
小学生の家庭学習
家でできる勉強方法と学年別おすすめ学習法を徹底解説
「小学生の勉強、家では何をすればいいの?」「家庭学習を習慣にするにはどうしたらいい?」——保護者の方からよく聞かれる悩みです。学校の宿題だけでは十分でない場合もあり、学年ごとに必要な力を家庭でサポートしていくことが大切です。この記事では、小学生が家でできる勉強の基本から、学年別に効果的な家庭学習法、習慣化のコツやおすすめ教材まで徹底解説します。今日からできる家庭学習の工夫を取り入れて、子どもの学びをもっと豊かにしていきましょう。
小学生が家でできる勉強とは?家庭学習の基本と大切な考え方
小学生の勉強は、学校での授業と宿題が中心になります。しかし、家庭学習は単に「宿題の延長」ではありません。家庭学習の役割は大きく分けて次の3つです。
- 学校で学んだことを定着させる
- 学習習慣を身につける
- 実生活に学びをつなげる
宿題だけでは十分にカバーできない部分を家庭学習で補うことにより、基礎学力が安定し、応用力や考える力が育ちます。さらに、家庭で学ぶ環境は「失敗しても安心」「繰り返し取り組める」という利点があり、子どもが学ぶ自信をつける大切な場になります。
小学生の家庭学習におすすめ!家でできる勉強法
毎日の学習ルーティンを作る|家庭学習を習慣化する方法
「やる気が出たら勉強する」では、家庭学習は続きません。大切なのは 勉強を生活の一部にすること=習慣化 です。毎日15〜30分程度でも、時間と順序を固定すれば大きな効果があります。
実践アイデア:
- 宿題が終わったら5分間の計算練習
- 夕食後に音読を1つ必ず行う
- 翌日の持ち物チェックの後に学習タイムを設ける
- 「勉強はこの机で」という学習専用スペースを決める
特に低学年では「短時間+毎日」がポイント。時計やカレンダーを使って「勉強タイム」を見える化することで、子どもも意識しやすくなります。親子で一緒に取り組む姿勢を見せると、子どものモチベーションも高まります。
ゲーム感覚で勉強できる工夫|フラッシュカードやタイマー活用
家庭学習を楽しく続けるには、「遊び」の要素が効果的です。子どもは競争やチャレンジが大好きなので、ゲーム感覚を取り入れると集中力が格段に上がります。
活用アイデア:
- フラッシュカード で英単語や漢字の読みをテンポよくチェック
- タイマー学習:「3分以内に10問解けるかな?」と挑戦形式にする
- 得点シート を作って、正解数や達成度を見える化
- 間違えた問題は「再チャレンジ枠」として別にまとめ、復習の習慣にする
「勝ち負け」ではなく「記録更新」を意識させると、自分の成長を実感しながら学習を続けられます。
実生活を学びに変える|買い物・料理・会話を使った勉強法
算数や国語の力は、家庭の中でも自然に育てることができます。机に向かう勉強だけでなく、 日常生活そのものを学びの教材 にする工夫が大切です。
具体例:
- 買い物で算数を学ぶ:「100円の商品を3つ買ったらいくら?」「500円玉で払うとお釣りはいくら?」
- 料理で分量を学ぶ:「レシピを2倍にするには?」「4人分を2人分にすると材料は何グラム必要?」
- 会話で国語を鍛える:「今日は学校でどんなことがあった?」→順序立てて話す練習になる
- ニュースや天気予報を題材に:「気温が3度下がると何度になる?」など日常の数値を計算に使う
こうした学びは「机の上の勉強」と違って即効性があり、子どもが「勉強って役立つんだ」と実感できます。親子の会話の中に取り入れることで、自然と理解が深まります。
👉 このように「家庭学習を習慣化する仕組み」「遊び感覚で続けられる工夫」「生活を学びに変える視点」を取り入れると、子どもの勉強はぐっと身近になり、継続しやすくなります。
学年別|小学生の家庭学習でできること・勉強方法の工夫
低学年(1・2年生)の家庭学習|音読・計算カード・楽しい学習法
1・2年生は「学習の基礎を固める」と同時に「学ぶって楽しい!」と感じられる経験が大切です。集中力がまだ長く続かないため、短時間で達成感を味わえる勉強法 が効果的です。
具体的な家庭学習の工夫
- 音読の習慣:毎日5分でもいいので教科書や絵本を音読。正しく読む練習だけでなく、読解力の基礎になります。
- 計算カードや百マス計算:繰り返し練習できるツールで、計算の基礎スピードを高める。
- 生活に結びつける算数:お菓子を人数で分ける、時計を見て「あと何分で出発?」を考えるなど、算数を実体験に。
- 楽しい雰囲気づくり:勉強が終わったらスタンプを押す、シールを集めるなど、小さなご褒美でモチベーションを高める。
親は「できたことを褒める」ことに注力し、間違いを叱るより「次はこうしてみよう」と励ます姿勢が重要です。
中学年(3・4年生)の家庭学習|分数・小数・読解力の基礎固め
3・4年生になると学習内容が一気に難しくなり、つまずきやすい学年です。分数・小数・文章問題の理解 が家庭学習の大きなテーマになります。
具体的な家庭学習の工夫
- 分数・小数の理解:ピザやケーキを実際に分ける遊びを通じて「半分」「4分の1」などを体感させる。
- 文章問題を図や表で整理:問題を一緒に読み、図に書き出すことで「何を求めるのか」が明確になります。
- 読書と要約の練習:物語を読んだ後に「どんな話だった?」「一番大事なことは?」と簡単にまとめさせる。
- 理科や社会の調べ学習:身近な現象やニュースを一緒に調べ、自由研究のようにまとめる習慣をつける。
保護者は「勉強のやり方」を教えることがポイントです。答えを教えるのではなく「どうやって解けるかな?」と考えるプロセスを一緒に確認すると、思考力が育ちます。
高学年(5・6年生)の家庭学習|自主学習・調べ学習・中学準備
5・6年生は「自分で学ぶ姿勢」を養うことが最も重要です。中学校の学習に備えて、自主学習と表現力の強化を家庭で支えることが必要になります。
具体的な家庭学習の工夫
- 自主学習ノートの活用:自分で調べたことや問題をまとめる習慣をつける。興味のあるテーマを掘り下げるのも効果的。
- 新聞やニュースの要約:時事問題を簡単にまとめ、家族に説明することで理解力と表現力がアップ。
- 理科実験や社会科見学の記録:体験を文章や図でまとめる練習は、記述式問題や将来のレポート作成にも役立ちます。
- 計画的な学習:テストや受験を意識し、1週間単位でスケジュールを立てる習慣を持たせる。
保護者は「細かく教える」から「見守る・助言する」へと役割をシフトするのがポイント。自主性を尊重しつつ、困ったときに相談できる環境を整えることが大切です。
👉 このように、学年ごとの発達段階に応じて「家庭学習の内容」と「保護者の関わり方」を工夫することで、子どもの学習は大きく伸びていきます。
家で勉強する習慣をつけるコツ|やる気より仕組みづくりが大事
「やる気が出ないから勉強しない」という子どもに頭を悩ませる保護者は多いですが、実は「やる気」に頼らなくても家庭学習は続けられます。大切なのは やらざるを得ない仕組み と 整った環境 をつくることです。
1. 成功体験を積ませる仕組み
子どもは「できた!」という感覚でやる気を育みます。小さな成功体験を積み重ねることで、自然と勉強が習慣化します。
- 計算ドリルを1ページ解いたらスタンプを押す
- 毎日10分続いたらシールを集めてご褒美
- 苦手科目は簡単な問題から始めて「解けた!」を体験させる
「できなかったこと」より「できたこと」に注目してあげると、子どもは前向きに勉強に取り組みます。
2. 学習環境を整える工夫
学習習慣は「集中できる環境」でこそ定着します。
- 勉強する机はゲームやおもちゃを置かない
- テレビやスマホは手の届かない場所に置く
- 時間帯を決めて静かな空間を確保する
- 明るさ・座りやすさなど物理的な環境も見直す
環境の工夫は「集中できない理由」を減らす効果があり、子どもが自然と机に向かうようになります。
3. 親も一緒に「学ぶ姿勢」を見せる
子どもは親の背中を見ています。親が「学びを楽しむ姿」を見せることで、子どもも自然に真似をします。
- 子どもが勉強している時間に親も読書や日記を書く
- 「パパも英語を勉強中なんだよ」と学ぶ姿をシェアする
- 家族で「今日学んだこと」を1つずつ話し合う習慣を作る
「勉強はやらされるもの」ではなく「家族みんなで取り組むもの」という雰囲気をつくると、抵抗感が薄れます。
4. ルーティン化と可視化
習慣づけには「同じ時間・同じ場所・同じ順番」が効果的です。
- 毎日夕食後に15分学習
- 勉強が終わったらチェックリストに✓を入れる
- カレンダーに「学習できた日」を記録し、続いた日数を見える化
「今日はやろうかな?」ではなく「やるのが当たり前」という状態を作ることが最終的な目標です。
💡 ポイント:
やる気がなくても続けられる仕組みを整えれば、勉強は「努力」ではなく「習慣」に変わります。そして、その習慣が子どもの学力と自信を支える大きな力になります。
家庭で今日から試せる!勉強習慣づけチェックリスト
✅ 小さな成功体験を積ませる
- 10分で終わる課題を毎日設定
- 解けたらスタンプやシールを貼る
- 「できなかったこと」より「できたこと」を言葉にして褒める
✅ 学習環境を整える
- 勉強机の上は「教科書+ノート+筆記用具」だけにする
- テレビやスマホは手の届かない場所に移動
- 照明や椅子の高さを調整して「快適に集中できる環境」を作る
✅ 親が学ぶ姿を見せる
- 子どもが勉強中は親も本やノートを広げる
- 「今日こんなことを学んだよ」と親子でシェア
- 勉強を「家庭全体の習慣」にする
✅ ルーティン化する
- 毎日同じ時間(例:夕食後15分)に学習スタート
- 終わったらチェックリストに✓を入れる
- カレンダーに続いた日数を見える化
📌 使い方のコツ
1つずつ試すのではなく、「できそうな項目を2つ選んで今週から始める」のがポイントです。小さな工夫でも続ければ大きな成果につながります。
小学生の家庭学習におすすめの教材・ドリル・デジタルツール
家庭学習を効果的に進めるためには、市販の教材やデジタルツールを賢く取り入れることが大切です。ただし、「どの教材をどう使うか」で学習効果は大きく変わります。ここでは具体的な教材の種類と活用の工夫を紹介します。
1. 定番の紙教材:計算ドリル・漢字ドリル
- 計算ドリル:毎日の繰り返しで「基礎計算力」を定着させるのに最適。特に低学年は1日1ページを目安に続けるのが効果的です。
- 漢字ドリル:ただ書くだけでなく、音読や例文づくりと組み合わせると理解が深まります。
📌 おすすめの工夫
- 宿題で出される分を“やりっぱなし”にせず、間違えた問題をノートにまとめて「弱点ノート」を作る。
- 翌週に再チャレンジすることで「できた!」の実感を積ませる。
2. 遊び感覚で取り組める:フラッシュカード・百マス計算
- フラッシュカード:英単語・漢字・計算式などをカード化。テンポよく答える練習で「瞬発力」を鍛えられます。
- 百マス計算:短時間で集中して取り組む練習に最適。毎日の記録をグラフにすると、タイムが縮まる楽しさを実感できます。
📌 親子でできる工夫
- タイムを計って“自己ベスト更新”を目指すと、ゲーム感覚で続けやすい。
- 保護者が出題役になり、子どもと「競争形式」でやるのも効果的。
3. デジタル教材:タブレット学習・学習アプリ
- タブレット学習:動画解説や自動採点機能で効率的に学べる。特に苦手分野の反復に強い。
- 学習アプリ:計算・英語・プログラミングなど、楽しみながら学べるものが多数。
📌 活用の注意点
- 使いすぎに注意:1日20~30分を目安に。長時間使用は集中力低下につながる。
- 保護者のチェック:学習アプリは「本当に勉強に使っているか」を確認することが大切。
- 紙教材とのバランス:タブレットは便利ですが、書いて覚える経験も不可欠。
👉 まとめると
- 紙教材で「基礎を反復」
- カード・ゲーム型教材で「スピードと楽しさ」
- デジタル教材で「効率と苦手克服」
この3つをバランスよく組み合わせることで、家庭学習の効果を最大化できます。
まとめ|小学生の家庭学習で「家でできる勉強」を習慣にしよう
家庭学習は「やらせる」のではなく「習慣化」することが大切です。
- 低学年では楽しく基礎を身につける
- 中学年では応用力と読解力を育てる
- 高学年では自主性と中学準備を意識する
保護者のサポートが、子どもの自信と学びの継続につながります。
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MOANAVIでは、算数・国語などの基礎学習だけでなく、STEAM教育を取り入れた「探究型の学び」を実践しています。家庭での勉強を補いながら、子どもたちが自分で考え、学び、挑戦する力を伸ばすサポートを行っています。家庭学習をより豊かにするために、MOANAVIの学びをぜひ体験してみてください。
記事を書いた人

西田 俊章(Nishida Toshiaki)
STEAM教育デザイナー / MOANAVIスクールディレクター
理科・STEAM教育の専門家として、20年以上にわたり子どもたちの学びに携わる。文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』の著者であり、TVやラジオで教育解説の経験ももつ。「体験×対話」の学びを大切にし、子どもたちが楽しく学べる環境を提供している。
📚 経歴・資格
✅ 文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』著者
✅ 元公立小学校教員(教員歴20年)
✅ 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士(教育学)
✅ TVK『テレビでLet’s study』理科講師として出演
✅ Fm yokohama『Lovely Day』でSTEAM教育を解説