
不登校でも勉強は続けられる?
国が検討する「特別の教育課程」と
未来の学び方・進路をわかりやすく解説
【2025最新】
学校に行けていない日が続いても、それは終わりではありません。
いま国では、子どものペースで、場所を問わず学べる未来の教育制度が議論されています。
まだ途中段階ではありますが、「学び方が選べる社会」に向けて動き始めています。
この記事は、そんな変化を知り、焦らないためのガイドです。
🏷 不登校は特別なことではない時代へ ― なぜ制度の見直しが始まったの?
📌 はじめに:数字が示す現実
ここ数年、学校に行けない、または行かない選択をする子どもたちが大きく増えています。
文部科学省の調査では、不登校の小中学生は年々増加し、過去最多を更新し続けています。
「うちの子だけがそうなのでは?」
「同じ学年の子は普通に通えているのに…」
そう感じる保護者も少なくありません。
けれど、これはすでに「個々の家庭だけの問題」ではなく、社会全体の変化として捉えられる規模になっています。
🎒 従来の前提は「学校に行くことが前提の制度」
これまで日本の教育制度は:
“すべての子が、同じ時間に、同じ場所で、同じ内容を学ぶ”
ことを前提として作られてきました。
そのため、学校に行けなくなると、
- 学習の遅れが心配
- 通知表に空欄
- 進級や進路への不安
- 役所・学校との手続きの壁
など、保護者の負担は大きくなり、
子ども自身にも「できない」「遅れている」という意識が重くのしかかります。
⚠️ それでも増え続ける不登校
ところが、支援策が進んでも、現場の努力があっても、不登校は減るどころか増加傾向。
この状況が示すのは、
「いまの教育制度では救えない子が一定数いる」
という事実です。
🧭 だから今、「制度そのもの」を見直す動きが始まった
こうした背景のもと、文部科学省は専門家チーム(不登校WG)を設置し、次のような視点で議論を進めています👇
- 学習の進め方に柔軟性を持たせること
- 「学校に戻す」だけでなく「学びを続けられる形を保障」すること
- 子どもの状態に応じたカリキュラムや評価のあり方
つまり、
「学校に行けることが正解」ではなく、
「学びが止まらないことが正解」
という考え方への転換です。
⚠️ ただし、まだ“決まったわけではありません”
これらはすでに検討が始まっている方向性ですが、制度として確定し、全国に適用される段階にはありません。
けれど、確実に言えるのは👇
「不登校=例外」から
「いくつもある学び方のひとつ」へと時代が動き始めている
ということです。
🔹 いま検討されている案「特別の教育課程」とは?
📘 「特別の教育課程」は、今の学校制度の“新しい選択肢”になるかもしれない仕組み
文部科学省の不登校WG(ワーキンググループ)で議論されている制度案のひとつが、
**「特別の教育課程(仮称)」**と呼ばれる仕組みです。
これは、不登校の子どもや、学校という環境が合わず通い続けることが難しい子どものために、
「学校と同じ学びを、別の形で続けられる制度」
として検討されています。
まだ決定ではありませんが、今の議論では👇のようなイメージが示されています。
🎓 単なる「救済措置」ではなく、正式な学びのルート
これまで不登校児童は、
- 別室登校
- フリースクール
- 家庭学習
- オンライン学習
などで学んでいても、
「学校に通っていない=教育課程に乗っていない」
という扱いになりがちでした。
そのため、学習の遅れや成績評価、出席扱いなどで不利益が生じやすい構造でした。
「特別の教育課程」は、この状況を見直し、
どの場所で学んでも、正式な教育として認められる可能性をつくる
という方向性なのが大きな特徴です。
🏫 どんな学び方でもOKになるの?
これは誤解されやすい点ですが、
「好きなように学べばいい」制度ではありません。
むしろ、学び方は柔軟でも、
内容や到達目標は学校教育法の範囲内として進められる想定です。
つまり👇のような設計です:
| これまで | 「特別の教育課程」案 |
|---|---|
| 通学が前提 | 学び方を選べる |
| 指導要領に沿った学年進行 | 必要に応じて学び直しや調整可 |
| 不登校は“例外対応” | 制度として認める学びの形のひとつ |
🧭 「教育課程の柔軟化」がキーワード
最大の変化は、
「すべての子どもが同じ形で学ぶ」前提を見直すこと。
これまでの制度は「同じタイミング・同じ内容・同じ評価軸」でしたが、議論中の案では、
- タイミング(いつ学ぶか)
- 方法(どこで学ぶか)
- 量(どれくらい進めるか)
に調整幅を持たせる方向が見られます。
⚠️ まだ決まっていないけれど、「方向性」は明確に示されはじめている
この制度案は、すぐに全国一律で始まるものではありません。
けれど、
- 議論が始まったこと
- 不登校が例外でなくなったこと
- 個別最適な学びが制度議論に含まれていること
これはすでに大きな変化です。
「学び方の選択肢が制度として認められる未来が想定された」
──これが現在の地点です。
🔹 どんな学び方が可能になる“かもしれない”の?
📌 「勉強が止まらない形」をつくるための柔軟な設計
「特別の教育課程」が導入される場合、
学校へ通う・通わないに関わらず、子どもが学びを続けられる環境づくりが重視される方向で議論されています。
ここで重要なのは👇
“どこで学ぶか”よりも “どう学び続けられるか”。
そのため、学び方は従来より幅広く認められる可能性があります。
① 必要な教科だけ学ぶ「部分履修型」
現行制度では、学年内ですべての教科をまんべんなく学習することが前提です。
しかし議論されている案では👇
体調・心理状態・発達段階に応じて、
まずは一部の教科から取り組む。
例:
- いきなり全教科は負担が大きい
➡︎ 国語と算数だけ取り組み、慣れたら教科を増やす - 理科や社会はプロジェクト学習や体験学習と連動させる
👉 「休む前の続き」ではなく、「できるところから再開する」発想。
② 下の学年に戻って学べる「学び直し型(リメディアル)」
不登校期間が長かったり、心理的ハードルが高い場合、
いきなり元の学年内容に戻るのは負担が大きいことがあります。
そこで検討されているのが👇
必要に応じて、前の学年内容から再スタートできる仕組み。
これは、学びを「学年単位」ではなく、
習得段階に合わせて調整ができる考え方です。
📍例:
| 状況 | 従来 | 新しい案(想定) |
|---|---|---|
| 小5だが計算が苦手 | 小5内容に戻るしかない | 小3〜4内容から積み上げられる |
| 中1だが英語の基礎が不安 | 「ついていくしかない」 | アルファベットや基礎文法から再構築できる |
👉 **「戻ることができると、もう一度進む力が生まれる」**考え方。
③ 家庭・オンライン・スクールなど複数の学び方を組み合わせる「ハイブリッド型」
議論の中には👇のような選択肢も含まれています:
- 学校に行ける日は登校
- エネルギーが足りない日はオンライン学習
- 別室・フリースクール・地域施設で学ぶ
- 家庭学習+支援機関の併用
これにより👇
「登校 or 不登校」ではなく
「いくつかの形を使いながら学び続ける」未来が描かれています。
④ 子どもに合った量で進める「段階的・再チャレンジ型」
議論案では、**“全か無か”ではなく“段階制”**の視点が含まれています。
例:
- 月に1回 → 週1回 → 午前のみ → 午後も → 通常登校
- 「席に座るだけの日 → プリントだけ →授業参加」
👉 ステップ型の復帰設計も選べる可能性があります。
🌱 ポイントは「選べる」ことではなく「学びが止まらない」こと
これらの案は、自由度を広げるためではなく、
“本人にとって無理なく続けられる学び方をつくるため”の制度案。
つまり、子どもが自分にあった方法で少しずつ前に進めるようにすることが目的です。
⚠️ ここで大事な前提
✔ これはすべて「案」であり、まだ決定した制度ではありません。
✔ しかし、議論の方向は明確に“柔軟な教育へ”と向かっています。
🔹 誰が学び方を決めるの? ― 学校・家庭・専門家の役割
🧭 「好きなように選ぶ」ではなく、チームで決める仕組みになる可能性
「学び方を柔軟に選べる」と聞くと、
「保護者や本人の希望だけで決まるの?」
「逆に、学校の判断だけで決まるの?」
と疑問が浮かぶ方もいるかもしれません。
制度案の議論では、**どちらか一方が決める形ではなく、複数の立場の専門性を組み合わせる“共同判断方式”**が想定されています。
① 学校(校長・担任・特別支援コーディネーター)
学校の中心的な役割は、
「その学び方が教育課程として成立しているかを確認すること」
です。
つまり、
「ただ勉強している」ではなく👇
- 到達目標に沿っているか
- 進度や学習量は妥当か
- 評価方法は確保できるか
- 連絡手段や記録方法は明確か
こうした**“教育として成立している枠組み”**を保証する立場になります。
特に校長は、将来的に👇
📍 最終承認者(教育課程の認定者)
になる可能性が議論されています。
② 専門家(スクールカウンセラー・医療・心理・福祉)
不登校は、学力だけの問題ではありません。
体調、発達特性、ストレス、自己肯定感、家庭環境など、複合的な背景が重なっていることが多く、議論案では👇
医療・心理・支援機関と連携して学習方法を決める
場面が想定されています。
例えば:
- 長時間の集中が難しい
→ 学びの時間を短く設定 - 対人不安がある
→ 別室・オンライン・少人数環境 - 感覚過敏や過負荷がある
→ 休息や配慮を前提とした学習スケジュール
👉 **「学び方」=「状態に合わせた支援」**という考え方です。
③ 保護者と本人の意思
ここが最も大きな変化ポイントです。
これまでの制度では👇
“学校に来られるかどうか”が学びの判断基準でした。
しかし議論案では、本人の状態や意思を尊重し👇
- 「何ならできそう?」
- 「どの形がいちばん続けられそう?」
- 「どの場所なら安心できる?」
という、本人の感覚や希望を前提にした設計が重視されています。
保護者は、
**“決める人”ではなく、“伴走者・理解者・観察者”**として役割が変わっていきます。
📄 最終的にまとめるもの:「個別学習計画(案)」
海外では**IEP(Individual Education Plan)**と呼ばれていますが、
日本でも似た仕組みを導入する方向で議論されています。
内容イメージ👇
| 項目 | 内容例 |
|---|---|
| 学び方 | 登校/別室/オンライン/フリースクール/家庭 |
| 取り組む教科 | 全教科 or 一部教科から開始 |
| 目標 | 学期ごと/単元ごとに設定 |
| 評価方法 | テスト・成果物・ポートフォリオなど |
| 支援者 | 学校・家庭・専門家の役割分担 |
| 見直し | 定期的に調整する方式 |
👉 固定ではなく、**「更新される計画」**として扱われます。
🌱 ポイントは「柔軟さ」と「責任の所在の明確化」
制度案では👇のバランスが重視されています:
| 自由に選びたい | でも曖昧なままにしたくない |
|---|---|
| 子どもに合う学び方 | 教育として成立させる |
| 個別最適化 | 進路・評価の公平性 |
| 家庭の希望 | 学校の責任・透明性 |
⚠️ 最後にもう一度
📌 これらはまだ「検討されている案」であり、確定制度ではありません。
しかし、議論の方向性ははっきりしています👇
学び方が選べる時代へ。
「学校に戻れない」から「別の形で学び続けられる」へ。
🔹 海外では当たり前? 公教育としての多様な学び方の例
🌍 日本だけではありません。世界はすでに「選べる義務教育」へ進んでいます。
いま日本で検討されている制度改革は、突然生まれた考えではありません。
むしろ世界ではすでに、
「学校に行くことだけが学びではない」
「子どもに合った学び方を選べる」
という仕組みが公教育として機能しています。
ここでは、日本の未来をイメージしやすくするため、複数の国の仕組みを分かりやすく紹介します。
🇫🇮 フィンランド|学年は“目安” 到達基準で進む教育
フィンランドでは、義務教育は**「年齢」よりも「到達度」**が重視されます。
クラスは存在しますが、全員同じスピードでは進みません。
- 得意な科目は先へ進む
- 苦手な部分は前の内容に戻る
- 個別の支援(学び直し)が当然の仕組み
また、通知表は「評価」ではなく👇
“学びの記録(ラーニングプロファイル)”
として扱われます。
📌 学習のペースが違うのは「遅れ」ではなく「個性」。
🇳🇱 オランダ|オルタナティブ教育が「公教育内の正式な選択肢」
オランダでは、教育スタイルそのものを学校ごとに選べる文化があります。
代表例👇
- イエナプラン教育
- ダルトン教育
- モンテッソーリ教育
- ワルドルフ教育(シュタイナー)
これらは「民間の自由教育」ではなく、
公教育として国に認められた学校です。
📌 「どこで学ぶか」ではなく「どう学びたいか」を選べる国。
🇩🇰 デンマーク|学校・自宅・地域、多様な場が「学びの場」
デンマークでは、学校に通うことも、自宅で学ぶこと(ホームエデュケーション)もどちらも法的に認められています。
自宅学習でも:
- 国家学習基準に沿っているか
- 本人に必要な力が育っているか
を年次で評価する仕組みがあります。
📌 学びの形は自由でも、学ぶ権利と支援は保障される。
🇨🇦 カナダ(一部州)|進路別に学ぶ「複線型カリキュラム」
カナダでは、義務教育中から履修内容を進路ベースで選択することが可能です。
- 大学進学向け(アカデミックコース)
- 職業・技術系(アプライドコース)
- 体験・プロジェクト型
- オンライン併用型
「同じ学び方」「同じゴール」ではなく👇
本人の未来に合わせて、学びのルートが変わる設計。
🧩 海外の共通点は「公平性」ではなく「適正性」
多くの国で共通している考え方は👇
| 従来の考え方 | 新しい考え方 |
|---|---|
| 全員に同じ教育が公平 | その子に合った教育が公平 |
| 同じ結果・同じ速度を求める | 到達点は同じでも進み方は違ってよい |
| 学校中心の学び | 多様な環境で学び続けられることが前提 |
📌 では日本はどうなる?
日本がすぐに海外と同じモデルになるわけではありません。
文化、制度、教育観は国ごとに違います。
しかし👇
“個別に学ぶ権利が認められる教育”へ向かう方向性は共通している
と言えます。
そして、日本の不登校WGの議論も、まさにこの世界的流れの中にあります。
🌱 今は「変わり始めている途中」
海外の例は「こうなるべき」という正解ではなく👇
“日本にも、こういう未来がありえる”
というヒントです。
🔹 高校受験・将来はどうなる? 進路制度も多様化へ
🎓 「今の成績で決まる」時代から、「学びのプロセスが評価される」時代へ
不登校になると、多くの保護者が最も不安に感じるのが——
「高校に行けるのか?」
というポイントだと思います。
結論から言うと、
今後検討されている制度の流れでは、
学び方の違いが、進路の不利につながりにくい仕組みへ
という方向で議論が進んでいます。
※もちろんまだ“決定”ではありませんが、教育評価の考え方が変わり始めているのは事実です。
① 通知表だけが評価基準ではなくなる可能性
従来の高校入試では👇
- 内申点(提出物・出席・成績)
- 学力テスト(入試)
が中心でした。
しかし、制度案の議論では、
**「学びの履歴(ポートフォリオ)」**を評価に含める方向性が語られています。
例:
- 学んだことの記録
- 課題提出
- プロジェクト
- 自分で選んだ学びや実績
- 成長過程
👉 “できたか”より“どう学んだか”。
② 入試方式そのものが多様化
すでに一部自治体では、
| 従来方式 | 新しい方式 |
|---|---|
| 一斉テスト中心 | 推薦・面接・オンライン型選抜 |
| 出席日数が重視 | 出席以外で学びを証明できる枠拡大 |
| 内申依存 | ポートフォリオ+多面的評価 |
が進んでいます。
特に、不登校支援型高校・チャレンジスクール・通信制高校・ハイブリッド高校など、
既存の枠に収まらない学校が増えています。
③ 「学び方の違い=人生の分岐」ではなくなる
これまでは👇
不登校 → 学力遅れ → 選べる高校が限られる
という流れが一般的でした。
しかし今動いている議論では👇
本人に合った学び方 → 学びが続く → 適した進路につながる
という考え方へ転換しています。
つまり、
📍 復帰できるかどうかより
📍 学びが途切れないことが重要になります。
④ 進路は一本ではなく、“複数ルート”の時代へ
制度改革が進めば、将来の進路設計は👇こう変わる可能性があります。
- 通常高校
- 通信制高校
- 通学+オンライン併用型高校
- 専門・職業系コース
- マイペース型チャレンジスクール
- 海外型教育を取り入れた民間スクール
- 高校卒業資格を他の形式で取得(制度検討中)
つまり未来は👇
合流点はひとつではなく、道がいくつもある社会。
⑤ 「選択肢がある」ことが安心になる
制度改革はまだ議論段階ですが、
方向性としては👇はっきりしています。
✔ 進路は一つではない
✔ 評価は学び方の違いを尊重する形へ
✔ 本人の強みや特性が認められる社会へ
🌱 不安の時期は、「未来を選べる準備期間」
今、学校に行けなくても大丈夫。
今、勉強が進んでいなくても大丈夫。
大切なのは👇
“止まった”ように見える時間も、
未来につながる意味があると知ること。
制度はすぐには変わりません。
けれど、確実に、
📍「ひとつの正解しかない教育」から
📍「選べる教育への転換」
が始まっています。
🔹 家庭でできること ― 焦らないための考え方と声かけ
🌿 まずは「安心」が学びより先に必要です
学校に行けない時期、学習が止まっているように見える時期、
親として最初に感じるのは 焦り・不安・先の見えなさかもしれません。
けれど、多くの支援者・研究者・臨床現場の共通認識として、
“学習より先に、安心と回復が必要”
という考えがあります。
心や身体が疲れている状態では、
学ぼうとしても、頭も気持ちも動きません。
だから、今できることの第一歩は👇
📍 「勉強させること」ではなく
“安心できる環境と関係”を整えること。
🧩 「できていない部分」より「できている部分」に光を向ける
不登校が続くと、どうしても
- 起きられない
- 行動できない
- 勉強が進まない
- リズムが乱れる
など「できないこと」に目が向きやすくなります。
けれど、この時期に必要なのは👇
“できたこと・できていること”を確認し続けること。
例:
- 朝起きられた
- 部屋から出られた
- 会話できた
- 姿勢を戻せた
- 少し散歩ができた
- 動画学習を5分見た
📌 回復は「大きな一歩」ではなく「小さな積み重ね」によって進みます。
🗣 声かけは「問いかけ型」が有効
避けたい声かけ👇(圧・比較型)
×「そろそろ動けるんじゃない?」
×「このままでいいの?」
×「同級生は進んでるよ」
代わりに👇(選択・共有型)
✔「今日は何ならできそう?」
✔「学校じゃなくても、できそうな学び方あるかな?」
✔「気持ちが落ち着く場所ってどこ?」
✔「無理ないペースってどれくらいだと思う?」
👉 “命令ではなく、選択肢を一緒に探す姿勢”。
🧭 「今やらなきゃ」ではなく、「再スタートできるタイミングを待つ」
制度の方向性が変わりつつある今、
未来の学びは “早く動いた人が有利” ではなく、
“自分のエネルギーが戻ったタイミングで動ける人が続けられる”
という形に近づいています。
つまり👇
📌 焦る必要はありません。
完全に止まってしまうことの方が少ないのです。
📚 できる範囲で始める「軽量学習」のすすめ
勉強を再開する時は、次の順番が役立ちます👇
- **短い時間(5〜10分)**から
- 興味がある科目から
- 「できた」を感じられるレベルから
- 計画より記録を大切に(予定より振り返り)
例:
| アプローチ | 例 |
|---|---|
| 10分学習 | 英語アプリ、タイマー学習 |
| 楽しさ優先 | 好きな動画学習・実験・読書 |
| 小さな達成 | 問題1問だけ、1ページだけ |
| 習慣化方法 | 「やれた日だけ丸印」方式 |
👉 「継続できる量」が、最初の正解です。
🤝 家庭だけで抱えない。相談できる場所を持つ
制度が動き始めている今、
学校以外にも、
- フリースクール
- 学習支援団体
- オンライン支援
- 地域支援センター
- 民間教育機関(MOANAVI含む)
など、
**「相談や伴走ができる場」**が増えています。
📌 これからの教育は「単独で支える」より「つながって支える社会へ」。
🌱 最後に
あなたの子どもは遅れているわけでも、止まっているわけでもありません。
ただ、
“安心できる形で、もう一度動き出す準備をしている最中”。
未来の教育制度は、
その再スタートを支える形へゆっくりと動き始めています。
🔹 よくある質問(FAQ)
ここでは、保護者の方からよく寄せられる疑問をまとめました。
制度はまだ議論段階ですが、現在わかっている範囲で丁寧に整理します。
❓ Q1:いま全く勉強していません。このままで大丈夫でしょうか?
A:今の時点で進んでいなくても「手遅れ」ではありません。
制度が検討されている背景のひとつは👇
「不登校の子どもは、今の学年の学び方が合わないだけで、学ぶ力がないわけではない」
という理解が進んできたことです。
これからの制度案では、
- 必要に応じて前の学年に戻る
- 最初は一部教科だけ始める
- ハイブリッドでの学び直し
など、再スタートできる仕組みが検討されています。
焦らず、「動けるタイミング」が来たときに動けば大丈夫です。
❓ Q2:制度が動いたら、自動的に支援が受けられるのでしょうか?
A:いいえ。自動ではなく「申請・計画・合意」が必要になる可能性があります。
海外例を見ると、柔軟な制度ほど以下のものが必要になります。
- 子ども本人の意思
- 保護者の理解
- 学校や専門家との話し合い
- 個別学習計画の作成
- 定期的な見直し
つまり👇
📌 “制度があるだけではなく、選び方・支援者・記録が重要”
という方向に進む可能性があります。
❓ Q3:学校が対応してくれなかった場合はどうなりますか?
A:制度が正式化されれば、学校だけではなく外部機関も関与する形が議論されています。
すでに一部自治体では👇
- フリースクールとの連携
- 民間教育機関との接続
- オンライン学習を出席扱い
- 地域支援センターとの共同支援
などが始まっています。
今後は👇
学校単独型 → 連携モデルへ
という方向に動く可能性があります。
❓ Q4:高校受験で不利になることはありませんか?
A:評価方法の多様化が議論されています。
例えば👇
| 従来の評価 | 検討されている方向性 |
|---|---|
| テスト点数・内申が中心 | ポートフォリオ・活動・習得過程など |
| 出席日数が重視 | 出席以外の学びも評価対象に |
| 一斉試験 | 面接・オンライン型・探究型など複数方式 |
📌 進路が「ひとつに固定される社会」から
「選べる社会」へ向かっている流れがあります。
❓ Q5:自由すぎる制度になって、逆に困らないですか?
とても多い心配です。
議論では次の点が強調されています👇
✔「自由」ではなく選択肢
✔「好き勝手に学ぶ」ではなく教育課程として成立する形
✔「本人任せ」ではなく大人・専門家との合意形成
つまり👇
柔軟だけど、支援体制とルールがある。
放任ではなく、伴走型の制度。
❓ Q6:結局、この制度はいつ始まるのですか?
A:現時点(2025)では“検討段階”で、施行時期はまだ確定していません。
ただし、文部科学省は👇
📍次期学習指導要領の改訂タイミングに合わせて調整する可能性
が高いと見られています。
つまり👇
数年単位でゆっくり形になっていく未来型の制度です。
🌱 最後に
この制度は、
❌「学校に行かなくてもいい」
❌「勉強しなくていい」
ということではありません。
〇 「その子に合う方法で学べる社会に変わるかもしれない」
〇 「学びをあきらめなくていい時代になる」
——そのための検討が、今始まっているのです。
🔹 まとめ|“学び方はひとつじゃない”時代へ
不登校や学びの停滞は、これまで「特別なこと」「例外的な状況」として扱われてきました。
その結果、学校に行けなくなると、勉強・評価・進路・将来について、親子で不安を抱え込みやすい仕組みになっていました。
しかし今、国の議論は大きな方向転換を示しています。
「学校に行くか行かないか」ではなく、
“子どもが学び続けられる形を保障する”社会へ。
🌱 制度はまだ途中。でも「流れ」は動き始めています
「特別の教育課程」や学びの柔軟化の制度案は、まだ最終決定ではありません。
ですが、不登校が増え続ける現状、そして学びの在り方が変化している世界の潮流から見ても——
📍 日本の教育制度は、これから確実に変わっていく段階にあります。
現時点で確定している未来ではありませんが、
**“こういう未来に向かって議論が進んでいる”**という事実は、保護者にとって希望にもなります。
✨ これから大切になる視点
今後、教育が多様化すればするほど、
親に求められる役割は変わります。
✔「同じペースで進めること」より
→ その子に合ったペースを見守ること
✔「遅れをなくすこと」より
→ 再スタートできる機会を失わないこと
✔「未来を決めつけること」ではなく
→ 選択肢を知り、選べる土台をつくること
💬 子どもに伝えたい一言
もし、今、不安の中にいる子どもがいるなら——
「止まっているように見えても、
未来は閉じていないよ。
あなたがまた動けるタイミングは、必ず来る。」
と伝えてあげてください。
学びは競争ではなく、探求です。
そして教育は、子ども個人の生き方の土台です。
🎗 最後に
制度がどう変わるかは、まだ途中段階です。
けれど、はっきりしていることがあります。
“学び方はひとつじゃない。”
これからの教育は、もっと柔らかく、もっと選べる形に。
子どもたちが自分の歩幅で未来につながる学びを続けられる社会へ——
今、その準備が始まっています。
🏫 モアナビ協創学園について
もしこの記事を読んで、
- 「子どものペースに合わせた学び方ができたらいいのに」
- 「学校には行けないけど、学びは続けたい」
- 「焦らず、自分のタイミングで挑戦できる環境がほしい」
と感じられた方がいたら、
モアナビ協創学園は、そういう子どもたちのためにある場所です。
モアナビ協創学園では、
子ども一人ひとりの状態や興味、得意・苦手、学習スタイルに合わせて、
学びの形・進め方・環境を一緒に選びながら進めていきます。
- 全教科を一気に進めなくてもいい
- まずは得意なことから始める
- 体調や気持ちに合わせて学び方を調整する
- できる量・深めたい分野を自分で選べる
そんな “自分で選べる学び” がここにはあります。
また、学びは教科だけではありません。
探究活動、STEAM教育、協働体験、地域とのつながりなどを通して、
「できることを増やす」ではなく、
「自分が生きたい未来を選べる力」
を育てることを大切にしています。
🌿 今、不安があるならそれで大丈夫。
ここからゆっくり始められます。
学校に戻ることがゴールではなく、
学び続けられる形を見つけること。
そのための場所として、
モアナビ協創学園は、子どもと家族に寄り添いながら歩んでいます。
もし必要なときは、いつでも頼ってください。
一緒に考えればいい。
それが選べる時代になるのだから。
記事を書いた人

西田 俊章(Nishida Toshiaki)
STEAM教育デザイナー / MOANAVIスクールディレクター
理科・STEAM教育の専門家として、20年以上にわたり子どもたちの学びに携わる。文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』の著者であり、TVやラジオで教育解説の経験ももつ。「体験×対話」の学びを大切にし、子どもたちが楽しく学べる環境を提供している。
📚 経歴・資格
✅ 文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』著者
✅ 元公立小学校教員(教員歴20年)
✅ 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士(教育学)
✅ TVK『テレビでLet’s study』理科講師として出演
✅ Fm yokohama『Lovely Day』でSTEAM教育を解説

