ポケベル時代
昔、ポケベルという道具がありました。
「連絡してほしい。」というメッセージを受信できるだけの機能しかない道具なのですが、公衆電話と組み合わせて使うとお互いにメッセージを送り合えるという、当時最強のコミュニケーションツールでした。
私が小学生の時は、まだ生活科がなかったので、生活科の授業を受けたことがありません。
総合的な学習の時間の授業も受けたことはありません。
もちろん、小学生で英語の授業を受けるなんて思ってもいませんでした。
正確なことは分かりませんが、この辺りの時代がSociety 3.0の工業社会とSociety 4.0の情報社会の境目なのではないかと思います
新たな社会 Society 5.0
これからは上の図にあるようなSociety 5.0の社会がやってきます。
(出典:内閣府ホームページ)
今の小学生が大人になる頃にはもはや当たり前になっていることでしょう。
そんな時代に対応し、さらに新しい社会を生み出せるような人材を育成することが教育には求められています。
工業社会の教育モデル
ところが、現在の学校の授業の主流は、いまだに2世代前のSociety 3.0の頃のモデルのままです。
スマホが当たり前の時代にガラケーどころかポケベルを使っているようなものです。
Society 3.0では、できるだけ高品質な製品を大量に生産することが求められていました。
授業では、一人の先生がなるべくたくさんの生徒に均一の指導を行えるようなシステムが取り入れられていました。
全員が机を前向きにして座り、先生が黒板を使いながら話し、子どもが書き写して、あとはひたすら練習問題を繰り返す授業です。
当時はこの授業システムが素晴らしかったわけですが、いまだにその頃の流れが学校の中のメインストリームです。
新しい社会における学校
私たちは、自分たちが受けてきた教育を、自分の授業の中でも再生しがちです。
私たちは主体的・対話的に学ぶように教育されていない世代です。
ですから、どうしても学ぶことに対して受け身になってしまいがちです。
子どもたちが主体的・対話的に学べるようにするためには、まず私たち先生が主体的・対話的に学ぶ姿勢をもつ必要があります。
学校は、「大人が子どもに学ばせる場」ではなく、「大人と子どもが学び合う場」になったのです。