
駅前や公園の近くで、青い電動キックボードを見かけたことはありませんか?
スマホで借りて、スイスイと走っていく――それは「マイクロモビリティ」と呼ばれる新しい移動手段です。
ガソリンを使わず、電気の力で走るマイクロモビリティは、
地球にやさしく、人の生活を少しずつ変えはじめています。
でも、「免許はいるの?」「どこを走っていいの?」「危なくないの?」など、
新しい技術には守るべきルールや課題もあります。
この記事では、電動キックボードやLUUP(ループ)を中心に、
マイクロモビリティのしくみ・ルール・社会の変化・未来の可能性をやさしく解説します。
理科・社会・技術がつながる自由研究にもおすすめです。
- マイクロモビリティとは?電動キックボードやLUUPで広がる新しい移動手段
- 電動キックボードのしくみと特徴|バッテリー・モーター・スピードのひみつ
- LUUP(ループ)ってなに?|スマホで使えるシェアモビリティのしくみ
- 電動キックボードの交通ルールと法律|免許・ヘルメット・歩道の違いを整理
- マイクロモビリティが変えるまちづくり|環境・高齢者支援・交通渋滞の解決へ
- 世界のマイクロモビリティの今|アメリカ・ヨーロッパ・日本のちがい
- マイクロモビリティの課題と未来|事故・ルール・AI自動運転の可能性
- 自由研究に使えるアイデア|マイクロモビリティをテーマにした探究活動
- おさらいクイズ|マイクロモビリティの世界をふりかえろう!
- まとめ|小さな乗り物がつくる大きな未来へ
マイクロモビリティとは?電動キックボードやLUUPで広がる新しい移動手段
最近、街の中でカラフルな電動キックボードや小さな電動自転車を見かけたことはありませんか?
スマートフォンで借りて、短い距離をスイスイと走っていく人たち。
こうした乗り物は「マイクロモビリティ(Micro Mobility)」と呼ばれています。
「モビリティ」は「移動手段」という意味です。
つまり、マイクロモビリティとは**“小さな移動手段”**。
自動車のように遠くへ行くためではなく、家から駅、駅から学校やスーパーなど、数キロメートルほどの短い距離を移動するための乗り物のことを指します。
代表的なマイクロモビリティには、
- 電動キックボード
- 電動アシスト自転車
- 小型電気自動車(超小型EV)
- 電動一輪車や立ち乗りスクーター(セグウェイなど)
があります。
これらの乗り物はすべて電気の力(バッテリー)で動くのが共通点です。
ガソリンを使わないため、二酸化炭素(CO₂)をほとんど出さず、環境にもやさしい交通手段として注目されています。
さらに今は、「LUUP(ループ)」のようなシェアリングサービスが広がっています。
LUUPは、スマホでアプリを使って電動キックボードや電動自転車を借りられるサービス。
街のあちこちにある「ポート(駐車スペース)」で借りて、別のポートに返すことができるので、駅や商店街などで気軽に使われています。
こうしたサービスが広がることで、
「ちょっとした距離なら車を使わずにすむ」
「通勤や買い物の時間が短くなる」
「観光地でも移動が楽になる」
など、人とまちの関係が少しずつ変わり始めています。
マイクロモビリティの「マイクロ(micro)」には、“小さいけれど社会を変える力がある”という意味もこめられています。
地球の未来を守るために、大きな車から小さなモビリティへ――そんな流れが世界中で進んでいるのです。
電動キックボードのしくみと特徴|バッテリー・モーター・スピードのひみつ
電動キックボードは、見た目はシンプルでも、科学の力がたくさんつまった乗り物です。
ハンドルと足をのせるボード、2つのタイヤ、そして小さなモーターとバッテリー。
これだけで、人の力をほとんど使わずにスイスイと進むことができるのです。
まず、動くしくみを見てみましょう。
電動キックボードには「モーター(電動機)」がついていて、これがタイヤを回しています。
モーターの中では、電気の力で磁石が回転し、その回転エネルギーがタイヤに伝わります。
このとき使われる電気は、リチウムイオン電池という充電式バッテリーから供給されます。
スマートフォンの電池と似たしくみですが、ずっと大きなパワーをもっています。
充電は家庭のコンセントでもでき、満タンにすると20km前後を走ることができます。
時速はおよそ15〜20km。自転車とほぼ同じくらいのスピードです。
ただし、坂道や体重、風の強さなどによって変わることもあります。
ブレーキやライト、反射板(リフレクター)などの安全装置もついていて、夜間や雨の日でも見やすく、止まりやすいよう工夫されています。
最近のモデルでは、スピードを自動で制限したり、アプリと連動して安全情報を表示したりするものもあります。
まさに、「小さくてもハイテクな乗り物」といえるでしょう。
そして、電動キックボードは環境にもやさしい乗り物です。
ガソリンを使わないため、排気ガスやCO₂を出しません。
車に比べて音も静かで、都市の騒音を減らすことにも役立っています。
未来のまちづくりでは、こうした静かでクリーンな移動手段が重要になるのです。
クイズ①
電動キックボードが走るとき、タイヤを回すために使われているのはどんな力?
- 風の力
- 電気の力
- 足のけり出す力
正解は 2 です。👉
電動キックボードは、モーターが電気の力で回ることで動きます。
だから「電動」キックボードと呼ばれているのですね。
LUUP(ループ)ってなに?|スマホで使えるシェアモビリティのしくみ
みなさんは、駅の近くや公園のそばで、青や白の電動キックボードが並んでいるのを見たことがありますか?
それは、**「LUUP(ループ)」**というシェアリングサービスです。
LUUPは、スマートフォンのアプリを使って、電動キックボードや電動アシスト自転車をかんたんに借りたり返したりできる仕組みです。
使い方はとてもシンプル。
1️⃣ アプリで近くのポート(停車場)を探す
2️⃣ QRコードを読み取ってロックを解除
3️⃣ 乗りたい距離を走る
4️⃣ 目的地のポートで返却する
—— たったこれだけです。
料金は、数分ごとの時間制。
たとえば10分ほどの利用なら200〜300円くらいで、タクシーよりずっと安く移動できます。
支払いはアプリで完結し、お金のやり取りもありません。
LUUPのすごいところは、「どこでも好きな場所に乗り捨て」ではなく、ポート(専用エリア)での管理を徹底していることです。
これにより、歩行者の安全を守りながら、まちの景観もきれいに保つことができます。
GPSや通信技術によって、走行中の位置やスピードが自動で管理されており、ルールを破るとアプリから警告が出る仕組みもあります。
また、LUUPでは16歳以上なら誰でも利用できます(免許不要)。
ただし、ヘルメットの着用は努力義務であり、安全運転が何より大切です。
夜間はライトをつけ、歩行者をよけながら、スピードを出しすぎないようにすることが求められています。
このようにLUUPは、ただのレンタルサービスではなく、
「テクノロジー×交通×マナー」が組み合わさった新しい社会システムなのです。
人が移動するたびにデータが集まり、まちの交通の流れを分析することで、将来の道路づくりにも役立つと考えられています。
まさに、「データで動くまち=スマートシティ」を支える小さな一歩といえるでしょう。
クイズ②
LUUP(ループ)を利用するとき、どんな場所で返すのが正しいでしょう?
- コンビニの前など、空いている場所ならどこでもOK
- 専用のポート(停車エリア)
- 公園の中や道路のすみ
正解は 2 です。👉
LUUPでは、専用のポートで借りて返すのがルールです。
まちをきれいに保ち、安全に使うための大切な仕組みです。
電動キックボードの交通ルールと法律|免許・ヘルメット・歩道の違いを整理
電動キックボードは楽しくて便利な乗り物ですが、正しくルールを守って使うことがとても大切です。
近年、電動キックボードが増えたことで、国も新しいルールを作りました。
それが、2023年7月から始まった「特定小型原動機付自転車(とくていこがたげんどうきつじてんしゃ)」という分類です。
このルールによって、16歳以上であれば、電動キックボードを免許なしで運転できるようになりました。
ただし、「誰でも自由に走っていい」というわけではありません。
次のような細かい決まりがあります。
- 最高速度は20km/hまで(自転車と同じくらい)
- 車道の左側を走るのが原則
- 歩道を走るときは、時速6km以下に速度制限モードを切り替えること
- ヘルメットの着用は努力義務(かぶることを強くおすすめ)
- 夜はライトをつけ、反射板で見やすくすること
また、キックボードの大きさやライトの位置、ブレーキの性能なども、国の基準に合わせてつくられています。
これらを満たしていないと、LUUPのような公式サービスでは使えません。
もちろん、飲酒運転やスマホ操作をしながらの運転は法律で禁止されています。
もし事故を起こせば、責任は利用者にあります。
だからこそ、電動キックボードに乗るときは「車を運転しているのと同じ責任感」を持つことが大切です。
こうしたルールがあるのは、「危ないからダメ」ではなく、みんなが安心して同じ道を使うためです。
電動キックボードは便利な新しい技術ですが、使い方を間違えれば、他の人の安全をおびやかしてしまいます。
未来の社会では、テクノロジーだけでなく「マナー」や「ルールを守る心」も同じくらい重要なのです。
クイズ③
電動キックボードで歩道を走ってもよいのは、どんなとき?
- スピードを6km/h以下にして、歩行者を優先するとき
- 誰もいない夜ならスピードを出してもよい
- 雨の日で道路がぬれているとき
正解は 1 です。👉
電動キックボードは、速度を6km/h以下におさえて歩行者を優先する場合にかぎり、歩道を走ることができます。
安全とマナーを守ることが、未来の交通の第一歩です。
マイクロモビリティが変えるまちづくり|環境・高齢者支援・交通渋滞の解決へ
マイクロモビリティは、単なる“新しい乗り物”ではありません。
それは、人のくらし方やまちの形を変えていく力を持ったテクノロジーです。
まずは、環境への効果から見てみましょう。
電動キックボードや小型電動自転車は、ガソリンを使わないためCO₂をほとんど出しません。
もし多くの人が短い距離の移動を車ではなくマイクロモビリティに変えたら、
まち全体で排出される二酸化炭素の量は大きく減らせます。
これは、地球温暖化を防ぐための「カーボンニュートラル社会」への一歩になります。
次に、交通渋滞(じゅうたい)の解消にもつながります。
大きな車ばかりが道を走ると、どうしても混み合ってしまいます。
しかしマイクロモビリティはコンパクトなので、道を広く使え、駐車スペースも少なくてすみます。
都市部では「車を減らして、小さな乗り物を増やす」ことで、まちの流れがスムーズになるのです。
さらに、高齢者や移動がむずかしい人の支援にも活用されています。
「歩くには少し遠いけど、車では大げさ」という距離を、電動アシスト自転車やミニカーで移動できるようになれば、
お年寄りが買い物や通院に出かけやすくなります。
介護・福祉の分野でも、「誰もが自由に動けるまちづくり」を目指して、マイクロモビリティの導入が進んでいます。
また、災害時にも活躍が期待されています。
道路がふさがれた地域でも、小回りのきくマイクロモビリティなら、
医薬品や食料を届けることができます。
このように、「人の移動を助けるテクノロジー=人を支えるしくみ」としての役割も広がっています。
マイクロモビリティが増えることで、まちは少しずつ変わっていきます。
歩く人・自転車・キックボード・車が安全に共存できる道の設計、
充電ポートやシェアスペースの設置など、**まちのインフラ(基盤)**も新しくなります。
それは、「車中心の社会」から「人中心の社会」への転換ともいえます。
クイズ④
マイクロモビリティが環境にやさしい理由として、正しいのはどれでしょう?
- ガソリンではなく電気で動くから
- スピードが遅いから
- 音が静かだから
正解は 1 です。👉
電動キックボードや電動自転車は、電気で走るためCO₂をほとんど出しません。
これが「カーボンニュートラル社会」につながる大きなポイントです。
世界のマイクロモビリティの今|アメリカ・ヨーロッパ・日本のちがい
マイクロモビリティの波は、世界中に広がっています。
けれども、国によって「どんな乗り物が使われているか」や「どうルールを決めているか」は少しずつちがいます。
それぞれの地域の考え方をくらべてみましょう。
アメリカ:スピードとビジネスの国
アメリカでは、電動キックボードのシェアサービスがすでにたくさんの都市で利用されています。
代表的なのが「Bird(バード)」や「Lime(ライム)」という会社。
スマホのアプリで借りて、好きな場所で返すシステムが人気です。
広い道路や自転車レーンが多く、若者を中心に通勤・通学にも使われています。
また、企業がどんどん新しいサービスを生み出しており、まさにテクノロジーとビジネスが動かすマイクロモビリティ社会です。
ヨーロッパ:環境とルールの国
ヨーロッパでは、電動自転車やスクーターの普及がとても進んでいます。
その背景には、「環境を守る意識が高い」という社会の特徴があります。
特にフランスやドイツ、オランダでは、CO₂削減のために**自転車専用道路(バイクレーン)**を広く整備。
人と車が安全に分かれて通れるようになっています。
また、ルールづくりも進んでおり、ヘルメット着用や走行エリアの制限がしっかり守られています。
ヨーロッパでは、まち全体で安全と環境を考えたモビリティ文化が育っています。
日本:安全重視と“実験からのスタート”
日本では、まだマイクロモビリティは「発展の途中」にあります。
人口の多い都市では、歩行者や車が多いため、すぐに自由に走らせることはむずかしいからです。
そのため、LUUPのような企業が自治体と協力しながら、少しずつ実証実験を進めています。
ルールを守り、安全を第一にした運用をしながら、将来の本格的な普及を目指しています。
日本では「テクノロジーよりもまず人の安全を守る」という方針が大切にされています。
世界を見てみると、
アメリカは「スピードと挑戦」、ヨーロッパは「環境と安全」、日本は「丁寧な社会づくり」。
どの国も、それぞれの文化やまちの特徴に合わせてマイクロモビリティを発展させています。
このちがいを学ぶことで、日本のこれからの交通のあり方を考えるヒントにもなりますね。
クイズ⑤
ヨーロッパでマイクロモビリティが進んでいる理由として正しいのはどれ?
- 環境を守る意識が高く、自転車専用道路が整備されているから
- 車があまり走っていないから
- スピードを出すことが人気だから
正解は 1 です。👉
ヨーロッパでは、環境に配慮したまちづくりの一環として、自転車や電動スクーター用の専用道路を整備しています。
安全と環境を両立する工夫が進んでいるのです。
マイクロモビリティの課題と未来|事故・ルール・AI自動運転の可能性
マイクロモビリティは、とても便利で楽しい乗り物ですが、
広がっていくほどに新しい課題やルールづくりの必要性も出てきます。
技術だけでなく、使う人のマナーや社会全体の仕組みも大切です。
事故と安全の問題
まず心配されているのが、交通事故のリスクです。
スピードは自転車と同じくらいでも、モーターの力で加速できるため、
歩行者との接触事故や転倒が起こることがあります。
特に「歩道を走るときのスピード」「夜間のライトの使い方」など、
小さな違反が大きな事故につながることもあります。
そのため、多くの自治体では「ヘルメットの着用」や「速度自動制御」などの安全ルールを導入しています。
AI(人工知能)を使って走行データを分析し、危険な場所や時間帯を知らせるシステムも進化中です。
つまり、安全を守るのもテクノロジーのしごとになっているのです。
ルールづくりとマナーの大切さ
マイクロモビリティが社会に広がるには、「機械の進化」だけでは足りません。
同じ道を使う人たち――歩行者・自転車・車・電動キックボード――が、
おたがいに思いやりを持ってルールを守ることが大切です。
たとえば、
・歩道ではスピードをおさえる
・横断歩道では一時停止する
・人のすぐそばを通らない
といった基本的なマナーを守ることが、**未来の交通の“安全文化”**をつくります。
AIと自動運転が変える未来
これからのマイクロモビリティは、さらに進化していきます。
AI(人工知能)やセンサー技術を組み合わせることで、
人が乗らなくても自動で走ったり、障害物をよけたりする「自動運転マイクロモビリティ」が登場しています。
たとえば、
・AIが天気や人の混雑を判断して、安全ルートを選ぶ
・自動で充電ポートに戻る
・他のモビリティと通信して、ぶつからないように走る
といった機能がすでに開発中です。
未来のまちは、「空を飛ぶドローン」「地上を走るマイクロモビリティ」「AI信号機」が連携し、
人もロボットも安全に動けるスマートシティになるかもしれません。
でも、どんなに技術が進んでも、最後に大切なのは**「人の意識」**です。
交通のルールを守り、他の人を思いやる心――それが未来のモビリティ社会の土台になります。
クイズ⑥
これからのマイクロモビリティ社会に必要なこととして、最も大切なのはどれ?
- スピードを出して早く移動すること
- 新しい機械をどんどん作ること
- ルールとマナーを守って安全に使うこと
正解は 3 です。👉
どんなに技術が進んでも、ルールとマナーを守る心がなければ安全な社会は作れません。
テクノロジーと人の意識が協力してこそ、未来の交通はうまく動きます。
自由研究に使えるアイデア|マイクロモビリティをテーマにした探究活動
マイクロモビリティの学びは、理科・社会・技術・環境がつながる「STEAM型自由研究」にぴったりです。
身近な交通やエネルギー問題に関心をもつきっかけにもなります。
ここでは、自分で考え、体験し、まとめるための5つの探究アイデアを紹介します。
① 電気で走る力を調べよう!〜モーターのしくみ実験〜
小型モーターや乾電池を使って、簡単な「ミニプロペラカー」や「紙コップモビリティ」を作ってみましょう。
プロペラの回転で前に進む力を観察し、重さや電圧を変えるとスピードがどう変わるかを記録します。
電動キックボードと同じく、電気が運動エネルギーに変わる仕組みを実感できます。
→ 理科(エネルギー・電流・力)の単元とつながります。
② 「歩くより速い・車よりエコ」な交通手段を考えよう
自分のまちを歩いて、「ここにマイクロモビリティがあったら便利そう」と思う場所を地図にまとめてみましょう。
駅、商店街、図書館、病院など、短距離移動のニーズを考えるのがポイントです。
最後に、「どんな乗り物を設置すれば便利で安全か」を自分の言葉でまとめます。
→ 社会科(地域のくらし・交通・都市問題)とつながります。
③ LUUPやシェアサイクルを観察してみよう
まちで見かけたLUUPやシェアサイクルのポートを写真に撮ったり、地図アプリで位置を調べたりして、
「どんな場所に多いのか」「どう使われているのか」を調べてみましょう。
混雑している時間帯や、利用しやすい場所などを分析すれば、実社会のデータ研究になります。
→ 情報・数学(データの活用)にもつながります。
④ 未来のまちをデザインしよう!〜マイクロモビリティ×まちづくり〜
自分が思う「未来のまち」を絵や模型で表現してみましょう。
たとえば、「歩行者と車が分かれた道」「ドローンとマイクロモビリティが連携する交通網」など。
安全・エコ・便利をテーマに、自分の理想のまちをデザインします。
→ 美術・総合・技術科の探究にぴったりです。
⑤ エネルギーと環境の関係を調べよう
電気を使う乗り物がどのくらい環境にやさしいのかを調べてみましょう。
自動車やバスと、電動モビリティのCO₂排出量を比較して、グラフにまとめます。
「もしまちの半分の人が電動キックボードを使ったら?」など、仮想シミュレーションを考えても面白いです。
→ 理科(エネルギー・環境)や社会(持続可能な社会)とつながります。
どの研究でも大切なのは、「調べて終わり」ではなく、
“自分の考え”をもつことです。
「どうすればもっと安全になる?」「どんなルールが必要?」など、問いを立てながらまとめてみましょう。
それが、マイクロモビリティを通して未来をデザインする探究学習につながります。
おさらいクイズ|マイクロモビリティの世界をふりかえろう!
この記事で学んだことを、クイズで楽しくおさらいしてみましょう!
どれも本文の中にヒントがあります。思い出しながら考えてみよう💡
クイズ①
マイクロモビリティとは、どんな乗り物のことを指す?
- 長距離を走る高速バスのこと
- 小型で電気などを使って動く、短距離移動用の乗り物
- 空を飛ぶ大きな飛行機のこと
正解は 2 です。👉
マイクロモビリティは、電動キックボードや小型EVなど、短い距離を移動するための小型の乗り物です。
クイズ②
電動キックボードが走るときに使われているエネルギーは?
- 電気の力
- 風の力
- ガソリン
正解は 1 です。👉
モーターが電気で回り、タイヤを動かしています。
排気ガスを出さない環境にやさしい乗り物です。
クイズ③
LUUP(ループ)を使うとき、どこで返すのが正しい?
- 道のはしや公園の中
- 専用のポート(停車エリア)
- どこでも好きな場所
正解は 2 です。👉
LUUPはポートで借りて、ポートで返すのがルール。
まちをきれいに保つ工夫がされています。
クイズ④
電動キックボードで歩道を走るときに守らなければならないルールは?
- スピードを6km/h以下にして、歩行者を優先する
- スピードを出して早く通りすぎる
- 車道と同じ速さで走る
正解は 1 です。👉
歩道ではスピードをおさえ、人を優先するのが基本ルールです。
クイズ⑤
マイクロモビリティが環境にやさしい理由として正しいのは?
- 音が静かだから
- 電気で動くから、CO₂をほとんど出さない
- 車より小さいから
正解は 2 です。👉
電気で動くマイクロモビリティは、地球温暖化を防ぐエコな交通手段です。
クイズ⑥
これからのマイクロモビリティ社会にとって、最も大切なのはどれ?
- 新しい機械をどんどん作ること
- ルールとマナーを守って安全に使うこと
- できるだけ速く走ること
正解は 2 です。👉
技術が進んでも、人のマナーとルールを守る心が未来の交通を支えます。
これでマイクロモビリティの学びは完璧!
次は、自分のまちにある乗り物や交通の工夫を探してみよう。
未来の「やさしい交通社会」をつくるヒントが、きっと見つかるはずです 🚲🌱
まとめ|小さな乗り物がつくる大きな未来へ
マイクロモビリティは、ただの便利な乗り物ではありません。
電気の力で動くテクノロジーが、環境を守り、人の暮らしを助け、まちの形を変えていくのです。
安全に使うためのルールやマナーを守りながら、
「どうすればみんなが気持ちよく使えるか?」を考えること――
それが、未来の社会をつくる第一歩です。
小さな乗り物が広げる「やさしい交通社会」。
その未来を考えるのは、いま学んでいるあなた自身かもしれません。 🌱✨
この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。