見える学力・見えない学力とは?違いと具体例を徹底解説|AI時代に必要な力と4Cスキル

「学校の授業より塾やYouTubeの授業のほうがわかりやすい」と感じたことはありませんか?
実はその背景には、学校と塾で育てようとしている学力の違いがあるのです。

この記事では、テストで測れる「見える学力」と、測りにくい「見えない学力」の違いや具体例をわかりやすく解説します。さらに、AI時代を生き抜くために求められる 4Cスキル(Critical Thinking・Creativity・Collaboration・Communication) との関係についても紹介します。


見える学力とは?(知識・技能)

「見える学力」とは、テストや成績表で点数として示せる学力のことです。
主に以下の要素が含まれます。

  • 知識:教科書に載っている事実や用語を覚える力
  • 技能:計算や漢字の書き取りなど、練習によって習得できる力

具体例

  • 都道府県の名前を覚える
  • 英単語を暗記する
  • 計算ドリルを繰り返す

➡ 点数化しやすいため「勉強ができる」と結びつきやすいのが特徴です。


見えない学力とは?(思考力・判断力・表現力・主体性)

一方で「見えない学力」とは、テストでは直接測ることが難しい力です。
文部科学省の学習指導要領でも重視されている次の力が含まれます。

  • 思考力:自分で考える力
  • 判断力:情報を正しく選び取る力
  • 表現力:自分の考えを伝える力
  • 主体性:自ら学び続けようとする姿勢

具体例

  • 調べた情報の正確性を見極める
  • グループで意見を出し合い、解決策をまとめる
  • 自分の考えを発表する

➡ 将来の社会や仕事で求められるのは、まさにこの「見えない学力」です。


学力の3つの要素と学校・塾の役割

学力は大きく次の3つに分類されます。

  1. 知識・技能(見える学力)
  2. 思考力・判断力・表現力(見えない学力)
  3. 主体的に学ぶ態度(見えない学力)

塾や通信教育は「知識・技能」を効率よく伸ばす仕組みが整っています。
一方、学校ではディスカッションや協働学習を通じて「思考力・主体性」を重視するため、回り道に見える授業になることもあります。

次期学習指導要領では学力の評価について検討されています。


見える学力と見えない学力をバランスよく育てるには?

  • 見える学力だけでは不十分
    AIや検索ツールを使えば知識はすぐに得られる時代。
    だからこそ「考える力」や「判断する力」が必要です。
  • 見えない学力だけでも不十分
    土台となる基礎知識がなければ、考えたり表現したりすることもできません。

➡ 両者をバランスよく育てることが、これからの教育に欠かせません。


AI時代に必要な力と4Cスキル

AIが急速に進化する社会では、知識を持っているだけでは生き抜けません。
これからの学びで重要とされるのが、OECDや世界経済フォーラムでも強調されている 4Cスキル です。

  1. Critical Thinking(批判的思考):情報を分析し、正しく判断する
  2. Creativity(創造性):新しい価値を生み出す
  3. Collaboration(協働):他者と協力しながら学びを深める
  4. Communication(コミュニケーション):考えを伝え、共有する

➡ 見えない学力を育むことは、そのまま4Cスキルを伸ばすことにもつながります。


MOANAVIが育てる「見えない学力」

MOANAVIでは、対話と体験を重視した学びを通じて、子どもたちが「考える力」「伝える力」を自然に伸ばせる環境を提供しています。

  • 一人ひとりのペースに合わせた個別指導
  • プロジェクト型学習による協働体験
  • 自分で選び、学びを振り返る「自己調整学習」

お子さまの未来のために、今から「見えない学力」を育てることが大切です。


まとめ

  • 見える学力=知識・技能(テストで測れる)
  • 見えない学力=思考力・判断力・表現力・主体性(テストで測りにくい)
  • これからの時代に必要なのは両者のバランス
  • 特に「見えない学力」は4Cスキルと直結し、AI時代を生き抜く力になる

記事を書いた人

西田 俊章(Nishida Toshiaki)

STEAM教育デザイナー / MOANAVIスクールディレクター

理科・STEAM教育の専門家として、20年以上にわたり子どもたちの学びに携わる。文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』の著者であり、TVやラジオで教育解説の経験ももつ。「体験×対話」の学びを大切にし、子どもたちが楽しく学べる環境を提供している。

📚 経歴・資格
✅ 文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』著者
✅ 元公立小学校教員(教員歴20年)
✅ 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士(教育学)
✅ TVK『テレビでLet’s study』理科講師として出演
✅ Fm yokohama『Lovely Day』でSTEAM教育を解説


新着記事

【簡単・図解でわかる】ストローで作るヒンメリ|小学生でもできる正四面体・正八面体・正二十面体の作り方と仕組みヒンメリの作り方
ストローで作るヒンメリの作り方をわかりやすく解説。正四面体・正八面体・正二十面体などの立体ヒンメリづくりを通して、正多面体やトラス構造の仕組みも学べます。材料と作り方の手順、作るコツを紹介。小学生の自由研究、図工、算数・STEAM教育の教材にもおすすめです。
インフルエンザとは|ウイルスの仕組みと免疫の働きをわかりやすく解説【自由研究にもおすすめ】
インフルエンザとは何かを小中学生にもわかりやすく解説。ウイルスと細菌の違い、免疫の働き、冬に流行する理由、手洗い・換気など科学的な感染予防の仕組みを紹介。自由研究にも使える実験アイデア付きで学びを深めよう。
LEDとは|豆電球との違いや仕組み・青色LEDの発明をわかりやすく解説【小学生・自由研究におすすめ】
LEDとは何かを小学生にもわかりやすく解説。豆電球との違いや電気の流れ、手回し発電機やコンデンサーの実験、青色LEDの発明と光の三原色、エコで省エネな未来の照明技術までを紹介。自由研究にもおすすめの理科テーマ。
国語教育が変わる!読む・書く・話す・聞くをつなぐ新しい授業と家庭での学び方
文部科学省の国語ワーキンググループが示した新しい国語教育方針では、「読む・書く・話す・聞く」を分けずに一体化した言語活動中心の授業への転換が進んでいます。学習指導要領改訂に向け、思考力・表現力・対話力を育てる新しい国語教育の方向性と、家庭でできる国語力の伸ばし方をわかりやすく解説します。
トラス構造とは|三角形が支える建築とデザインの仕組みをわかりやすく解説【自由研究にもおすすめ】
トラス構造とは何かを小中学生にもわかりやすく解説。三角形がなぜ強いのか、木造建築の筋交や東京タワー・スカイツリーの構造、ヒンメリとの共通点、家でできる自由研究アイデアまで紹介。科学とデザインをつなぐ創造の学び。
タイトルとURLをコピーしました