多様性が深い学びの鍵

学習理論

学習進度の差

子どもに教え込む授業ではなく、子どもと一緒に考えて作り上げる授業にあたり、塾や通信教育などで学習済みの子どもたちがいたらどうしますか?

本やテレビなどからの知識が豊富な子どもがいたらどうしますか?

授業の進めにくさを感じる先生が多いのではないでしょうか。

対応策

対応策としてはいくつか考えられます。

例えば、習熟度別に子どもたちを分けて学習を進める、初めて学習する子どもが考え終わるまで発言させない、難易度や思考レベルをグーンと上げて考えさせる、知識に実感を伴わせるために体験を重視する、などです。

どの方法が正しくて、どの方法が間違っているということはありません。

どの方法にもメリットやデメリットがあり、教師の意図や目的に応じてメリットとデメリットを吟味して選択すればいいからです。

多様性を生かして学ぶ

選抜試験がない公立学校で、クラス間を等質に分けた学級編成をすれば、クラスにいる子どもたちの経験や学力には大きな差があって当然です。

というよりも、子どもは十人十色で違って当然なのです。

ですから、いつもどこかのレベルに合わせて授業デザインしたり、一人も知らないような問題に出合わせ続けたりすることには無理があります。

多様性があることが当然であるならば、それを均一にして学習するのではなく、多様性を生かして学習できないかを考えてみてはどうでしょうか。

お互いがもつ情報にアクセスし合うことで、知識をもっている人、考えるのが得意な人、伝えるのが得意な人、それぞれの良さを発揮して協働で問題解決にあたるという学び方です。
 

多様性が学びを深める鍵

先日行った「小数×小数」の学習では、「どうして小数×小数の筆算では小数点を揃えなくてもいのか。」という問題が学習中に生まれました。

今回は誰も明確な答えを知らない問題に出合うことができましたが、たまたまです。

伝えたい、聞いてみたい。

子どもたちが自然にそう思えるような授業ができたら素敵ですよね。

そんな時には子どもは自分の考えを伝えるために黒板を使いたがります。

テレビに写したがります。

子どもに話させると、教師が思い描く通りに授業は進まなくなるかもしれません。

でも、いろいろな考えをもつ子どもが多様性を生かして学びに向かう時にこそ、新しい価値や考えが生まれ、学びが深まるのではないでしょうか。
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