、その違いを体感していきました。
製麺機で生地を薄く伸ばし、細長く切っていく工程では、「こんなに長くなった!」と歓声が上がります。
完成したうどんは、市販ではなかなか見られないほど長いうどんになりました。
知識として学ぶだけではなく、自分の手で作ったからこそ、「なるほど」が実感へと変わっていきます。



炭酸飲料は「気体の水溶液」でした
午後は炭酸飲料作りに挑戦しました。
使ったのは、食品添加物としても使われているクエン酸と重曹です。
まず確認したのは、水溶液について。
食塩水は食塩が水に溶けています。
砂糖水は砂糖が水に溶けています。
では炭酸水は何が溶けているのでしょうか。
答えは、二酸化炭素です。
炭酸水も、水に物質が溶けた水溶液の仲間ですが、食塩や砂糖とは違い、溶けているものが「気体」であることが大きな特徴です。
さらに、二酸化炭素は冷たい水の方が溶けやすいことも学びました。
しっかり冷やした水にクエン酸を溶かし、重曹を加えると、小さな泡が次々と発生します。
目の前で炭酸が生まれる様子に、子どもたちは興味津々でした。
普段飲んでいる炭酸飲料が、理科の学びへとつながる瞬間でした。

炭酸ロケットで「圧力」を体験する
炭酸飲料を作った後は、その仕組みを応用した炭酸ロケットにも挑戦しました。
こちらで使ったのは、掃除用のクエン酸と重曹です。
試験管の中で二酸化炭素を発生させ、ふたを閉めると、中の圧力が少しずつ高まっていきます。
そして……
「ポン!」
勢いよくふたが飛び出すたびに、大きな歓声が上がりました。
もちろん、「飛んで楽しかった」で終わりではありません。
どうして飛んだのか。
なぜ圧力が高くなったのか。
気体が増えると何が起こるのか。
実際に体験したからこそ、理科で学ぶ「圧力」という言葉が身近なものになっていきます。
「できた!」が、一番おいしい調味料でした
最後は、自分たちで作ったうどんをいただきます。
粉を量るところから始まり、
生地をこね、
伸ばし、
切り、
ゆでる。
一つひとつの工程を自分たちで行ったからこそ、完成したうどんのおいしさは格別でした。
炭酸飲料も、自分で作ったからこそ味わえる驚きがあります。
「おいしい!」
その一言の中には、理科や算数、ものづくりの学びがたくさん詰まっていました。
第1期を終えて。「体験」が「学び」に変わった4日間
STEAMサマースクール第1期では、
木工、
パン作り、
カレー作り、
豆腐作り、
風鈴やうちわの制作、
そして最終日のうどん作りや炭酸飲料作りなど、さまざまな活動に挑戦してきました。
一見すると、工作や料理を楽しむイベントのように見えるかもしれません。
しかし、その一つひとつの活動には、理科や算数、ものづくり、食育など、学校で学ぶ内容が自然につながっています。
「どうしてこうなるんだろう。」
「やってみたい。」
「もう一回試してみよう。」
そんな気持ちが、子どもたちの学びを前へ進めてくれました。
教科書だけでは伝わりにくいことも、自分の手で体験することで深く理解できます。
4日間を通して子どもたちが身につけたのは、知識だけではありません。
自ら考え、挑戦し、仲間と学び合う姿勢です。
来週から始まる第2期でも、また新しい「できた!」と「なるほど!」が生まれることを楽しみにしています。

