ジャンケンに勝つために
「来週もまた見てくださいね、ジャンケン、ポン!」
みなさんはジャンケンで何を出しますか。ジャンケンでよく出す手があったりしませんか。
ジャンケンで勝つためには何を出せばいいのでしょうか。
「そんなの無意識だから考えたこともない。」という人も中にはいるかもしれませんが、多くの人はジャンケンの時にかなりのスピードで勝つための戦略を練っています。
ジャンケンの初手に何を出すかはどのようにして決めているでしょうか。
お互いが全くの運任せだと勝率は50%。
少しでも有利に進めるために、心理的な駆け引きに持ち込むこともあるでしょう。
また、1対1のジャンケンと、複数人でのジャンケンでは同じではないでしょう。
3人がバラバラの手であいこになった時と、3人が同じ手であいこになった時では、次に出す手の戦略が変わるはずです。
メタ認知
ジャンケンで何を出すかを意識した時、自分がよく出す手を考えたり、過去の経験から勝ちやすい手を考えたり、相手の手から状況を判断したりしますよね。
ある物事に取り組もうとした時に、自分がどのように考えるかを自分で意識することをメタ認知と言います。
メタ認知にはモニタリングとコントロールという2つのプロセスがあります。
モニタリングは、勝つために何を出すべきかを模索すること、コントロールとは、その計画に合わせて行動する(手を出す)ことです。
自身のジャンケンの経験や相手の様子や条件をよく見て、何を出すべきかよく考えて、決めた手でジャンケンをやってみる。
メタ認知とは、よく見て、よく考えて、やってみることなのです。
自己調整学習
「自らの学習状況を把握し、学習の進め方について試行錯誤するなど自らの学習を調整しながら、学ぼうとしているかどうか」という自己調整学習(Self-Regulated Learning)において、中心的な役割を果たすのがメタ認知です。
自身の学習状況をモニタリングして、学習の方向性をコントロールすることが大切になります。
自己調整学習という言葉から、例えば日直が司会をして子ども達だけで授業を進めるような姿や、相互指名をして話し合いを行う姿を想定するかもしれませんが、子ども達だけで学び合っている姿を自己調整学習というわけではありません。
メタ認知が働き、学習状況のモニタリングとコントロールができるかどうかが大切です。
授業における自己調整学習
先生は、子どもが自分の学習状況をモニタリングできるように支援します。
モニタリングのために必要なことは「表現」することです。
また、子ども達が自分の学習をコントロールできるように支援します。
声をかけたり、コメントを入れたりして正しい方向にコントロールできるように導くのです。
子どもが主体的に学習に取り組める授業を目指し続けていきましょう。