記憶の種類

学習理論

短期記憶と長期記憶

記憶には大きく分けて長期記憶と短期記憶の2種類があります。

短期記憶とは数秒から十数秒という短期間だけの記憶であり、長期記憶とは数分から長期にわたって続く記憶です。 

短期記憶は数秒で失われてしまう記憶ですが、リハーサルを行うことによってその時間を伸ばすことができます。

リハーサルとは覚えたい内容を頭の中で、または声に出したり書いたりすることによって繰り返すことです。

ピーターソンら(Peterson, L. R. & Peterson, M. J., 1959) によると、このようなリハーサルが行われない場合、情報は約15秒で減衰し、忘却されることが明らかにな利ました。 

マジカルナンバー7±2

短期記憶に関して、ミラー(Miller, G. A., 1956) は、短期記憶の容量は平均すると7項目±2項目であるとし、これを「マジカルナンバー7±2」としました。

数字などを記憶する際、通常7項目までしか記憶することができないことを示していますが、ここで重要な事は、7文字ではなく7項目であるということです。

例えば「045」は3文字ですが、「横浜市の市外局番」としてとらえたとき、これは1項目となるのです。

このようにいくつかのまとまりをつくったものをチャンクと呼びます。

チャンクを活用することによって短期記憶の能力を伸ばすことができます。

先ほどの市外局番の例からも分かるように、チャンクをつくるためには覚えようとする情報を既有の情報に関連付ける必要があります。

つまり、学習において情報を関連付けて記憶することが有効であるということです。 

ワーキングメモリー

短期記憶は計算をしたり文章を読んだりする際に、必要な情報を長期記憶から検索し、情報処理を行う心的作業領域としての機能をもちます。

このような側面から短期記憶を作業記憶(ワーキングメモリーworking memory)と呼ぶこともあります。

授業デザインにおいて学習を適切に進めるためには、ワーキングメモリーの容量を超えないように発問や指示をしたり、課題を与えたりするように配慮する必要があるのです。
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