
子どもが勉強している姿を見ていると、ふと疑問に思うことがあります。
「ちゃんとやっているのに、なぜ理解していないのだろう」
「勉強しているはずなのに、なぜテストでできないのだろう」
多くの場合、私たちは「できたかどうか」という結果で子どもの学びを見ています。しかし、子どもの理解は結果だけではなかなか見えてきません。
実は、子どもの学びは学習行動の中に現れています。
どの問題を選ぶのか。
どこで手が止まるのか。
どのようにやり直すのか。
こうした行動を丁寧に見ていくことで、子どもの理解の現在地が見えてきます。
この記事では、子どもの学びを理解するための視点として「学習行動を見る」という考え方を紹介します。教育心理学の研究やMOANAVIの実践も交えながら、結果だけでは見えない子どもの学びをどのように読み取るのかを整理していきます。
子どもの勉強を見ているのに、なぜ理解が見えないのか
子どもの勉強を見ていると、多くの保護者が同じような疑問を持ちます。
「勉強しているはずなのに、なぜ理解していないのだろう」
「ちゃんとやっているのに、なぜテストでできないのだろう」
家庭で宿題を見ていると、子どもは机に向かい、問題も解いています。
ノートもそれなりに埋まっています。
しかし、次の日になると同じ問題ができない。
テストになると点数が伸びない。
このような経験をした保護者は少なくありません。
実はここには、よくある誤解があります。
それは
「勉強している様子を見れば、理解がわかる」
という考えです。
けれども実際には、机に向かっている姿だけでは、子どもの理解はほとんど見えていません。
勉強は外から見ると単純な行動に見えます。
ノートを書く。
問題を解く。
教科書を読む。
しかし、同じ行動でも、その中で起きている理解はまったく違うことがあります。
例えば、同じ計算問題を解いていても
・意味を理解して解いている子
・手順だけを覚えて解いている子
・答えを写している子
では、頭の中で起きていることは大きく違います。
外から見えるのは同じ「勉強している姿」でも、
理解の状態はまったく別のものなのです。
そのため、テストの点数だけで子どもの学びを判断することも難しくなります。
テストは結果を示してくれますが、
その結果がどのように生まれたのかまでは教えてくれません。
例えば
・どこでつまずいたのか
・どのように考えていたのか
・どの段階で理解が止まったのか
といった学びの過程は、テストからは見えないのです。
この問題は教育研究の中でも長く議論されてきました。
教育評価研究で知られる
**キャロライン・ギップス(Caroline Gipps)**は、著書
Beyond Testing: Towards a Theory of Educational Assessment(1994)
の中で、テスト中心の評価だけでは学習の理解は不十分であると指摘しています。
学びを理解するためには
結果だけでなく、学習の過程を見る必要がある
という考え方です。
この考え方は現在では
形成的アセスメント
という教育理論として広く知られています。
形成的アセスメントでは、子どもの学びを理解するために
・どこで止まったのか
・どのように考えているのか
・どのようにやり直すのか
といった学習の過程を丁寧に見ていきます。
つまり、子どもの学びを理解するためには
「何ができたか」だけではなく
「どのように学んでいるのか」を見る必要がある
ということです。
ここで重要になるのが
学習行動
という視点です。
子どもは
・どの問題を選ぶのか
・どこで止まるのか
・どのようにやり直すのか
・どのタイミングで助けを求めるのか
といった行動を通して、自分の理解を調整しています。
このような行動の中には、子どもの理解の状態がはっきりと現れます。
つまり
学習行動を見ることで、子どもの理解の現在地が見えてくる
のです。
MOANAVIでも、子どもの学びを見るときに特に大切にしているのが、この「学習行動」という視点です。
子どもを学年やテストの点数だけで判断するのではなく、
・どの課題に挑戦しているのか
・どのように取り組んでいるのか
・どこでつまずいているのか
といった行動を丁寧に見ていくことで、子どもの理解を読み取ろうとしています。
そして、この視点は近年の教育研究とも深くつながっています。
例えば
自己調整学習の研究で知られる
バリー・ジマーマン(Barry Zimmerman)は、学習とは
「自分の学びを自分で調整していく過程」
であると説明しています。
子どもは学習の中で
・課題を選び
・取り組み
・うまくいかなければ調整する
という行動を繰り返しながら理解を深めていきます。
この意味で、学習とは単に知識を覚えることではありません。
挑戦と調整の中で理解が更新されていく過程
なのです。
そして、その過程を読み取る鍵になるのが
子どもの学習行動
です。
子どもの学びを理解するためには
「どこまでできたか」だけを見るのではなく
どのように学んでいるのか
を見ることが大切になります。
次の章では、この「学習行動」という言葉が具体的に何を指すのかを整理していきます。
子どもの学習行動を見るとは何か
「学習行動を見る」という言葉は、少し抽象的に聞こえるかもしれません。
しかし実際には、とても具体的なものです。
子どもが学ぶとき、そこには必ずさまざまな行動が現れます。
例えば、
・どの問題から取り組むのか
・どのくらいの時間考えるのか
・どこで手が止まるのか
・どのようにやり直すのか
・いつ助けを求めるのか
こうした一つひとつの行動には、子どもの理解の状態が映し出されています。
つまり、学習行動とは
子どもが学びに向かうときに現れる具体的な取り組み方
のことです。
そして、この行動を見ることで、子どもの理解の現在地が見えてきます。
例えば、同じ問題で止まっているように見える子どもでも、その理由はさまざまです。
ある子どもは、問題文の意味がまだ理解できていないのかもしれません。
別の子どもは、途中までは理解しているけれど、最後の手順で迷っているのかもしれません。
また別の子どもは、自分で考えている途中で、すぐに答えを求めてしまう習慣があるのかもしれません。
このような違いは、テストの結果だけではほとんど見えてきません。
しかし、学習行動を丁寧に見ていくと、理解の状態が少しずつ見えてきます。
教育心理学では、こうした学びの過程に注目する研究が多く行われています。
例えば、自己調整学習の研究で知られるバリー・ジマーマン(Barry Zimmerman)は、学習を次のような循環として説明しています。
・課題を選ぶ
・取り組む
・結果を振り返る
・次の取り組み方を調整する
子どもはこの循環を繰り返しながら理解を深めていきます。
この視点から見ると、学習とは単に問題を解くことではありません。
むしろ重要なのは
どのように取り組み、どのように調整しているのか
という過程です。
例えば、次のような行動はすべて学習行動です。
・難しそうな問題にも挑戦しようとする
・少し考えてからヒントを探す
・教科書を読み直して理解しようとする
・一度間違えた問題をやり直す
このような行動は、子どもが自分の学びを調整しようとしているサインです。
一方で、
・すぐに答えを聞こうとする
・わからないとすぐに諦めてしまう
・手順だけを覚えて進もうとする
といった行動が見えることもあります。
これらもまた、子どもの理解の状態を表しています。
大切なのは、これらを「良い」「悪い」と判断することではありません。
その行動の背景にある理解を丁寧に見ていくことです。
MOANAVIでは、子どもの学びを見るときに、特にこの学習行動を重視しています。
子どもを学年やテストの点数だけで判断するのではなく、
・どの課題を選ぶのか
・どのように取り組むのか
・どこで止まるのか
・どのようにやり直すのか
といった行動を観察しながら、今の理解の状態を見ていきます。
そして、その様子をもとに次の学びを整えていきます。
例えば、
少し考えれば解けそうな問題を選ぶのか、
まだ難しすぎる問題に挑戦しているのか。
ヒントを見れば理解できるのか、
もう一度説明が必要なのか。
このような違いを丁寧に見ていくことで、子どもの理解に合った学びを用意することができます。
この考え方は、ロシアの心理学者ヴィゴツキーが提唱した
最近接発達領域(ZPD)
の理論とも深く関係しています。
最近接発達領域については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
最近接発達領域とは何か|ヴィゴツキーのZPDをわかりやすく解説|子どもの成長が生まれる学びの条件
https://moanavi.com/10517
ZPDの考え方では、子どもの成長は
「一人ではまだ難しいが、支援があればできる課題」
に取り組むときに生まれるとされています。
そのため、教育では
今どのように取り組んでいるのか
を見ることがとても大切になります。
学習行動を見るという視点は、まさにこの理解の現在地を読み取るための方法なのです。
次の章では、実際に学習行動からどのような理解が見えてくるのかを具体的に見ていきます。
学習行動から見える子どもの理解
子どもの学びを理解するためには、結果だけではなく学習の過程を見る必要があります。
そのときに手がかりになるのが、子どもの学習行動です。
子どもは勉強の中で、
・問題を読む
・考える
・止まる
・やり直す
・助けを求める
といったさまざまな行動を見せます。
これらの行動の中には、子どもの理解の状態がはっきりと現れています。
つまり、学習行動を見ることで、子どもの理解の現在地を読み取ることができるのです。
ここでは、学習行動から見えてくる代表的なポイントを整理してみましょう。
どこで止まるのか
子どもの学習行動を見るとき、まず重要なのはどこで手が止まるのかです。
例えば算数の問題で止まっているときでも、その理由はさまざまです。
・問題文の意味が理解できていない
・計算方法がわからない
・途中までは理解しているが最後の手順で迷っている
一見すると同じ「できない」という状態でも、実際には理解の段階が大きく違います。
この違いを見極めるためには、単に答えが合っているかどうかを見るのではなく、子どもがどこで止まっているのかを丁寧に見ていく必要があります。
どのようにやり直すのか
もう一つ大切なのが、子どもがどのようにやり直すのかという点です。
例えば、間違えたときに
・もう一度問題文を読む
・教科書を読み直す
・別の方法を試してみる
といった行動が見られることがあります。
これは子どもが自分の理解を調整しようとしている行動です。
教育心理学では、このような学びの調整を自己調整学習と呼びます。
自己調整学習については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
自己調整学習とは何か|ジマーマンの理論をわかりやすく解説|自分で学ぶ子どもはどのように育つのか
https://moanavi.com/10523
自己調整学習の研究では、子どもは
・課題に取り組み
・結果を振り返り
・次の行動を調整する
という循環を通して理解を深めていくと考えられています。
そのため、子どもがどのようにやり直しているのかを見ることは、学びの成熟度を理解する重要な手がかりになります。
どの支援で理解が進むのか
さらに重要なのが、どの支援で理解が進むのかという視点です。
子どもは、すべてを一人で理解できるわけではありません。
ヒントや説明をきっかけに理解が進むこともあります。
例えば
・ヒントを出すと解ける
・途中まで一緒に考えると進める
・説明を聞くと理解できる
といった変化が見られることがあります。
このような「支援によってできるようになる領域」を説明した理論として知られているのが、ヴィゴツキーの**最近接発達領域(ZPD)**です。
最近接発達領域とは何か|ヴィゴツキーのZPDをわかりやすく解説|子どもの成長が生まれる学びの条件
https://moanavi.com/10517
ZPDの考え方では、子どもの成長は
一人ではまだ難しいが、支援があればできる課題
に取り組むときに生まれるとされています。
そのため、教育では
・どの支援で理解が進むのか
・どの程度の助けが必要なのか
を丁寧に見ていくことが大切になります。
このように、学習行動を観察していくと、
・どこで理解が止まっているのか
・どのように学びを調整しているのか
・どの支援で理解が進むのか
といった、子どもの理解の状態が見えてきます。
つまり、子どもの学びを理解するためには、
結果を見るだけではなく、学習行動を見ることが欠かせない
のです。
次の章では、このように学習行動を観察することが、なぜ教育の中で重要なのかを整理していきます。
なぜ学習行動の観察が大切なのか
子どもの学びを理解するためには、結果だけでなく学習の過程を見る必要があります。
そのため、教育の中では学習行動の観察がとても重要になります。
なぜなら、子どもの理解はテストの点数よりも、むしろ学びの過程の中に現れるからです。
子どもがどのように問題に取り組み、どこで止まり、どのようにやり直すのか。
その行動を丁寧に見ていくことで、理解の状態が少しずつ見えてきます。
この考え方は、教育研究の中でも重要なテーマとして扱われてきました。
形成的アセスメントという考え方
子どもの学びを理解する方法として知られているのが、形成的アセスメントという考え方です。
形成的アセスメントとは、子どもの学びの様子を見取りながら、次の学びにつなげていくアプローチです。
単にテストで点数をつけるのではなく、
・どこでつまずいているのか
・どのように考えているのか
・どのように取り組んでいるのか
といった学習の過程を丁寧に見ていきます。
教育評価研究者のキャロライン・ギップス(Caroline Gipps)は、著書
Beyond Testing: Towards a Theory of Educational Assessment(1994)
の中で、テスト中心の評価だけでは学習の理解は不十分であると指摘しました。
テストは結果を示すことはできますが、
・どのように理解が進んだのか
・どこでつまずいたのか
といった学びの過程はほとんど見えません。
そのため、学びを理解するためには、日々の学習行動を見取りながら、次の学びを整えていくことが大切になります。
形成的アセスメントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
形成的アセスメントとは何か|ギップスの教育評価論をわかりやすく解説|テストだけでは見えない子どもの学び
https://moanavi.com/10520
自己調整学習の視点
学習行動を観察することが重要になるもう一つの理由は、子どもの学びが自己調整の過程だからです。
教育心理学者のバリー・ジマーマン(Barry Zimmerman)は、学習を
自分の学びを自分で調整していく過程
として説明しています。
子どもは学習の中で、
・課題を選び
・取り組み
・結果を振り返り
・次の行動を調整する
という循環を繰り返しています。
この循環を通して、理解が少しずつ深まっていきます。
このような学びのプロセスは、テストの結果だけでは見えません。
しかし、子どもの学習行動を丁寧に見ていくと、
・どのように課題を選んでいるのか
・どのように取り組んでいるのか
・どのようにやり直しているのか
といった自己調整の様子が見えてきます。
自己調整学習については、こちらの記事でも解説しています。
自己調整学習とは何か|ジマーマンの理論をわかりやすく解説|自分で学ぶ子どもはどのように育つのか
https://moanavi.com/10523
学習行動は理解の現在地を映す
子どもの学習行動は、その子の理解の状態を映し出しています。
例えば、
・難しい問題にも挑戦しようとする
・少し考えてからヒントを探す
・教科書を読み直して理解しようとする
といった行動が見られるとき、子どもは自分の理解を調整しながら学んでいます。
一方で、
・すぐに答えを聞こうとする
・わからないと諦めてしまう
といった行動が見えることもあります。
これらは決して「悪い行動」ではありません。
その子の今の理解の状態を表しているだけです。
大切なのは、その行動を丁寧に見ながら、次の学びを整えていくことです。
つまり、子どもの学習行動を見ることは、
理解の現在地を見取り、次の挑戦を整えるための大切な手がかり
になるのです。
次の章では、MOANAVIではどのように学習行動を見取り、学びのデザインにつなげているのかを紹介します。
MOANAVIではどのように学習行動を見ているのか
ここまで見てきたように、子どもの学びを理解するためには、結果だけではなく学習の過程を見ることが大切になります。
MOANAVIでも、子どもの学びを見るときには学習行動をとても大切にしています。
子どもを学年やテストの点数だけで捉えるのではなく、
・どの課題を選ぶのか
・どのように取り組んでいるのか
・どこで止まるのか
・どのようにやり直すのか
といった行動を丁寧に見ながら、子どもの理解の現在地を見取っていきます。
そして、その様子をもとに、次の学びを整えていきます。
MOANAVIの学習記録
MOANAVIでは、日々の学びの様子を次のような形で記録しています。
日付
記録者
生徒名
学年
学習内容
子どもの学習行動
教師のサポート
変化と成長
この記録では、単に「何を学んだか」だけではなく、
子どもがどのように学んでいたのか
を中心に記録します。
例えば、
・問題をどのように読み取っていたのか
・どこで手が止まっていたのか
・どのヒントで理解が進んだのか
・どのようにやり直していたのか
といった学習行動を丁寧に残していきます。
このような記録を積み重ねていくことで、子どもの理解の変化が少しずつ見えてきます。
例えば、最初はすぐに答えを求めていた子どもが、少しずつ自分で考える時間を持つようになることがあります。
また、難しい問題を避けていた子どもが、少しずつ挑戦するようになることもあります。
こうした変化はテストの点数だけではなかなか見えません。
しかし、学習行動を丁寧に見ていくと、子どもの成長がはっきりと見えてくるのです。
行動を見ることで理解の現在地が見える
MOANAVIでは、子どもの理解を「できる・できない」で判断することはあまりありません。
それよりも大切にしているのは、
今どのように学んでいるのか
という視点です。
例えば、
・ヒントがあれば理解できるのか
・途中まで理解しているのか
・まだ説明が必要なのか
といった違いを丁寧に見ていきます。
このように理解の状態を見ていくことで、子どもにとってちょうどよい挑戦を整えることができます。
この考え方は、ヴィゴツキーが提唱した**最近接発達領域(ZPD)**の理論ともつながっています。
最近接発達領域とは何か|ヴィゴツキーのZPDをわかりやすく解説|子どもの成長が生まれる学びの条件
https://moanavi.com/10517
ZPDでは、子どもの成長は
一人ではまだ難しいが、支援があればできる課題
に取り組むときに生まれると考えられています。
そのため、教育では
・どのような支援で理解が進むのか
・どの程度の助けが必要なのか
を丁寧に見ていくことが大切になります。
次の挑戦をどのように決めるのか
MOANAVIでは、子どもの学習行動を見ながら、次の挑戦を整えていきます。
例えば、
・少しヒントを出せば解けそうな問題
・もう一度考えることで理解が深まりそうな課題
などを選びながら、学びを進めていきます。
大切なのは、
簡単すぎる課題でもなく、
難しすぎる課題でもない、
少し頑張れば届きそうな挑戦
を整えることです。
このような学びのデザインによって、子どもの理解は少しずつ深まっていきます。
MOANAVIの学びの考え方については、こちらでも紹介しています。
モアナビ協創学園
https://moanavi.com/school
MOANAVIでは、子ども一人ひとりの学習行動を丁寧に見ながら、その子に合った学びを整えています。
それは、子どもの理解を一度のテストで判断するのではなく、日々の学びの中で少しずつ読み取っていく教育です。
次の章では、子どもの学びが「結果」ではなく「過程」の中で育っていく理由を整理していきます。
子どもの学びは「結果」ではなく「過程」で育つ
子どもの勉強というと、どうしても「結果」に目が向きがちです。
テストの点数。
できた問題の数。
成績や順位。
もちろん、これらは学びの一つの側面を示しています。
しかし、それだけで子どもの学びを理解することはできません。
なぜなら、学びとは
結果ではなく過程の中で育っていくもの
だからです。
子どもが何かを理解するまでには、必ず多くの試行錯誤があります。
・考えてみる
・うまくいかない
・別の方法を試す
・少し理解が進む
・また迷う
このような挑戦と調整の繰り返しの中で、理解は少しずつ深まっていきます。
教育研究でも、学びはこのような循環の中で成長すると考えられています。
挑戦と理解は循環する
子どもの学びを観察していると、理解は直線的に進むわけではないことがよくわかります。
ある問題が急に解けるようになることもありますが、その背景には多くの試行錯誤があります。
・何度も間違える
・別の問題に取り組む
・ヒントをきっかけに気づく
こうした経験が積み重なることで、ある瞬間に理解がつながることがあります。
この意味で、学びとは
挑戦と気づきの連続
と言えるかもしれません。
もし結果だけを見てしまうと、この過程は見えなくなってしまいます。
しかし、学習行動を丁寧に見ていくと、子どもがどのように理解を作っているのかが見えてきます。
学びは連続的に更新される
子どもの理解は、一度できたら終わりというものではありません。
新しい課題に出会うたびに、
・これまでの理解を使う
・うまくいかない部分に気づく
・理解を組み立て直す
という経験を繰り返します。
つまり、学びとは
理解が連続的に更新されていく過程
なのです。
このような視点から見ると、教育の役割は「正解を教えること」だけではありません。
むしろ重要なのは、
・子どもが挑戦できる環境を整えること
・理解が進むきっかけをつくること
・学びを次の挑戦につなげること
です。
そのためには、結果だけを見るのではなく、
どのように学んでいるのか
を丁寧に見ていく必要があります。
子どもの学習行動を見るという視点は、まさにこの学びの過程を理解するためのものです。
まとめ|子どもの学習行動を見るという視点
子どもの勉強を見るとき、多くの場合は結果に目が向きます。
・テストの点数
・できた問題の数
・成績や順位
しかし、子どもの学びは結果だけでは理解できません。
学びは
・どの課題に挑戦するのか
・どのように考えるのか
・どこでつまずくのか
・どのようにやり直すのか
といった学習行動の中に現れています。
その行動を丁寧に見ていくことで、子どもの理解の現在地が見えてきます。
そして、その理解に合わせて次の挑戦を整えることで、学びは少しずつ成長していきます。
MOANAVIでも、子どもの学びを見るときには、この学習行動という視点を大切にしています。
子どもをテストの結果だけで判断するのではなく、日々の学びの中でどのように取り組んでいるのかを丁寧に見ていきます。
その中で見えてくる理解の現在地をもとに、子どもに合った学びを整えていきます。
モアナビ協創学園
https://moanavi.com/school
MOANAVIは、子ども一人ひとりの学びの過程を大切にしながら、理解が少しずつつながっていく学びの場をつくっています。
📚学びの本棚から、次の1冊を
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→ MOANAVI Library をひらく
この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。



