
「ガソリンを使わず、電気で走る車」が世界中で広がっています。
それが――**電気自動車(EV)**です。
音が静かで排気ガスも出さない、地球にやさしい車として注目を集めていますが、
「どうやって走るの?」「電気はどこから来るの?」「本当に環境にいいの?」
と、気になることもたくさんありますよね。
この記事では、
- 電気自動車・ハイブリッドカー・燃料電池車のしくみとちがい
- 電気が作られるしくみと再生可能エネルギーとの関係
- EVが抱える課題と未来の車社会
をわかりやすく紹介します。
さらに、自由研究に使える実験アイデアや、
おさらいクイズもついているので、楽しく学びながら理解が深まります。
未来の車社会は、どんな姿になるのでしょうか?
さあ、一緒に「電気で走る車のひみつ」を探っていきましょう!⚡🚘
電気自動車とは?|ガソリン車との違いをわかりやすく解説
最近、町の中を走る車の中に「静かで音がほとんどしない車」を見かけたことはありませんか?
それが、電気自動車(でんきじどうしゃ)です。
電気自動車は、ガソリンではなく電気の力でモーターを動かして走る車のことです。
🚗 ガソリン車は「燃料を燃やして走る車」
これまでの多くの車は、ガソリンを燃やしてエンジンを動かす「ガソリン車」でした。
エンジンの中でガソリンを燃やすと、高温のガスが発生し、その力でピストンを押し、タイヤを回します。
しかしこのとき、二酸化炭素(CO₂)や排気ガスが出てしまいます。
これが「地球温暖化」や「大気汚染(たいきおせん)」の原因のひとつでもあります。
⚡ 電気自動車は「電気でモーターを回して走る」
一方、電気自動車はガソリンを一切使いません。
エンジンの代わりに「モーター」を使い、バッテリーにためた電気で車を動かします。
モーターは、電気を流すと磁石の力で回転します。
その回転がタイヤに伝わって、車が進むのです。
🔋 つまり電気自動車は、
「ガソリンの代わりに電気をエネルギー源として走る車」
というわけです。
🌱 音が静かで空気もキレイ
電気自動車はエンジンを使わないため、とても静かで排気ガスを出しません。
町の中で走っていても、空気をよごさずクリーンです。
また、モーターの力でスムーズに動くので、信号待ちからのスタートもスッと速く、乗り心地がよいのも特徴です。
🌍 世界で広がる「EV(イーブイ)」の波
電気自動車は英語で EV(Electric Vehicle) と呼ばれます。
世界では「地球を守るための車」としてEVへの切り替えが進んでいます。
日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ、中国などでも多くのメーカーが電気自動車を作っています。
将来、町のほとんどの車が電気で走る時代が来るかもしれませんね。
🚙 ガソリン車と電気自動車のちがいまとめ
ちがいのポイント | ガソリン車 | 電気自動車(EV) |
---|---|---|
エネルギーの種類 | ガソリン(石油) | 電気 |
動くしくみ | エンジンで爆発して動かす | モーターを回して動かす |
排気ガス | 出る(CO₂を含む) | 出ない |
音 | 大きい(エンジン音) | 静か |
燃料補給 | ガソリンスタンド | 充電スタンド・家庭の電気 |
地球への影響 | 温暖化の原因になる | クリーンで環境にやさしい |
クイズ①
電気自動車(EV)の説明として正しいものはどれでしょう?
- ガソリンを燃やしてエンジンで走る車
- 太陽光だけで動く車
- バッテリーの電気でモーターを動かして走る車
正解は 3 です。
👉 電気自動車は、ガソリンを使わずバッテリーにためた電気の力でモーターを回し、静かでクリーンに走る車です。
ハイブリッドカーと電気自動車と燃料電池車の違い|エネルギーの使い方をくらべよう
「ガソリン車」と「電気自動車(EV)」の違いがわかったところで、
次はもう少し広い視点で見てみましょう。
今の世の中には、ハイブリッドカー(HV) や 燃料電池車(FCV) など、
さまざまな“エコカー”が走っています。
みんな「地球にやさしい車」ですが、使っているエネルギーや走り方は少しずつちがうんです。
🚗 ハイブリッドカー(HV)とは?
ハイブリッド(Hybrid)という言葉には、「組み合わせる」という意味があります。
その名の通り、ハイブリッドカーは
ガソリンエンジン+電気モーター
の両方を使って走る車です。
たとえば、
- スタートや低速では電気モーターで走る
- 加速が必要なときや電気が足りないときはガソリンエンジンで走る
このように、場面に合わせて使い分けるのが特徴です。
ガソリンの消費を減らせるため、排気ガスも少なく、燃費がとてもよいのです。
🧠代表的な車:トヨタ「プリウス」、ホンダ「フィット ハイブリッド」など
⚡ 電気自動車(EV)とは?
電気自動車は、電気だけで走る車です。
バッテリーにためた電気を使ってモーターを回します。
ガソリンエンジンがないので、走るときに排気ガスを一切出しません。
ただし、長距離を走るには「充電時間」が必要で、
充電スタンドの数やバッテリーの寿命もこれからの課題です。
🔋代表的な車:日産「リーフ」、テスラ「モデル3」など
💧 燃料電池車(FCV)とは?
燃料電池車(Fuel Cell Vehicle)は、ちょっと特別です。
なんと、車の中で電気を“作りながら”走るんです!
エネルギーのもとになるのは「水素(すいそ)」です。
燃料タンクに入れた水素と、空気中の酸素を反応させると——
電気と水ができます。
その電気でモーターを回して走る仕組みです。
このとき出るのは 水だけ。排気ガスもCO₂もまったく出ません。
💡つまり、燃料電池車は
「走りながら発電する電気自動車」
ともいえるのです。
🚙代表的な車:トヨタ「MIRAI(ミライ)」、ホンダ「クラリティ」など
⚙️ 3つのエコカーを比較してみよう
特徴 | ハイブリッドカー(HV) | 電気自動車(EV) | 燃料電池車(FCV) |
---|---|---|---|
エネルギー源 | ガソリン+電気 | 電気(バッテリー) | 水素+酸素 |
走り方 | エンジンとモーターを使い分ける | モーターだけで走る | 車内で電気を作りながら走る |
排気ガス | 少ない(減らせる) | 出ない | 出ない(水だけ) |
補給方法 | ガソリンスタンド | 充電スタンド | 水素ステーション |
走行音 | 比較的静か | とても静か | 静か |
特徴まとめ | 燃費がよい・使いやすい | クリーン・環境にやさしい | 未来型・水で走る究極のエコカー |
🌏 どの車も「地球を守る」ための仲間
これら3種類の車は、どれも地球温暖化をふせぐための工夫から生まれました。
- HV:今あるエンジン技術を活かして省エネ化
- EV:ガソリンを使わずゼロエミッション
- FCV:水素社会の実現をめざす次世代エネルギー
つまり、それぞれが「エネルギーの未来」をつくる大切な一歩なのです。
クイズ②
次のうち、**燃料電池車(FCV)**の説明として正しいものはどれでしょう?
- ガソリンを使ってエンジンを回す車
- 水素と酸素を反応させて電気を作り、モーターで走る車
- 電気とガソリンを組み合わせて走る車
正解は 2 です。
👉 燃料電池車は、水素と酸素を反応させて電気を作りながら走ります。
排気ガスの代わりに出るのは「水」だけ。まさに未来のエコカーです。
電気自動車の仕組みを図で学ぼう|モーター・バッテリー・充電の流れ
電気自動車(EV)は、「電気で動く車」と聞いても、
「どうやってタイヤが回るの?」と疑問に思う人も多いでしょう。
ここでは、電気が車の中でどんなふうに使われているのか、
そのしくみの流れをわかりやすく説明します。
🔋 バッテリーが「電気のタンク」になる
ガソリン車にはガソリンタンクがあるように、
電気自動車には電気をためるタンク=バッテリーがあります。
このバッテリーには「リチウムイオン電池」という特別な電池が使われています。
スマートフォンやパソコンにも使われている電池で、
軽くてたくさん電気をためられるのが特徴です。
電気自動車は、このバッテリーにためた電気を使ってモーターを動かします。
⚙️ モーターが「電気の力で回るエンジン」になる
モーターは、電気を流すと磁石の力で回転する機械です。
- バッテリーから電気が送られる
- モーターの中の磁石が引き合ったり反発したりして回転する
- その回転がシャフト(軸)を通じてタイヤを回す
つまり、
バッテリー → モーター → タイヤ
という流れで車が動くのです。
エンジンのように爆発や燃焼をしないため、
モーターは音が静かで、エネルギーのムダが少ないのもポイントです。
🔄 回生ブレーキ|止まるときのエネルギーをムダにしない
車が止まるとき、普通なら運動エネルギーは「熱」として失われます。
でも、電気自動車はブレーキをかけたときにモーターの回転を逆に使って、
発電して電気をバッテリーに戻すことができます。
これを「回生(かいせい)ブレーキ」といいます。
つまり、止まるたびにちょっとずつ電気を回収しているのです。
🚗=止まるたびに“ちょっと充電”していると思うと、なんだかすごいですよね。
⚡ 充電の方法|家庭でも、外でもできる
電気自動車は、ガソリンスタンドではなく充電スタンドでエネルギーを補給します。
- 家ではコンセントや専用の充電器を使って、夜のうちにゆっくり充電
- 外出先では「急速充電器」で、30分ほどでかなりの量を充電
また、最近では「ワイヤレス充電」や「太陽光で充電できる車」など、
新しい技術も登場しています。
🏠 家の電気とつながる「V2H(Vehicle to Home)」
EVは走るだけでなく、電気を家に送ることもできるんです。
「V2H(ビークル・トゥ・ホーム)」とは、車の電気を家庭の電源として使う仕組み。
たとえば停電のとき、EVのバッテリーがあれば家の電気をまかなうことができます。
車が「動く電気の倉庫」になる時代が近づいているのです。
🔄 まとめると、電気の流れはこう!
(発電所)→ 送電 → 充電スタンド → バッテリー → モーター → タイヤ
↑ ↓
(回生ブレーキで電気を戻す!)
電気が「走る力」になり、止まるときにはまた「電気」に戻る。
これが、電気自動車の“エネルギーの循環”です。
クイズ③
電気自動車のモーターが回る仕組みとして正しいのはどれでしょう?
- ガソリンを爆発させてピストンを動かす
- 電気を流して磁石の力で回転させる
- 水素を燃やして熱の力で回す
正解は 2 です。
👉 電気自動車のモーターは、電気を流すことで磁石の力がはたらき、回転します。
ガソリンを使わず、音も静かで効率のよい「電気のエンジン」なのです。
電気はどうやって作られるの?|発電の仕組みと再生可能エネルギーの関係
電気自動車(EV)は、バッテリーの電気で走ります。
でも、その電気はどこで、どうやって作られているのでしょうか?
実は、私たちの身のまわりの電気は、いろいろな方法で作られています。
⚙️ 発電のしくみの基本は「タービンを回すこと」
ほとんどの発電の仕組みは、とてもシンプルです。
「タービン」という大きな羽根のついた車輪を回して、発電機を動かすことで電気を作ります。
つまり、
何かの力でタービンを回す → 回転の力で発電する
という流れなのです。
発電所では、この「タービンをどうやって回すか」によって、いくつかの方法があります。
🔥 火力発電|石炭や天然ガスを燃やして発電
一番多く使われているのが火力発電です。
石炭や天然ガスなどを燃やして水を温め、出てきた蒸気でタービンを回します。
ただし、燃やすときに**二酸化炭素(CO₂)**が出るため、地球温暖化の原因になることがあります。
💧 水力発電|水の流れの力でタービンを回す
ダムにたまった水を高いところから落として、
その水の勢いでタービンを回して電気を作ります。
水の力を使うので、CO₂を出さずに発電できます。
🌬 風力発電|風の力で羽根を回す
海の近くや山の上など、風が強い場所にある大きな風車。
風が羽根を回し、その回転で発電します。
風がふいているかどうかで発電量が変わるのが特徴です。
☀️ 太陽光発電|太陽の光で直接電気を作る
太陽の光をうけて電気を作るのが「太陽光発電」です。
家の屋根にソーラーパネルがあるのを見たことがある人もいるでしょう。
パネルの中の「太陽電池」が光のエネルギーを電気に変えています。
太陽光発電は、燃やさないのでCO₂を出さず、とてもクリーンな発電方法です。
🌋 地熱発電・波力発電などもある
日本のように火山が多い国では、「地熱発電(ちねつはつでん)」も使われています。
地球の中の熱で湧き出た高温の蒸気を使ってタービンを回します。
また、海の波の動きを使って電気を作る「波力発電」もあります。
⚡️ 電気が届くまでの流れ
- 発電所で電気を作る
- 変電所で電圧を調整する
- 電線を通って家庭や充電スタンドに届く
こうして作られた電気が、私たちの家や学校、そして電気自動車のバッテリーにも使われています。
🌱 再生可能エネルギーで作る電気を使えば、もっとエコに!
火力発電のように燃料を燃やす方法は、CO₂を出してしまいます。
でも、水・風・太陽のように、自然の力でくり返し使えるエネルギーを使えば、
CO₂をほとんど出さずに電気を作ることができます。
このようなエネルギーを「再生可能エネルギー」と呼びます。
再生可能エネルギーで作られた電気を使ってEVを走らせれば、
本当に環境にやさしい車社会をつくることができるのです。
💡 EVと再エネの組み合わせが未来を変える
これからの時代は、
- 電気を作る方法(再エネ)
- 電気を使う方法(EV)
の両方を工夫することが大切です。
電気自動車と再生可能エネルギーの力を組み合わせることで、
「走るときも電気を作るときもクリーン」な社会を実現できます。
クイズ④
次のうち、再生可能エネルギーを使った発電方法はどれでしょう?
- 石炭を燃やしてタービンを回す
- 太陽の光で電気を作る
- 石油を燃やしてお湯をわかす
正解は 2 です。
👉 太陽光発電や風力・水力発電などは、自然の力をくり返し使う「再生可能エネルギー」です。
CO₂を出さず、地球にやさしい電気の作り方です。
電気自動車は本当に環境にやさしいの?|CO₂と資源の課題を考えよう
電気自動車(EV)は「環境にやさしい車」として知られています。
たしかに、走るときにガソリンを使わず、排気ガス(はいきガス)を出さないのは大きなメリットです。
でも、本当に“完全に”環境にやさしいと言えるのでしょうか?
ここでは、**電気自動車の「よいところ」と「課題」**の両方を見ていきましょう。
🌿 走るときはCO₂を出さない
ガソリン車は、燃料を燃やすときに二酸化炭素(CO₂)を出します。
このCO₂が地球の温暖化を進める原因のひとつです。
一方で電気自動車は、ガソリンを燃やさずにモーターを回すため、
走行中にCO₂を出しません。
また、エンジン音がなく静かなので、騒音(そうおん)も少ないというメリットもあります。
🌎=「走るときに地球をよごさない」ことが、電気自動車の大きな強みです。
⚡ でも、その電気はどこから来るの?
ただし、電気自動車が使う電気を作るときに、火力発電が使われている場合があります。
火力発電は、石炭や天然ガスを燃やして発電する方法なので、
その過程でCO₂が発生してしまうのです。
つまり、
EVが走るときにはクリーンでも、
その電気を作るときにCO₂が出ているかもしれない。
この点が、電気自動車の**「見えない課題」**といわれています。
🔋 バッテリーを作るときの資源問題
電気自動車の心臓ともいえるのが、リチウムイオン電池です。
しかし、この電池を作るためには、
リチウム・コバルト・ニッケルといった貴重な金属(きんぞく)が必要です。
これらの資源は地球上の限られた地域でしか取れず、
採掘(さいくつ)のときに自然がこわされたり、労働の問題が起きたりすることもあります。
🌍=EVが増えるほど、資源をどう守るかという新しい課題も出てくるのです。
🔁 バッテリーのリサイクルがカギ
使い終わったバッテリーをそのまま捨ててしまうと、資源がムダになります。
そこで今、世界中で進められているのがバッテリーのリサイクルです。
- 使えなくなった電池から金属を取り出して再利用
- 家庭や工場の「蓄電池(ちくでんち)」として再活用
- 新しい電池を作るための素材として再び使う
こうしたリサイクル技術が進めば、資源のムダを減らし、
EVをもっと“本当にエコな車”にできるのです。
🌱「走るとき」だけでなく「つくるとき・使い終わったあと」も考えよう
地球環境を守るためには、
車が「走るとき」だけでなく、
電気をつくる過程・バッテリーをつくる過程・使い終わった後の処理
までをトータルで考えることが大切です。
🌏=「電気で走る」ことはスタートライン。
本当のエコカーを目指すには、「電気の作り方」や「資源の使い方」も工夫していく必要があります。
💡 未来への挑戦
今、世界中のメーカーが次のような研究を進めています。
- 再生可能エネルギーで作った電気を使うEV
- バッテリーの長寿命化・リサイクルの効率化
- 資源を使わない新しい電池(全固体電池)
電気自動車は、まだ進化の途中。
「本当に環境にやさしい車」をつくるための挑戦が続いているのです。
クイズ⑤
次のうち、「電気自動車の課題」として正しいものはどれでしょう?
- バッテリーを作るときに使う資源が限られている
- ガソリンを使うので排気ガスが多い
- モーターの音が大きくてうるさい
正解は 1 です。
👉 電気自動車のバッテリーには、リチウムなどの貴重な金属が使われています。
そのため、リサイクルや資源の使い方を工夫することが、これからの大きな課題です。
世界と日本の電気自動車・燃料電池車|未来の車社会をのぞいてみよう
電気自動車や燃料電池車は、もう未来の話ではありません。
世界ではすでに「エンジンの車から、電気や水素の車へ」という大きな変化が始まっています。
ここでは、世界と日本の今、そしてこれからの車社会の姿を見ていきましょう。
🌎 世界で進む「EVシフト」
ヨーロッパやアメリカ、中国など、世界各国ではすでに電気自動車がたくさん走っています。
特にヨーロッパでは、
「2035年までにガソリン車の販売をやめる」という国もあるほどです。
国によっては、政府が「EVを買うと補助金を出す」という制度を設け、
人々が電気自動車に乗りかえやすいようにしています。
- 🇳🇴 ノルウェー:新しく売られる車の8割以上が電気自動車!
- 🇨🇳 中国:世界最大のEV市場。BYDなどのメーカーが人気
- 🇺🇸 アメリカ:テスラ社がEVブームをリード
これらの国では、町の中に充電スタンドがたくさんあり、
「電気で走る車」が生活の一部になりつつあります。
🇯🇵 日本でも広がる電動化の波
日本でも、トヨタ、日産、ホンダなどの自動車メーカーが次々に新しいEVを開発しています。
- 日産「リーフ」:日本で最も有名な電気自動車。静かでスムーズな走りが人気
- トヨタ「bZ4X」:電気自動車専用の新しいシリーズ
- ホンダ「e」:コンパクトでデザイン性の高い都市型EV
さらに、トヨタは電気だけでなく**水素で走る燃料電池車(FCV)「MIRAI」**も開発。
走るときに出るのは「水」だけで、まさに未来の車です。
🔋 自動運転とAIで変わる「未来の車社会」
これからの車は、ただ「移動するための乗り物」ではなくなります。
- **AI(人工知能)**が車の動きを判断
- 自動運転で、人の代わりに安全に走る
- **インターネットとつながる車(コネクテッドカー)**が誕生
たとえば、
- 渋滞情報を自動で判断して最短ルートを走る
- 家の電気と連動して、電気をやり取りする
- 車が自分で「点検」や「充電」を判断する
そんな時代が、すぐそこまで来ているのです。
🌱 未来の車社会は「環境とテクノロジーの共演」
電気自動車(EV)、ハイブリッドカー(HV)、燃料電池車(FCV)は、
それぞれちがう仕組みを持ちながらも、みんな同じ方向を目指しています。
それは——
「人と地球にやさしい社会」
🌍=再生可能エネルギーで作った電気を使い、
AIとつながることで、クリーンで安全な車社会を作る。
そんな“環境×テクノロジー”の未来が、すぐそこにあります。
🚗 未来の車は「動くスマート家電」になる?
将来の車は、スマートフォンのようにアップデートされたり、
家の電気や冷暖房と連動したりするようになるかもしれません。
つまり、車は「走るだけの道具」から、**“生活の一部”**へと進化していくのです。
クイズ⑥
次のうち、電気自動車や燃料電池車が広がる理由として正しいものはどれでしょう?
- エンジン音をもっと大きくするため
- 地球の環境を守るために、CO₂を減らす目的があるから
- ガソリンが余っているから
正解は 2 です。
👉 電気自動車や燃料電池車は、走るときにCO₂を出さないことで地球温暖化を防ぎ、
人と環境にやさしい社会をつくるために世界中で広がっています。
自由研究におすすめ!電気とエネルギーの関係を調べよう
電気自動車のしくみを学んだみなさん!
「電気ってすごい力をもってる!」と感じたのではないでしょうか?
せっかくなら、その“電気の力”をテーマに、自由研究にチャレンジしてみましょう。
ここでは、家にあるものでできる簡単な実験や、調べ学習のアイデアを紹介します。
🔋 アイデア①:身のまわりのものを電気で動かしてみよう
【テーマ例】
「電気モーターはどんな仕組みで回るの?」
【用意するもの】
乾電池・導線・磁石・クリップ・アルミホイル・針金など
【やり方】
- 乾電池と導線をつないで電気を流す
- 磁石の近くに針金を置くと、くるっと回る!
- 向きを変えると回転の方向も変わる
【学べること】
モーターの仕組み(電気と磁石の関係)を体験できます。
「電気が磁石の力を生む」ことを実感できる実験です。
🌞 アイデア②:太陽の力で発電してみよう
【テーマ例】
「太陽光パネルでどのくらい電気が作れる?」
【用意するもの】
小型ソーラーパネル・豆電球またはLEDライト・テスター(電圧を測る機械)
【やり方】
- 晴れの日と曇りの日で電圧をくらべてみる
- 光の角度を変えて、発電量のちがいを記録する
【学べること】
太陽の光の強さや角度で電気の量が変わることがわかります。
再生可能エネルギーの「太陽光発電」の仕組みが理解できます。
🌬 アイデア③:風の力で発電してみよう
【テーマ例】
「風車で電気を作れるかな?」
【用意するもの】
小型モーター・紙コップ・割りばし・はさみ・テープ・扇風機
【やり方】
- 紙コップを羽根の形に切って風車を作る
- モーターに取りつけて扇風機の風をあてる
- LEDライトが光るか、電圧を測ってみよう
【学べること】
風力発電の仕組みを体験的に学べます。
「風の強さと発電量の関係」をまとめると、理科的探究に発展します。
💧 アイデア④:水の力を使って発電してみよう
【テーマ例】
「ペットボトル水車で電気を作ろう」
【用意するもの】
ペットボトル・竹串・プラコップ・小型モーター・水道の水
【やり方】
- ペットボトルを羽根の形にカットして水車を作る
- モーターに接続して、水をかけて回す
- 回転で発電できたか観察
【学べること】
水力発電の基本原理(流れる水でタービンを回す)を理解できます。
電気自動車と「発電の仕組み」がつながって学べます。
🔍 アイデア⑤:電気自動車の仕組みを調べてまとめよう
【テーマ例】
「電気自動車とガソリン車のちがいをくらべよう」
【調べ方】
- 自動車メーカーのホームページでEV・ハイブリッド・FCVを比較
- 走行距離・充電時間・CO₂排出量などを表にまとめる
- SDGs(持続可能な開発目標)との関係も調べてみよう
【まとめ方】
・車の構造図や電気の流れを自分で描いてみる
・「未来の車をデザインしよう!」という発展テーマにしてもOK
💡 まとめのヒント
自由研究では、「やって終わり」ではなく、
- なぜそうなったのか?
- どんな工夫をすればもっとよくできるか?
を自分の言葉で考えると、ぐっとレベルアップします。
🔧 どのテーマも、「電気」や「エネルギー」を身近に感じる絶好のチャンスです。
「車が動くのはなぜ?」「電気はどこから来るの?」という疑問を、
自分の実験で確かめてみましょう!
おさらいクイズ|電気自動車とエネルギーのふしぎをチェック!
これまで学んだ内容をふりかえってみましょう!
電気自動車、エネルギー、環境のこと、どれだけ覚えていますか?
それではチャレンジスタート!💪
クイズ①
電気自動車(EV)はどんなしくみで走る車でしょう?
- ガソリンを燃やしてピストンを動かす
- 水素を燃やしてタービンを回す
- バッテリーの電気でモーターを動かす
正解は 3 です。
👉 電気自動車は、バッテリーにためた電気の力でモーターを回して走ります。静かでクリーンなのが特徴です。
クイズ②
燃料電池車(FCV)が走るときに出すものは何でしょう?
- 二酸化炭素(CO₂)
- 水(H₂O)
- ガソリンのにおい
正解は 2 です。
👉 水素と酸素を反応させて電気を作るので、出てくるのは「水」だけ!地球にやさしい未来の車です。
クイズ③
電気自動車のモーターは、どうやって回るのでしょう?
- 爆発の力でピストンを動かす
- 電気を流して磁石の力で回転させる
- 太陽の光をあてる
正解は 2 です。
👉 モーターは電気を流すと磁石の力で回転します。電気の力でスムーズに走るのがEVのポイントです。
クイズ④
再生可能エネルギーの発電方法として正しいのは?
- 石炭を燃やす火力発電
- 太陽の光を使う太陽光発電
- 石油を燃やす発電
正解は 2 です。
👉 太陽光・風力・水力など、自然の力をくり返し使うエネルギーを「再生可能エネルギー」といいます。
クイズ⑤
電気自動車のバッテリーに関しての課題はどれでしょう?
- 電気が多すぎて困る
- バッテリーを作るときに使う資源が限られている
- 音が大きくてうるさい
正解は 2 です。
👉 リチウムなどの貴重な金属が使われているため、リサイクルや資源の使い方が今後の大きな課題です。
クイズ⑥
世界で電気自動車が広がっている理由として正しいのは?
- ガソリンの値段を上げるため
- 地球温暖化を防ぐためにCO₂を減らす目的があるから
- 車を重くして安全にするため
正解は 2 です。
👉 電気自動車や燃料電池車は、走行中にCO₂を出さず、地球を守る取り組みの一つとして世界で広がっています。
クイズ⑦(応用)
電気自動車をもっと「本当に環境にやさしい車」にするには、どんな工夫が大切でしょう?
- 走るスピードを上げる
- 再生可能エネルギーで作った電気を使う
- 電気をこまめに捨てる
正解は 2 です。
👉 EVが使う電気も“クリーン”であることが大事。太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電気を使えば、より環境にやさしい社会になります。
✨ ぜんぶ正解できましたか?
電気自動車は、科学・環境・未来の技術が合わさった乗り物です。
今日学んだことをきっかけに、電気やエネルギー、地球の未来について、もっと調べてみましょう!
まとめ|電気で走る未来の車と、わたしたちにできること
電気自動車(EV)は、ガソリンを使わず、電気の力で走る車。
走るときに排気ガスを出さず、音も静かで、地球にやさしい新しい乗り物です。
でも、それを動かす「電気」や「バッテリー」をどう作るかも大切なポイントでしたね。
⚡ 電気で走る車が教えてくれること
電気自動車の仕組みを調べると、ただの「車の話」ではなく、
電気・環境・資源・エネルギーのつながりが見えてきます。
- 電気はどう作られるのか?
- どんな方法なら地球にやさしいのか?
- その電気をどう使えばムダがないのか?
こうした問いを考えることが、未来を作る第一歩です。
🌱 エコは「科学の力」と「人の工夫」で進化する
「環境にやさしい車」は、科学の発見と人の努力で生まれました。
モーターの仕組み、電池の改良、AIや自動運転の技術——
どれも人が「よりよく生きるため」に考え、工夫してきた成果です。
これからも、
- 太陽や風の力を活かす技術
- バッテリーをリサイクルする仕組み
- 水素を安全に使う研究
などが進めば、もっとクリーンな未来が待っています。
💡 わたしたちにできること
「車を作る」ことはできなくても、
日々の生活の中で地球にやさしい選択をすることは誰にでもできます。
- 電気をムダに使わない
- ごみを減らす
- リサイクルを心がける
- ものを長く大切に使う
こうした小さな行動が集まれば、社会全体が変わっていきます。
そして、いつかあなたが大人になったとき、
新しい車やエネルギーの研究をしているかもしれません。
未来の「エコカー開発者」や「環境研究者」は、
今この瞬間、学び続けている“あなた”かもしれませんね。
🚀 未来へのメッセージ
電気で走る車は、科学の進歩と人の思いやりが合わさって生まれた未来ののりものです。
地球のことを考えながら、新しい技術を学び、工夫していく力——
それこそが、これからの時代にいちばん大切なエネルギーです。
🌍=「電気の力」と「人の力」で、未来の地球をもっと明るくしよう!
この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。