記憶に残る学習法! 二重符号化理論と記憶の種類を活用しよう

勉強したことをすぐに忘れてしまう…。
暗記が苦手でなかなか覚えられない…。

そんな悩みを解決するには、「言葉+イメージで学ぶ方法」が効果的です!

カナダの心理学者 アラン・ペイビオ(Allan Paivio) の 「二重符号化理論(Dual Coding Theory)」 によると、言葉(言語的システム) だけでなく、イメージ(非言語的システム) も活用することで、記憶に残りやすくなるとされています。

さらに、記憶には 「意味記憶」「エピソード記憶」「手続き記憶」 などの種類があり、それぞれに合った学習法を活用すると、より効果的に学べます。

今回は、「二重符号化理論」×「記憶の種類」 を活用した、教科ごとの学習法を紹介します!


二重符号化理論とは?

人間の脳は情報を 「言葉(言語)」 と 「イメージ(非言語)」 の2つの異なる方法で処理します。

  1. 言語的システム(Verbal System)
    • 言葉や文字を使って情報を処理
    • 例:教科書を読む、ノートを書く、先生の話を聞く
  2. 非言語的システム(Non-verbal System)
    • 視覚的なイメージや図、映像を使って情報を処理
    • 例:図を描く、写真を見る、動画で学ぶ

➡ 言葉+イメージを組み合わせると、記憶が強化される!


記憶の種類と教科ごとの学び方

算数・数学:意味記憶+手続き記憶を活用

✅ ポイント

  • 計算は繰り返し練習する(手続き記憶)
  • 文章題は図や絵を使って考える(意味記憶+二重符号化)

📖 活用例

  • 九九をリズムにのせて覚える(例:「3×3=9、3×4=12…」を歌にする)
  • 文章題を絵や図にする(例:「5個のリンゴがありました。3個食べました。」→ 🍏🍏🍏🍏🍏 → 🍏🍏)
  • 図形問題は実際に作る(例:折り紙で三角形や立方体を作る)

➡ 言葉+視覚+動作を組み合わせることで、理解しやすく記憶に残りやすい!


国語:意味記憶+エピソード記憶を活用

✅ ポイント

  • 漢字は形やイメージと結びつける(意味記憶)
  • 物語はイメージ化して覚える(エピソード記憶)

📖 活用例

  • 漢字の形を絵と関連付ける(例:「山 ⛰️」「川 🌊」「森 🌳」)
  • 物語の場面をイラストにする(例:「桃太郎の登場人物をマンガ風に描く」)
  • 登場人物の関係図を作る(例:「このキャラは主人公の親友」「敵役はこの人」など)

➡ ストーリーやイメージを使うと、記憶に残りやすくなる!


社会:意味記憶+エピソード記憶を活用

✅ ポイント

  • 歴史はストーリーとして覚える(エピソード記憶)
  • 地理は地図とセットで学ぶ(意味記憶+二重符号化)

📖 活用例

  • 歴史の出来事をマンガ風に描く(例:「戦国時代の武将をキャラ化して描く」)
  • 地理は名産品を地図と一緒に覚える(例:「北海道 🐄🥔」「沖縄 🏝️🍍」)
  • 年表にイラストを入れる(例:「織田信長 🔥」「坂本龍馬 ⚓️」)

➡ 言葉だけでなく、図やイラストを組み合わせると楽しく覚えられる!


理科:意味記憶+エピソード記憶を活用

✅ ポイント

  • 実験を通して体験しながら学ぶ(エピソード記憶)
  • 模式図やイラストを使う(意味記憶+二重符号化)

📖 活用例

  • 実験の流れをイラストで描く(例:「水の循環 ☀️💧☁️🌧️」)
  • 動物や植物の特徴をスケッチする(例:「葉っぱの形を自分で描く」)
  • 化学反応を動画やアニメで見る

➡ 実際の体験や視覚情報を活用すると、より深く理解できる!


英語:意味記憶+手続き記憶を活用

✅ ポイント

  • 単語は絵やジェスチャーとセットで覚える(意味記憶+二重符号化)
  • 発音や文法は繰り返し練習する(手続き記憶)

📖 活用例

  • 単語カードに絵を描く(例:「apple 🍎」「dog 🐶」)
  • 動作をしながら覚える(例:「run 🏃‍♂️」「jump 🤸‍♂️」)
  • リズムに合わせて音読する(例:「What time is it?⏰」を歌う)

➡ 言葉+イメージ+動作を組み合わせると、より覚えやすい!


まとめ:記憶の種類に合わせて学ぼう!

✅ 言葉だけでなく、イメージを活用する(=二重符号化理論)
✅ 意味記憶には「図・色・マインドマップ」
✅ エピソード記憶には「体験・ストーリー・実験」
✅ 手続き記憶には「繰り返し・リズム学習」

この方法を取り入れれば、勉強が もっと楽しく、わかりやすく、忘れにくく なります!

ぜひ試してみてください。

記事を書いた人

西田 俊章(Nishida Toshiaki)

STEAM教育デザイナー / 株式会社MOANAVI代表取締役

理科・STEAM教育の専門家として、20年以上にわたり子どもたちの学びに携わる。文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』の著者であり、TVやラジオで教育解説の経験ももつ。「体験×対話」の学びを大切にし、子どもたちが楽しく学べる環境を提供している。

📚 経歴・資格
✅ 文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』著者
✅ 元公立小学校教員(教員歴20年)
✅ 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士(教育学)
✅ TVK『テレビでLet’s study』理科講師として出演
✅ Fm yokohama『Lovely Day』でSTEAM教育を解説


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