「チンプンカンプンだった」から、教科書を見て昆虫の違いに気づいた日

「チンプンカンプンだった。」

理科のプリントを終えたあと、子どもはそう振り返りました。

でも、この日の記録を読み返していくと、その言葉だけでは終わらない学びの流れが残っていました。
わからない問題に出会いながら、教科書を開き、先生と一緒に答えを探し、少しずつ「分かるところ」を増やしていった一日でした。

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最初は「わからない」から始まっていた

この日取り組んでいたのは、3年理科の「植物の育ち方」と「昆虫の体のつくり」の学習でした。

最初のプリントは「植物の育ち方」。

学習時間は4分43秒。
そのうち、1分33秒は自分で調べる時間に使っていました。

振り返りに残っていた言葉は、

「チンプンカンプンだった。」

でした。

理科の学習では、知らない言葉や見慣れない内容が一気に増えることがあります。
特に「植物の成長」「昆虫の体のつくり」のような単元は、ただ文章を読むだけでは整理しづらい場面も多くあります。

実際、この日のZPD学習計画を見ても、

  • 「こん虫の成長のようすを順にまとめる」
  • 「植物の成長のようすを観察して記録する」
  • 「植物は花がさき、そのあと実ができて種ができる」

といった内容では、「難しくてできなかった」という記録も残っていました。

最初からスムーズに理解できていたわけではありません。

それでも、この日は「わからない」で止まりませんでした。

教科書を見ながら進め始めた

次に取り組んだのは、「チョウの育ち方」のプリントでした。

このプリントでは、7分17秒の学習時間のうち、6分41秒を調べる時間として使っていました。

ほとんどの時間、教科書を見ながら学習していたことになります。

そして、このあとに出てきた言葉が、

「分かるところもあった。」

でした。

最初の「チンプンカンプンだった」から、少し変化しています。

全部理解できたわけではありません。
でも、「分かるところもあった」と言える場面が生まれていました。

この日のアセスメントにも、こう記録されています。

初めて教科書を見ながら理科のプリントにチャレンジ。
知ってる知識もあり、自力で解ける問題もあり。
わからない問題は、先生と一緒に答えを探しながら解くことができた。

ここで印象的なのは、「教科書を見る」という行動が、ただ答えを写す作業になっていなかったことです。

自分で読んで、探して、確認する。

わからないからこそ、教科書を使い始めていました。

「昆虫の体のつくり」で見え始めたこと

そのあとに取り組んだのが、「昆虫の体のつくり」のプリントでした。

このプリントでも、3分33秒の学習時間のうち、2分56秒を調べる時間に使っています。

ここでも、ほとんどの時間を教科書と向き合って過ごしていました。

振り返りの言葉は、また、

「チンプンカンプンだった。」

でした。

でも、実際の学習記録を読むと、その中で起きていたことは少し違います。

アセスメントには、こんな記録が残っていました。

教科書でじっくりと昆虫の体を観察すると、昆虫の特徴について理解ができ、その後の蜘蛛とだんごむしとの違いについて気づくことができました。

昆虫の足はどこについているのか。
頭・むね・はらに分かれているのか。
足は何本なのか。

教科書を見ながら観察していく中で、「昆虫らしさ」が少しずつ整理されていきました。

そしてそのあと、

「蜘蛛は違う」
「だんごむしも違う」

という比較にまで進んでいきました。

これは、単に知識を暗記して終わった学習ではありません。

特徴を見つけたことで、「じゃあこれはどうなんだろう」と考え始めていたことがわかります。

「できた」より前にあった学び

この日のZPD記録には、「ヒントでできた」が多く並んでいました。

  • こん虫を観察して体のつくりを見つける
  • あしがどこについているかを観察する
  • 成長すると姿が変わることを知る
  • さなぎになる昆虫とならない昆虫を知る

一方で、

  • 「昆虫の体は頭・むね・はらの3つに分かれている」
  • 「昆虫のあしはむねについている」

という内容は、「マスターした」になっていました。

全部を一気に理解できたわけではありません。

でも、観察しながら整理できた部分は、自分の中に残っていったことが見えてきます。

この日の学習は、「できた・できなかった」だけで見ると、とても途中段階の学習です。

けれど、実際には、

  • わからないことを言葉にしている
  • 教科書を使って調べている
  • 先生と一緒に確認している
  • 比較しながら考えている
  • 少しわかった部分を見つけている

という行動が、何度も記録されていました。

「チンプンカンプンだった」の中に残っていたもの

「チンプンカンプンだった。」

この言葉だけを見ると、うまくいかなかった学習に見えるかもしれません。

でも、この日の記録には、そのあとも教科書を開き続けていた姿が残っていました。

わからない問題に出会ったとき、すぐに終わりにするのではなく、教科書を見て、先生と確認しながら進めていく。

その中で、

「分かるところもあった。」

という言葉が出てきたこと。

さらに、昆虫と蜘蛛やだんごむしとの違いに気づくところまで進んでいたこと。

それは、「全部理解できた」という大きな変化ではありません。

でも、「わからない」から始まった学習が、「見ればわかるかもしれない」に少し変わり始めた一日でした。

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