
牛乳が苦手な子どもをどうサポートするか:娘と一緒に挑戦した4ヶ月間の成長物語
小学校に入学した娘から、ある日こんなメールが届きました。「パパ、ぎゅうにゅうぜんぶのめたよ!」と。その言葉を聞いた瞬間、私たちが一緒に頑張った4ヶ月間の努力が報われたことを実感しました。
この経験を通じて、子どもの成長において大切なこと、特に「苦手なことへの取り組み方」について、たくさん学びました。今回はその過程と学びを、保護者の皆さんに向けて共有したいと思います。
食事の仕方が子どもの性格を映す?
私は小学校の先生として、これまで500人以上の子どもたちに給食の指導をしてきました。給食の時間は、子どもたちの個性や性格がよく表れる瞬間です。子どもたちが食事をする様子を見ていると、その子がどんな性格か、物事にどのように取り組むのかがわかることがあります。
具体的な事例
例えば:
- 好きな食べ物を最後に食べる子: こうした子どもは、周りの状況をよく見ていて、じっくり考えて行動するタイプが多いように感じます。食べ物を選ぶ時も、計画的に取り組んでいることが多いです。
- 苦手なものを最初に食べる子: こうした子どもは、嫌なことから先に終わらせる傾向があり、夏休みの宿題も7月中に終わらせるようなタイプです。物事にすぐに取り組み、早めに結果を出すことが得意です。
- 三角食べをして、すべてのお皿をきれいに食べ終わる子: このタイプは、計画的に物事を進めることが得意で、未来のことを見越して行動することができます。見通しを持って行動する力を育てるためには、このような食事習慣が大切です。
これらの観察を通じて、私は「子どもたちがどのように食事をするか」ということが、その子の成長に大きな影響を与えていると感じました。食事の仕方が、後の人生の物事に取り組む姿勢に直結していることがあるのです。
苦手なものをどう克服するか?
うちの娘も、最初は給食で出てきた牛乳を全部飲んだものの、その後は苦手でほとんど残していました。この経験から、私は子どもが苦手なものとどう向き合うかが、非常に大切だと感じました。
苦手な食べ物との向き合い方
子どもが苦手な食べ物を克服するためには、無理に食べさせることが逆効果になる場合が多いです。無理をすると、余計に嫌いになってしまうことがあるからです。
- 無理に食べさせない: 無理に食べさせることは避けましょう。食べ物に対して無理なプレッシャーをかけると、子どもが食事に対して苦手意識を強めてしまうことがあります。まずはその食べ物が嫌いな理由を理解し、子どものペースで慣れさせていきます。
- 少しずつ慣れる: 「一気に全部食べなさい!」ではなく、少しずつ挑戦することが大切です。例えば、初めは牛乳を一口だけ飲んでみるとか、少しずつ量を増やしていく方法です。無理なく段階を踏んでいくことで、子どもは自然と苦手なものを克服することができます。
私たちは、娘が牛乳を飲むという課題に挑戦することに決めました。無理せず、スモールステップで進める方法を選びました。
スモールステップで進む
娘と一緒に、以下のようなステップで進めました:
- 目標設定:「今日は牛乳パックの模様のここまで飲んでみよう」と、小さな目標を立てる
- 毎日の話し合い:毎日、取り組みの様子を一緒に話し合い、喜びや励ましを共有
- 家での練習:「牛乳を全部飲めたら一緒に本を買いに行こう!」と約束し、家でも練習
このように、少しずつ進めることで、苦手なものにも挑戦できる自信がついていきました。
さらにスモールステップを大きな成果に
- 進捗の可視化:娘がどれくらい牛乳を飲めるようになったかを可視化するために、シールを使ったり、メモを取ったりして進捗を追いました。進捗が目に見えることで、達成感を感じやすくなります。
- たくさん褒める:目標を達成した時には、一緒に喜び、たくさん褒めました。これによって、モチベーションが上がり、次の目標への意欲が湧きます。
目標を達成するための戦略
ある日、娘が「牛乳がちょっと好きになってきたかも」と言いました。自己暗示のように感じましたが、これも苦手なものを克服するための大切な一歩です。
- 友達の影響:クラスの友達が牛乳をどう飲んでいるか話し始め、それを聞いて自分もできると思うようになった
- 褒めて励ます:「すごいね!」と褒めて、次の目標に向かわせる
このように、子どもが他の子どもたちから影響を受け、成長する姿を支えることが大切です。
そして、ついに「牛乳が飲めたよ!」という嬉しいメールが届きました。その日、私はすぐに一緒に本屋に行き、プレゼントを買いました。
「今度買いに行こうね!」ではなく、「今から買いに行こう!!」というのも大切なポイントです。
成長を支える大切なこと
子どもが苦手なものを克服する過程で、サポートがとても重要です。子どもたちが成長するためには、適切な支援が必要です。
- 発達の最近接領域(ZPD):子どもが自分でできることと、サポートを受けることでできることの差を理解し、支援を行う
- 家庭や学校、地域の協力:一緒に支え合いながら、子どもの成長を見守る
アレルギーや健康上の理由で食べられないこともあるかもしれませんが、それぞれの子どもの状況に応じた支援が大切です。
発達支援の重要性
子どもは成長する中でさまざまな支援が必要ですが、**発達の最近接領域(ZPD)**という考え方が重要です。これは、子どもが自分の力でできることと、大人や他の子どもからサポートを受けることでできることとの間にある「ギャップ」を理解し、そのギャップを埋める手助けをすることです。これを家庭でも学校でも意識することで、子どもはより良い成長を遂げることができます。
まとめ
子どもが苦手なものを克服するためには、無理に食べさせるのではなく、少しずつ挑戦させて成功体験を積ませることが大切です。娘との4ヶ月間の挑戦を通じて、物事に取り組む姿勢や忍耐力が育まれました。
今後も、娘が成長していく過程を見守りながら、サポートを続けていきたいと思います。
記事を書いた人

西田 俊章(Nishida Toshiaki)
STEAM教育デザイナー / 株式会社MOANAVI代表取締役
理科・STEAM教育の専門家として、20年以上にわたり子どもたちの学びに携わる。文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』の著者であり、TVやラジオで教育解説の経験ももつ。「体験×対話」の学びを大切にし、子どもたちが楽しく学べる環境を提供している。
📚 経歴・資格
✅ 文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』著者
✅ 元公立小学校教員(教員歴20年)
✅ 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士(教育学)
✅ TVK『テレビでLet’s study』理科講師として出演
✅ Fm yokohama『Lovely Day』でSTEAM教育を解説