
【教育コラム】
不登校で悩む保護者に届けたい「大丈夫」の本当の意味
子どもが学校に行けなくなったとき、保護者は「このままで本当に大丈夫なの?」と強い不安を抱きます。周囲から「大丈夫」と言われても心から信じられないのは自然なことです。本記事では、保護者が感じる不安や葛藤に寄り添いながら、「根拠ある大丈夫」とは何かを考えます。
夜にふと湧き上がる不安
夜、子どもが眠った後。
静まり返ったリビングで、ふと頭に浮かぶのは「このままで本当に大丈夫なの?」という問い。
日中は「無理して学校に行かなくてもいい」と言い聞かせられても、心の奥では「将来取り返しがつかなくなるのではないか」という恐怖が膨らんでいきます。
SNSを見ると、同じ年頃の子どもたちが学校で活躍している様子が流れてきて、胸が締め付けられる。
「うちの子だけ…」「私の育て方が悪かったのでは…」そんな罪悪感が押し寄せてきます。
この不安は、夏休み明けに多くの子どもが失速する現象、いわゆる 「9月の壁」 ともつながっています。
「大丈夫」と言われても安心できない理由
学校の先生や友人から「大丈夫ですよ」と声をかけてもらうこともあります。
その瞬間は少し救われるように感じても、夜になるとまた同じ不安が顔を出す。
保護者の心の中には、「大丈夫と言われたい」気持ちと、「本当に?」と疑ってしまう気持ちが同居しています。
頭では「特効薬はない」とわかっていても、「これさえすれば解決する方法」を探し続けてしまう。これはごく自然な心理です。
本当の「大丈夫」とは
「このままで何もしなくてもすべて解決する」という意味の大丈夫ではありません。
本当の「大丈夫」とは、
- 今は休んでいてもいい
- 小さな一歩を積み重ねれば道は開ける
- 学校以外でも学びは続けられる
という 根拠のある安心 です。
保護者に届けたい“効きやすい処方”
特効薬はありません。けれど、効きやすい処方はあります。
- 生活のリズムを少し整える
朝、一緒に食卓に座るだけでも一歩前進。
生活リズムの乱れは、特に 「9月の壁」 と呼ばれる時期に目立ちやすいものです。 - 子どもの笑顔を大事にする
一緒に笑えた瞬間があるなら、それは確かに未来につながっている証拠。 - 保護者自身も支えを持つ
誰かに話すだけで、不安は半分に減ります。孤独にならないことが一番の処方です。
子どもがゲームやYouTubeに没頭してしまうときには、単なる遊びではなく依存のリスクもあります。詳しくは 「ゲーム・YouTube依存の心理と回復のステップ」 を参考にしてください。
また、完全に禁止するのではなく、家庭でできるルールづくりを工夫することが大切です。こちらは 「スマホ・ゲームとの付き合い方|親子でつくるルールの工夫」 にまとめています。
MOANAVIが届ける「大丈夫」
MOANAVIは、子どもにとっては「学校に行けなくても安心して学べる居場所」であり、保護者にとっては「一人で抱え込まなくてもいい伴走者」です。
- 学校に行けなくても学びは続けられる
- 子どもが「やってみたい」と思える体験がある
- 保護者も相談できる人がいる
これらが揃っているからこそ、MOANAVIは保護者に「大丈夫」と伝えることができます。
まとめ
「大丈夫」と言われても信じられないのは自然なことです。
本当の安心は、生活・学び・小さな成功・相談できる環境という根拠とともにあります。
不登校は特別なことではなく、誰にでも起こり得ます。
だからこそ、「今は休んでいても大丈夫。一緒に次の一歩を探していけば大丈夫」と伝えたいのです。
記事を書いた人

西田 俊章(Nishida Toshiaki)
STEAM教育デザイナー / MOANAVIスクールディレクター
理科・STEAM教育の専門家として、20年以上にわたり子どもたちの学びに携わる。文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』の著者であり、TVやラジオで教育解説の経験ももつ。「体験×対話」の学びを大切にし、子どもたちが楽しく学べる環境を提供している。
📚 経歴・資格
✅ 文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』著者
✅ 元公立小学校教員(教員歴20年)
✅ 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士(教育学)
✅ TVK『テレビでLet’s study』理科講師として出演
✅ Fm yokohama『Lovely Day』でSTEAM教育を解説