海を守るヒーロー!水上警察・海上保安庁・海上自衛隊の違いを小学生向けにやさしく解説|クイズ&自由研究付き

「海の安全を守るヒーローってだれ?」
みんなが夏に泳ぐ海や川、外国の船が行きかう大きな海、日本を守る遠い海――。じつはそれぞれを見守っている3つの組織があります。

それが 水上警察・海上保安庁・海上自衛隊 です。
名前は聞いたことがあっても、「どうちがうの?」「誰がどんな役割なの?」と思う人も多いはず。

この記事では、小学生にもわかりやすく3つの組織の仕事やちがいを解説します。
最後にはクイズや自由研究のアイデアもあるので、ぜひ読みながら「海のヒーロー博士」になってくださいね!


海を守る3つの組織とは?【水上警察・海上保安庁・海上自衛隊】

日本は四方を海に囲まれた島国です。海の長さ(海岸線)は約3万kmもあり、地球をほぼ1周できるほど!
この広い海では、観光や漁業、船の往来、外国との貿易、そして自然災害など、さまざまな出来事が毎日のように起きています。

そこで活躍するのが、海の安全を守る3つの組織です。

  • 水上警察 … 湖や川、港などで事件や事故を取り締まる「水辺の警察」
  • 海上保安庁 … 日本の広い領海をパトロールし、密輸や海難事故に対応する「海の消防+警察」
  • 海上自衛隊 … 外国から日本を守り、国際協力や災害派遣でも活躍する「国を守る軍隊」

どうして3つもあるの?

海の仕事はとても広く、1つの組織だけでは対応できません。
たとえば…

  • 湖でのボート事故 → 水上警察の担当
  • 外国船が密輸しようとした → 海上保安庁の担当
  • 他国の軍艦が日本に近づいてきた → 海上自衛隊の担当

このように「担当エリア」と「役割」がそれぞれちがうからこそ、3つの組織がチームのように連携して、安心・安全を守っているのです。

👉 つまり、日本の海は「3人のヒーロー」が力を合わせて見守ってくれている、と言えるんですね。


クイズ①

日本の海を守る組織はどれくらいありますか?

  1. 1つだけ(全部まとめてやっている)
  2. 2つ(水上警察と海上保安庁だけ)
  3. 3つ(水上警察・海上保安庁・海上自衛隊)

正解は 3. 3つ(水上警察・海上保安庁・海上自衛隊) です。
それぞれ担当する場所や役割がちがうからこそ、力を合わせて日本の海を守っています。


水上警察とは?【湖や港を守る海の警察】

水上警察は、陸の警察と同じ組織に属していますが、湖・川・港といった水辺を専門に担当する特別チームです。
「水に関する事件・事故のプロ」として、私たちの身近な場所を守っています。

水上警察の主な役割

  • 水上パトロール … 小型ボートや水上バイクで港や川を定期的に見回り
  • 事件・事故の対応 … ボートのスピード違反や飲酒運転を取り締まり、事件があれば捜査を行う
  • 水難救助 … 水遊び中の事故や船の転覆など、緊急時に出動して人命を救助

身近な存在としての水上警察

たとえば夏の花火大会や水上イベントのとき。水上警察は見えないところでパトロールをして、事故が起こらないように守っています。
また、釣りや観光で使われる港や湖でも、水上警察がルールを守っているか確認しているのです。

「町に交番があるように、港や湖にも“水上の交番”がある」──そんなイメージで考えるとわかりやすいですね。


クイズ②

水上警察が担当しているのはどんな場所でしょう?

  1. 太平洋の真ん中の海
  2. 湖や港、川などの身近な水辺
  3. 外国との国境の海

正解は 2. 湖や港、川などの身近な水辺 です。
水上警察は、町の交番のように、身近な水辺を守る警察官なのです。


海上保安庁とは?【日本の海を守るスペシャリスト】

海上保安庁は、日本の海の安全を守るプロフェッショナル集団です。
1948年に設立され、広い日本の領海(海岸から200海里=約370kmまでの範囲)を守っています。

「海の警察」「海の消防」「海の救急隊」をまとめたような存在で、海のトラブル全般に対応するオールラウンダーなのです。

海上保安庁の主な仕事

  • 治安を守る(警察の役割)
    不審船の取り締まりや密輸防止など、海の治安を守る。
  • 人を助ける(消防・救急の役割)
    船の事故や遭難が起きたら、巡視船やヘリコプターで救助に出動。
  • 海を調べる(交通整理の役割)
    船が安全に航行できるように海図を作成。灯台やブイを設置して航路を整える。

海上保安庁の特徴

  • 巡視船や航空機をもち、広い海をパトロールできる。
  • 海の安全を守るため、24時間365日体制で活動している。
  • 国際的なルールや環境保護活動にも関わり、日本の海を国際的にも安全にしている。

つまり、海上保安庁は「みんなが安全に海を使えるようにする総合安全チーム」なのです。


クイズ③

海上保安庁の仕事として正しいのはどれでしょう?

  1. 山での登山道整備
  2. 海の治安を守り、事故があれば救助に向かうこと
  3. 学校で授業を教えること

正解は 2. 海の治安を守り、事故があれば救助に向かうこと です。
海上保安庁は「海の警察・消防・救急」をあわせたような役割を持っています。


海上自衛隊とは?【国を守る海の軍隊】

海上自衛隊は、国を守るための海の防衛組織です。1954年に設立され、日本の安全や世界の平和のために活動しています。
他の2つ(水上警察・海上保安庁)とちがい、軍事的な役割を担っているのが大きな特徴です。

海上自衛隊の主な仕事

  • 国を守る(防衛活動)
    他の国から攻撃されないように、日本の海を守る。
  • 災害派遣
    地震や津波などの大災害が起きたときに、救助や物資運搬を行う。
  • 国際平和活動
    他の国の海での治安維持や、海賊対策などに参加。

海上自衛隊の特徴

  • 強力な装備を持っている(イージス艦・潜水艦・護衛艦など)。
  • 広い海での長期活動ができる。
  • 航空機やヘリコプターを使い、海と空から同時に守ることができる。

つまり、海上自衛隊は「日本という国全体を海から守る大きな盾」のような存在なのです。


クイズ④

海上自衛隊の大きな役割はどれでしょう?

  1. 外国から日本を守ること
  2. 学校の勉強を教えること
  3. スーパーで食料を売ること

正解は 1. 外国から日本を守ること です。
海上自衛隊は、防衛だけでなく災害派遣や国際平和活動にも参加しています。


水上警察・海上保安庁・海上自衛隊のちがいをまとめて比較!

ここまでで「水上警察・海上保安庁・海上自衛隊」の役割を学んできましたが、
「じゃあ何がどうちがうの?」という疑問を、表にまとめて整理してみましょう。

3つの組織の比較表

組織主な担当エリア役割のイメージ使う船や装備特徴的な活動例
水上警察湖・川・港など水辺の交通安全・事件捜査小型ボート・水上バイク花火大会や港での水難事故対応
海上保安庁日本の領海・沿岸部海の治安維持・救助・交通整理巡視船・航空機・ヘリコプター密輸取り締まり・海難救助
海上自衛隊日本全体・国際海域国防・災害派遣・国際協力イージス艦・潜水艦・護衛艦国防活動・災害派遣・海外派遣

ちがいをわかりやすく整理

  • 担当する場所のちがい
    • 水上警察 → 湖や港など、私たちの身近な水辺
    • 海上保安庁 → 日本の海(領海)全体
    • 海上自衛隊 → 日本をとりまく海や、国際的な海域まで
  • 使う船のちがい
    • 水上警察 → 小型の船で機動的に動く
    • 海上保安庁 → 大型の巡視船やヘリで広い海をカバー
    • 海上自衛隊 → 軍艦や潜水艦など、国を守るための強力な装備
  • 使命のちがい
    • 水上警察 → 身近な事件・事故の捜査と安全管理
    • 海上保安庁 → 海の治安と安全を守る総合チーム
    • 海上自衛隊 → 国全体の安全を守る、防衛と国際協力

イメージすると…

  • 水上警察は 「町のおまわりさん」
  • 海上保安庁は 「海のパトロール隊と消防隊を合わせた存在」
  • 海上自衛隊は 「国を守る大きな盾」

こう考えると、3つの組織のちがいがぐっとわかりやすくなりますね。


自由研究におすすめ!海の安全を守る仕事を調べてみよう

夏休みの自由研究や学校の調べ学習で、「海のヒーロー」をテーマにすると、とても面白いレポートになります。
水上警察・海上保安庁・海上自衛隊はそれぞれ役割がちがうので、比べたり調べたりするだけで立派な研究テーマになるのです。

研究アイデア① 3つの組織を比べてまとめる

  • 表やポスターにして「どこを担当?」「どんな船を使う?」「使命は?」を整理する。
  • 色分けやイラストを使うと見やすくなり、発表にも向いている。

研究アイデア② 船や装備を図鑑のようにまとめる

  • 水上警察のボート、海上保安庁の巡視船、海上自衛隊の護衛艦などを調べてイラストにする。
  • 写真をプリントしてスクラップブックにまとめてもOK。

研究アイデア③ ニュースや事件を調べて分類する

  • 最近の海での事件や事故のニュースを調べて「どの組織が対応したのか」を分類。
  • たとえば「海難事故 → 海上保安庁」「外国船とのトラブル → 海上自衛隊」など。

研究アイデア④ 実際に見学に行ってレポートする

  • 海上保安庁の巡視船は一般公開されることがある。
  • 海上自衛隊の基地や艦艇公開イベントも開催されている。
  • 実際に行って見て、写真や感想をまとめるとオリジナリティの高い研究に!

研究アイデア⑤ 世界と比べてみる

  • 日本以外の国の「沿岸警備隊」や「海軍」と比べると、さらに研究が深まる。
  • インターネットや本で調べて「日本の特徴」を書き出そう。

👉 ポイントは「ただ調べるだけでなく、自分の言葉や表現でまとめること」。
そうすれば、自由研究が「読み物」としても面白く、発表してもみんなにわかりやすい内容になります。


おさらいクイズ|海を守るヒーローをチェック!

クイズ①

日本の海を守る組織は全部でいくつあるでしょう?

  1. 1つだけ(全部まとめてやっている)
  2. 2つ(水上警察と海上保安庁だけ)
  3. 3つ(水上警察・海上保安庁・海上自衛隊)

正解は 3. 3つ です。
海はとても広いので、役割を分担する必要があります。それぞれ担当エリアや仕事がちがうからこそ、3つの組織が協力して安全を守っているのです。


クイズ②

水上警察が主に担当しているのはどんな場所でしょう?

  1. 太平洋の真ん中
  2. 湖や港、川などの身近な水辺
  3. 外国との国境の海

正解は 2. 湖や港、川などの身近な水辺 です。
水上警察は町のおまわりさんのように、身近な水辺の安全を守ります。港での取り締まりや水難事故の救助など、私たちの生活にとても近い存在です。


クイズ③

海上保安庁の大きな役割として正しいのはどれでしょう?

  1. 山の登山道を整備すること
  2. 海の治安を守り、事故があれば救助に向かうこと
  3. 学校で勉強を教えること

正解は 2. 海の治安を守り、事故があれば救助に向かうこと です。
海上保安庁は「海の警察+消防+救急」のような役割を持ち、密輸の取り締まりから人命救助まで幅広く活躍しています。


クイズ④

海上自衛隊の主な仕事はどれでしょう?

  1. 外国から日本を守ること
  2. スーパーで食料を売ること
  3. 遊園地を運営すること

正解は 1. 外国から日本を守ること です。
海上自衛隊は国防を担う組織で、イージス艦や潜水艦を持っています。ただし防衛だけでなく、災害派遣や国際協力でも活躍しています。


まとめ|3つの組織が力を合わせて日本の海を守る

日本は世界でも有数の「海に囲まれた国」。
その広い海を安心して利用できるのは、水上警察・海上保安庁・海上自衛隊の3つの組織がそれぞれの得意分野を担当しているからです。

  • 水上警察 … 湖や川、港といった「身近な水辺」を守る。町の交番のような存在。
  • 海上保安庁 … 日本の領海全体を見守り、事故や事件にすばやく対応する「海の消防+警察」。
  • 海上自衛隊 … 日本という国を海から守る「防衛のプロ」であり、災害や国際協力にも力を発揮する。

この3つの組織は、それぞれの役割がバラバラではなく、協力しながら海を守るチームなのです。

たとえば…

  • 港でのトラブル → 水上警察
  • 沿岸での事故 → 海上保安庁
  • 国際的な安全保障問題 → 海上自衛隊

というふうに、「誰が動くか」が整理されています。

👉 小学生のみなさんにとっても、ニュースや社会科の授業で「この事件にはどの組織が出たのかな?」と考えると、もっと理解が深まりますよ。

そして、自由研究では「海の安全を守るヒーローたち」というテーマでまとめると、クラスのみんなにもわかりやすい発表になるでしょう。


🌊 まとめのひとこと
日本の海は、1つの組織では守れません。
水上警察・海上保安庁・海上自衛隊――この3つのヒーローが力を合わせるからこそ、私たちは安心して海を楽しみ、利用できるのです。


この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。

タイトルとURLをコピーしました