
「学校に行かないこと」は、本当に困ること?
― 不登校の子どもが抱える悩みと、MOANAVIができること ―
不登校になると、子どもも保護者もさまざまな不安や困りごとに直面します。でも、それは「学校に行けないから」ではなく、「今の環境が合っていないから」かもしれません。
「学校に行かない=問題」ではありません。
「学校に行けないことから生じる“困りごと”」が、本当の問題なのです。
そして、その課題は、環境を整えることで、確かに解決できるものです。
この記事では、不登校によってどんな問題が起きるのか、学校にこだわる必要はあるのか、そしてMOANAVIが提供できる新しい学びの選択肢についてお伝えします。
不登校になると、何に困るのか?
「学校に行けない」という状態は、子ども本人にとっても、保護者にとってもつらいものです。
でも、本当に問題なのは、学校に行っていないことそのものではありません。
実際には、そこから派生する“困りごと”こそが問題なのです。
子どもが感じる困りごと
- 孤独感:友だちと話せない、遊べない
- 自己否定感:「自分はダメなんだ」という思い込み
- 学びの不安:遅れてしまうのではないかという焦り
- 居場所のなさ:日中どこで何をしていいか分からない
- 外出しづらさ:他人の目が気になって外に出られない
保護者が感じる困りごと
- 子どもの将来への不安
- 対応の正解がわからず、関係性がぎくしゃくする
- 兄弟姉妹や家庭全体への影響
- 周囲からの視線、孤立感
学校に行かないことで生じる“社会的な”デメリット
個人的な困りごとに加えて、社会的に不利益を受ける可能性も無視できません。
学歴・進学面での制限
- 出席日数や内申点が不足すると、志望校の選択肢が狭まる
- 学校を通じた進学情報や推薦制度にアクセスしづらい
社会的信用や偏見
- 「不登校=問題児」という偏った見方をされることも
- 履歴書の空白期間など、大人になってから問われることも
人間関係の形成が難しくなる
- 学校は自然な交友関係が築かれる場でもある
- 同年代と接する機会が少ないと、将来的な人間関係の構築に影響することも
保護者への社会的圧力
- 「ちゃんと通わせていない」と見られる不当な評価
- 支援情報や制度が届きにくくなることも
では、学校にこだわる必要はあるのか?
こうした課題を見ると、「やっぱり学校は必要では?」と思われるかもしれません。
でも、もう一度立ち止まって考えてみたいのです。
もし、以下のような環境があれば――
- 安心して過ごせる場所がある
- 学びが継続できている
- 他者と関われる場がある
- 将来の進路が見えてくる
それがたとえ「学校」でなくても、子どもにとって最善の環境かもしれません。
学校とMOANAVI、それぞれの役割と限界
不登校の支援においては、学校とオルタナティブな学び場の違いを理解することがとても大切です。
観点 | 学校で育ちやすい力 | MOANAVIで育ちやすい力 |
---|---|---|
集団適応力 | 多人数で動く協調性、同調のスキル | 少人数での対話、自分のペースでの調整力 |
評価への対応力 | テスト、通知表、進路資料の整備 | 「STUDY POINT」による行動評価、内発的動機の強化 |
進学情報・制度 | 出席・内申・推薦などへの直結 | 情報を自分で得て、進路を自分で選ぶ力 |
社会性の基盤 | 「普通の環境」でのふるまい | 多様な価値観を受け入れ、自己を確立する力 |
時間管理・秩序 | チャイム、決まった行動 | 自分で時間を設計する力 |
学校は「社会の縮図」
MOANAVIは「自分らしさを起点とした学びの場」
MOANAVIができること
MOANAVIは、不登校の子どもや保護者が抱える困りごとに、代替ではなく“新しい価値”としての学びを提案しています。
居場所の提供
- 否定されない空間
- 「無理に元気を出さなくていい」日常
- 他の子どもたちとの自然な交流
行動の価値を見える化する「STUDY POINT」
- 自分で問題を選ぶ、自分で取り組む
- その行動がポイントとして可視化される
- 評価=やらされるもの から、評価=自分を肯定するものへ
探究ベースのテーマ学習
- 「科学・言語・人間・創造」の4領域から選ぶ
- お祭りづくり、未来の街デザイン、スタンプ開発など
- 実社会につながる学びとプロジェクトベースの体験
保護者へのサポート
- 定期的なフィードバック・面談
- 保護者も一人にならないサポート体制
- 将来的には保護者向けの学びの場・交流の場も予定
最後に
「不登校」は問題ではありません。
その子にとって、今の学校が合わなかっただけかもしれません。
そして、不登校の子どもたちが困っているのは、「行っていないこと」そのものではなく、
そこから生じる社会的・心理的な困りごとなのです。
MOANAVIは、その一つひとつの困りごとに寄り添い、
子どもが「自分らしく学び直す」「自分の力で選び直す」未来を支えていきます。
子どもたちには、「学び直す自由」がある。
そして私たちには、「育て直す環境」があります。
記事を書いた人

西田 俊章(Nishida Toshiaki)
STEAM教育デザイナー / 株式会社MOANAVI代表取締役
理科・STEAM教育の専門家として、20年以上にわたり子どもたちの学びに携わる。文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』の著者であり、TVやラジオで教育解説の経験ももつ。「体験×対話」の学びを大切にし、子どもたちが楽しく学べる環境を提供している。
📚 経歴・資格
✅ 文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』著者
✅ 元公立小学校教員(教員歴20年)
✅ 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士(教育学)
✅ TVK『テレビでLet’s study』理科講師として出演
✅ Fm yokohama『Lovely Day』でSTEAM教育を解説