
「先生がいないと俺、勉強できない。」
この日、その子はそう話していました。
でも、その言葉を聞きながら一緒に学習を進めていると、以前とは少し違う姿が見えていました。
「やりたくない」が先に来ていた頃
これまで、この子は学習に向かうまでに時間がかかることがありました。
問題が難しいからではありません。
「やりたくない。」
そんな気持ちが先に出てきてしまうことがあったのです。
だからこそ、
「先生がいないと俺、勉強できない。」
という言葉も、以前なら勉強しない理由の一つとして聞こえていました。
けれど、この日は違いました。
理科の学習を続けて進めた時間
この日取り組んでいたのは理科でした。
「太陽とかげ」
「日なた日かげ」
「光と音1」
「光と音2」
と、4枚のプリントに続けて取り組んでいます。
学習記録には「調べた時間」として残っていますが、ただ一人で進めていたわけではありません。
「このページを見てみよう。」
「どこに書いてありそうかな。」
そんな声かけをしながら、一緒に資料を確認していました。
答えを教えるのではなく、自分で見つけられるように隣で支える。
そんな形で学習が進んでいきました。
以前なら、そこで止まってしまうこともありました。
けれどこの日は違いました。
声かけをきっかけに資料を見て、自分で探し、自分で答えを見つけようとしていました。
「先生がいないと勉強できない」と言いながらも、実際には学習を進めていたのです。
学習の中で見つけた「面白い」
理科の学習では、自分なりの発見もありました。
「光と音1」の学習では、
光で暖かくなったり、それをなくしたら冷たくなったりするのが面白い
と振り返っています。
また、「光と音2」では、
虫眼鏡反射に集中させたら怖いのが面白い
とも書いていました。
ただ問題を解くだけではなく、自分なりに面白いと感じたことを言葉にしていました。
以前よりも、学習内容そのものに目が向く時間が増えてきているように感じます。
言葉の意味が変わってきた
「先生がいないと俺、勉強できない。」
この言葉だけを聞くと、まだ自信がないように聞こえるかもしれません。
でも、この日の姿を見ると少し違います。
以前は、
「やりたくない」
「できれば勉強したくない」
という気持ちが先にありました。
しかし今は、
「先生がいてくれるから頑張れる」
「先生がいる場所だからやってみようと思える」
そんな意味に変わってきているように感じます。
勉強しない理由だった言葉が、勉強するための支えへと変わり始めているのです。
最後に見えた次の目標
理科の学習を終えたあと、最後は64マス計算に取り組みました。
この子は以前、かけ算九九の習得にも時間をかけてきました。
何度も繰り返し取り組みながら、一歩ずつ積み上げてきた学習です。
そしてこの日は、64マス計算でベストタイムを更新しました。
そのときに出てきた言葉が、
次は2分台を出せるように頑張る
でした。
記録が出たことを喜んで終わるのではなく、もう次の目標を見ています。
以前なら学習しない理由を探していた子が、今は次の目標を口にしています。
その変化は、とても大きなものに感じました。
小さな変化が積み重なっていく
「先生がいないと俺、勉強できない。」
そう言いながら、この日は理科の学習を自分で進めていました。
資料を見て、答えを探し、自分なりの面白さを見つけていました。
そして最後には、
次は2分台を出せるように頑張る
と話していました。
学習が好きになったわけではないかもしれません。
まだ自信が十分についたわけでもないかもしれません。
それでも、勉強しない理由を探していた頃とは確実に違う姿があります。
「先生がいないと勉強できない。」
その言葉の中に、
「先生がいてくれたら頑張れる。」
そんな前向きな変化が見えた一日でした。


