
「SDGs(エスディージーズ)」という言葉を、学校の授業やニュースで聞いたことがある小学生・中学生も多いのではないでしょうか。
でも、「SDGsってむずかしそう」「結局なにをするの?」と感じている人もいるはずです。
SDGsとは、世界のみんなで「2030年までに達成しよう」と決めた 17の目標(ゴール) のこと。
「貧困をなくそう」「海を守ろう」「質の高い教育をみんなに」など、私たちの生活に深く関わるテーマばかりです。
この記事では、SDGsの意味や17の目標を 小中学生にもわかりやすく解説 します。
さらに、家庭や学校でできるSDGsの取り組み、自由研究に使えるテーマ例も紹介。途中にはクイズもあるので、楽しみながら学びを深めてみましょう!
SDGsとは?【小中学生にわかりやすく解説】
「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」は、英語の Sustainable Development Goals を略した言葉です。
日本語にすると「持続可能な開発目標」といいます。
言葉を分けてみよう
- 持続可能(じぞくかのう) … 「ずっと続けられる」という意味。自然をこわさずに、未来の人たちも使えるように残していくこと。
例:森の木を全部切ってしまうのではなく、植林して次の世代も木を使えるようにする。 - 開発(かいはつ) … 「よりよい社会や生活をつくっていくこと」。道路や学校をつくったり、新しい技術を使って生活を便利にしたりすること。
- 目標(もくひょう) … みんなで力を合わせて達成を目指すゴールのこと。
👉 つまりSDGsとは、「未来の人たちの幸せを考えながら、地球と社会をよくしていこう!」という世界共通の約束です。
SDGsが生まれた背景
世界には、まだまだ大きな問題があります。
- 食べ物が足りなくておなかをすかせる子どもたち
- 学校に行けない子どもたち
- 森林破壊や温暖化で苦しむ自然や動物
- 戦争や争いで安心して暮らせない地域
こうした問題をみんなで解決するために、2015年に国連でSDGsが採択されました。
いつまでにやるの?
SDGsのゴールは 2030年まで。
2015年から15年間で「世界中の国が協力して達成しよう!」と決められています。
つまり、この記事を読んでいる小中学生のみんなが大人になるころがちょうどゴールの年。
👉 SDGsは、未来の自分たちのための約束 でもあるのです。
🌱 ポイント
大人だけでなく、子どもも参加できる「世界のプロジェクト」なのです。までに達成をめざすことになっています。
SDGsは「遠い国の話」ではなく、身近な生活とつながっています。
ごみの分別や電気の節約など、小さな行動もSDGsの一部。
SDGsの17の目標を一覧で紹介【わかりやすい説明】
SDGsには、世界のみんなが協力して取り組むべき 17の目標(ゴール) があります。
どれも、地球や人々が「今も未来も安心して暮らせるようにする」ためのテーマです。
1〜6:人の暮らしに直結する目標
- 貧困をなくそう
世界には、1日200円未満で暮らす人がまだ何億人もいます。お金がなくて学校に行けない子どももいます。 - 飢餓をゼロに
おなかをすかせている人がいる一方で、食べ物を捨てている国もあります。食べ物を平等に分け合うことが課題です。 - すべての人に健康と福祉を
病気やけがをしたとき、病院に行けない人もいます。だれでも安心して医療を受けられる社会を目指します。 - 質の高い教育をみんなに
学ぶ機会はすべての子どもに必要です。字が読めるようになるだけで人生が大きく変わることもあります。 - ジェンダー平等を実現しよう
男の子も女の子も、同じように学校や仕事で活躍できるようにすること。差別や不平等をなくします。 - 安全な水とトイレを世界中に
清潔な水を飲めない国や、トイレが整っていない地域もあります。水は命を守るためにとても大切です。
7〜12:暮らしと社会を支える目標
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
電気のない暮らしをしている人もいます。自然エネルギーを使って、みんなが電気を安心して使えるように。 - 働きがいも経済成長も
安全に働けて、やりがいも感じられる仕事を増やすこと。働く人を守る仕組みも必要です。 - 産業と技術革新の基盤をつくろう
新しい工場や技術を育てることで、便利で豊かな生活につながります。 - 人や国の不平等をなくそう
国のちがいや生まれた環境によって、チャンスに差が出ないようにすること。 - 住み続けられるまちづくりを
災害に強く、安全で安心できるまちづくりを目指します。 - つくる責任 つかう責任
物を大量に作って大量に捨てるのではなく、必要な分を作り、リサイクルする仕組みが大切です。
13〜17:地球全体を守る目標
- 気候変動に具体的な対策を
地球温暖化で、異常気象や災害が増えています。二酸化炭素を減らすことが急務です。 - 海の豊かさを守ろう
プラスチックごみや乱獲で海の生き物が減っています。海の環境を守る取り組みが必要です。 - 陸の豊かさも守ろう
森林伐採や野生動物の絶滅を防ぎ、自然と人が共生できる環境をつくります。 - 平和と公正をすべての人に
戦争や暴力のない社会、誰もが法律に守られる社会を目指します。 - パートナーシップで目標を達成しよう
国と国、地域と地域、企業や市民が協力してこそ、すべての目標が達成できます。
子ども向けの理解ポイント
👉 SDGsの17の目標は、
- 「人のくらし」
- 「社会や産業」
- 「地球環境」
の3つに大きく分けられます。
つまり、SDGsは地球まるごとを守るための17の約束なのです。

クイズ①
SDGsの目標は全部でいくつあるでしょう?
- 10
- 17
- 25
正解は 2. 17 です。
世界中のみんなで協力して取り組むべきことを、17個のテーマに分けているのです。
👉 つまり「17の約束=地球と人の未来を守るためのチェックリスト」なんですね。
学校や家庭でできるSDGs【小学生・中学生向け実践例】
SDGsは「世界の大人たちがやること」だと思っていませんか?
じつは、小学生や中学生のみんなも、毎日の生活の中でSDGsに参加できるんです。
ここでは、身近にできる具体的な行動をいくつか紹介します。
① ゴミの分別とリサイクル
ジュースの缶やペットボトル、牛乳パック。みんなが飲み終わったらどうしていますか?
「燃えるゴミ」に全部入れてしまうと、リサイクルできるものが無駄になってしまいます。
- ペットボトルはラベルをはがして資源ごみへ
- 牛乳パックは洗って開き、紙のリサイクルへ
- アルミ缶は缶専用の回収箱へ
👉 こうした小さな工夫が、森林伐採を減らし、エネルギーの節約にもつながります。
② 食べ残しを減らす
「お腹いっぱいだから残しちゃおう」はフードロスの原因になります。
世界では今も食べ物が足りずに困っている人がたくさんいるのに、日本ではまだ食べられる食べ物が毎日大量に捨てられています。
- お皿にのせる量を少なめにする
- 食べきれるか確認してから注文する
- 家で余った食材は工夫して調理する
👉 「もったいない」という気持ちが、SDGsの「飢餓をゼロに」「つくる責任つかう責任」につながるのです。
③ 電気をこまめに消す
テレビをつけっぱなし、部屋の電気をつけっぱなしにしていませんか?
電気を作るには石炭や石油といった資源を使うことが多く、二酸化炭素が出て地球温暖化につながります。
- 部屋を出るときに必ず電気を消す
- エアコンの温度を1度工夫する
- 充電が終わったらコンセントを抜く
👉 これだけでCO₂削減に貢献でき、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の目標に直結します。
④ 水を大切に使う
水道の蛇口をひねれば水が出るのは当たり前…と思っていませんか?
でも、世界では「きれいな水を手に入れられない人」が7億人以上いるといわれています。
- 歯みがきのときはコップに水を入れて使う
- シャワーを使いすぎない
- 雨水を活用して庭にまく
👉 「水を大切に使う」ことは、世界の人々と未来の自分たちを守ることなのです。
クイズ②
次のうち、SDGsにつながる行動はどれでしょう?
- 歯みがきのときに水を出しっぱなしにする
- 部屋を出るとき電気を消す
- 食べ物をたくさん残して捨てる
正解は 2. 部屋を出るとき電気を消す です。
👉 電気を無駄にしないことは「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」にぴったりの行動です。
自由研究・授業で使えるSDGsアイデア
SDGsは世界の目標ですが、学校の自由研究や授業発表のテーマとしてもとても人気があります。身近な生活と結びつけながら調べると、クラスのみんなに「なるほど!」と思ってもらえる研究にできます。ここでは、実際に小中学生でも取り組みやすいアイデアを紹介します。
① 家庭のゴミを調べてリサイクル率を出してみる
1週間分の家庭のゴミを調べて「燃えるゴミ・プラスチック・資源ごみ」に分け、どれくらいリサイクルできるかをグラフにまとめると、とてもわかりやすい研究になります。
👉 「つくる責任 つかう責任」に直結するテーマで、家庭の協力を得られやすいのもポイントです。
② 学校でできるエコ活動を提案する
「廊下の電気をこまめに消すルール」「給食の残食を減らすキャンペーン」など、学校の実際の生活に合わせてアイデアを考えます。
ポスターやアンケートを活用して発表すると、実際に学校の取り組みに発展する可能性もあります。
③ 世界の国々のSDGsへの取り組みを比較する
日本だけでなく、他の国ではどんな活動をしているのか調べると「国ごとの特色」が見えてきます。
例えば、
- 北欧の国では再生可能エネルギーの利用が進んでいる
- アフリカの一部では学校給食を通じて子どもの栄養改善を目指している
といった具体例を紹介できます。
👉 「国ごとの工夫」と「日本に取り入れられること」を考えると、研究にオリジナリティが生まれます。
④ 自分の生活とつなげて考える
最後に大事なのは「調べただけで終わらない」ことです。
- 家でできることは何か
- 学校で取り入れられる工夫はあるか
- 将来の社会にどう役立つか
こうした「自分の言葉でのまとめ」があると、発表の説得力が一気に増します。
👉 SDGsの自由研究は、ただ事実を並べるだけではなく「身近な生活や行動にどうつながるか」を示すことがカギです。
SDGsおさらいクイズ!(まとめ編)
これまでの内容をふりかえりながら、SDGsのポイントをクイズで確認してみましょう。
クイズ①
SDGsの目標は全部でいくつあるでしょう?
- 10
- 17
- 25
正解は 2. 17 です。
世界が抱えるさまざまな課題を「17の目標」に分けることで、国や人々が協力しやすくなっています。数字が多いと思うかもしれませんが、「食べ物」「教育」「平和」など身近なテーマも多いので、一つひとつ意味を調べると覚えやすいですよ。
クイズ②
SDGsは何年までに達成をめざしているでしょう?
- 2025年
- 2030年
- 2050年
正解は 2. 2030年 です。
2015年から始まり、15年間でゴールを目指す国際的な約束です。2030年は「まだ先」と感じるかもしれませんが、小学生のみなさんが大人になるころには、その未来がすぐそこに来ています。
クイズ③
「つくる責任 つかう責任」とはどんな意味でしょう?
- ものを大事にして無駄にしない
- たくさん作ってどんどん売る
- 新しいものを買い続ける
正解は 1. ものを大事にして無駄にしない です。
食べ物を残さない、リサイクルをする、環境にやさしい作り方を選ぶ――こうした行動が「つくる責任、つかう責任」につながります。スーパーでエコバッグを使うことや、給食を残さず食べることも、立派なSDGsの行動なんですよ。
まとめ|SDGsは未来の自分たちのための約束
SDGs(持続可能な開発目標)は、「地球や人がずっと幸せにくらしていける社会をつくるための17の約束」です。
ニュースや授業で聞くと「むずかしい世界の話」に思えるかもしれませんが、実はとても身近なこととつながっています。
- 食べ物を残さない → 飢餓を減らす
- ゴミを分別する → 資源を守る
- 電気や水を大切にする → 環境を守る
- 友達を大切にする → 平和で公正な社会づくり
こうした小さな行動こそが、世界を変える一歩になります。
👉 大事なのは「調べること」だけでなく「自分にできることを実行すること」。
今日からできることを一つ見つけて、家族や友達と一緒に取り組んでみましょう。🌍 未来をつくるのは、これから社会を担っていくみなさん自身です。
SDGsは「遠い世界の約束」ではなく、「自分たちの未来を守るための約束」だと心に留めてくださいね。
この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。



