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子どものやる気はどう生まれるのか|教育心理学から考える学習意欲と学びの環境

「うちの子はやる気がなくて……」

保護者の方から、このような相談を受けることは少なくありません。
しかし教育心理学の研究では、子どものやる気は性格や気合いで決まるものではなく、学びの条件によって大きく変わるものだと考えられています。

子どもが自分で選び、少し難しい課題に挑戦し、理解が少しずつ広がっていくとき、学びへの意欲は自然に生まれます。

本記事では、教育心理学の研究をもとに、子どものやる気がどのように生まれるのかを解説します。
自己決定理論や最近接発達領域などの理論を手がかりに、子どもが学びに向かう環境のつくり方を考えていきます。


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子どものやる気は「性格」ではない

「うちの子はやる気がなくて……」

保護者の方から、このような相談を受けることは少なくありません。
学校や塾でも、子どもの学習について話題になるとき、「やる気」という言葉は頻繁に登場します。

しかし教育心理学の研究では、やる気は子どもの性格や気合いで決まるものではないと考えられています。

やる気は、子どもが持って生まれた固定的な性質ではなく、
学習環境・課題の難易度・周囲との関係などによって変化するものです。

つまり、「やる気がある子」と「やる気がない子」がいるのではなく、
やる気が生まれる環境と、やる気が生まれにくい環境があるということです。

この視点は、教育心理学の多くの研究で共通して指摘されています。


やる気がない子はいない

小さな子どもを見ていると、誰もが驚くほどの集中力を発揮する瞬間があります。

レゴで遊ぶとき
好きなゲームをするとき
絵を描くとき
昆虫を探すとき

子どもは、周囲の声が聞こえないほど夢中になることがあります。

この姿を見ると、
子どもは本来、学びに向かう力を持っていることがよくわかります。

心理学では、このような状態を
**内発的動機づけ(intrinsic motivation)**と呼びます。

内発的動機づけとは、
外から言われたからではなく、
自分の興味や好奇心から行動する状態のことです。

デシとライアンの研究では、
人間はもともと「理解したい」「できるようになりたい」という欲求を持っていると説明されています。

Deci, E. L., & Ryan, R. M. (1985)
Intrinsic Motivation and Self-Determination in Human Behavior

つまり、子どもにやる気がないのではなく、
やる気が発揮される条件が整っていない場合が多いのです。


やる気が下がるのには理由がある

では、なぜ子どもは勉強に対してやる気を失ってしまうのでしょうか。

多くの場合、次のような状況が重なっています。

・課題が簡単すぎる
・課題が難しすぎる
・自分で選んだ学びではない
・努力しても理解につながらない
・結果だけを評価される

このような状況が続くと、子どもは次第に

「どうせできない」
「やっても意味がない」

と感じるようになります。

そして、やる気がないように見える行動が生まれます。

しかし、この状態は決して子どもの能力や性格を表しているわけではありません。
むしろ、学びの環境が子どもに合っていない可能性を示しています。

学習科学では、学びは子どもの努力だけでなく、
環境のデザインによって大きく変わることが知られています。

この点については、次の記事でも詳しく解説しています。

学習環境が学びを変える理由
https://moanavi.com/10541


学習意欲は環境によって変わる

教育研究では、やる気は次の3つの要素と強く関係していることが知られています。

・課題の難易度
・学習環境
・人との関係

例えば、同じ子どもでも

学校では勉強しないのに
家では夢中で本を読む

ということがあります。

あるいは

算数は苦手でも
理科の実験には強い興味を示す

ということもあります。

これは、子どものやる気が
状況によって大きく変化することを示しています。

つまり、やる気とは

「子どもの内側にある性格」

ではなく

子どもと環境の関係の中で生まれるもの

なのです。

教育心理学者ブランスフォードは、
学びは学習者の努力だけでなく、学習環境の構造によって大きく変わると指摘しています。

Bransford, J. D., Brown, A. L., & Cocking, R. (2000)
How People Learn

この視点に立つと、
子どものやる気を考えるときに重要なのは

「どうすればやる気を出させるか」

ではなく

「どのような環境なら、やる気が自然に生まれるのか」

という問いになります。

そして、この問いを考えるうえで重要になるのが、
次に紹介する教育心理学の理論です。


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子どもが勉強のやる気を失う理由

「やる気がない」という言葉は、子どもの問題のように語られることがよくあります。

しかし教育心理学の研究では、
やる気が下がる原因の多くは、子どもの性格ではなく学びの条件にあると考えられています。

子どもが勉強に向かわなくなるとき、そこには必ず何らかの理由があります。

例えば次のような状況です。

・課題が簡単すぎて退屈している
・課題が難しすぎて理解できない
・自分で選んだ学びではない
・努力しても理解につながらない
・結果だけで判断される

このような状態が続くと、子どもは次第に学びから距離を取るようになります。

そして、その行動が「やる気がない」と見えてしまうことがあります。

しかし実際には、
子どもが学びから離れてしまうのは、多くの場合「学びの条件」が合っていないためです。

ここでは、子どもがやる気を失う代表的な理由を整理します。


課題が簡単すぎると退屈が生まれる

子どもが勉強に興味を失う原因のひとつは、
課題が簡単すぎることです。

理解できている内容を繰り返し続けると、学びは単なる作業になってしまいます。

すると子どもは

「もうわかっている」
「やらなくてもいい」

と感じるようになります。

この状態では、新しい発見や達成感が生まれにくくなります。

結果として、学習への関心は少しずつ下がっていきます。

勉強において重要なのは、量ではなく
理解を更新する挑戦があるかどうかです。

すでにできることだけを繰り返していても、子どもの学びは広がりません。


難しすぎると挫折が生まれる

反対に、課題が難しすぎる場合もやる気は下がります。

理解が追いつかない課題が続くと、子どもは次のように感じるようになります。

「どうせできない」
「自分には無理だ」

このような状態が続くと、子どもは学びから距離を取るようになります。

心理学では、この状態を学習性無力感と呼ぶことがあります。

努力しても結果が変わらないと感じると、人は行動をやめてしまうのです。

その結果、勉強に向かわない行動が増え、
周囲からは「やる気がない」と見えてしまうことがあります。


子どもが「自分で決めていない学び」

もう一つ大きな理由は、
学びが子どもの選択になっていないことです。

例えば

「この問題をやりなさい」
「このページをやりなさい」

といった指示が続くと、子どもは次第に

自分で考えて学ぶ感覚を失ってしまいます。

すると、学びは

「やらされるもの」

になってしまいます。

この状態では、子どもが主体的に学びに向かうことは難しくなります。

教育心理学では、人は

自分で選んだ行動に対して最も意欲が高まる

ことが知られています。

この点については、次の記事でも詳しく解説しています。

学年ではなく現在地で学ぶ理由
https://moanavi.com/10535

子どもは学年で一律に学ぶよりも、
自分の理解の状態に合った課題に取り組むときに最も学びが深まると考えられています。


やる気の問題ではなく「学びの条件」

ここまで見てきたように、子どものやる気が下がるときには、
多くの場合、次のような条件が重なっています。

・課題の難易度が合っていない
・理解の状態が見えていない
・子どもが学びを選べない
・学習行動より結果だけを見ている

つまり、子どものやる気を考えるときに大切なのは

「どうやってやる気を出させるか」

ではなく

「どのような学びの条件なら、やる気が生まれるのか」

という問いです。

そして、この問いを理解するうえで重要になるのが
教育心理学の自己決定理論です。


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やる気を生む3つの心理的条件(自己決定理論)

子どものやる気について考えるとき、教育心理学で非常に重要な理論があります。
それが、エドワード・デシとリチャード・ライアンによって提唱された**自己決定理論(Self-Determination Theory)**です。

この理論では、人のやる気は気合いや根性で生まれるものではなく、
特定の心理的条件が満たされたときに自然に生まれるものだと説明されています。

その条件は次の3つです。

・自律性(Autonomy)
・有能感(Competence)
・関係性(Relatedness)

この3つの心理的欲求が満たされると、人は自発的に行動するようになります。
反対に、この条件が満たされないと、意欲は下がっていきます。

Deci, E. L., & Ryan, R. M. (1985)
Intrinsic Motivation and Self-Determination in Human Behavior

この理論は、教育だけでなくスポーツや企業組織の研究でも広く支持されています。

詳しくは、次の記事でも解説しています。

自己決定理論とは何か
https://moanavi.com/10526

ここでは、子どもの学びと関係の深い3つの条件を順番に見ていきます。


自律性(自分で選ぶこと)

最初の条件は自律性です。

自律性とは、「自分で選んでいる」という感覚のことです。

例えば

・どの問題に挑戦するか
・どこまで取り組むか
・どの方法で考えるか

こうした選択が子ども自身の意思で行われているとき、
学びは「やらされるもの」ではなくなります。

反対に、すべての学習が

「これをやりなさい」
「ここまでやりなさい」

という指示だけで進む場合、子どもは次第に学びから距離を取るようになります。

このとき子どもに起きているのは、
やる気がないのではなく、学びの主体性が失われている状態です。

自分で選ぶ余地があるとき、人は学びに対して自然に関心を持ちやすくなります。


有能感(できる感覚)

2つ目の条件は有能感です。

有能感とは

「自分はできるようになっている」

という感覚のことです。

ここで重要なのは、結果の評価ではなく、
理解が少しずつ広がっている実感です。

例えば

・昨日できなかった問題が解けた
・考え方が少しわかった
・前より速く解けるようになった

こうした小さな変化を感じると、子どもは次の挑戦に向かいやすくなります。

反対に

・難しすぎる課題
・理解できない説明
・結果だけを評価される環境

では、有能感は生まれにくくなります。

このとき、子どもは

「自分には無理だ」

と感じやすくなります。

その結果、学びから離れてしまうことがあります。


関係性(人とのつながり)

3つ目の条件は関係性です。

関係性とは、
安心して学べる人間関係のことです。

子どもは

・安心して質問できる
・間違えても大丈夫
・考えを共有できる

という環境の中で学ぶとき、学習への関心が高まりやすくなります。

反対に

・失敗を笑われる
・間違いを強く指摘される
・比較される

といった環境では、学びは緊張や不安の対象になってしまいます。

その結果、子どもは挑戦を避けるようになります。

しかし、挑戦がなければ理解は深まりません。

そのため、学びの場では
安心して試行錯誤できる関係が重要になります。


やる気は「条件」が整うと自然に生まれる

自己決定理論が示している重要な点は、
やる気を直接作り出すことはできないということです。

やる気は

・自律性
・有能感
・関係性

という条件が整ったときに、
自然に生まれるものです。

つまり、教育において大切なのは

「どうすればやる気を出させられるか」

ではなく

「やる気が生まれる学びの条件をどう整えるか」

という問いになります。

そして、この条件の一つとして重要なのが、
課題の難易度です。

子どもは、簡単すぎても難しすぎても意欲を保つことができません。

そこで重要になるのが、
教育心理学者ヴィゴツキーが提唱した**最近接発達領域(ZPD)**という考え方です。


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挑戦がやる気を生む理由(ZPD)

子どものやる気を考えるとき、もう一つ重要な視点があります。
それは課題の難易度です。

同じ子どもでも、課題の難易度によって学習意欲は大きく変わります。

簡単すぎると退屈が生まれます。
難しすぎると挫折が生まれます。

では、子どもが最も意欲的に学ぶのはどのような課題なのでしょうか。

この問いに答えたのが、心理学者レフ・ヴィゴツキーの研究です。

ヴィゴツキーは、人の成長が最も起こりやすい領域を
**最近接発達領域(Zone of Proximal Development)**と呼びました。

詳しくは次の記事でも解説しています。

最近接発達領域とは何か
https://moanavi.com/10517


成長は「ちょうどよい難しさ」で起こる

最近接発達領域とは、

一人ではまだ難しいが、支援があればできる領域

のことです。

学びの状態は大きく3つに分けられます。

安心ゾーン
すでに一人でできる

最近接発達領域(ZPD)
少し支援があればできる

挫折ゾーン
まだ理解が追いつかない

この中で、子どもの理解が最も伸びるのが
**最近接発達領域(ZPD)**です。

この領域では

・少し難しい
・考える必要がある
・できたときに達成感がある

という特徴があります。

この経験が、次の挑戦への意欲を生みます。


挑戦が理解を更新する

子どもは、理解できることだけを繰り返していても成長しません。

理解は

少し難しい課題に挑戦し、試行錯誤する中で更新されていきます。

このとき重要なのは、子どもが

・考える
・試す
・間違える
・修正する

という経験を積み重ねることです。

こうした学習行動の中で、理解は少しずつ広がっていきます。

そして、理解が広がると

「できるようになった」という実感

が生まれます。

この実感が、有能感につながり、
次の挑戦への意欲を生みます。

この関係については、次の記事でも詳しく解説しています。

挑戦が成長を生む理由
https://moanavi.com/10544


子どもが挑戦したくなる学び

子どもが挑戦したくなる学びには、いくつかの特徴があります。

例えば

・理解の状態に合った課題
・試行錯誤できる余白
・安心して間違えられる環境
・小さな達成感

こうした条件が整うと、子どもは次第に

「もう少しやってみたい」

と感じるようになります。

これは、外から与えられたやる気ではありません。

学びの中から自然に生まれる意欲です。

つまり、子どものやる気を考えるときに重要なのは

「頑張らせること」

ではなく

挑戦が生まれる学びのデザインです。

そして、この挑戦を支えるもう一つの重要な要素が
学習行動を見ることです。

子どもの理解は、テストの点数だけでは見えません。

子どもが

・どの課題を選ぶのか
・どこで止まるのか
・どのように考えるのか

といった行動の中に、理解の状態が表れます。

この点については、次の記事でも詳しく解説しています。

子どもの学習行動を見るとは何か
https://moanavi.com/10532


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やる気は学習行動の中で育つ

「やる気」という言葉は、ときどき気持ちの問題として語られます。

「もっとやる気を出しなさい」
「やる気があればできる」

こうした言葉は、教育の場でもよく聞かれます。

しかし教育心理学の研究では、やる気は単なる気持ちではなく、
学習行動と強く結びついたものだと考えられています。

子どもが

・どの課題を選ぶのか
・どのように考えるのか
・どこで止まるのか
・どうやり直すのか

こうした行動の積み重ねの中で、学びへの意欲は少しずつ育っていきます。

つまり、やる気は

行動の前にあるものではなく、行動の中で生まれるもの

なのです。


勉強の結果だけを見ても意味はない

学校の勉強では、テストの点数が注目されることが多くあります。

もちろん、理解の状態を知る一つの手がかりとして、テストには意味があります。
しかし、テストの結果だけでは、子どもの学びの過程はほとんど見えません。

例えば、同じ点数でも

・試行錯誤を重ねて理解した場合
・たまたま答えを覚えていた場合

では、学びの質は大きく違います。

また、テストの点数だけを見ていると、

・どこでつまずいたのか
・どのように考えたのか
・どのように理解が広がったのか

といった重要な情報が見えなくなってしまいます。

子どもの学びを理解するためには、
結果だけでなく、学習の過程を見ることが大切です。


学び方を学ぶということ

子どもが成長していくためには、知識だけでなく
学び方そのものを身につけていくことが重要です。

例えば

・問題を読んで考える
・教科書を読み直す
・ヒントを探す
・解き方を振り返る

こうした行動は、学びを支える大切な力です。

心理学では、このような能力を
**自己調整学習(Self-Regulated Learning)**と呼びます。

自己調整学習とは、

・目標を立てる
・学習を進める
・結果を振り返る

という循環の中で学びを進めていく力のことです。

Zimmerman, B. J. (2002)
Becoming a Self-Regulated Learner

この考え方については、次の記事でも詳しく解説しています。

自己調整学習とは何か
https://moanavi.com/10523

また、子どもが自分で学べるようになることについては、次の記事でも紹介しています。

学び方を学ぶとは何か
https://moanavi.com/10538


子どもの学習行動を見る

MOANAVIでは、子どもの学びを見るときに
特に学習行動を大切にしています。

例えば

・どの課題を選ぶか
・どこまで挑戦するか
・どこで止まるか
・どのようにやり直すか
・どのように調整するか

こうした行動は、子どもの理解の状態を映し出します。

テストの点数は、学びの結果の一部しか表していません。

しかし、学習行動を見ると

・理解がどこで止まっているのか
・どのような支援が必要なのか
・次の課題の難易度

といったことが見えてきます。

この視点については、次の記事でも詳しく解説しています。

子どもの学習行動を見るとは何か
https://moanavi.com/10532

子どものやる気は、
学びの過程が丁寧に見られ、次の挑戦につながるときに育っていきます。

そして、その学びを支える重要な要素の一つが、
子どもの理解の状態を見取り、次の学びにつなげていく関わりです。

教育研究では、このような学びの支援を
形成的アセスメントと呼びます。


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フィードバックがやる気を支える

子どものやる気を支えるもう一つの重要な要素があります。
それがフィードバックです。

学びは、一度の説明で完成するものではありません。
理解は、挑戦と修正を繰り返す中で少しずつ深まっていきます。

このとき重要になるのが、
子どもの理解の状態を丁寧に見て、次の学びにつなげる関わりです。

教育研究では、このような関わりを
**形成的アセスメント(formative assessment)**と呼びます。

形成的アセスメントとは、学習の途中で子どもの理解の状態を確かめ、
次の学びを整えていく教育の考え方です。

この点については、次の記事でも詳しく解説しています。

形成的アセスメントとは何か
https://moanavi.com/10520


テストだけでは学びは見えない

学校教育では、テストによって子どもの理解を確認することが多くあります。

テストは、学びの結果を知るための一つの方法として意味があります。
しかし、テストだけでは学習の過程はほとんど見えません。

例えば、同じ点数でも

・自分で試行錯誤して理解した場合
・一時的に覚えていただけの場合

では、理解の深さは大きく違います。

また、テストは多くの場合、
学習が終わった後に行われる評価です。

そのため、つまずきがあっても、
次の学びにつなげる機会が少なくなってしまうことがあります。

形成的アセスメントでは、テストの結果だけを見るのではなく、

・どこで理解が止まっているのか
・どのように考えているのか
・どこに支援が必要なのか

といった点を丁寧に見ていきます。


子どもの理解の状態を丁寧に見る

子どもの理解は、必ずしも

「できる」「できない」

の二つだけではありません。

例えば

・ヒントがあればできる
・途中までは理解している
・考え方は合っている

といった状態もあります。

こうした理解の途中段階を見ることができると、
子どもの学びは次の段階へ進みやすくなります。

例えば

「ここまではいいね」
「この考え方は合っているよ」
「もう少しだけ考えてみよう」

といった関わりは、子どもに

理解が少しずつ広がっている感覚

をもたらします。

この感覚が、有能感につながり、
次の挑戦への意欲を支えます。


学びを次の挑戦につなげる

形成的アセスメントの目的は、
子どもを評価することではありません。

目的は

学びを次の挑戦につなげることです。

子どもの理解の状態を見取りながら、

・次の課題の難易度を調整する
・ヒントを出す
・考える時間を確保する

といった関わりを行うことで、
子どもは少しずつ理解を広げていきます。

このような学びの循環が続くと、
子どもは次第に

「もう少しやってみたい」

と感じるようになります。

つまり、やる気は

・自律的に選び
・挑戦し
・理解が更新され
・次の挑戦につながる

という学びの循環の中で育っていくのです。

そして、この循環を意識的に整えた学びのモデルが
MOANAVIの学習デザインです。


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やる気は学びの循環の中で生まれる

ここまで見てきたように、子どものやる気は
単なる気持ちの問題ではありません。

やる気は

・自分で選ぶこと
・ちょうどよい挑戦
・理解の更新
・次の課題

という学びの循環の中で生まれていきます。

この循環が回り始めると、子どもは次第に
「もっとやってみたい」と感じるようになります。

反対に、この循環が止まってしまうと、
学びへの関心は少しずつ下がっていきます。

つまり、やる気を理解するためには
子どもの気持ちだけでなく、学びの構造を見ることが重要になります。


自律的選択

学びの循環は、子どもの選択から始まります。

自分で課題を選び、挑戦を決めるとき、
子どもは学びを「自分の行動」として受け取ります。

このとき学びは

「やらされるもの」

ではなく

自分で進めるもの

になります。

教育心理学の研究でも、人は自分で選んだ行動に対して
最も高い意欲を持つことが知られています。


挑戦

次に生まれるのが挑戦です。

課題が少し難しいとき、子どもは考え始めます。

・どうすればいいのか
・どこが違うのか
・もう一度試してみよう

このような思考が生まれると、学びは単なる作業ではなく、
理解を広げる活動になります。

挑戦があるとき、子どもは学びの中で多くの発見をします。


振り返り

挑戦のあとには、振り返りが生まれます。

例えば

・どこでつまずいたのか
・どこがわかったのか
・どうすればよかったのか

こうした振り返りは、理解を整理する大切な時間です。

このとき、子どもの理解の状態を丁寧に見取りながら、
次の課題を整えていくことが重要になります。


次の挑戦

理解が少し広がると、子どもは

「もう少しやってみたい」

と感じるようになります。

このとき、次の課題が適切に用意されていると、
学びの循環は自然に続いていきます。

この循環は

自律的選択

挑戦

学習行動

振り返り

理解更新

次の挑戦

という形で続いていきます。

このような学びの構造については、次の記事でも解説しています。

ZPD×スタディポイントとは何か
https://moanavi.com/10547

このように、子どものやる気は
学びの循環が回り始めたときに自然に生まれるものです。

そして、この循環を意識して整えた学びの環境が
MOANAVIの学びのデザインです。


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MOANAVIの学びのデザイン

ここまで見てきたように、子どものやる気は
「気合い」や「根性」で生まれるものではありません。

やる気は

・自分で選ぶこと
・ちょうどよい挑戦
・理解の更新
・次の挑戦

という学びの循環の中で育っていきます。

MOANAVIでは、この循環が自然に生まれるように
学びの環境を丁寧にデザインしています。


学びの現在地から始める

MOANAVIでは、子どもを学年や成績だけで一律に捉えるのではなく、
その子の「学びの現在地」から学習を始めます。

例えば同じ学年でも

・理解が進んでいる分野
・つまずいている分野
・興味を持っているテーマ

は一人ひとり違います。

そのため、MOANAVIでは

・どこまで理解しているのか
・どこでつまずいているのか
・どの課題が挑戦になるのか

を丁寧に見ていきます。

この視点については、次の記事でも紹介しています。

学年ではなく現在地で学ぶ理由
https://moanavi.com/10535

子どもが自分の理解の状態に合った課題に取り組むとき、
学びは最も深まりやすくなります。


学習行動を見取り、次の挑戦を整える

MOANAVIでは、テストの点数だけではなく
子どもの学習行動を大切にしています。

例えば

・どの課題を選ぶか
・どこまで挑戦するか
・どこで止まるか
・どのように考え直すか

こうした行動は、子どもの理解の状態を映し出します。

そのため、子どもの様子を見取りながら

・次の課題の難易度
・必要なヒント
・考える時間

を調整していきます。

このような関わりは、子どもに

「理解が広がっている」という感覚

をもたらします。

その感覚が、次の挑戦への意欲につながります。


子どもが学び続ける環境

子どもが学び続けるためには、
安心して試行錯誤できる環境が必要です。

MOANAVIでは

・間違えることを学びの一部として扱う
・考える時間を大切にする
・学びを共有できる関係をつくる

といった環境を大切にしています。

このような環境の中で、子どもは少しずつ

・考える力
・試行錯誤する力
・学び続ける力

を育てていきます。

MOANAVIの教室では、子どもたちが
「できた」「わかった」という経験を積み重ねながら、
自分のペースで学びを広げています。

モアナビ協創学園
https://moanavi.com/school


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まとめ|やる気は環境と学び方で育つ

子どものやる気について考えるとき、
つい「性格」や「気合い」の問題として捉えてしまうことがあります。

しかし教育心理学の研究では、
やる気は子どもの内側に固定されているものではなく、
学びの条件によって大きく変わるものだと考えられています。

例えば

・自分で選ぶことができる
・理解に合った挑戦がある
・理解の変化が見える
・安心して試行錯誤できる

こうした条件が整うと、子どもは自然に学びへ向かいやすくなります。

反対に

・課題が簡単すぎる
・課題が難しすぎる
・学びが自分の選択になっていない
・結果だけで判断される

といった状況が続くと、学習意欲は少しずつ下がっていきます。

つまり、子どものやる気を考えるときに大切なのは

「どうすればやる気を出させられるか」

ではなく

「どのような環境なら、やる気が自然に生まれるのか」

という問いです。

子どもが

・自分で選び
・挑戦し
・理解が広がり
・次の課題に向かう

という学びの循環が回り始めると、
学びは「やらされるもの」から「自分のもの」へと変わっていきます。

MOANAVIでは、このような学びの循環を大切にしながら、
子ども一人ひとりの「学びの現在地」に合わせた学びを整えています。

モアナビ協創学園
https://moanavi.com/school

子どもが安心して挑戦し、理解を広げていく経験を重ねることで、
学びは少しずつ「自分で進めるもの」へと変わっていきます。

そして、その経験の積み重ねが、
長い時間をかけて子どもの学びの力を育てていきます。



📚学びの本棚から、次の1冊を
このテーマに関連する教育・学びのコラムを、本棚を眺めるように探せます。
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この記事を書いた人
西田 俊章(MOANAVIスクールディレクター/STEAM教育デザイナー)
公立小学校で20年以上、先生として子どもたちを指導し、教科書の執筆も担当しました。
現在はMOANAVIを運営し、子どもたちが「科学・言語・人間・創造」をテーマに学ぶ場をデザインしています。

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