
みなさんは「再生可能エネルギー」という言葉を聞いたことがありますか?
ニュースや授業でよく出てきますが、「なんだかむずかしそう…」と思う人も多いかもしれません。
でも、実はとっても身近なものなんです。
太陽の光で電気を作ったり、風で大きな風車を回したり、水の流れでダムから電気を生み出したり──。
こうした自然の力を使ったエネルギーを「再生可能エネルギー」といいます。
この記事では、
- 再生可能エネルギーの意味と種類
- 地球を守るためになぜ大切なのか
- 生活の中で使われている例
- 自由研究で挑戦できるアイデア
をやさしく解説していきます。途中にはクイズもあるので、楽しみながら学べますよ。
👉 読み終わったころには、きっと「自分も未来のエネルギーについて考えてみたい!」と思えるはずです。
再生可能エネルギーとは?小学生・中学生にもわかる基本の意味
みなさんは「再生可能エネルギー」という言葉をニュースや授業で聞いたことがありますか?
エネルギーとは、ものを動かしたり光をつけたりするために必要な力のことです。電気やガス、ガソリンなどもエネルギーの仲間ですね。
でも、今たくさん使われている石油や石炭などの「化石燃料」は、長い年月をかけて地球の中でできたもので、一度使うともう元には戻りません。しかも使うと二酸化炭素(CO₂)が出て、地球温暖化の原因にもなってしまいます。
そこで注目されているのが 再生可能エネルギー です。
再生可能エネルギーとは、自然の力を利用して、くり返し使うことができるエネルギー のことをいいます。
たとえば…
- 太陽の光を使った 太陽光発電
- 風の力を使った 風力発電
- 水の流れを使った 水力発電
これらは自然の力を使っているので、なくならず、何度でも利用できるのが大きな特ちょうです。
クイズ①
再生可能エネルギーの説明として正しいものはどれでしょう?
- 石油や石炭のように、一度使うとなくなるエネルギー
- 自然の力を使い、くり返し利用できるエネルギー
- ゲーム機のバッテリーのように、毎日充電が必要なエネルギー
正解は 2 です。
👉 再生可能エネルギーは、太陽や風、水などの自然の力を利用して、なくならずにくり返し使えるエネルギーのことです。
再生可能エネルギーの種類|太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス
再生可能エネルギーにはいくつかの種類があります。
それぞれ、自然のちがう力を利用して電気や熱を生み出しています。
しくみや特徴を知ると、「自然ってすごい!」と感じるはずです。
太陽光発電
太陽の光をソーラーパネルで受け取り、電気に変える方法です。
昼間に発電した電気を使ったり、余った分をためて夜に利用することもできます。
最近は家庭の屋根や学校でもよく使われていて、一番身近な再生可能エネルギーといえるでしょう。
👉 メリット:どこでも設置しやすい
👉 課題:夜や雨の日は発電できない
風力発電
大きな風車のような装置が、風を受けて回り、その回転でタービンを動かして電気を作ります。
特に海辺や山の上など、風が強い地域で活用されています。日本でも「洋上風力発電」が広がってきています。
👉 メリット:風が強い場所では大量に発電できる
👉 課題:風が弱いと発電量が安定しない
水力発電
川やダムから流れる水の力でタービンを回して電気を生み出します。
日本は山が多く、水も豊かなので昔からよく使われてきました。
大きなダムだけでなく、小さな川の流れを利用した「小水力発電」もあります。
👉 メリット:安定して長く発電できる
👉 課題:ダム建設による環境への影響がある場合も
地熱発電
地面の下には高温の蒸気や熱水があります。これを取り出してタービンを回し、電気を作るのが地熱発電です。
火山が多い日本は、世界でも有数の地熱資源を持っています。温泉地と似たしくみを利用しているので、身近に感じる人もいるでしょう。
👉 メリット:昼夜を問わず安定して発電できる
👉 課題:温泉の利用とのバランスをどう取るかが課題
バイオマスエネルギー
木のくず、食べ物の残り、家畜のふんなどを燃やしたり分解したりしてエネルギーに変える方法です。
「ごみを減らす」と「電気や熱を生み出す」を同時にできるため、環境にやさしいエネルギーとして注目されています。
👉 メリット:廃棄物を有効利用できる
👉 課題:安定した供給のために多くの資源が必要
このように、再生可能エネルギーは太陽・風・水・地熱・生物資源といった、自然のさまざまな力を利用して作られています。
それぞれに得意な面と課題があり、うまく組み合わせることで、より安定した「未来のエネルギー社会」を作ることができるのです。
クイズ②
次のうち、再生可能エネルギーにふくまれないものはどれでしょう?
- 太陽光発電
- 石油や石炭を燃やして作る火力発電
- 風力発電
正解は 2 です。
👉 火力発電は石油や石炭といった化石燃料を使うので、なくなってしまうエネルギーです。太陽光や風力は再生可能エネルギーにふくまれます。
再生可能エネルギーはなぜ大切?地球温暖化と持続可能な社会
地球では今、地球温暖化 が深刻な問題になっています。
石油や石炭などの化石燃料を燃やすと、二酸化炭素(CO₂)がたくさん発生します。CO₂は「温室効果ガス」と呼ばれ、地球全体をまるでビニールハウスのように包み込み、熱をためこんでしまいます。
気温が上がるとどうなるのでしょうか?
- 夏の猛暑や冬の異常な暖かさなど、異常気象がふえる
- 南極や北極の氷がとけて、海面上昇が進む
- 農作物が育ちにくくなり、食料問題が起きる
- ホッキョクグマやペンギンなど、動物の生活が脅かされる
これは、みんなの未来にも大きく関わる問題です。
ここで大切なのが 再生可能エネルギー です。
太陽や風、水、地熱などの自然エネルギーを使う発電では、CO₂をほとんど出しません。
つまり、再生可能エネルギーを増やすことは、地球温暖化をふせぐ大きなカギになるのです。
さらに、再生可能エネルギーは何度でもくり返し使えるのが特徴です。
石油や石炭のように「いつかなくなる心配」がないので、未来の世代も安心して使い続けられるエネルギーといえます。
再生可能エネルギーは、ただの「新しい発電方法」ではありません。
- 地球を守る(温暖化をふせぐ)
- 未来を守る(次の世代も安心して生活できる)
- 持続可能な社会を作る(環境と人間の暮らしを両立させる)
この3つを実現するための、とても大切な存在なのです。
クイズ③
再生可能エネルギーが大切といわれる理由はどれでしょう?
- ずっと使えて、地球温暖化をふせぐことができるから
- 石油や石炭よりも火力が強いから
- ゲームやスマホをもっと長く使えるようになるから
正解は 1 です。
👉 再生可能エネルギーは自然の力を使ってくり返し利用でき、CO₂も少ないので、地球温暖化をふせぐためにとても大切です。
生活の中で使われている再生可能エネルギーの例
再生可能エネルギーは、ニュースや教科書だけの話ではありません。
実は、私たちの生活のすぐそばで活躍しているのです。ここでは、身近な例をいくつか紹介します。
家庭の太陽光パネル
最近は、家の屋根に太陽光パネルをのせているおうちを見かけることも多いでしょう。
太陽光パネルは、太陽の光をそのまま電気に変えることができます。
昼間に発電した電気は家の中で使えますし、使いきれなかった分は電力会社に売ることもできるのです。
👉 「自分の家で作った電気を自分で使う」仕組みは、とてもエコでカッコいいですね。
電気自動車と再生可能エネルギー
みなさんのまちでも、ガソリンではなく電気で走る「電気自動車(EV)」を見かけることがあるかもしれません。
電気自動車は、ガソリンを燃やさないので走るときにCO₂をほとんど出しません。
さらに、もし太陽光発電で作った電気をためて走らせれば、「太陽の力で走る車」になります。
👉 未来の車は、再生可能エネルギーと組み合わせることで、もっと地球にやさしくなるのです。
学校や地域での取り組み
学校の屋根に太陽光パネルをつけているところもあります。授業中に使う電気の一部を、太陽の光でまかなっているのです。
また、風が強い地域では大きな風車を作って、地域の人たちが使う電気を生み出している場合もあります。
さらに近年では「地域全体で電気をつくって分け合う」取り組みも広がってきています。
👉 みんなが少しずつ協力すれば、まち全体の電気を再生可能エネルギーでまかなえる未来も近づいています。
身近な小さな工夫
再生可能エネルギーは大規模な発電だけではありません。
たとえば、太陽光で動く「ソーラーライト」や「ソーラー電卓」を使ったことはありますか?
庭や公園にある小さな照明が、昼の太陽で充電して夜に光るのも立派な再生可能エネルギーです。
👉 実はみんなの身近な道具の中にも、自然の力が活かされているのです。
クイズ④
生活の中で使われている再生可能エネルギーの例として正しいものはどれでしょう?
- 家の屋根の太陽光パネル
- ガソリンを燃やして走る自動車
- 火を使って温める石炭ストーブ
正解は 1 です。
👉 家庭用の太陽光パネルは、身近に使える再生可能エネルギーの代表例です。
自由研究で挑戦!再生可能エネルギーのテーマとアイデア
再生可能エネルギーは、自由研究のテーマとしてもとても人気があります。
なぜなら、自然の力を使った発電や加熱などを「自分の手」で体験できるので、楽しみながら学べるからです。
ここでは、小学生・中学生でも取り組める具体的なアイデアを紹介します。
ペットボトルで作る風力発電の模型
ペットボトルや紙コップ、モーター、豆電球などを組み合わせて簡単な風力発電装置を作ります。
扇風機の風を当てると羽が回り、豆電球が光れば「風の力が電気に変わった!」ことが実感できます。
さらに工夫として、羽の大きさや角度を変えると「どんな形が一番よく回るか?」という探究につなげられます。
手作りソーラークッカーで料理実験
段ボール箱やアルミホイルを使って、太陽の光を反射させるソーラークッカーを作ります。
ウインナーをあたためたり、チョコを溶かしたり、ゆで卵を温めてみたりすると、太陽の力の強さを体験できます。
「時間帯によって温まり方はちがう?」「季節によって結果は変わる?」といった観察も加えれば、研究としてさらに深みが出ます。
学校や家庭の電気使用量を調べてグラフにする
家の電気代の明細や学校での消費電力を調べ、1か月ごとの使用量をグラフにまとめてみましょう。
「夏はクーラーで電気が増える」「冬は暖房で多くなる」などのパターンが見えてきます。
さらに「もし電球をLEDに変えたら?」「冷蔵庫の開け閉めを減らしたら?」とシミュレーションすることで、節電や環境問題への理解を深められます。
発展アイデア:地域や世界の取り組みを調べる
身近な実験に加えて、新聞やインターネットで「自分の地域でどんな再生可能エネルギーが使われているか」「世界ではどんな新しい取り組みがあるか」を調べてみるのもおすすめです。
実験+調べ学習を組み合わせれば、より完成度の高い自由研究になります。
このように、自由研究で再生可能エネルギーをテーマにすると、**「科学実験」と「環境問題の理解」**の両方を学べます。
楽しみながら取り組めて、発表すれば友達や先生にもきっと関心を持ってもらえるでしょう。
おさらいクイズ|再生可能エネルギーの意味と活用を確認しよう
ここまで「再生可能エネルギーとは何か」「種類や活用の例」「なぜ大切なのか」「生活や自由研究での取り入れ方」について学んできました。
最後にクイズでふり返ってみましょう!
クイズ①
再生可能エネルギーの正しい説明はどれでしょう?
- 一度使うとなくなってしまうエネルギー
- 自然の力を利用して、くり返し使えるエネルギー
- ゲームのバッテリーのように毎日充電が必要なエネルギー
正解は 2 です。
👉 再生可能エネルギーは、太陽や風、水などの自然の力を利用して、なくならずに何度も使えるエネルギーです。
クイズ②
次のうち、再生可能エネルギーにふくまれないものはどれ?
- 太陽光発電
- 石油や石炭を燃やす火力発電
- 風力発電
正解は 2 です。
👉 火力発電は化石燃料を燃やすので、再生可能エネルギーには入りません。
クイズ③
再生可能エネルギーが大切とされる理由はどれでしょう?
- CO₂が少なく、地球温暖化をふせぐことができるから
- 火力よりも強いエネルギーだから
- 料理を早く作れるから
正解は 1 です。
👉 再生可能エネルギーはCO₂をほとんど出さず、未来の地球を守るために大切です。
クイズ④
生活の中で使われている再生可能エネルギーの例はどれ?
- 家の屋根の太陽光パネル
- ガソリンを燃やす自動車
- 石炭ストーブ
正解は 1 です。
👉 太陽光パネルは家庭で使える代表的な再生可能エネルギーのひとつです。
まとめ|小学生・中学生から学ぶ再生可能エネルギーの第一歩
再生可能エネルギーは、ニュースや社会問題の中だけでなく、みんなの生活にも深くかかわっています。
太陽の光、風、水、地熱、そして植物や生ごみまで、自然の力を使えば「電気や熱」をくり返し生み出せるのです。
この記事で学んだことを整理すると──
- 再生可能エネルギーとは?
自然の力を利用して、くり返し使えるエネルギーのこと。 - 種類
太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど、さまざまな方法がある。 - なぜ大切か
CO₂をほとんど出さず、地球温暖化をふせぎ、未来の世代も安心して使える。 - 生活の中の例
家庭の太陽光パネル、学校や地域での取り組み、電気自動車など。 - 自由研究
ペットボトル風力発電やソーラークッカー作り、電気使用量の調査など、すぐに挑戦できるテーマがたくさんある。
再生可能エネルギーは、**「地球を守りながら未来を作る力」**です。
小学生や中学生のうちから「なぜ大切なのか」「どう使われているのか」を知ることは、これからの社会を考える大きな一歩になります。
👉 まずは身近なところで観察したり、自由研究で体験したりしてみましょう。
それが未来のエネルギーを考えるきっかけになります。
この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。