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学習環境のデザインとは何か|ブランスフォードの学習環境モデルをわかりやすく解説

子どもの学びについて考えるとき、私たちはつい「努力」や「やる気」に目を向けがちです。
しかし教育研究では、学びは子ども個人の力だけで決まるものではなく、学習環境によって大きく変わることが知られています。

米国の教育研究者ブランスフォードらは、効果的な学習環境には

・学習者中心
・知識中心
・評価中心
・共同体中心

という4つの視点が必要であると整理しました。

本記事では、この「学習環境のデザイン」という考え方を紹介しながら、子どもの学びがどのような環境で育つのかを整理します。

保護者として子どもの学びを考えるときの、一つの視点として参考にしていただければ幸いです。


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学習環境のデザインとは何か

子どもの学びについて考えるとき、多くの保護者はまず「努力」や「やる気」に目を向けます。

「もっと集中して勉強してほしい」
「やる気が出ればできるはず」
「勉強時間が足りないのではないか」

こうした思いを持つことは、決して特別なことではありません。子どもの成長を願うからこそ、保護者は学びに向かう姿勢を大切に考えます。

しかし教育研究の世界では、学びを理解するためにもう一つ重要な視点が示されています。それは 「学習環境」 という視点です。

子どもがどのような環境で学ぶのかによって、理解の深さや学習行動は大きく変わることが知られています。

同じ子どもでも、環境が変わることで

・挑戦する量が増える
・理解のつながりが生まれる
・学びに向かう姿勢が変わる

といった変化が起こることがあります。

このような考え方は、教育学や心理学の研究の中で長く積み重ねられてきました。近年では、学びを科学的に研究する 「学習科学(Learning Sciences)」 という分野でも、学習環境の重要性が強く指摘されています。

つまり学びとは、子どもの努力だけで決まるものではありません。

学びは

・どのような課題に出会うのか
・どのような支援があるのか
・どのような関係の中で学ぶのか

といった 環境の中で生まれるもの でもあるのです。

教育とは「環境を整えること」

教育という言葉を聞くと、多くの人は「教えること」を想像します。

しかし教育研究の視点から見ると、教育にはもう一つの大切な役割があります。それは 学びが生まれる環境を整えること です。

子どもは、ただ説明を聞くだけでは理解を深めることができません。

理解は

・自分で考える
・試してみる
・つまずく
・やり直す
・対話する

といった経験の中で少しずつ形づくられていきます。

このとき重要になるのが どのような環境で学んでいるのか という点です。

例えば、すぐに答えを教えられてしまう環境では、自分で考える機会は生まれにくくなります。一方で、難しすぎる課題ばかりに向き合う環境では、挑戦する気持ちを失ってしまうこともあります。

また、誰とも関わらずに学ぶ環境では、考えを言葉にする機会が少なくなり、理解が深まりにくいこともあります。

このように、子どもの学びは環境によって大きく影響を受けます。

だからこそ教育では、子どもに努力を求めることだけでなく、学びの環境を丁寧に整えること が大切になります。

学びは「関係の中」で生まれる

もう一つ重要な視点があります。それは、学びは一人の頭の中だけで起こるものではないということです。

子どもは

・教材
・教師
・友達
・学習のルール
・教室の雰囲気

といった多くの要素の中で学びます。

例えば、友達の説明を聞いたことで理解が進むことがあります。
誰かに説明しようとしたときに、自分の理解の曖昧さに気づくこともあります。
教師との対話の中で、新しい考え方が見えてくることもあります。

このように学びは、人と人との関係の中で育つもの でもあります。

学習環境を考えるときには、教室の設備や教材だけではなく、こうした関係のあり方も重要になります。

学びの環境を考えることの意味

子どもが勉強に向かえないとき、保護者は「やる気」の問題として受け止めてしまうことがあります。

もちろん、学びに向かう姿勢は大切です。

しかし、教育研究の視点から見ると、次のような問いも重要になります。

・今の学び方はその子に合っているだろうか
・理解を深める機会があるだろうか
・挑戦できる課題に出会えているだろうか
・対話や説明の機会があるだろうか

こうした問いは、子どもを責めるためのものではありません。

学びの環境を見直すための問い です。

環境が変わることで、子どもの学習行動が変わることは少なくありません。挑戦する量が増えたり、理解がつながったりすることもあります。

教育とは、子どもに努力を求めることだけではなく、その努力が意味を持つ環境を整えること でもあるのです。

次の章では、学習科学の研究の中でも特に広く知られている研究である、ブランスフォードらによる「学習環境のモデル」について紹介します。

この研究は、学びがどのような環境で深まるのかを整理したものであり、現在の教育研究でも重要な考え方の一つになっています。


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学習科学が示した「学びの環境」

学習環境の重要性は、近年の教育研究の中でも特に強く注目されています。

その中心にある分野が 学習科学(Learning Sciences) です。

学習科学とは、子どもや大人がどのように学び、どのような環境で理解が深まるのかを研究する学問分野です。心理学、教育学、認知科学などが結びつきながら発展してきました。

この分野の研究では、学びは単に知識を伝えれば起こるものではないと考えられています。

学びは

・経験
・対話
・試行錯誤
・フィードバック

といった過程を通して形づくられていきます。

つまり、教育とは単に教えることではなく、学びが生まれる環境をどのように整えるか という問題でもあります。

「How People Learn」が示した学びの条件

学習環境について考える上で、非常に大きな影響を与えた研究があります。

それが、米国の研究者である

Bransford(ブランスフォード)
Brown(ブラウン)
Cocking(コッキング)

らによってまとめられた研究です。

この研究は2000年に

How People Learn: Brain, Mind, Experience, and School

という書籍として出版されました。

引用
Bransford, J. D., Brown, A. L., & Cocking, R. R. (2000).
How People Learn: Brain, Mind, Experience, and School.
Washington, DC: National Academy Press.

この書籍は、米国の National Research Council(全米研究評議会) によってまとめられたもので、教育研究の中でも非常に影響力の大きい研究の一つとされています。

この研究では、「効果的な学習環境」を理解するための枠組みとして、次の4つの視点が提示されました。

・学習者中心(Learner-centered)
・知識中心(Knowledge-centered)
・評価中心(Assessment-centered)
・共同体中心(Community-centered)

ブランスフォードらは、学びが深まる環境には この4つの視点が必要である と指摘しています。

学びは「環境の構造」の中で起こる

この研究の重要なポイントは、学びを「個人の努力」だけで説明しないことです。

もちろん、子ども自身の努力や興味は大切です。

しかし、学習科学の研究では、学びは 環境の構造の中で起こるもの として理解されています。

例えば、次のような環境を想像してみてください。

ある教室では

・子どもの理解の状態を見ながら課題が提示される
・考え方を説明する機会がある
・友達と対話する機会がある
・つまずきをもとに次の学びが整えられる

一方で、別の教室では

・同じ問題を一斉に解く
・正解だけが重視される
・間違いを説明する機会がない
・学びの進み方が一律に決められている

この二つの環境では、子どもの学び方は大きく変わります。

理解の深さや挑戦の量、そして学びに向かう姿勢も変わる可能性があります。

このように、学びは単に子どもの能力や努力だけで決まるものではなく、学習環境の構造によって大きく影響を受ける のです。

教室を「学びの環境」として考える

ブランスフォードらの研究が示したもう一つの重要な視点は、教室を単なる授業の場としてではなく、学びの環境として捉えること です。

教室には多くの要素があります。

・課題の出し方
・教師の関わり方
・子ども同士の関係
・説明や対話の機会
・理解を確かめる方法

これらはすべて、学習環境の一部です。

つまり、教育とは

「何を教えるか」だけではなく
「どのような環境で学ぶのか」 という問いでもあります。

この視点は現在、世界中の教育改革の中で広く共有されています。

日本の教育との関係

日本の教育政策でも、近年は学びの環境に注目した考え方が広がっています。

文部科学省が示している 学習指導要領(2017) では、

「主体的・対話的で深い学び」

という言葉が掲げられました。

ここでは、子どもが

・主体的に考え
・対話を通して理解を深め
・知識をつなげながら学ぶ

ことが大切にされています。

この考え方は、ブランスフォードらの学習環境モデルとも重なる部分があります。

つまり現在の教育では、単に知識を教えることだけでなく、学びが深まる環境を整えること が重要なテーマになっているのです。

次の章では、ブランスフォードらが提示した 学習環境の4つの視点 を具体的に紹介します。

学習環境は

・学習者中心
・知識中心
・評価中心
・共同体中心

という4つの視点から整理することができます。

これらはそれぞれ独立したものではなく、組み合わさることで学びを深めていきます。


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ブランスフォードの学習環境モデル

ブランスフォードらの研究では、効果的な学習環境を理解するための枠組みとして、4つの視点が提示されています。

・学習者中心(Learner-centered)
・知識中心(Knowledge-centered)
・評価中心(Assessment-centered)
・共同体中心(Community-centered)

この4つはそれぞれ独立した考え方ではなく、互いに関係しながら学びの質を高めていくものとされています。

どれか一つだけが強調されても、学びは深まりません。
4つの視点がバランスよく組み合わさることで、子どもの理解は少しずつ深くなっていきます。

ここでは、それぞれの視点について整理していきます。

学習者中心(Learner-centered)

学習者中心とは、学びを子どもの状態から考えるという視点です。

同じ学年の子どもであっても

・理解の進み方
・興味関心
・得意な学び方
・つまずくポイント

はそれぞれ異なります。

しかし学校教育では、どうしても学年単位で学びが進められることが多く、子どもの状態に合わせた学びが難しくなる場面もあります。

学習者中心の環境では、まず子どもがどのような理解の状態にあるのかを丁寧に見ていきます。

例えば

・どこまで理解しているのか
・どこで止まっているのか
・どのように考えているのか

といった点を見ながら、次の学びを整えていきます。

この視点は、子どもの「今」を出発点にする学びと言えるかもしれません。

知識中心(Knowledge-centered)

知識中心とは、知識をただ覚えるのではなく、理解の構造をつくることを重視する視点です。

例えば算数の問題を解くとき、答えだけが分かっていても、考え方が理解できていなければ次の問題に応用することは難しくなります。

知識中心の環境では

・なぜその答えになるのか
・どの考え方を使っているのか
・知識同士がどうつながっているのか

といった理解を大切にします。

つまり学びとは、単に問題を解くことではなく、理解のネットワークを広げていく過程 として捉えられます。

この視点が弱いと、学びは暗記中心になりやすくなります。
一方で知識中心の視点があると、子どもは学んだことを新しい場面に活かしやすくなります。

評価中心(Assessment-centered)

ここでいう評価とは、テストの点数をつけることではありません。

教育研究では、子どもの理解の状態を見取り、次の学びを整える働きを 形成的アセスメント と呼びます。

例えば

・どこで理解が止まっているのか
・どの考え方が使えているのか
・どの課題なら挑戦できそうか

といったことを丁寧に見ていくことです。

このような見取りをもとに、次の課題の負荷を調整したり、学び方を整えたりします。

評価中心の視点がある環境では、子どもは自分の理解の状態を少しずつ確かめながら学ぶことができます。

これは、学びを途中で止めてしまうのではなく、理解を更新し続けるための仕組み とも言えるでしょう。

共同体中心(Community-centered)

学びは、一人で完結するものではありません。

子どもは

・友達に説明する
・考え方を聞く
・協力して課題に取り組む

といった経験の中で、理解を深めていきます。

誰かに説明しようとしたとき、自分の理解の曖昧さに気づくこともあります。
友達の考えを聞くことで、新しい見方が生まれることもあります。

共同体中心の環境では、このような対話や協力が自然に生まれる関係が大切にされます。

学びは孤立した活動ではなく、関係の中で育つもの だと考えられているのです。

4つの視点は互いに支え合う

ブランスフォードの研究が示している重要なポイントは、これら4つの視点が互いに支え合うということです。

例えば

学習者中心の視点だけでは、自由な活動になりすぎてしまうことがあります。

知識中心だけでは、知識の詰め込みになってしまうことがあります。

評価中心だけでは、子どもが監視されているように感じてしまうこともあります。

共同体中心だけでは、雑談のような活動になってしまうこともあります。

しかし、この4つが組み合わさると

・子どもの状態を見ながら
・理解を大切にしながら
・学びの様子を見取りながら
・対話の中で学ぶ

という環境が生まれます。

このような環境の中で、子どもの学びは少しずつ深まっていきます。

次の章では、これらの視点が統合されたとき、なぜ学びが深くなるのかについて整理します。


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4つの視点が統合されたとき学びは深くなる

ブランスフォードらが示した4つの視点は、それぞれが単独で機能するものではありません。

学びが深くなるのは、これらが 一つの環境として統合されたとき です。

学習者中心
知識中心
評価中心
共同体中心

これらが互いに支え合うことで、子どもの学びは単なる知識の習得ではなく、理解の更新として進んでいきます。

学習者中心だけでは学びは深まらない

近年、「子ども中心の学び」という言葉が広く知られるようになりました。

子どもの興味や主体性を大切にすることは、とても重要です。

しかし、学習者中心の視点だけでは学びは十分に深まりません。

もし環境が

・自由に活動してよい
・子どもがやりたいことをやる

というだけであれば、理解の構造が十分に育たない可能性があります。

学びには、知識のつながりを整える視点も必要になります。

知識中心だけでは詰め込みになる

一方で、知識を重視する視点だけが強くなると、学びは暗記中心になりやすくなります。

例えば

・公式を覚える
・答えを覚える
・問題の型を覚える

といった学びは、短期的には成果が見えることもあります。

しかし理解の構造が十分に育たなければ、新しい問題に出会ったときに対応できなくなることもあります。

知識中心の学びは大切ですが、それだけでは子どもの理解を十分に支えることはできません。

評価中心は学びを整える役割を持つ

学びを深めるためには、子どもの理解の状態を丁寧に見ていくことも必要です。

ここでいう評価は、テストの点数をつけることではありません。

子どもの様子を見ながら

・どこまで理解しているのか
・どこでつまずいているのか
・どの課題なら挑戦できるのか

を確かめ、次の学びを整えていくことです。

教育研究では、このような見取りを 形成的アセスメント と呼びます。

評価中心の視点は、学びを止めるためのものではなく、学びを次につなげるための仕組み として働きます。

共同体中心が理解を深める

学びは、一人で考えるだけでは十分に深まらないことがあります。

誰かに説明することで理解が整理されることもあります。
友達の考えを聞くことで、新しい見方に気づくこともあります。

このように、学びは人との関係の中で深まることがあります。

共同体中心の視点では

・対話
・説明
・協働

といった活動を通して、子ども同士の学びを支えていきます。

こうした関係がある環境では、子どもは自分の考えを言葉にする機会を持つことができます。

学びは環境の中で循環する

これら4つの視点が統合された環境では、学びは次のような流れの中で進んでいきます。

まず、子どもの理解の状態を見ながら課題が提示されます。

子どもはその課題に挑戦し、自分なりに考えます。

途中でつまずいたり、うまくいかなかったりすることもありますが、その様子を見ながら次の学びが整えられます。

また、友達との対話や説明を通して、考え方が少しずつ整理されていきます。

このような過程を通して、理解は少しずつ更新されていきます。

学びとは、答えを覚えることではなく、理解が連続的に変化していく過程 なのです。

学びの環境が変わると子どもは変わる

子どもが

・勉強が苦手
・集中できない
・やる気がない

と言われるとき、その原因が必ずしも子ども自身にあるとは限りません。

学びの環境が変わることで、子どもの学習行動が変わることがあります。

・挑戦する回数が増える
・理解を説明するようになる
・試行錯誤を続けるようになる

こうした変化は、環境の中で生まれることがあります。

教育とは、子どもに努力を求めることだけではなく、学びが育つ環境を整えること でもあります。

次の章では、このような学習環境の考え方と MOANAVIの学びの関係 について整理します。


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MOANAVIの学びとの関係

ここまで紹介してきたブランスフォードの学習環境モデルは、教育研究の中で広く知られている考え方ですが、実際の教育現場では必ずしも十分に実現されているとは限りません。

学校教育は、多くの子どもに同時に学びを届ける役割を担っています。そのため、学習内容や進度を一定の枠組みで整える必要があります。

この仕組みは社会にとって重要な役割を持っていますが、その一方で、子どもの理解の状態や学び方の違いに十分に対応することが難しい場面もあります。

そのため保護者の中には、

・子どもの理解が追いついていないのではないか
・学び方が合っていないのではないか
・もっと丁寧に学べる環境はないだろうか

と考える方もいます。

こうした問いに対して、近年さまざまな学びの場が生まれてきました。

その一つが、子どもの学び方や理解の状態に合わせて学習環境を整える教育の取り組みです。

学びの「現在地」を出発点にする

モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)では、子どもの学びを考えるときに 「学びの現在地」 を大切にしています。

同じ学年の子どもでも、理解の状態は大きく異なります。

例えば算数では、

・ある単元が十分に理解できている子
・途中でつまずいている子
・基本的な考え方がまだ定着していない子

など、さまざまな状態があります。

もし理解が十分でないまま次の内容に進むと、学びは次第に難しく感じられるようになります。

そのためMOANAVIでは、子どもが今どのような理解の状態にあるのかを見ながら学びを整えていきます。

これは、ブランスフォードのモデルでいう 学習者中心(Learner-centered) の視点と重なります。

理解をつくる学び

MOANAVIでは、問題を解くことよりも 理解をつくること を大切にしています。

学びの中では、

・なぜそうなるのか
・どの考え方を使うのか
・どの知識がつながっているのか

を考えることを重視します。

単に答えを出すことよりも、理解の構造を少しずつ広げていくことが大切だと考えています。

この考え方は、ブランスフォードの 知識中心(Knowledge-centered) の視点とつながっています。

学びの様子を見取りながら整える

MOANAVIでは、テストの点数だけで子どもの学びを判断することはしません。

むしろ大切にしているのは、子どもの 学習行動 です。

例えば、

・どの課題を選んでいるか
・どこで止まっているか
・どのようにやり直しているか
・どのように調整しているか

といった行動を見ながら、次の学びを整えていきます。

教育研究では、このように学びの途中の様子を見取りながら次の学びを整える考え方を 形成的アセスメントと呼びます。

これは、ブランスフォードの 評価中心(Assessment-centered) の視点とつながっています。

学びは関係の中で育つ

MOANAVIでは、子ども同士の関係も学びの重要な要素だと考えています。

教室では、

・考え方を説明する
・友達の説明を聞く
・一緒に考える

といった関わりが自然に生まれます。

誰かに説明することで理解が整理されることがあります。
友達の考えを聞くことで、新しい視点に気づくこともあります。

このような関係の中で、子どもの理解は少しずつ深まっていきます。

これは、ブランスフォードの 共同体中心(Community-centered) の視点とも重なります。

学びの環境を整えるという考え方

MOANAVIでは、子どもに努力を求めることだけでなく、学びの環境を整えること を大切にしています。

子どもは

・挑戦できる課題に出会い
・試行錯誤を繰り返し
・対話の中で気づきを得ながら

少しずつ理解を深めていきます。

このような環境の中で、学びは単なる知識の習得ではなく、理解を更新していく過程になります。

教育とは、子どもに何かを教えることだけではなく、学びが育つ環境を丁寧に整えること でもあるのです。


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学びは環境の中で育つ

子どもの学びについて考えるとき、私たちはつい「努力」や「やる気」に目を向けがちです。

もちろん、学びに向かう姿勢は大切です。
しかし教育研究では、学びを理解するためにもう一つ大切な視点が示されています。

それが 学習環境 です。

学びは、子どもの頭の中だけで起こるものではありません。

・どのような課題に出会うのか
・どのような支援があるのか
・どのような関係の中で学ぶのか

こうした環境の中で、子どもの理解は少しずつ形づくられていきます。

ブランスフォードらの研究では、学びが深まる環境には

・学習者中心
・知識中心
・評価中心
・共同体中心

という4つの視点が必要であると整理されました。

これらの視点は、それぞれが独立したものではなく、互いに支え合いながら学びを深めていきます。

子どもの理解の状態を丁寧に見ながら、
理解をつくる学びを大切にし、
学びの様子を見取りながら次の学びを整え、
対話や関係の中で考えを広げていく。

このような環境の中で、子どもの学びは少しずつ成長していきます。

子どもが勉強に向かえないとき、私たちはつい子ども自身の努力に目を向けてしまうことがあります。

しかしときには、学びの環境を見直すことで、子どもの学習行動が変わることもあります。

・挑戦する回数が増える
・考えを説明するようになる
・試行錯誤を続けるようになる

こうした変化は、環境の中で生まれることがあります。

教育とは、子どもに努力を求めることだけではなく、学びが育つ環境を整えること でもあります。

モアナビ協創学園(https://moanavi.com/school)でも、子どもの学びを考えるときには「学びの現在地」を出発点にしながら、理解が育つ環境を丁寧に整えることを大切にしています。

学びとは、単に知識を覚えることではありません。

挑戦し、気づき、理解を更新していく過程です。

その過程を支えるものが、学びの環境なのです。



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この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。

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