イエナプランにおける協働的な学び

イエナプランとは

イエナプラン教育はドイツで始まりオランダで広まっている学校変革のアイデアです。

イエナプランでは、学校を知識伝達の「教える場」から、子どもの発達の力を信じて「育む場」として考えます。

子ども一人ひとりの異なる個性に注目して学び合いを活性化させ、子ども主体の学びを築いていきます。

私は、イエナプランのような新教育の学校を「理想の学校」と考え、すべての学校をイエナプラン化すると言うことに懐疑的ですが、イエナプランの特色である異年齢学級や対話を中心とした学びは、現在の学校が抱える多くの問題を解決するための大きな手がかりになると考えています。

異学年学級による学び

イエナプランの学校では、通常1・2・3年生のグループと4・5・6年生のグループに分けた異年齢学級が基本単位になっています。

これにより、子どもたちは同じ学級で3年間過ごし、その中で年少・年中・年長という異なる立場を経験します。

多様性による教育効果

対話や学びは、年齢や性別、得意・不得意の違い等の異なる人がいるときに、より一層豊かなものになります。

自分にはできないことをできる人がいたり、自分には関心のないことに関心をもっている人がそこにいれば、自分もそうなりたいと向上心を燃やしたり、今まで気付かなかったことを発見したりする機会になるからです。

また、自分自身が周りの人にこのような影響与えることで、周りの人にとっても豊かな学びの環境となっていきます。

複数の異なる人々と共に学ぶことで、学び合いや助け合いが起き、自分一人で学ぶよりもずっと豊かな学びとなるのです。

これからの時代に合わせた新しい教育モデル

学び合うことや教え合う事は、本来自然発生的に行われることです。

しかし、現在の学校の教育モデルでは、子ども同士で自由に対話を行うことや、自分の席を離れる事は原則として禁止されています。

子どもには、学びの主体として、学びに必要な情報を集めるために誰かと話したり、自分の考えを伝えてより良い考えに高めようとしたりすることが必要です。

社会が大きな変化を遂げている中、教育だけがいまだに100年前の工業生産モデルのままでいられるわけがないのです。