
【教育コラム】
子どものスマホ・ゲームとの付き合い方
親子でつくるルールの工夫
スマホやゲームは子どもだけでなく大人も熱中してしまう強い魅力を持っています。禁止や取り上げだけでは反発を招き、親子関係が悪化することも。本記事では、スマホ・ゲームがなぜ依存しやすいのかを解説しつつ、失敗しないルール作りのコツや実際の工夫を紹介します。親子で一緒に考えるルールは、自己調整力を育て、デジタルと健全に付き合う第一歩となります。
なぜルール作りが必要なのか
スマホやゲームは「夢中になれるように設計」されています。
- ゲームは「次のレベル」「次の報酬」が次々に提示される
- YouTubeやSNSは「おすすめ機能」「自動再生」で無限に続く
放っておけば使いすぎにつながり、睡眠不足や学習への集中力低下、家族関係への影響を招きかねません。だからこそ、家庭でのルール作りが重要です。
よくある失敗例
- 親が一方的に決める → 子どもが納得できず反発、隠れて使う原因に
- ルールが多すぎる → 守れないことで自己肯定感が下がる
- 親自身が守らない → 「口だけ」と思われ、示しがつかない
ルール作りの基本原則
- 一緒に話し合う
子どもが納得して初めて意味のあるルールになる。 - 少数で明確にする
「夜9時以降は使わない」などシンプルなものに絞る。 - 守れたら肯定的にフィードバック
叱るより「できたね」と伝えることが自己調整力を伸ばす。 - 家庭全体で共有する
親も同じルールを意識して守ることで説得力が増す。
実際のルール例
- 使用時間:1日1時間、宿題が終わったら
- 場所:リビングのみ、寝室には持ち込まない
- 時間帯:夜9時以降はオフラインにする
- 優先順位:食事や家族の会話中はスマホを置く
運用をスムーズにする工夫
- 視覚化する:カレンダーやタイマーを活用
- 定期的に見直す:子どもの成長に合わせて更新
- 成功体験を振り返る:「今日は約束守れたね」と確認し合う
MOANAVIの視点
MOANAVIでは、スマホやゲームを「禁止する対象」として捉えるのではなく、学びの選択肢を広げるためのきっかけと考えています。
- STEAM教育やプロジェクト型学習を通じて、ゲーム以外にも夢中になれる活動を提供
- 子ども自身が「自分で選ぶ学び」を経験し、自己調整の力を育てる
- 保護者とともに、無理のない「親子で考えるルール作り」を支援
まとめ
スマホやゲームは今の時代、避けて通れない存在です。
大切なのは、禁止や取り上げではなく、親子で話し合い、家庭全体で守れるルールをつくること。
ルールは縛るためではなく、「自由に楽しみながら健全に使うための枠組み」です。
そして子どもが「学びたい」「挑戦したい」と思える体験を増やすことが、デジタルとのバランスをとる最大の方法になります。
記事を書いた人

西田 俊章(Nishida Toshiaki)
STEAM教育デザイナー / MOANAVIスクールディレクター
理科・STEAM教育の専門家として、20年以上にわたり子どもたちの学びに携わる。文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』の著者であり、TVやラジオで教育解説の経験ももつ。「体験×対話」の学びを大切にし、子どもたちが楽しく学べる環境を提供している。
📚 経歴・資格
✅ 文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』著者
✅ 元公立小学校教員(教員歴20年)
✅ 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士(教育学)
✅ TVK『テレビでLet’s study』理科講師として出演
✅ Fm yokohama『Lovely Day』でSTEAM教育を解説