
不登校だった僕が「やればできる」を取り戻すまで
子どもの声と教師の視点
小学校4年生の冬から学校に行けなくなった男の子。
「どうして行けないの?」と聞かれても答えられず、日々はゲームとYouTubeばかり。保護者も不安を抱え、どうすればよいのか模索していました。
そんな彼がMOANAVIに通い始め、小さな一歩から「やればできる」を取り戻していった物語です。本人の声と教師の解説を交えながら、成長のプロセスをたどります。不登校に悩む保護者にとって、希望につながるヒントがきっと見つかるはずです。
学校に行けなくなった僕
子どもの声
小4になったころから、だんだん学校に行けなくなった。
「どうして?」って聞かれても、自分でもわからなかった。
わからないのに理由を求められるのがつらくて、ただ「行きたくない」って思うようになった。
毎日はゲームとYouTubeばかり。勉強なんて全然やる気になれなかった。
解説
不登校の子どもたちは「理由を説明できない」ことが多くあります。
大人にとっては「原因を知りたい」という思いがありますが、問い詰めることで子どもはますます追い込まれてしまいます。大切なのは、まず「そのままを受け止めること」なのです。
MOANAVIに行き始めて
子どもの声
そんなときに親に連れて行かれたのが、夕方に行けるMOANAVI。
最初はイヤだった。机に向かうのも、プリントを見るのも。
でも、おやつタイムやボードゲームはちょっと楽しかった。
たこ焼きを作ったとき、「僕がリーダーやる!」って言ったら、みんながついてきてくれて、なんか嬉しかった。
解説
学びへの第一歩は「勉強」ではなく「人との関わり」から始まることがあります。
遊びやおやつ作りといった活動の中で、自分の存在が認められると、子どもは少しずつ安心感を取り戻します。
STUDY POINTで自信がついた
子どもの声
MOANAVIには「STUDY POINT」っていう仕組みがあった。
やった分だけポイントがたまっていって、最初の100ポイントを取ったときは本当に嬉しかった。
その日から「明日もやろうかな」って思えるようになった。
「自分でやることを決められるからいいんだ」って気づいたんだ。
解説
「見える化」は学習意欲を高める大切な仕組みです。
点数や順位ではなく、自分の取り組みを積み重ねて可視化することで、子どもは「できた!」という自己効力感を実感できます。これが次の行動を引き出す原動力になります。
できることが増えていった
子どもの声
「今日は60ポイントできた!」って家でも言えるようになった。
勉強だけじゃなくて、カレー作りも「手伝うよ!」って自分から言えた。
友達に対しても、前よりやさしくできるようになった気がする。
解説
学習の成果は学力だけに現れるのではありません。
自分から「やってみたい」と言えること、仲間を尊重して関わること、感情をコントロールすること。これらも学びの場で育つ大切な力です。
今の僕、そしてこれから
子どもの声
6年生になって、オルタナティブスクールに通うことにした。
下の子に声をかけたり、一緒に遊んだりするのが楽しい。
百人一首なんて絶対やらないと思ってたけど、やってみたらめっちゃ面白かった。
「中学校は、地元の学校に行けると思う。MOANAVIでできた友達もいるから安心だ」
そう思えるようになった。
解説
不登校からの回復は「一気に」ではなく「少しずつ」進みます。
小さな一歩を積み重ねることで、やがて新しい挑戦を楽しめるようになります。大切なのは、本人が自分のペースで「未来を信じられる」ようになることです。
まとめ ― 小さな一歩で変われる
子どもの声
最初はほんの小さな一歩だったけど、それが僕を変えた。
昔の僕みたいに悩んでる子がいたら言いたい。
「小さな一歩で、きっと変われるよ」
解説
子どもの変化は一人ひとり違います。
でも共通して言えるのは、「安心できる環境」と「小さな成功体験」が未来を変えていくということ。
MOANAVIは、そんな「小さな一歩」を大切に育てていきたいと考えています。
MOANAVIについて

MOANAVIは、子どもたち一人ひとりが自分らしいペースで学べるオルタナティブスクールです。
「勉強が苦手」「学校に行きづらい」――そんな子どもたちが、小さな一歩から成長していける環境を大切にしています。
個別学習プログラムやプロジェクト型学習、そして学びを見える化する「STUDY POINTシステム」を通して、自己肯定感と学びの意欲を育てます。
もし今、お子さんのことで悩んでいるなら、ぜひ一度MOANAVIの学びの場にふれてみてください。
小さなきっかけが、大きな未来につながるかもしれません。
記事を書いた人

西田 俊章(Nishida Toshiaki)
STEAM教育デザイナー / MOANAVIスクールディレクター
理科・STEAM教育の専門家として、20年以上にわたり子どもたちの学びに携わる。文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』の著者であり、TVやラジオで教育解説の経験ももつ。「体験×対話」の学びを大切にし、子どもたちが楽しく学べる環境を提供している。
📚 経歴・資格
✅ 文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』著者
✅ 元公立小学校教員(教員歴20年)
✅ 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士(教育学)
✅ TVK『テレビでLet’s study』理科講師として出演
✅ Fm yokohama『Lovely Day』でSTEAM教育を解説