横浜市フリースクール補助金はある?不登校支援の現状と学びの多様化学校との違いを解説

お子さんが学校に行けない状況に悩んでいる保護者の方へ。
横浜市では、不登校の子どもを支えるための教育相談や「ハートフル」事業などが行われています。しかし、学校外の学び場――フリースクールやオルタナティブスクールへの公的な支援はまだ十分とは言えません。

この記事では、横浜市でフリースクールを利用する子どもたちに補助金が必要な理由を解説し、学びの多様化の意義について考えます。


不登校の子どもたちが抱える課題

不登校の背景はさまざまです。

  • 学校での人間関係の悩み
  • 教師や学校に対する不信感
  • 学習へのつまずきや意欲の低下
  • 心身の不調

こうした状況の子どもたちは、「学校に行けないこと」そのものに苦しみを感じ、孤立感を深めてしまうことがあります。そのため、学校以外の学びの場を選べる環境が不可欠です。


学びの多様化学校とフリースクールの役割

学びの多様化学校とは?

「学びの多様化学校」は、文部科学省が進める不登校支援の一環で、公立学校の中に設置される新しい学びの場です。

  • 対象:不登校の子ども
  • 場所:既存の学校施設の一部や地域の拠点など
  • 内容:個別の学習支援・体験活動・社会とのつながりづくり
  • 目的:学校復帰を前提とせず、子どもが安心して学びを続けられる環境を保障

フリースクールとの違い

  • 学びの多様化学校:公的制度として設置。無料で利用可能。学校とのつながりが残る。
  • フリースクール:民間が運営。独自の教育方針で学びを提供。費用は自己負担。

👉 横浜市でも2025年度以降に段階的に導入予定とされ、不登校の子どもたちが選べる選択肢のひとつになります。

フリースクールの特徴

  • 自由なカリキュラム
  • 少人数制・個別対応
  • 学校復帰を支援する場合もあれば、居場所としての機能を重視する場合もある

オルタナティブスクールの特徴

  • 学びたいことを中心に据えた自由進度学習
  • 心のケアや体験活動を大切にする教育方針
  • 子どもの個性に合わせた柔軟な環境

これらは不登校の子どもにとって、安心して学び直せる場となっています。


横浜市の現状と課題

横浜市では「ハートフルスペース」や「校内ハートフル」など、学校内外での不登校支援が進んでいます。
しかし、フリースクールやオルタナティブスクールに通う場合の補助金制度は整っていません

結果として、経済的な理由で利用を諦めざるを得ない家庭もあり、学びの機会が不平等になっています。


他自治体の事例:鎌倉市の取り組み

近隣の鎌倉市では、不登校の子どもがフリースクールに通う際の学費を補助する制度があります。

  • 保護者の経済的負担を軽減
  • 子どもが自分に合った学びを選びやすくなる
  • 地域全体で子どもを支える意識が高まる

この事例は、横浜市においても導入を検討すべきモデルです。


フリースクールへの補助金が必要な理由

  • 経済的負担の軽減:家庭の経済状況に左右されず、誰でも学びの場を選べる
  • 学びの多様化の推進:子どもの個性に合った学びを保障
  • 教育機会均等の実現:不登校の子どもにも公平な選択肢を提供
  • 不登校支援の充実:フリースクールの教育環境改善につながる

まとめ|横浜市に求められる支援の拡充

横浜市では不登校支援が進んでいますが、フリースクールに通う子どもたちへの補助金制度はまだ整っていません。

学びの多様化を実現するためには、フリースクールへの補助金支給が不可欠です。
経済的な理由で学び直しの機会を失うことがないよう、横浜市においても制度の導入が求められます。


MOANAVIからのメッセージ

MOANAVIは、自由進度学習とSTEAM教育を組み合わせたオルタナティブスクールとして、子どもが安心して学び直せる環境を提供しています。
横浜市で学びの多様化が進む中、公的支援と民間の学び場が共に子どもを支えることが重要です。

記事を書いた人

西田 俊章(Nishida Toshiaki)

STEAM教育デザイナー / MOANAVIスクールディレクター

理科・STEAM教育の専門家として、20年以上にわたり子どもたちの学びに携わる。文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』の著者であり、TVやラジオで教育解説の経験ももつ。「体験×対話」の学びを大切にし、子どもたちが楽しく学べる環境を提供している。

📚 経歴・資格
✅ 文部科学省検定済教科書『みんなと学ぶ 小学校理科』著者
✅ 元公立小学校教員(教員歴20年)
✅ 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士(教育学)
✅ TVK『テレビでLet’s study』理科講師として出演
✅ Fm yokohama『Lovely Day』でSTEAM教育を解説


新着記事

干支・十二支とは?由来・時間・方角・桃太郎までわかる日本の知恵【小中学生向け】
干支・十二支の意味や由来を、小中学生にもわかりやすく解説。年を表すだけでなく、時間や方角を示していた理由、鬼門の考え方、桃太郎に登場する鬼や犬・猿・鳥との関係まで、日本文化と結びつけて学べる教材型読み物です。自由研究にもおすすめ。
平安時代|貴族のくらし・文学・信仰・戦いからわかる時代の流れ【小中学生向け】
平安時代は794年に始まり、1185年に終わった約400年続く時代です。藤原氏の摂関政治、貴族のくらし、源氏物語などの文学、仏教や浄土信仰、菅原道真の天神信仰、そして源平合戦までを、年号や人物を明記しながらやさしく解説。小学生・中学生の学習や自由研究、保護者の学び直しにも役立つ教材型読み物です。
奈良時代とは?天平文化・大仏・遣唐使・人々の暮らしがわかる完全ガイド【小中学生向け】
奈良時代とはどんな時代だったのでしょうか。本記事では、天平文化を中心に、奈良の大仏や国分寺、行基の活躍、遣唐使や鑑真による国際交流、土地制度(墾田永年私財法・荘園)、人々の暮らし、古事記・日本書紀・風土記・万葉集までを、つながりが分かるようにやさしく解説します。小学生・中学生の学習や自由研究、保護者の調べ学習にもおすすめの教材型読み物です。
飛鳥時代とは?国づくりの始まりと聖徳太子・大化の改新・法隆寺をわかりやすく解説【小中学生向け】
飛鳥時代とは、日本で本格的な国づくりが始まった時代です。本記事では、聖徳太子と推古天皇の政治、冠位十二階や十七条の憲法、小野妹子と遣隋使、大化の改新、中大兄皇子と中臣鎌足の改革をやさしく解説します。さらに、法隆寺の木造建築や釈迦三尊像などの国宝、仏教文化の広がりも紹介。小学生・中学生の学習や自由研究、保護者の学び直しにも役立つ教材型読み物です。
古墳時代とは何か|古墳・前方後円墳・はにわから分かる国のはじまり【小中学生向け】
古墳時代とはどんな時代?王や豪族の大きな古墳、前方後円墳の形のひみつ、はにわや副葬品から分かる人々のくらし、大和政権の広がりまでを小学生・中学生にも分かりやすく解説します。弥生時代から飛鳥時代へつながる流れも学べ、調べ学習や自由研究にもそのまま使える教材型読み物です。
タイトルとURLをコピーしました